21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

卒業率51%???

2008年05月24日 11時11分45秒 | Weblog
 輸入原油への依存を減らそうと、バイト・エタノールの増産を提案してみれば、食糧価格の高騰を招いて批判を浴びるなど、不運な大統領。彼の政策で成功した例を聞いたことがありません。北朝鮮は核兵器を手に入れたし、中東和平も全く進んでいません。
 ここまで明確に、国力を減退させ、世界を不安定化させ、世界剤に不安を与えることができる人物は他にいないでしょう。

 さて、アメリカの高校の卒業率(入学者に対する卒業者の人数)が2006年の70%から2007年には51%に下がりました。全校統一試験を実施し、高校間に競争原理を持ち込んだのが原因です。「質の悪い高校を追い出す」名目で、全国試験の結果が悪かった高校への補助金を止めたり削減したりする結果、廃校になる高校が出てきています。制度上は、廃校になった高校に在籍していた生徒は、他校に転校できますが、諸問題で進んでいません。表向きの理由は、遠く高校に行く交通費の問題とか言われていますが、要は、生徒側の意欲の問題です。テストで良い点を取れず、結果自分たちの高校を廃校に追い込んでしまった生徒たちが、転校してまで勉強を続けたいと思うのか。疑問でしょう。多くの生徒は自分の高校が廃校になったきっかけに退学するものです。その結果、卒業率が著しく下がり51%になりました。


大問題です。しかもこの大問題。表面上は3年後に解決します。


なぜなら、高校が廃校になった地域に住む子供たちは高校に入学しなくなるから。2008年から分母となる入学者数が著しく減るために、2011年卒業から卒業率が回復します。
 結果として中卒の数が増え、経済の競争力が削がれ、犯罪率が上がるでしょう。アメリカは一体どういった対策を取るのでしょうか?


全国統一試験を導入して学校の実力を測る。一見、論理的に聞こえますが、空論です。統一試験の結果からわかるのは、「生徒の実力」です。「学校の実力」を知りたかったら、入学時点の生徒の成績と卒業時点での生徒の成績の変化の値を比べなければなりません。つまり、より生徒を伸ばした学校が「実力のある学校」なのです。

競争制度の導入で廃校に追い込まれている学校が立っているのは、いわゆる貧困地区です。親に子供の教育にかまっている暇もなければ、子供達も生活費を確保するのに追い込まれて勉強どころではありません。そう言う子供たちにこそ教育が必要なのに。高校を卒業して大学に進学し、専門知識を身につけることによってこそ、貧困から脱出できます。


 医学部に進学し医者になり高給を得ている人達は、自分たちが幸運だったことを知っています。入学試験と言うたった一つの関門を突破できただけで、多くの人よりよい生活をしているからです。そして、自分たちの子供にも同じような幸運をつかんでほしい、不幸になってほしくないと教育に大金をつぎ込みます。って医者になれば数千万円の年収が保障されていると知っている人にとって、子供の大学受験に数百万円かけることぐらい訳がない。例え、サラ金から借りたとしても、将来的に(医学部在籍中の6年間に利子がついても)絶対に返せるのだから。
 その一方で、教育のない人は、自分達と高給を得ている人達の間には絶対に越えられない壁があると思っていることがある。。。努力で越えられない壁なんてないのに。

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