後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔696〕「殺すな ガザ地区停戦 緊急行動」は、イスラエル大使館前だけではなくアメリカ大使館前でもやりました。

2024年05月26日 | 市民運動

 鎌田慧さんたちの呼びかけに応えた約800人がイスラエル大使館前に結集しました。我々清瀬の叛逆老人数名で駆けつけたところ、なんと、アメリカ大使館前でも抗議集会を行うというではありませんか。ブログにも報告した昨年の集会ではイスラエル大使館前だけでしたが、今回は確実にバージョンアップです。地下鉄での移動がけっこう大変でしたが、集会の梯子をすることにしました。

 ◆「殺すな ガザ地区停戦 緊急行動」
  5/25(土)13時より、イスラエル大使館前

                                鎌田 慧(ルポライター)

 パレスチナ・ガザ地区ラファへのイスラエル軍の本格的な侵攻が
迫っている。ラファに生活していた120万人のうち63万人以上が退避し
た。阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄というべきだが、イスラエルのネ
タニヤフ首相は「ハマス壊滅を叫び続けている。
 剥き出しのコンクリート残骸、悲しみ慟哭(どうこく)。生まれ落ちた
かいもなく吹き飛ばされる嬰児(えいじ)。悲惨な映像を目にしてなにも
できない。食料も医薬品も遮断され、地上の砲撃、空からミサイルが降
り注ぐ。この連日の暴虐を座視しているだけだ。
 ジェノサイド(集団虐殺)の被害者が80年後に加害者になる歴史の
悲劇。慄然とさせられる。

 「人道危機」として南アフリカは国際司法裁判所に訴えた。ユダヤ人
を優遇し、パレスチナ人を抑圧するイスラエルを「アパルトヘイト
国家」と批判。中南米のニカラグア、コロンビア、北アフリカのリビ
ア、エジプトなども南アの訴えを支持。これからも増えそうだ。
 米コロンビア大学の学生が抗議キャンプ行動を始めたのを突破口に、
連帯キャンプが50大学を超えた。米国が与えた武器でガザ市民が殺され
ている。ベトナム反戦行動が蘇った。
 5月25日13時。地下鉄有楽町線麹町駅6番出口。イスラエル大使館前
で「殺すな ガザ地区停戦緊急行動」をやります。呼びかけ人は雨宮処
凛、落合恵子、佐高信、田中優子、永田浩三、前川喜平、鎌田。
              (5月21日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)

 登壇者の発言はどれも耳を傾けるものでしたが、メモをとっていないので正確に紹介はできません。写真で集会の様子は感じ取っていただきましょう。

イスラエル大使館近辺、発言者は鎌田慧さん

道路を挟んで800人が参集

清瀬の仲間

佐高信さん

アメリカ大使館近辺、雨宮処凛さん

浅野健一さん

鎌田慧さん

■たんぽぽ舎メルマガ(5025号)より転載

イスラエル政府はパレスチナの人々への蛮行を即刻やめよ  日本・米国政府はイスラエル政府に戦争をやめさせるよう  最大限の働きかけをせよ  5/25殺すな!ガザ地区即時停戦緊急行動に参加して(概略)  小山芳樹(たんぽぽ舎)

◎ 5月25日(土)、イスラエル大使館に近い小さな交差点は12時30分こ ろから、多くの参加者が集まり始めていました。  「ガザ地区即時停戦市民行動」主催の緊急行動は13時5分過ぎから、 呼びかけ人の鎌田慧さんのアピールから開始され、次々に発言がおこな われる。  呼びかけ人の2人=落合恵子さん、神田香織さんのお二人は参加でき ずにメッセージが代読されました。代読は、たんぽぽ舎の横田朔子さん。

◎ イスラエル大使館近くの行動は約800人(鎌田慧さんの発言)、アメリ カ大使館近くの行動は約200人(私の推測)位の参加者でした。アメリカ大 使館近くの集会では、呼びかけ人の浅野健一さんも発言されていました。 たんぽぽ舎は、「殺すな!ガザ即時停戦」「FREE PALESTI NE!」と書いたプラカードを持参し、参考ビラ300枚を配布、参加は 6名、アメリカ大使館ではプラス1名の7名でした。

