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楽譜出版社リコルディの資料発掘コンサート

2017-09-16 13:28:37 | 音楽
9月15日の夜に、イタリア文化会館で、リコルディ社のアーカイヴ発掘コンサートが開催された。リコルディ社というのはイタリアの大手楽譜出版社で、主に19世紀のミラノ・スカラ座で上演されたオペラの出版で有名な会社。ベッリーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ、プッチーニなどの作品で有名で、当時はかなり儲けたようだ。その会社が持つ膨大な手書きの楽譜や、オペラの衣装デザイン画、写真などを管理しているのが、アーカイヴで、現在はドイツの会社が持っているとの説明があったが、イタリア政府も力を入れて、保存に努めているらしい。

膨大なコレクションの利用の利便性を図るために、今般全資料のディジタル化を完了したらしい。そうした作業の中で、新発見された楽譜などを紹介しようというのが、今回のコンサートの目的で、イタリア出身のピアニストで、現在はロンドンなどで活躍しているサンドロ・イーヴォ・バルトリがピアノを弾いた。

10曲程度の構成で、前半は今回のアーカイヴで新発見された曲の紹介、後半はバルトリ氏の得意なショパンとリストの曲の演奏といった感じ。前半ではヴェルディの旋律による変奏曲などがあり、リストの変奏曲などが披露された。知らない作曲家だが、ダマラーティの「日本の追憶」というのがあり、ヴァイオリンとピアノのための曲だが世界初演となっていた。聞いた感じでは日本というよりも中国の胡弓の旋律をヴァイオリンで模したような感じの曲だった。ヴァイオリンはカナダ出身のデブラ・ファスト。

続いてショパンの左手だけで弾く変奏曲があり、その後もショパンとリストの超絶技巧の曲が続いた。こうした超絶技巧の曲はCDで聴くとうまいなあと、思うだけだが、今回は小さな会場で、おまけに奏者から6~7mの距離で目にも止まらぬ速さで動く指を見ながら聞いたので、ちょっと感動した。

アーカイヴそのものはミラノのブレア絵画館にあるらしいが、今年の春に現地に行った時に図書館をちょっとだけ覗いたが、入りにくそうな感じだったので、中には入らずに帰ってきてしまったが、ずんずんと入って行ったら、コレクションを見れたのかも知れないと、残念に思った。

あまりの演奏の凄さに打ちのめされたが、腹も空いたので、帰りに焼鳥屋で5本セットを頼み、ビールと一緒に頂いた。

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