青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

クラプトン、ベック夢の共演 ~さいたまスーパーアリーナ 2月21日~

2009-02-22 | 素晴らしかった興行・イベント

エリック・クラプトンとジェフ・ベック。伝説的なギターリストであり、共にヤードバーズのメンバーだった2人が、昨夜2月21日土曜日、さいたまスーパーアリーナで、初の共同ヘッドライニングコンサートを開催しました。勿論2人がこれまでにも共演することは、何度もありましたが、2人でこのような本格的な共演を行う公演は、今回が世界初と言えます。

この日は約20,000人のファンが埼玉スーパーアリーナに集結。夕方5時からスタートしたコンサートで29曲の演奏の目撃者となりました。

2人のこれまでの共演を少し紹介しておきましょう。最初の共演は1981年の「シークレット・ポリスマン・コンサート」。このイベントで2人は"Crossroads," "Further On Up The Road," "Cause We've Ended As Lovers"の3曲を演奏、ファイナルでは出演者全員で"I Shall Be Released"を演奏しました。そして1983年にはロンドンにおいて、ジミー・ペイジも参加した「ロニー・レインARMSコンサートで」再び共演。この時はファイナルで3大ギターリストが「Layla」を演奏。(ドラムはチャーリー・ワッツ)そして2004年ダラスの「クロスロード・ギター・フェスティバル」でも共演。2007年には、ベックが彼のバンドと共に「クロスロード・ギター・フェスティバル」に共演ではなく参加もしました。このお返しとしてか、クラプトンは同年11月、ロンドンでのベックのコンサートに飛び入り参加しています。

コンサートは午後5時スタート。公演は3部構成で、第1部がベック、第2部がクラプトン、2人が共演するハイライトは第3部に行われました。まず登場したのがベック・白のノースリーブでピックを使わない演奏は、彼のソロ・コンサートと同じ。すっかり認知度が上がったタル嬢の人気は益々沸騰していました。(笑)横浜で見せた二人羽織みたいにベースを2人で共有して、ベックとタル嬢が演奏するというシーンも見ることが出来ました。ところがこの第1部で「Cause We've Ended As Lovers」が何と3曲目に早々と演奏された為に、シークレットマン・ポリスの再現を期待していた夢が潰れ、この時点で1つ頭の中に「?」が点滅しました。しかし「A Day In The Life」は何度聴いても心地良い。アンコール1曲を含め、1時間弱で第1部は終了。ベックのコンサートと変わらぬパフォーマンスの高い演奏を披露しました。

ちょっと長いかな?と感じましたが、20分強のステージチェンジ。この間トイレはおじさん達で超満員。年齢層の高い男性ファン比率が高いのが、この日の特徴ですね。(予想通りというか、そういう人でないと楽しめないと思います。)

そして第2部。クラプトンはアコースティック・ギターを手に持ち、白シャツにジーンズで登場。ベックとは対称的な静かなスタートを切りました。しかし2曲目で場内がざわめいた。何と「レイラ」を演奏したのです。アンプラグド・バージョンで!すると・・・ベックとの「レイラ」バトルは無いのか!頭の中でまたも「?」が・・・。というより赤信号の点滅です。ギターを持ちかえ、最近では聴きなれた無難な曲を演奏。初めて生で見るクラプトンが、今回の来日のクラプトンであるファンは可哀想!何とこの日は「I Shot The Sheriff」も「Wonderful Tonight」も無し!それは無いだろうと思ったファンは、正直多いと思います。「Cocaine~Crossroads」で第2部は7時半頃終了。あまり知識のない女性ファンは、納得がいかない様子。クラプトンが"See you in a minute."と一度ステージから降り、第2部アンコールはなし。

5分ほどして、遂にクラプトンとベックが揃ってステージに登場。2万人のファンは総立ちで大興奮。ここから第3部。ベックのシャツは白から黒にチェンジ。首には赤いバンダナも見える。しかしここで、この日最後の「?」が頭の中に。そしてそれは失望という気持ちになった。第3部はクラプトンのツアーメンバーにベックが参加しただけというもの。タル嬢の登場も無し!マディ・ウォーターズの「You Need Love」「Brown Bird」やクリームの「Outside Woman Blues」など6曲で卓越したテクニックを披露し、アンコールはスライ・アンド・ザ・ファミリーストーンの「Want To Take You Higher」。最後は2人で握手と抱擁でお互いをたたえ合った。しかし淡々と7曲を演奏し、その間2人の会話を聞くことはなし。2本のストラトが語り合うと言えば格好いいかも知れないが、ショーとしてはどうなんだと。周囲からは「この曲は何?」「知ってる?」「知らない」という声が第三部の間ずっと聞こえて来ました。