■たんぽぽ舎メルマガ(5028号)より転載

 「天井無き牢獄」を開放せよ! FREE PALESTINE!  800人の市民・労働者がかけつける 

5/25 「殺すな!ガザ地区停戦!緊急行動」に参加して 

二人のメッセージ(落合恵子さんと神田香織さん)紹介   横田朔子(たんぽぽ舎 ボランティア)  

 イスラエル政府のガザの人びとに対するジェノサイドがエスカレート する中で、5月25日(土)緊急行動に、たんぽぽ舎の仲間たちと参加 しました。主催は、「ガザ地区即時停戦市民行動」。呼びかけ人は、浅野健一、 雨宮処凛、落合恵子、鎌田 慧、神田香織、佐高 信、永田浩三、 前川喜平、柳田 真、柳 広司(敬称略)。

 ―呼びかけー  イスラエル政府によるガザの人びとへの虐殺行為を怒りと悲しみを抱く 世界の人々と連帯します。ひとりひとりの人間の命より大切なものは ありません。憎悪と報復の応酬は、際限なく拡大し、けっして平和を もたらすことはありません。  戦争によって利益を得る者に、この世の居場所を認めてはなりません。  イスラエル政府は、パレスチナの人々への蛮行を、即刻やめよ。 日本政府とアメリカ政府に戦争をやめさせるよう、最大限の働きかけ をせよ。(前川喜平)  

 イスラエル大使館にほど近い歩道には車道を挟む両側に800人の市民・ 労働者がつめかけ、13時開会。  呼びかけ人の鎌田さん、雨宮さん、佐高さん、参加した市民等が登壇。 ガザの悲惨極まりない状況、イスラエル政府の許しがたいジェノサイド に対する抗議等の発言が続き、当日会場に来られなかった落合さんと 神田さんからはメッセージが寄せられ、横田が代読。お二人のメッセージ をぜひ皆さんにお伝えしたく、紹介します。  

 呼びかけ人のイスラエル大使館への抗議行動のあと、電車を乗り継ぎ アメリカ大使館への抗議行動が行われ、散会しました。  

 イスラエルでは、毎週末、商都テルアビブやエルサレムなどで、戦闘 より人質解放を優先するよう求め、ネタニヤフ政権の退陣を求める抗議 デモが開かれており、デモは数千人から数万人が参加し、政権への圧力 を強めている、と報道されています。(毎日新聞、5月2日)  800人の参加者一人一人が周りに呼びかけ、ガザ地区の人々への虐殺 行為を即刻やめさせるよう日本の世論を高めていきましょう。

※メッセージ紹介

○5.25殺すな!ガザ地区即時停戦緊急市民行動   ……まずはガザ停戦! それ以外に何がある!   いまから、ここから、「わたし」から……。                落合恵子    

 こうしている間にもガザの子どもたちは…。想像するだけで息が苦しく なる。私たちは座して、ニュースを観ているだけでいいのか。爆風で羽の ように吹き飛ばされたあの子。食料も水も医薬品もないまま、なぜそう なったのか もわからないまま最期を迎える子どもの、大きく見開いた 眸は何を見ているのか。「飢えて泣く子の前で文学は何が可能か」ととい かけひとがいた。同じ問いをいま私たちはつきつけられている。 飢えて 死ぬ子の前で、大人は何が可能なのか、と。子どもは、どの国の、どの 社会に生まれるかを選ぶことはできない。ヒトラーのホロコースト。 第一次、第二次の世界規模の戦争、ボスニア、ルアンダなどのジェノ サイド。それらの反省もないままガザにおいていままたジェノサイド をおかす。この国は何をしている? わたしたちは何をしている? 米国の学生の抗議行動から学ぶものはないか?  ……子どもは今を生きている。その子どもに、「明日まで待てとは 言えない」。チリの詩人であり教育者であり外交官 ガブリエラ・ ミストラルは言った。  ガザの子どもに、あなたは言えるか?「明日まで待て」

