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歌舞伎座の「与話情浮名横櫛」

2023-04-14 15:57:49 | 歌舞伎
4月13日(木)の夜に歌舞伎座で、「与話情浮名横櫛」と「連獅子」を見る。コロナ禍のため、歌舞伎座がずっと三部制になっていたので足が遠のいていたが、二部制に戻ったので、久々に見に行った。平日の夜だが、満席で人気があり、外人観光客も多かった。午後4時に始まり、20分と35分の休憩を挟み、終演は午後7時半ごろ。着物の御婦人も多い。

前半の「与話情浮名横櫛」は、木更津海岸見染め、赤間別荘、源氏店という簡略版での上演。フルの上演を見てみたいが、最近はほとんどかからない。今回は与三郎を仁左衛門、お富を玉三郎という豪華配役で、この二人が美男美女を演じる形。左団次は休演で代わって権十郎が演じていた。仁左衛門もかなりの年齢になったのか、病み上がりなのか、見れただけでも良かったが、台詞は少し弱々しかった。権十郎の多左衛門は、その点しっかりした台詞回しで好感が持てた。こうもり安の市蔵は演技は良いが台詞が聞き取りにくい問題がある。それでも、久々の「切られの与三」を堪能、だが、幕切れはちょっと間の抜けた印象。まだ長く続く芝居を途中でちょん切るのだから無理はあるだろうが、もう少しすっきりとした終わらせ方が良いのではないか。

食事休憩の後は、松緑親子による「連獅子」。途中で狂言風の漫才が入る1時間のフルバージョンで、長唄の演奏もよく楽しめる。松緑の息子の左近は、まだ若いだろうが、子獅子を懸命に踊り、体力がある分、サービスで力任せにたてがみを回し、喝采を受けていた。これはバレエで32回転をするグランフェッテみたいな見せ場だろうが、体力があるので、60回以上回した印象で、観客も大満足だった。

帰りはいつものスペインバルで、軽い食事。トルティージャ、ハモン、イワシのエスカベッシェ、ほうれん草とひよこ豆の煮込み、塩タラのローマ風フライなど。

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