21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

ミロシェビッチの死

2006年03月12日 06時51分11秒 | Weblog
旧ユーゴスラビア~セルビア・モンテネグロ問題まで、「黒幕」だったのか「生け贄」にされていたのか、真相がはっきりしないまま、ミロシェビッチ元大統領が国際法廷の拘置所の中で亡くなってしまった。日本国内にはすばらしいユーゴ研究家の方がいらっしゃるので、その人の意見も聞きたいものだ。

 ユーゴ紛争の火種はやはりチトーが仕掛けた一領具足制度の地雷だろう(大河ドラマ<山内一豊の妻>の最後の方にも土佐藩で同じ問題が出てくるはずーお楽しみに)

 そして市場経済導入の失敗がその起爆装置の感度を高めた。(基本的に東欧ではうまく行っているが、ロシアでは反動としてプーチン大統領が企業の国営化に逆戻りし始めている。中国/ベトナム/モンゴルでも資本主義の導入に失敗すれば、紛争が起こる可能性がある。何故か知らんが発展途上国では、国内に武器が溢れ過ぎている。)

 そこにクロアチア/スロベニアの独立が重なって、爆発したと言うわけだ。ここに不思議な点がある。ユーゴスラビアからクロアチア/スロベニアが独立したときの、ユーゴの大統領/副大統領がクロアチア人/スロベニア人だったと言う点だ。この二カ国の独立理由として、日本の新聞社は「中央政府の圧政」を上げたりするが、現実には「同民族がトップにいるのに、地元への利益誘導が少ない」みたいな感じの我侭な理由だったんじゃないかと思う。(小説家を書くなら「ユーゴ紛争はNATOが旧社会主義勢力を潰すために仕組んだ陰謀だった」みたいな感じが面白くなりそうだね。)国連事務総長が日本人でも、「国連嫌い」が進むかな?? 地元の自民党議員が総理大臣の時、「民主党に投票する人」はいても、「日本から独立したい人」はいないと思う。

 さらに、ユーゴ和平を焦る国連が「民主主義選挙」を早々と実施してしまったのが、問題解決の糸口を無くしてしまった。ちょっと想像してもらえれば分かるが、紛争直後では強気なことを言う民族主義者が選挙で勝ちやすいものだ(イラク国内と同じだね)。戦争で全てを失ったばかりの有権者としては、紛争中に生まれた多民族への恨みに突き動かされやすいし、強権的な事を言う人の方が「自分達を守ってくれる」と思いがちだ。まぁ、冷静に考える余裕が無いってのが最大の問題だ。ーそれらが「民族主義者」の台頭を許し、和平合意を困難にしたばかりでなく、民族浄化なんてモノの発生原因になった。。。。。

 ミロシェビッチ自身は、その総選挙に(紛争の激化を招くと言う理由で)反対していた。そして、戦後は国際法廷で、戦犯としての裁判を受けてる。彼は国連の失敗の生け贄とされたのか、、、それとも本当に戦争犯罪者だったのか、、、、、今となっては分からない。


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