○「殺すなガザ地区停戦緊急行動」へのメッセージ                       講談師 神田香織  

 イスラエルのガザ攻撃開始から7カ月もたつというのに、この明らかな ジェノサイドは終わることなく、激しさを増す一方です。ついには追い 詰められた住民が身を寄せる南部ラファへの本格的な攻撃が始まって しまいました。水もなく食べるものもなくやせ衰えていく子どもたち、 赤ん坊までも殺され続けているこの現状を、私たちはいつまで忸怩たる 思いで見守るしかないのでしょうか。  今、米国はじめ世界中の大学生たちも抗議の声をあげ、闘っています。 日本でも多くの人たちがこれ以上殺すな、停戦しろと訴え続けています。  ネタニアフに問いたい。「イスラエルの子どもたちもガザの子どもたち も同じ子どもだと、なぜ想像しないのか」と。  先の戦争で東京大空襲、沖縄戦、広島長崎への原爆投下と数十万もの 国民が虐殺されるジェノサイドを体験した日本にしかできない仕事、それ が停戦の訴えです。我が国こそ、率先して停戦を強く求めるべきです。 それができないというのなら、私たち市民が、国民が、停戦を求める世界 中の人びとと繋がって、私たちの声でこのジェノサイドを止めようでは ありませんか。「繋がれば力に」を合言葉に!


〔695〕清瀬市民が動き出しました! 「清瀬市立図書館の充実・発展の提案に関する請願書」提出へ。

2024年05月18日 | 市民運動

   澁谷桂司市政の「図書館を6館から2館へ」という暴挙に心ある市民が立ち上がりました。3月市議会の決定はすぐには覆せないということで、チラシにあるように新たに4つのことを提案しています。廃止する図書館の代わりに、地域文庫を充実させたいというのです。さらにそこには、自動貸出機を置いて欲しいという当然の要求などです。
   6月議会ではこうした請願が提出されます。近場の方の傍聴をお願いします。

 

 ◆沈思実行(193)
  過労死を考える(上)
  原因は交代制の深夜労働 疑う妻たちが発言

                   鎌田 慧

 トヨタ自動車で働いていて、過労死した労働者の妻が、初めて弁護士
に会ったとき「どうして車を夜、作らなければならないのですか」と聞
いた、という(「過労死」過労死弁護団全国連絡会議編)。
 それを読んで、ふいを衝かれたように驚かされた。過労死された妻に
してみれば、当然の発言である。それを当たり前にしている「世間」が
批判されている。昼に働いて、夜は寝るのが、普通の暮らしのはず
なのだ。

 実はわたしは出稼ぎ労働者の取材で、トヨタ自動車の本社工場で半年
働き、旭硝子船橋工場で2カ月(ガラス粉末が多く、喘息発作でダウン)
働いたことがある。
 トヨタでも旭硝子でも、交代制の深夜労働は当たり前だった。旭硝子
でのブラウ管製造のラインは、出稼ぎ労働者に任されていて、1時間45
分働いて15分間の休憩、というシステムだった。

 短時間でカネ稼ぎが魅力なので、18時間、24時間を連続して働く人は
珍しくなかった。それもあってか、2カ月で3人が過労死。腰痛、寮の
階段踏み外し、などで退職、故郷に帰った人たちがいた。わたし自身、
状況の酷さを体験記として書いたが、交代制の深夜労働を疑った事は
なかった。

 鉄鋼や窯業、石油産業など、加熱による業種は連続生産が必要だ。
 しかし、自動車の組み立てなどの交代制労働は、生産量を増やすため
だけのものなのだ。それも深夜労働など、人間的な体内時計を無視し、
人間の精神と肉体にいいわけがない。

 近所に住む知人の長男(当時43歳)が夜になっても自宅に帰らず、
翌朝、会社で死亡しているのが発見された。長時間労働とパワハラによ
る異常事態だったが、労基署が取り合わなかった。それで過労死弁護団
連絡会議を組織し、全国の過労死と取り組んでこられた、川人弁護士に
紹介した。その活躍によって労災認定をかちとった。

