三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック松原教会

2011年07月17日 | 東京のカトリック教会
カトリック松原教会(教会堂名:聖母の汚れなきみ心)
創立:1965年 ◇ 住所:東京都世田谷区松原2-28-5

京王線の明大前駅で降りる。ここは京王井の頭線と交差しており、また駅名の由来となった明治大学和泉キャンパスがある。松原教会は学生街とは反対方向の、閑静な住宅街の中にある。一見すると、小さな会社の事務所棟のようであるが、この教会の「母体である淳心会(スクート会)は、1862年にテオフィル・ヴェルビスト神父によって、ベルギーの首都ブリュッセル郊外のスクート村で創立され、日本では1948年から宣教活動をしています」(松原教会サイト)。

ベルギーと言えば、幼い頃に見たテレビまんが「フランダースの犬」を思い出す。少年ネロと老犬パトラッシュの悲しい物語について、多言は要しないだろう。当時、「なぜ神さまは、こんな酷い仕打ちをするのかな?」と考えていた。それでも、私は「フランダースの犬」の絵本と主題歌レコードが欲しくてたまらず、母にせがんで買ってもらったほど、この物語の世界に魅せられた。その舞台となったのが、ベルギー王国の州都アントワープと、その近郊の田園地帯である。

この番組のスポンサーだったカルピスの会長は、敬虔なクリスチャンであった。その強い意向により、「フランダースの犬」の放映が決定されたうえ、「ネロとパトラッシュが昇天するラスト」まで指定(!)。そして、アントワープ大聖堂の「ルーベンスの2枚の絵(注)」との関連。 テレビを通して、イエスの福音を伝えていたように思う。だが、私は「こんな酷い仕打ち」の意味に気づくまで、かなりの時間を浪費した。「コゼツのだんな」でさえ、最後は悔い改めたというのに。


現聖堂献堂:1965年
<教会の敷地内には「オリエンス宗教研究所」の建物がある>

(注):バロック時代の画家ルーベンス(1577-1640年)が描いた「キリスト昇架」と「キリスト降架」の2枚。

◆主な参考文献など:
「フランダースの犬」 ウィーダ著、村岡花子訳(新潮文庫・1954年)
「別冊宝島 私たちの好きなフランダースの犬」 (宝島社・2003年)
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