昨夜の帰宅時。
玄関を開けると、
私の足元から何かが飛び跳ねた。
虫だろう。
しかし、デカかった。
俊敏だが、どこか、たおやかな羽ばたき。
イナゴかバッタ?
いや、こんな柔らかな飛び方はしない。
さて、どこ行った?
と、
居間のガラス戸に飛んできたのが、
一匹のカマキリである。
茶色のオスだ。
外に逃がしてやろうとするのだが、
やたら元気だ。
子供の頃、
虫取りしてて、カマキリは良く捕まえていた。
が、
こんなに活発に動き回るといった記憶は無い。
簡単に背中を捕まえられた。
飛ぶ事も少ないし、
例え飛んだにしても、そんなに距離は飛ばない。
以外に夜行性なのだな。
ようやく隅っこに追い詰めた。
下手に掴まえて、弱らせてもいけない。
スリッパに上手く登らせた。
逃げないように、
そおっと、且つ、素早く外に出る。
スリッパを高く掲げると、
カマキリは勢い良く飛び立つ。
背中に隠していた、その薄羽を羽ばたかせ、
街灯に向かって揺ら揺らと飛び立つ姿は、
どこか幻想的である。
細長い身体が灯りに浮かび上がる。
薄羽の揺らめきがキラキラと光を反射させて、
まるで羽衣の様に妖艶だ。
天女が空に帰るが如きか・・・・・
いや、オスだった。