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カトリック雪ノ下教会(教会堂名:絶えざる御助けの聖母)
創立:1949年 ◇ 住所:神奈川県鎌倉市小町2-14-4
創立:1949年 ◇ 住所:神奈川県鎌倉市小町2-14-4
JR横須賀線の鎌倉駅で降りる。私は鎌倉散策が好きで、以前は古寺巡礼や文学散歩などでよく訪れていたが、今回は教会巡りという新たな目的が加わった。駅の東口を出ると、鎌倉のメイン・ストリートとも言うべき若宮大路に突き当たる。参道の左右に段葛(だんかずら)という名の低い土手が続くが、これは源頼朝が夫人政子の安産を願って築いたもの。その結果、後継ぎの長男・頼家が生まれたが、頼朝亡き後は権力争いの犠牲となって謀殺された。
雪ノ下教会は、この若宮大路に面している。教会の周辺は、執権北条氏が開いた宇津宮辻子(うつのみやずし)幕府があったところ。聖母子のモザイク画を戴くモダンな聖堂は、北条氏の夢の跡で異彩を放っている。ところで、この聖堂が建てられたとき、鎌倉在住の作家・大佛次郎(おさらぎ・じろう)は、「古都のイメージを壊すもの」と批判していた。私にとっては、「鞍馬天狗の作者」のイメージを壊す残念な一面である。その大佛邸も雪ノ下界隈にあった。
鎌倉には戦前からの古い由比ガ浜教会がある。雪ノ下教会は戦後の創立で、修道院から始まった。「絶えざる御助けの聖母」を敬うレデンプトール修道会が宣教に当たったので、前述のモザイク画もその図柄となっている。聖堂内は古都にふさわしい静ひつの空間が保たれていた。さて、私は再び鎌倉駅へ戻り、欧州のトラム(路面電車)を思わせる江ノ電に乗った。一日乗車券の「のりおりくん」とともに、次は詩人・中原中也ゆかりの由比ガ浜教会を訪ねよう。
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現聖堂献堂:1958年
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カトリック雪ノ下教会の聖家族像
◆主な参考文献など:
「横浜教区設立50周年記念誌」 横浜教区設立50周年記念誌編集委員会編(カトリック横浜司教区・1988年)
「鎌倉歴史散策」 安田三郎・永井路子ほか共著(保育社・1976年)