しかもクラプトンはベックに、正直食われてしまっていました。クラプトンがベックに引っ張られて演奏するという雰囲気。2人を比べれば、ベックがとても楽しそうに弾いていたのが印象的でした。クラプトン・バンドのもう一人のギターリストのドイル・ブラムホールは、この日少し可哀想。悪いギターリストとは言いませんが、彼以外のギターがクラプトンとベックだけとは・・・。何と不幸な・・・。しかも最後はリード・ボーカルまでさせられて。

共演が終わってステージを去る時、ベックは子供のような笑顔をしていた。8時少し過ぎにコンサートは終了。第3部の共演時間は30分ほど。それなりにクラプトンやベックのファンを自認しているファンや、ギター少年だったりバンド活動をされていた(いる)ファンには、このコンサートを堪能したという人も多いでしょうが、一般的なファンを無視したような内容のコンサートでした。ベックの第1部のような選曲をクラプトンにもして欲しかった。昨日演奏された曲を全て知っている人が、一体どれほどいたというのでしょう。チケット代S席17,000円は高過ぎだと思います。ファンも、もっとあの曲もこの曲も聴きたかったという不満が、かなりあったと思います。

蛇足ながらコンサートのパンフ。クラプトンとベックのそれぞれのツアー・パンフをセットにしただけのもの。湯のみまで作っておいて、それはないでしょう?ウドーさん。

Feb.21 Set List:

01. The Pump (Jeff Beck)
02. You Never Know (Jeff Beck)
03. Cause We've Ended As Lovers (Jeff Beck)
04. Stratus (Jeff Beck)
05. Angel (Jeff Beck)
06. Led Boots (Jeff Beck)
07. Goodbye Pork Pie Hat - Brush WIth The Blues (Jeff Beck)
08. Solo instrumental by Jeff Beck with Tal Wilkenfeld
09. Blue Wind (Jeff Beck)
10. A Day In The Life (Jeff Beck)
11. Where Were You (Jeff Beck)
12. Big Block (Jeff Beck)
13. Peter Gunn Theme (Jeff Beck)
14. Driftin' (EC - solo acoustic)
15. Layla - unplugged version (EC)
16. Motherless Child (EC)
17. Running On Faith (EC)
18. Tell The Truth (EC)
19. Little Queen Of Spades (EC)
20. Before You Accuse Me (EC)
21. Cocaine (EC)
22. Crossroads (EC)
23. You Need Love (EC and Jeff Beck)
24. Listen Here - Compared To What (EC and Jeff Beck)
25. Here But I'm Gone (EC and Jeff Beck)
26. Outside Woman Blues (EC and Jeff Beck)
27. Brown Bird (EC and Jeff Beck)
28. Wee Wee Baby (EC and Jeff Beck)
29. Want To Take You Higher (EC and Jeff Beck)


Feb.22 Set List:

01. The Pump (Jeff Beck)
02. You Never Know (Jeff Beck)
03. Cause We've Ended As Lovers (Jeff Beck)
04. Stratus (Jeff Beck)
05. Angel (Jeff Beck)
06. Led Boots (Jeff Beck)
07. Goodbye Pork Pie Hat - Brush With The Blues (Jeff Beck)
08. Solo instrumental by Tal Wilkenfeld with Jeff Beck
09. A Day In The Life (Jeff Beck)
10. Big Block (Jeff Beck)
11. Where Were You (Jeff Beck)
12. Peter Gunn Theme (Jeff Beck)
13. Driftin' (EC - solo acoustic blues)
14. Layla - "Unplugged Version" (EC)
15. Motherless Child (EC)
16. Running On Faith (EC)
17. Tell The Truth (EC)
18. Key To The Highway (EC)
19. I Shot The Sheriff (EC)
20. Wonderful Tonight (EC)
21. Cocaine (EC)
22. Crossroads (EC)
23. You Need Love (EC & Jeff Beck)
24. Listen Here - Compared To What (EC & Jeff Beck)
25. Here But I'm Gone (EC & Jeff Beck)
26. Outside Woman Blues (EC & Jeff Beck)
27. Brown Bird (EC & Jeff Beck)
28. Wee Wee Baby (EC & Jeff Beck)
29. Want To Take You Higher (EC & Jeff Beck)



最新の画像もっと見る