21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

法的安定性の問題

2015年09月05日 19時23分47秒 | Weblog
まず、大きな問題として上げられるのが、現状の「衆議院」自体の違憲性だ。

選挙区ごとの「一票の格差」で、裁判所から「違憲状態」と警告されていたにもかかわらず、選挙区割りを改正することなく、解散総選挙を行った。 前回の衆議院選挙には、政治的な緊急性が全くなかった。 裁判所からの警告を無視したわけで、現状の衆議院が合憲なのか? 最高裁判所の判断を待つ必要がある。



そして、安保理関連法案には致命的な問題がある。 何と言っても、法律の目的が分からないし、意味が分からない。 多数の複雑な要件を混ぜ合わせたため、キメラ化して、目的が不明確な不可解な法律になった。 憲法が軍事力保持を禁止していて、文民統制の原則もあるが、これだけ意味不明な法律が通れば、拘束が効かなくなる。 
 法律文の内容が判読不明であれば、「法的安定性」は存在できない。
 法律自体が意味不明であれば、それを安定させられるわけがない。 法的安定性は関係ない、ってのが、賛成者側の本心だろう。 解釈が安定した法律を目指すのであれば、あんな法文にはならない。


安保理法制には、様々な思惑・目的が複雑に絡み合っている。
政府の思惑
自民党の思惑
公明党の思惑
外務省の思惑
自衛隊の思惑
米軍の思惑
米議会の思惑

法律自体は意味不明だ。どれだけ眺めても意味不明だ。
しかし、上記の思惑を個別に分析して行けば、「なぜ意味不明になってしまったのか?」は理解できると思う。

「和をもって貴しとなす」が、日本人の美徳の場合もある。しかし、政治が「妥協」に流れてしまってはいけない。 特に、太平洋戦争では、政治的妥協の産物として、日本は破滅した。

その大戦敗北から学び生まれたのが、平和憲法だ。
今年、政治的妥協の産物が、平和憲法の理念を犯すのであれば、いつか来た道をたどりなおすことになる。



最高裁判所の警告を無視して衆議院を解散して、違憲状態のまま総選挙を行った。
そこで選ばれた国会議員が、憲法の理念に反するかのような法律を成立させようとしている。

「憲法の番人」としての最高裁判所は、求められた際に、今回の法律に対してどのような判断を下すのだろうか?



参議院に関しては、最高裁判所から違憲状態だと警告を受けた後、牛歩のごとく選挙制度改革を進めている。 その努力を認めてもらえるのか? 一票の格差が解消しない状態では、参議院議員も合憲だと判断されない可能性がある。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。