 大量殺人は戦争ばかりではない。経済戦争の犠牲者としての過労死、
職業病患者は一向に減らない。
 人間のいのちと健康を奪う非人間的生産を規制するのは、裁判ばかり
か、労働運動の役割だ。  (5月8日「週刊新社会」第1354号より)


〔694〕平和のシンボル「アンネのバラ」「反核のバラ」を栽培し、普及させたいという陳情を否決したのは清瀬市議会でした。

2024年05月15日 | 市民運動

 今から3年前の2021年、清瀬で共に市民運動をしている大貫静子さんが、〈“花のまち、清瀬”のもとで「平和を願うふたつのバラの花」を栽培し普及させることを求める陳情〉を清瀬市議会に提案したところ、無残にも否決されました。ふたつのバラとは「反核のバラ」と「アンネのバラ」です。その詳細は、一人会派「共に生きる」のふせ由女市議が議会ごとに発行する「ゆめ通信」をお読みください。
 ところで、陳情に賛成したのは日本共産党市議5人とふせ由女議員だけでした。清瀬自民クラブはもとより、平和の党だったはずの公明党、風・立憲・ネットも反対に回ったのです。

 この5月のはじめ、朝日新聞と一緒に配布される多摩地区の情報誌「アサココ」に「津田塾大でアンネのバラ植樹祭」という記事が掲載されました。「本学の平和研究の伝統を地域と分かち合う良い機会」と関係者は話しています。納得、さすが津田梅子の大学だけありますね。
  さらに、私が運営に協力している練馬区の保育園から「園だより」が届きました。こんな嬉しい一節がありました。
 「バラの季節です。保育園でも平和の象徴とされる『アンネのバラ』が満開です。」

 


〔693〕トーマス・マン『魔の山』、100分で名著(NHK)に登場していますが、彼が絶賛する彫刻家がティルマン・リーメンシュナイダーなのです。

2024年05月14日 | 図書案内

  100分で名著(NHK)にトーマス・マンの『魔の山』が登場し、興味深く視聴しています。
  トーマス・マンといえば私にとってはなんと言っても『講演集 ドイツとドイツ人』(岩波文庫)です。このノーベル文学賞受賞者が絶賛する彫刻家がティルマン・リーメンシュナイダーなのです。『結・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』にも紹介しましたが、こんな件があります。

 「当時ドイツに、私が完全な共感を覚える一人の男がいました。その名はティルマン・リーメンシュナイダーといい、…」(18ページ)

■NHKのサイトより
名著139「魔の山」トーマス・マン
20世紀ドイツ文学の最高傑作の一つ『魔の山』。作家トーマス・マンをノーベル文学賞受賞のきっかけの一つになったともいわれる名著です。世界中の作家や研究者たちが今も言及し続けるなど、現代の私たちに「行き詰った近代市民社会にどう向き合ったらよいのか」「生と死の関係をどうとらえたらよいのか」といった深い問いを投げかけています。番組では、20世紀世界文学の旗手ともいえるトーマス・マン(1875-1955)の人となりにも触れながら、代表作「魔の山」にマンがこめたものを紐解いていきます。…(以下略)


〔692〕久しぶりの『通販生活』、「買い物ページ」より「読み物ページ」が圧倒的に好きです。

2024年05月13日 | 図書案内

 久しぶりに『通販生活』を読む機会がありました。以前から私は、「買い物ページ」より「読み物ページ」が好きでした。というより、「買い物ページ」には関心がなく、「読み物ページ」だけを読んでいたものです。「読み物ページ」の目玉であった落合恵子さんの対談ページがなくなったのは残念なことでした。

 今回おもしろかったのは、まず「シリーズ・沖縄の声」の玉木デニー沖縄知事と元山仁士郎さん(「辺野古」県民投票の会元代表〉の対談でした。知事の「ランドセルの話」と「家を建てる話」が説得力があっておもしろかったです。
 次に良かったのは、「日本の政治に女性が足りないのは、なぜなんだろう」です。「候補者や議席の一定数を女性に振り当てる制度」、「クオータ制」を取り上げています。国会議員の女性比率がスウェーデンでは50%近く、フランス40%、ドイツ35%なのに対して、日本は10%に届かないのです。韓国は40%弱、台湾は40%を超えています。いずれの国も「クオータ制」の成果と見られるようです。そろそろ日本でも検討実施すべき時ではないのでしょうか。

