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後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔628〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑰ フライジングでヴェニガー夫妻の懇切丁寧な解説に圧倒されました。

2023年10月26日 | 自己紹介
 9月10日(日)、フィラッハから南ドイツのランツフートまで約5時間の長旅ですが、まったく苦痛に感じません。人に迷惑がかからないようにトランクさえ安全な場所に運び入れれば余裕のよっちゃんです。万が一座れなくても平気の平左。20回近いドイツ旅行に我らは鍛えられました。
 50日間のドイツ・ヨーロッパ旅行も最終盤に差し掛かりました。残すところあと1週間、ランツフート3泊、バーデン・バーデン2泊、フランクフルト2泊です。

 ランツフート初日に、バイエルン国立博物館のヴェニガー博士ご夫妻が時間を作って会ってくださいました。待ち合わせの場所はフライジング駅。徒歩でフライジング大聖堂に向かいます。現在所々修復中で、逆に興味津々です。



 マティアス・ヴェニガーさんは美術全般のエキスパート、お連れ合いのルースさんは美術館や学校などで文化活動をサポートする仕事のようです。我々が興味を持った美術品に出合うと、わかりやすいドイツ語でルースさんが解説し始め、途中からマティアスさんが割って入ります。ドイツ語は緑もわからないことがかなりあるというのですが、しかしながら強い熱意と好意を感じます。
 大聖堂では特別に内陣に入る許可を取ってくれていました。ありがたいことでした。






*エラスムス・グラッサー作

 フライジング博物館は彼らの顔パスで無料でした。昨年は開館記念ということで、来場者でごった返していたのですが、この日の入場者はほんのわずかで、ゆっくり彼らの解説を聞きながら回ることができました。
 お茶をしながらいろいろ質問をしました。ハンス・ムルチャーとミヒェル・エーアハルトのカタログが欲しいのだが、いい本はないか尋ねると、小さな自転車で、なんと家まで行って重たい3冊を持ってきてくれました。実物を見た方がわかりやすいと思ったので、ということでした。
 ネットでいつも見ていた大部な本でした。良い本でした。シルヴィアの力を借りてなんとか手に入れるつもりです。

〔627〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑯ マリア・ガイル祭壇を追いかけてついにフィラッハまで来てしまいました。

2023年10月26日 | 美術館・博物館鑑賞
 9月8日(金)、インスブルックからは4時間22分、オーストリアの南端、フィラッハまで来てしまいました。イタリアやスロヴェニアに近い交通の要衝です。
 モワサックの写真集と同様に、植田重雄さんが遺されたドイツ語文献・後期ゴシック彫刻の本の表紙はフィラッハのマリア・ガイル祭壇で飾られていました。綺麗で整ったマリアの戴冠祭壇でした。遠いということもあって、あまり無理しなくても良いかなと思っていたのですが、緑がさっさと予定に入れてしまいました。
 フィラッハには2泊の予定です。1日目は市の中央に繰り出して、フィラッハ博物館や道行きの教会を訪ねました。





 フィラッハ博物館は小さな市立博物館でした。展示物もそれほど多くはないのですが、なぜかマリア・ガイル祭壇のプレデラが展示されていました。どんな事情があったのでしょうか。
 9月9日(土)、バスでマリア・ガイルを訪ねました。バス停と発車時間の確認に手間取りました。初めての土地なので、いつものことですがね。
 バス停からさらに十数分のところにマリア・ガイルの教会がありました。





 素晴らしい祭壇でした。手入れの行き届いた綺麗な教会で、写真で見るより遙かに美しい祭壇がそこにありました。まあ、それにしても植田さんに導かれてオーストリアの果てまで来てしまったなあと、思うのでした。


*ホテルの前に大きなバイクが何台も止まっていました。フィラッハはバイク愛好家の街でした。

 明日はドイツのランツフートです。

〔626〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑮  シュテアツィング(伊)は昨年のリベンジ、おそらくハンス・ムルチャー全踏破。

