21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

イランの甘え

2006年12月26日 06時54分52秒 | Weblog
 安全保障理事会の決議を無視する形になっているイラン政府はいったい何に甘えているのだろう。核攻撃でテヘランが消滅させられない可能性はどこにもない。安保理の場でこそロシアも中国も、アメリカの圧力からイランをかばうような形とっているが、実際にテヘランが消滅させられた時に、代理報復が出来るほどの軍事力はどちらも持ち合わせていない。国益を考えれば、アメリカへの代理報復等にてを出すはずもない。
 だからこそ、「自力報復」の力を手に入れる為に核開発をイランは進めているのかもしれない。しかし、無尽蔵の核兵器を持つアメリカへの対抗力を手に入れるまでにはまだ数十年はかかる。それまで、どうやって生き残って行くつもりなのだろう?
 「国際世論」「人道的配慮」や「倫理観」がテヘランへの攻撃を思いとどませる、と考えている人もいるかもしれない。しかし、それらは米国のイラク侵略を止められなかった。イラク戦争・ベトナム戦争から分かる事は、米軍の破壊力の凄まじさだ。確かに、両地域で米軍は「占領政策・統治」に失敗している。しかし、数万人の米軍兵士の犠牲に比べ、ベトナムでは1千万人近い現地住民が死亡した。イラクでは、米軍の犠牲者数は3千人に達しようといているが、イラク住民の死亡者数は既に100万人を超えているとも言われている。アメリカでは政治家は無能だが、米軍兵士は優秀だと言う事だと思う。とりあえず、米軍にとって、イランを占領する事は不可能に近いが、イランを完全な砂漠だけの国にしてしまうだけなら、簡単だと言う事だ。米軍の破壊力は凄まじい。
 産油設備の老朽化が進み原油価格が高止まりを続けている中、エネルギーを輸入せずに自立し続ける事の重要性は理解できる。そして、その為に原子力発電所が必要な事も。しかしイランには他にとれる選択肢があるはずだ。(日本企業に原発の建設を発注するとか)。。何をするにせよ、超大国であるアメリカに対立する選択は間違っている。特に、米国内犯罪発生率が高いうちは。彼らにとって、他人を従わせる為に力を使うことは当然の選択肢だ。
 イランの指導者の何人かは海外に留学し、先進国にある「自由の理想」の素晴らしさを学んだはずだ。しかし彼らは、その「自由」が適応されている範囲を学んではこなかったのかもしれない。

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