 古舘伊知郎さんの対談相手はヤマザキマリさん、丁々発止のとてもおもしろい記事でした。本音のぶつかり合いの刺激的な対談です。
 最後に、松代大本営平和祈念館についての報告は興味深いです。数年前に清瀬の仲間とここを訪ねたことがあります。何か大きな変化があるのでしょうか。先日もテレビで取り上げられていました。

 松代大本営造営にかり出された人は日本人が約3000人、朝鮮人が6500人から7000人とされているようです。朝鮮人のうち2500人は自主渡航してきた人たち、それ以外は朝鮮半島から無理矢理連れてこられた人たち(いわゆる徴用者)です。戦後天皇が、戦時中無駄な穴を掘ったのはどの辺かと聞いたというのです。間違いなく、戦時中から天皇はこのことを知る機会があったようで、信じられない発言だと筆者の梯久美子氏は書いています。嗚呼。

 この「シリーズ・戦争を忘れない」は最終回と言うことですが、7月に岩波新書として発刊されると言います。本屋で立ち読みでもすることにしましょうか。

 


〔691〕[信州発]産直泥つきマガジン「たぁくらたぁ」に初めてお目にかかりました。

2024年05月13日 | 図書案内

 最近知った「たぁくらたぁ」を紹介します。「たぁくらたぁ」とは信州では馬鹿者、おっちょこちょい、のんきもののことだそうです。[信州発]産直泥つきマガジンと表紙に刻字された雑誌で、2004年4月が創刊のようです。当初は年4回発行でしたが現在は年3回とのことです。最新号が62号、2024年4月25日発行でした。

 2022年冬は58号です。特集が「非戦・不戦・反戦」〈続〉で、渡辺一枝さんが澤地久枝さんにインタビューしています。写真家の大石芳野さんや反原発運動の武藤類子さんの名前も見えます。

 57号は特集「非戦・不戦・反戦」、59号「ドキュメンタリー映画が映し出す生き方」、61号「「ゲノム編集食品に目を光らせよう」で、反原発集会で馴染みの武藤類子さんの他におしどりマコさんや海渡雄一さんの名前を発見しました。


〔690〕公立共済「友の会だより」に『ぎゃんぐえいじ・ドラマの教室』(晩成書房)が紹介されました。

2024年05月12日 | 図書案内

 公立共済「友の会だより」というのは公立学校共済組合の組合員であった人に無料で送られてくるものです。私は東京都で33年間公立学校の教師をしていました。
 「友の会だより」は年3回送られてくる46ページの冊子です。

 最新号の「自費出版ガイド」に『ぎゃんぐえいじ・ドラマの教室』が掲載されました。以前に『いちねんせい・ドラマの教室』(晩成書房)が載ってからしばらく間が空いていました。残念ながらこの「自費出版ガイド」欄は最終回ということです。

 この2冊の著書以外にも私と妻の本はアマゾンで販売しています。覗いてくだされば嬉しいです。「猫家族」として扱っています。


〔689〕今だからこそ、辻野弥生著『福田村事件』(五月書房新社)を勧めます。

2024年05月12日 | 図書案内

 映画「福田村事件」のことは以前のブログで書きましたので、今回はその映画の基になった辻野弥生著『福田村事件』に触れたいと思います。
 結論から書くと、これは素晴らしい本です。「歴史好きの平凡な主婦」が歴史的価値のある本を残されました。1941年生まれ、80を超えた方ですが、一歩一歩自分の足で歩いて丁寧に福田村事件に向き合いました。福田村事件についてまとまった書籍としては唯一と言っていいようです。増補改訂版として内容も充実したものになっています。

  まずは本の概要を知ってもらうため、表裏表紙と紹介のコピーを読んでいただきましょう。

■辻野弥生『福田村事件』(アマゾンのサイトより)

