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今回もミュンヘン経由でイスタンブール入り。
しかし、この時間フライトはあまり好きじゃない。
というのもこのフライト、イスタンブールに到着してからの景色が全く楽しめないから。
ひたすら暗ーい道をアタチュルク空港からタクシム界隈までタクシーで行くことになる。
しかも気を抜いていると、暗いのをいいことに隙を見ては遠回りをしようとする
タクシー運転手を牽制しながらになるので、もういい加減疲れている身にとっては結構きつい道中なのだ。
中国ではマッサージがあるけれど、こちらはトルコ風呂。
むくつけき大男がバシンバシン、ガッシュガッシュとやってくれるので気持ちは
いいのだが、終わったあとが結構疲れる。
中華料理屋があるし、それなりに裏のところもあるので、中国風按摩はないものか?
懇意にしていた上海人のやっていた中華料理屋は武運つたなく撤退の
憂き目となってしまったので、そこそこのお店に行き、料理人に聞いてみる
ことにした。
取り急ぎ、可も不可もない焼きそばを頼み、現地ウエイターを横目に
カウンターから中を覗き込む。
「ニンハオ!」
「ニンハオ!」 うん、ちゃんと中国語で返事が返ってきたね。
「このあたりで、中国風按摩はありやなしや?」
「あるよー。」
「えっ?本当?どこどこ?」
「住所と電話番号を教えるよ。今日行くの?」
「ここでご飯食べたあとにね。」
「じゃあ、電話しておくよ。ママさんは○○って人だ。これが住所と番号。」
「ありがとう。助かるよ。いくら位?」
「話せるんでしょ?Chinese価格でお願いしとくよ。」
「多謝!」
もらった住所を頼りにトコトコ歩いていく。
住所が正しければ、全くの住宅街にある格好だ。
もうすでに暗くなっている街並みを歩いていく。
「うーん・・・、書いてもらった住所によるとこの建物のはずだけど・・・」
静かな住宅街に佇む建物は、到底マッサージ屋がある建物には見えない。
「電話するか・・・」
書いてもらった電話番号にかけてみると、
「メルハバ」 どうやらおばちゃんらしき女性が、
「ニンハオ、ここは按摩屋さんで間違いない?」
「あら、ニンハオ、そうですよ。ご予約?」
「いや、えーっと、今、どこそこの住所の建物前にいるんだけど。」
「そうですか。ちょっと待ってて、迎えに行きますから。」
やっぱりここでいいのかなあ・・・
「お待たせしましたー」のくだんの建物から女性がひとり。
「どうぞ、こちらです。」 案内されるまま建物の中へ。
確かに、階段を使ってたどり着いた先にはティピカルな中国式按摩屋さん
の佇まい。
「へええ。」
「今日、中華料理屋さんにいらっしゃった方ね?」
迎えに来てくれた女性はどうやらこの店の老板らしい。
「そう。連絡あった?」
「ええ、言葉大丈夫だから、VIP価格でってね。」
「よろしくお願いしまーす。」
部屋に通され、ウーロン茶が出てきた。 こころなしか香の臭いもする。
いやあ、まさかイスタンブールの街中でチャイナスタイルの按摩ができるとは・・・。
今日はあまり人がいないらしく、ママよりは少し若めのお嬢さんがご担当。
「イスタンブールは初めて?」
「いや、何回も来てるんだけど、ここは初めてさ。そういうママさんは長いの?」
「いつの間にか長くなっちゃったわねえ。」
「いろいろあったみたいだね?」
「ええ、まあいろいろねとね。」
「日本人も結構来るの?」
「ええ、いらっしゃるけど、知ってる人はそんなに多くないはずよ。」
「VIPクラブかい?」
「でもないけど、某自動車会社の偉いさんも来ていただいたわ。」
「そうなの。 知る人ぞ知るってやつだね。」
たっぷりと90分ほど、もみほぐしてもらい、もう一度お茶をもらって、建物を
後にする。
(確かに壁にあった料金表が正しいとするなら、ずいぶん安くしてもらったようだ。)
次回来る時にも、残っているといいなあ・・・・
ぼんやりと考えながら、月の明るい夜道をホテルまで。
疲れが一気に出たのか、シャワーも浴びずに沈没の夜。 極楽。
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