三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

神愛教会(日本聖公会)

2014年01月14日 | 聖公会の教会
日本聖公会 神愛教会
(住所:東京都荒川区東日暮里5-18-8)

1月12日(日)、神愛教会(日本聖公会)で主イエス洗礼の日(顕現後第1主日)の聖餐式に参列した。JR山手線の日暮里(にっぽり)駅で下車。神愛教会の沿革をおさらいするに当たり、『東京教区90年のあゆみ』から引用してみよう。「1906年、下谷万年町の『いろは長屋』で後藤粂吉師が教会と幼稚園を始めました。神愛教会が100年前、貧しい人々の中で誕生したことを私たちは誇りに思います」。神愛教会に到着。モダンな聖堂の上の十字架がお出迎え。

聖堂内はカテドラルの小聖堂サイズだが、会衆席は主の食卓を囲むような配置である。午前10時30分、司祭と奉仕者が入堂。福音朗読は、イエスの洗礼の場面(マタイ3・13-17)。李民洙(イ・ミンス)司祭は「洗礼で救われた私たちは、神の国の宣教の働き手でもあります。その神の声を受け止める個々人の信仰的感性が問われています」と話された。この日の会衆は18人。家庭的な雰囲気が漂う教会だ。礼拝後の愛餐会は豚汁らしく、その香ばしい匂いも漂ってきた。

礼拝後、日暮里駅の西口から谷中(やなか)の瑞輪寺(日蓮宗)に寄った(「異教」の寺院を拝観するのは、我ながら無節操と思うが)。この辺りは寺町で、様々な宗派の寺院が密集している。今回、瑞輪寺を訪ねたのは、ここに遠藤周作氏の小説『沈黙』に登場した“転び伴天連”のフェレイラ神父(注)の墓があるからだ。結局、林立する墓石群から、それを発見することはできなかったが、「キチジロー」そのものの私は、今後も「フェレイラの影」を追い続けるかもしれない。


聖堂内観(1998年竣工)


日蓮宗本山 瑞輪寺 本堂
(住所:東京都台東区谷中4-2-5)

(注):クリストファン・フェレイラ神父(1580-1650年)。ポルトガル出身のイエズス会宣教師。江戸幕府の禁教令下、長崎潜伏中に捕縛され、穴吊りの拷問で棄教。その後、沢野忠庵と名乗り、長崎奉行所の通詞を勤めたという。フェレイラの墓は長崎から品川を経て、1941年に瑞輪寺へ移葬された。

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:119「ほめたたえよ」、続唱聖歌:441「み言(ことば)は人となり」、奉献聖歌:112「博士ら星に」、陪餐聖歌:108「闇のとばり」、退堂聖歌:117「ヨルダン川で」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「東京教区90年のあゆみ」 2013フェスティバル実行委員会編(日本聖公会東京教区・2013年)
・「東京周辺キリシタン遺跡巡り」 高木一雄著(聖母の騎士社・1997年)
・「沈黙」 遠藤周作著(新潮文庫・1981年)
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