青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

18番まである34分の「大阪で生まれた女」

2021-12-26 | 青春の音盤

「大阪で生まれた女」・・・1979年にリリースされたBORO(ボロ)の大ヒット曲です。最近では話題になっていないようなので、若い人は知らないかも知れませんが、アラカン以上の方にはお馴染みの歌です。

この歌、実は「18番まである34分の超大作」です!

結構そのことを知らない人が多いのですが、僕もこのロング・バージョンを知ったのは、1992年に発売されたCDを聴いたからです。それが「大阪で生まれた女18」。18の意味は18番まであるから。

大ヒットした79年のシングル盤は、原曲の4番、6番、16番の一部の歌詞を使って、夢を追い続けた男を追って、大阪で生まれた女が上京し、別れたことが描かれていますが、フル・バージョンでは男と女が高校生の時に出会い、夢を追い上京する男と一緒に東京で愛し合った日々を綴り、女が別れを選んで大阪に戻ることまでが描かれています。そして、2人がそれぞれ違う伴侶を得たことまでも。

懐かしさを感じた方のために、歌詞を掲載しておきますが、「ディスコ」等、当時の世相を感じる言葉が散りばめられています。

 

放課後のグランドで
待ち合わせて帰る
二人を西陽がつつんでいる
生徒手帳の中の写真が
愛を教えていた
大阪の風をうけて歩いた
まだなにも知らなかった
大阪は二人にとって大きすぎて
怯えるようにながめていた
放課後のグランドで
待ち合わせて帰る
風にほこりが笑ってた


ある日母が眠った朝
ただとまどっていた二人
すべてがその日から
変わりはじめ
男は夢にむかいはじめた
大阪の街を二人で歩き
少し大人を演じていた
大阪の街は二人を見ていた
小さな恋人達を見ていた
ある日母が眠った朝
小さな男が歩き出した


卒業をむかえた3月のある日
二人はもっと愛しはじめ
この愛のくずれる
ことだけがとても怖かった
大阪でぎこちなく生きていても
夢を見れないと思ってた
大阪を出ることで
それに変わる
夢を手にいれようと思った
卒業をむかえた3月のある日
愛はより深くなった


踊り疲れたディスコの帰り
これで青春も終わりかなと
つぶやいて
あなたの肩をながめながら
やせたなと思ったら
泣けてきた
大阪で生まれた女やさかい
大阪の街よう捨てん
大阪で生まれた女やさかい
東京へはようついていかん
踊り疲れたディスコの帰り
電信柱にしみついた夜


男は夢に立ちむかうけれど
女はまもるものがある
男は壁をのりこえるけれど
女は愛をさがした
大阪で生まれた女やさかい
この街をまもりたい
大阪で生まれた女やさかい
この街で何かをさがしてた
男は夢に立ちむかうけれど
女はまもる愛をみた


たどり着いたら一人の部屋
裸電球をつけたけど又消して
あなたの顔を思い出しながら
終わりかなと思ったら泣けてきた
大阪で生まれた女やけど
大阪の街を出よう
大阪で生まれた女やけど
あなたについて行こうと決めた
たどり着いたら一人の部屋
青春に心をふるわせた部屋


ひかり32号に乗って東京へと
涙がとめどなく流れつづけた
街をすてることの涙と
止める言葉をふりきる涙
大阪の街をふりかえると
そこにも夢はあった
大阪の街をふりかえると
そこにも愛は確かにあった
ひかり32号に乗って東京へと
二人きりの夢を持って


立教大学の近くの小さな部屋
それが二人の愛のかたまり
夢を追いつづける二人は
現実のすべてを見た
大阪で生まれた女やさかい
負けられへんと思った
大阪で生まれた女やさかい
がんばらなあかんと言いつづけた
立教大学の近くの小さな部屋
何もないけど輝いていた


学生達でにぎわうこの街に
似合いもしない二人のくらし
求人広告を目でおいながら
なんとかなるよとつぶやいた
大阪で生まれた女やもん
夢をもたんとよう生きていかん
大阪で生まれた女やもん
負けられへんそれが口ぐせ
学生達でにぎわうこの街に
今夜小雨の空の色


