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日本が金融引き締めに動く可能性?

2016年01月20日 11時24分56秒 | Weblog
失われた25年
 日本経済は停滞状態であり、デフレから抜け出せていない。
日本経済に、今求められるのは、大規模な金融緩和である。 資金の「供給量」にこだわるのではなく、資金の「流通量」を増やす金融緩和策が求められる。


 一方、日本政府が「金融引き締め」に動く可能性がある。
生鮮食料品が値上がりしており、その値上がりの戦犯として「日銀の金融緩和」が魔女狩りの対象になる可能性がある。 生鮮食料品が値上がりしている原因は、天候不順である。そして、天候不順に対応できない農協のマネージメント能力不足である。 TPPでは農産品の市場自由化が進まなかった。 農業分野では農協の影響力が維持されるだろう。 農協によって、生産技術革新が阻害され農産物価格は今後も不安定なままだろう。


 日本政府が「金融引き締め」に動く可能性として、安倍首相の言動に注目する必要がある。
年明け以来、安倍首相は「デフレの否定」を繰り返してきた。 全体的なインフレ率はマイナス圏にもかかわらず、「エネルギー価格を除く」「輸入物価を除く」と、価格下落が著しい対象物価のほとんどを除外することで、物価が「インフレ基調である」ことを強調している。 (価格が上がっているものだけを調査対象にしてインフレ率を測れば、インフレ率は当然プラス圏になる)
 デフレである物価を、インフレに見せることで「金融引き締め」への下地を作っているのではないだろうか?

 日本史を振り返れば、日本政府が間違った金融政策をとるケースが多いことが分かるはずだ。戦前の昭和恐慌、戦中の軍札増発、戦後のインフレ対策、バブル退治失敗、そして失われた25年

 歴史的に、日本政府は金融政策を間違えることがよくある。



 生鮮食料品の値上がりは、天候不順が原因だ。 しかし、生鮮食料品の値上がりを理由として、金融引き締め策がとられる可能性は十分に考えられる。
 統計調査対象に手を加えてまで、デフレ状態の物価を「インフレ基調」だと説明することが不可解だ。



 日本が金融引き締めに動けば、短期・長期金利が急上昇する可能性が高い。 それは、金融引き締めが「直接的」に金利を引き上げるためだ。 しかし、一部の「異次元緩和反対派」の主張では、金利の急上昇は「緩和政策の副作用」であり「引き締めが原因ではない」となるらしい。
 金融引き締めが進めば、金利が急上昇して、借り入れに頼る企業、特に不動産投資信託が大打撃を受けるだろう。 所有不動産が換金投げ売りに出されて、首都圏の不動産価格が暴落するはずだ。 外国為替市場でも円高が進み、輸出企業の収益は大幅に悪化するだろう。 しかし、金融「引締め派」は、金利上昇→不動産価格下落を「行き過ぎた金融緩和の副作用」「市場の自浄作用の一環」と考えているため、対策を取らない。  白川総裁時代の日本銀行を思い出してほしい。 「引締め派」にとって、金利急上昇・円高の急進行は金融政策で対応する問題とは認識されていない。  徹底的な資金供給を行い続ければ金利上昇は防げる。しかし、彼らが権力を握ることになれば、金利が急上昇しても資金供給が行われない可能性が高い。

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