2023年10月26日 | 美術館・博物館鑑賞
 ようやくその時が来ました。シュテアツィングでハンス・ムルチャー祭壇を拝観できれば一応ムルチャー全踏破と言えるでしょう。ただし、ムルチャー作品の佳いカタログは手元にありません。しかしカタログは目星がついています。ヴェニガーさんに実物を見せてもらって、シルヴィアの協力で入手のめどがついているからです。日本に届くのを首を長くして待っているところです。ミヒェル・エーアハルトのカタログもしかりです。2冊のカタログを見て、おそらく2025年になるであろう渡独の内容が変わってきそうです。想像するだけでわくわく心楽しくなってきます。

 シュテアツィングはイタリアといってもインスブルックからは電車で1時間ほどです。オーストリアの国境を越えてすぐのところに位置しています。ここはイタリアのチロル地方になります。ムルチャーが活躍した地域です。



 駅で聖母教会の道順を訪ねてゆったりと歩き出しました。2,30分ほどでしょうか、それらしき教会が見えてきました。聖母教会は清掃係の女性が1人だけでした。主祭壇は目差すムルチャー祭壇に間違いありません。内陣近くまで行けないのが残念ですが、遠目から写真を撮りました。色彩も鮮やかでやはり素敵な彫刻です。祭壇はすべてムルチャーの手になるとヴェニガーさんは教えてくれました。





 ムルチャー博物館は教会の隣にありました。ムルチャー作品は2階の1部屋でした。彫刻が塔なども含めて数点、絵が10点ほどあったでしょうか。我々の他は受付の人だけでした。2年分、穴の空くほど作品を眺めました。



 インスブルックに戻って、チロル郷土博物館フェルディナンデウムを再訪しましたが、昨年と同様にやはりクローズでした。ここにも気になる後期ゴシックの作品があるのですが残念です。ならば初のドームと宮廷教会再訪を目差しました。宮廷教会の28体のブロンズ像はいつ見ても凄まじい迫力で屹立していました。


〔625〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑭  明日のシュテアツィング(伊)の「前座」はアンブラス城。

2023年10月26日 | 美術館・博物館鑑賞
 9月6日(水)、バーゼル(スイス)からインスブルック(オーストリア)まで約4時間半かかりました。昨年に引き続きインスブルックに舞い戻ってきたのには訳があります。昨年の50日弱のヨーロッパ旅行で体調を崩したのはただの1回、1日だけでした。不思議なことに連れ合いもこの時熱を出してダウンしたのです。昨年は今年より遙かにコロナ危機の渦中にありました。信じてもらえないかも知れませんが、旅行プランが崩壊したのがこの日だけでした。
 このインスブルックの1日に予定していたことは、日帰りでシュテアツィング(伊)に行くことでした。ここの聖母教会にハンス・ムルチャーの代表作ハンス・ムルチャー祭壇があり、お隣にはハンス・ムルチャー博物館があるのです。ハンス・ムルチャー祭壇はバクサンドールのカタログに登場している気になる美しい彫刻です。どうしても行ってみたいところだったのです。まさに再挑戦、リベンジの訪問です。





 移動日の9月6日(水)、まずは初訪問のアンブラス城巡りです。ここにはラインベルガーの「死に神」?、骸骨が優雅に肢体をくねらせている彫刻があるらしいのです。ネットでラインベルガーを検索するとこの像が頻繁に出てきます。
 実際に訪ねてみると、順路の最後の最後に「登場」しました。豪華絢爛にライトアップされ、厳重に管理されていました。もちろん撮影禁止。大きさは30センチほどでしょうか。さすがラインベルガーらしく、骸骨の肢体が優雅に踊っているようです。
 収穫といえばダニエル・マオホの工房作品が鑑賞できたことでした。

 9月7日(木)、ついにシュテアツィング行きが実現しました。