今日
西口のロータリーでのもめごと
警官が学生を追いかけてた
生きることに必死の二人には
馬鹿げたことだと思えた
大阪で生まれた女にとって
夕焼け色のビルは喜び
大阪で生まれた女にとって
明日を感じる何かがほしい
今日
西口ロータリーでのもめごと
テールランプに揺れる人影


あつい日々を生きてた二人
夢は現実にくずれ去ろうとする
苦しみの中で二人の愛だけが
ただ一つの本当のこと
大阪で生まれた女にとって
喜びはどこにあるのだろう
大阪で生まれた女にとって
悲しみはどこにあるのだろう
あつい日々を生きてた二人
愛しか信じるものはなかった


ゆうべ二人の部屋に届いた手紙
つらいメッセージだった
そんな暮らしをはやくやめて
大阪へ帰れと言っている
大阪から飛び出した若い二人は
とまどうばかりだった
大阪から飛び出した若い二人は
この街で怯えていた
ゆうべ届いた手紙に
目をふさぐ二人がいた


なすすべもなく眠る人よ
あなたの夢は終りじゃない
現実にくずれ去ることよりも
現実を生きてほしい
大阪で生まれた女が今日
東京を一人出て行く
大阪で生まれた女が今日
生まれた街へと帰って行く
なすすべもなく眠る人よ
自分をこわさないでほしい


扉をあける扉をしめる
きしむような音がする
心に扉があったら
二人の扉に鍵がかけられた
大阪からの手紙はやがて
色あせた悲しみに変わり
大阪からの手紙はそして
色あせた人生の事実となった
二人には好きな人が出来
やがて大人の扉をあけた


やがて愛する子供が出来
あの青春を思い出す
やがて愛する子供が出来ても
あの日々は消えない
大阪はめまぐるしく変わって行く
時代を創る人達の手で
大阪を変えて行く時代の中で
あなたのうわさを聞くことがある
ここで愛する子供が遊んでいる
あの日の思い出にありがとう


最後の手紙
夢をつかんだ人へ
すばらしい人生を創る人よ
あなたがくれた日々に乾杯
大阪は今日もあの日のまま
あなたの青春が残っている
大阪は今日も活気にあふれ
又どこからか人が来る
最後の手紙
夢をつかんだ人へおめでとう
大阪で生まれた女より
大阪で生まれた女より


すべてをつつむ力があれば
愛は終わらない
たとえばあの陽のように
すべてをつつめば
そこに街があり人が住む
そこに川が流れ鳥が舞う
そこに小さなアパートがあり
そこに永久の愛があるかも知れない
でもそれを
大人達は知らない


青春は何かをつかもうとする時
ゆがんだ正義をつかまされもする
それを否定することは出来ない
たとえ小さな過ちでさえも
それは小さな二人の
愛のせいではなく
青春そのものが
ゆれ動く時代

 

後年実は更に19番から21番までの歌詞も作られています。

 

喧騒で騒がしい上六あたりを
娘の家族と歩いてた
このこがまだ若い頃に
夢を語って歩いた道
大阪で生まれた女やさかい
庶民の夢は可愛いもんやね
大阪で生まれた女やさかい
この街の名前を抱きしめてきた
おんなじ夢を持つ娘と
今日は並んで歩いた


悲しみをのりこえるのは
笑うことやね
そやからうちらはよう笑うたね
あの人が逝かはってから
私もだいぶ無口になったね
大阪で生まれた女やさかい
笑う事は得意やもんやね
大阪で生まれた家族やから
しっかり手を繋いでいくんやで
悲しみはいつも台所の
笑いの鍋で煮込んだね


古い話を聞かせてかんにん
あんたらは私の誇りやからね
私の肩を叩いてくれる
小さなゲンコツも誇りやで
大阪で生まれた女やさかい
自分は歳とらんと思い込んでる
はしゃぐあんたらと
何もかわらへん
それが大阪で生まれた女

 



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