アーバンライフの愉しみ

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柿崎明二著「検証 安倍イズム」

2016年01月22日 | 読書三昧

共同通信の論説・編集委員の柿崎氏が、ネット上の公開情報を渉猟して、「思考と意思のかたち」としての安倍イズムとは何かをあぶり出した労作である。

2006年第1次安倍内閣の首相として表舞台に立った安倍は、「戦後レジームからの脱却」を掲げ、それをあまりにも声高かに叫んだ結果、内外から想定以上の反発を受けて求心力を失い、自身の健康上の問題も顕在化して挫折する。

その反省から、2012年に発足した第2次内閣ではこれを封印。「デフレからの脱却」という国民生活に密着した看板(アベノミクス)を掲げて経済再生に集中するかに見せつつ、実質は、歴史認識や安保・外交政策の「安倍的」見直しに邁進する。

そして、日本版NSCの設立、特定秘密保護法、武器輸出3原則とODA大綱の見直し、集団的自衛権の閣議決定と安保法の制定等、国民を国家に従属させる「新国家主義」を始動した。

重要なのは、この「新国家主義」が、小選挙区制という歪みを媒介に、選挙を経て合法的に手に入れた「権力」により行われていることである。

だからこそ、この夏の参院選を、権力を安倍の手から奪い取る一里塚としなければならない。

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