四国から千葉へやってきた行商人達が朝鮮人と疑いをかけられ、正義を掲げる自警団によって幼児、妊婦を含む9名が殺害された。
映画『福田村事件』(森達也監修)が依拠した史科書籍。長きに渡るタブー事件を掘り起こした名著。【森達也監督の特別寄稿付き】

「辻野さん、ぜひ調べてください。......地元の人間には書けないから」
その時から、歴史好きの平凡な主婦の挑戦が始まった。
「アンタ、何を言い出すんだ!」と怒鳴られつつ取材と調査を進め、2013年に旧著『福田村事件』を地方出版社から上梓したものの、版元の廃業で本は絶版に。
しかし数年後、ひとりの編集者が「復刊しませんか?」と声をかけてきた。
さらに数年後、とある監督が「映画にしたいのです」と申し入れてきた──。
福田村・田中村事件についてのまとまった唯一の書籍が関東大震災100年の今年2023年、増補改訂版として満を持して刊行!

【福田村・田中村事件】
関東大震災が発生した1923年( 大正12年)9月1日以後、各地で「 不逞鮮人」 狩りが横行するなか、 9月6日、 四国の香川県からやって来て千葉県の福田村に投宿していた15名の売薬行商人の一行が朝鮮人との疑いをかけられ、地元の福田村・田中村の自警団によって、ある者は鳶口で頭を割られ、ある者は手を縛られたまま利根川に放り投げられた。虐殺された者9 名のうちには、 6歳 ・ 4歳 ・ 2 歳の幼児と妊婦も含まれていた。犯行に及んだ者たちは法廷で自分たちの正義を滔々と語り、なかには出所後に自治体の長になった者まで出て、事件は地元のタブーと化した。そしてさらに、行商人一行が香川の被差別部落出身者たちだったことが、事件の真相解明をさらに難しくした。


  福田村事件は朝鮮人差別・被差別部落差別・行商人差別などの重層的で複合的差別であると結論づけられそうですが、その根深さの一端は、本書において被害者や加害者が実名が知れることを避けて、仮名になっていることです。そのことは、100年前の差別事件が、現在まで温存されていることを示しています。
 2017年から、朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文の送付をやめた小池都知事を思い起こすだけで胸が苦しくなります。「美しい日本」などと暢気に言っていられなくなるのではないでしょうか。
 小学校や大学で教師をしてきた私自身にもその責任の一端があることを自覚しなくてはなりません。
 関東大地震で犠牲になった朝鮮人は6000人とも言われています。その他に社会主義者、労働者、中国人、アナキストなど多くの人びとが虐殺されています。
  こうした差別事件を今も熱心に掘り起こしている人びとが存在しています。「福田村事件を語る会」の資料を読むことができました。

◆国に責任はないと断じた裁判官が東電代理人の事務所の顧問に
  最高裁の暗黒(上)沈思実行(190)
                        鎌田 慧

 「まだ最高裁があるんだ」と、格子の向こうから叫ぶ。今井正監督の
「真昼の暗黒」(1956年)のラストシーンは強烈だった。1951年、山口県
麻郷村八海(現田布施町)で、夫婦ニ人を殺害して、金を奪った強盗
殺人事件、「八海事件」の映画化だった。主犯とされた阿藤周平が高裁
の死刑判決を受けて叫んだ。
 4人の「共犯者」は広島高裁で無期懲役にされた。が、映画の主人公・
阿藤周平だけが死刑判決だった。それでも、阿藤は「最高裁がある!」
と絶望しない。最高裁が希望だった。実際、17年かかったが、共犯者を
でっち上げた真犯人を除いた、阿藤ほか3人は最高裁で無罪判決、冤罪
が晴れた。

 袴田事件の袴田巌さんは、1966年に逮捕され、57年が経ってようやく
再審がはじまった。今年の秋には無罪判決がだされる見通しだ。

 狭山事件の石川一雄さんは61年が経っても、いまだ再審開始になって
いない。
 これは不正義というしかない。冤罪がなかなか最高裁で認められな
いのは「疑わしきは罰せず」の原則が徹底されていないことが大きい。

