【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「バンク・ジョブ」:小松川警察署前バス停付近の会話

2008-11-26 | ★錦25系統(葛西駅~錦糸町駅)

ずいぶん、威風堂々とした警察署だな。
ここの警察なら、どんな難事件も解決しちゃいそうね。
いや、いや、世の中には不可解な事件もいっぱいあるからな。
例えばイギリス映画の「バンク・ジョブ」みたいな?
そう、そう。金がほしくて銀行の貸し金庫を襲ったら、その中にたまたま政財界の重鎮たちのあーんなものやこーんなものがごちゃまんと入っていて、一大スキャンダルに発展しちゃう。
貸し金庫っていうのがミソよね。人前にはさらせないようなものをしまっておくのが貸し金庫だから、単純に警察に被害届けを出すわけにはいかない。非合法に取り戻そうとする。
しかもその中には、なんと、英国王室を揺るがすような衝撃的な写真まで入っていた。
で、このコソ泥集団は、表社会からも裏社会からも狙われ、とんでもない立場に陥ってしまう。
さあ、そこをどう切り抜けるか。久々に胸のすくクライム・アクションの登場だ。
こういうシチュエーションを考えついた、企画の勝利よね。
いや、考えついたんじゃなくて、本当にあった事件だ。
うそ!
1971年のイギリスで実際に起きた王室スキャンダルに関わる銀行強盗事件をそのまま映画化したんだから。
ひえー。それにしては面白すぎ。事実は小説より面白い!
でも、映画は事実と同じくらいおもしろい。
ロジャー・ドナルドソン監督がシャープな演出で、きびきびと展開していくから、なおのこと、ドキドキ、ワクワクする。
ブルース・ウィルスばりのハゲた主人公がまたいい。
こういう役はやっぱり、ハゲで中年じゃなきゃ滋味が出ないわよね。
シャーロット・ランプリングを二流にしたような訳あり女優も出てきて、適当に色恋話も入れているんだけど、それで話が停滞することもない。
最後まで疾風怒涛のごとく見せきってしまう。
しかも、神聖な王室のスキャンダルを映画化するなんて、日本じゃ考えられない大胆な試み。
そのせいで、30年以上も経ってからの映画化になったのかしら。
その土曜日、7時58分」を観たときも思ったんだけど、どうしてこういう万人が観ておもしろい映画が東京ではミニシアター1館でしか上映されなくなっちゃったんだろうな。
こういう映画を楽しむ、おとなの観客がいなくなったってことなんじゃないの。
かといって、テレビの放映を待っても、テレビ東京の木曜日9時の枠でひっそりと放送されたりするんだろうからなあ。寂しいねえ。
タイトルは「バンク・ジョブ」、映画は「グッド・ジョブ」だったのにね。
おっしゃるとおり。




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6 コメント

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こんばんは★ (dai)
2008-11-29 01:27:54
本当に日本では考えられない映画ですよねw

>「その土曜日、7時58分」を観たときも思ったんだけど、どうしてこういう万人が観ておもしろい映画が東京ではミニシアター1館でしか上映されなくなっちゃったんだろうな。

くだらない大作よりも、もっとこういう映画こそ大々的に放映されるべきですよね!!!
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■daiさんへ (ジョー)
2008-11-29 08:49:17
シネコンで上映されても他の映画と遜色ない映画だと思うんですが、ひいきの引き倒しでしょうかねえ。
ところでdaiさんのブログにアクセスしようとするとどういうわけかいつも失敗してしまいます。
いつもTBしていただくのに申し訳ありませんが
これからもよろしくお願いします。
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グッジョブ! (くまんちゅう)
2008-12-04 01:24:52
強盗団も映画制作もいい仕事しましたね
これが事実だったってのも驚きです
英国の王室は昔からドロドロなんですね
今もそうかも知れないですし
映画の題材には事欠かないですかねぁ?
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明けましておめでとうございます (michi)
2009-01-02 10:19:44
ご無沙汰しておりました。
本作品、実話というのが信じられないくらい
ドラマティックな展開でした。

>日本じゃ考えられない大胆な試み。

ですね!
ユーモアを理解してるというか、寛大というか 笑。
まだ残りの機密事項が知りたくて仕方ないです。
2054年まで待てない。。。

今年も1本でも多くの素敵な映画に出会いたいですね♪
今後ともよろしくお願いいたします。
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■くまんちゅうさんへ (ジョー)
2009-01-03 17:58:55
事実は映画より奇なりってところですかね。でも、その事実をこれだけおもしろい映画にしたのは、やっぱり製作者の才能ですよね。
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■michiさんへ (ジョー)
2009-01-03 18:02:29
まったく本人たちは真剣なほど第3者にはユーモアに見えてしまいますよね。
まだまだ題材にはこと欠かないようですから、
ぜひこういう映画をもっと作ってほしいですね。
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