 しかし、原発訴訟の場合は「国策民営」と言われる国の原発政策と東京
電力など巨大な電力会社と政府の関係、さらには、最高裁判事と巨大法律
事務所の癒着という関係があって、国の責任追及、「法の支配」が困難だ。
 福島原発大事故に対する国の責任を追及する賠償訴訟で、2023年6月
17日、最高裁は、全面的に否定した。これまで地裁や高裁で認められて
きた国の賠償を認めなかった。(三浦守裁判官だけが反対意見で、3対1)。

 最高裁には2つの顔がある。国民の権利(人権)は擁護する立場から、
被害者救済において比較的柔軟な姿勢を示し、しかし、他方で、憲法9条
や安全保障など、国の政策にかかわる事件では、統治機構の一員として
それらを擁護する。(吉村良一「六・一七最高裁判決の問題点」
『ノーモア原発公害』所収)。

 そればかりではない。「国に責任はない」と断じた裁判官が、判決後、
東京電力の代理人が所属する、巨大事務所の顧問になったのだ。
                    (週刊新社会4月17日第1351号より)


◆毒を食らわば皿までも
  原発推進も核ごみ受け入れ先探しも、カネ、カネ、カネ。

                   鎌田 慧(ルポライター)

 裏金が長期政権自民党の腐敗を促進し、選挙結果に表れた。
 しかし原発推進の「原発マネー」の方がはるかに巨額だ。
 関西電力幹部と福井県高浜町元助役との間を行ったり来たり、2019年
に露見した裏金は3億5千万円と言われた。

 私は1970年代から「金権力発電所」「金子(きんす)力発電所」と批判
してきたが、後始末としての核ごみ(高レベル放射性廃棄物)の受け入
れ先探しも、やはりカネ、カネ、カネ。
 処分場の調査費はもらうが、設置は認めない、との意見もある。本命
は誰にも分からない。秘密に動いているようだ。

 福島第一原発事故のあおりを受けて隣町の第二原発の4基も廃炉にな
るのだが、建設計画は全くの秘密だった。富岡町毛萱(けがや)地区の地
区長だったAさん宅へ助役や総務課長がやってきて、「大工場ができる」
ど予定地を案内させた。その時、5万分の1の地図の赤線で囲まれた枠
が余りにも広大なのに驚嘆、何の工場か聞いても「町長しか知らない」
と答えた。

 その後も開発としか言われなかった。秘密と交付金で原発が地域に滑
り込んだ。
 原発の隣接自治体は「立地交付金」を欲しがるようになる。
 北側の浪江町では反対同盟が強かったが、双葉町は増設計画を認めて
いた。
 東電は柏崎刈羽原発を再稼働させ、福島大事故のツケを支払う計画だ。
 毒を食らわば皿までの虚無思想。
         (4月30日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔688〕「わーくぽけっと創作ミュージカル第6回公演『バニラ姫、愛のゆくえ』」のご案内です。(正 嘉昭さんから)

2024年05月11日 | 語り・演劇・音楽

 お久し振りに正 嘉昭さんから公演案内が届きました。残念ながら私は観劇できませんが皆様にお知らせします。正さんのメールとチラシなどです。

■ご無沙汰しています。
お元気ですか?

私が構成・脚本・演出を務める、「わーくぽけっと創作ミュージカル第6回公演『バニラ姫、愛のゆくえ』」のご案内です。
障碍(しょうがい)のある人ない人が、あたりまえに共生できる地域社会の実現を、演劇創造を通して活動しているNPOです。
役作りから仮脚本作りまでメンバーの手で行っていて、コロナ渦を乗り越えて5年ぶりの楽しい舞台となっています。ご都合よろしければぜひおいでください。お待ちしています。

正 嘉昭


〔687〕なぜか、マスコミではあまり取り上げられない「武力で平和はつくれない!」憲法大集会ですが、3万2千人の参加がありました。

2024年05月05日 | 市民運動

 2024年5月3日(金)、今年の憲法記念日に第10回憲法大集会が開催されました。天気が良すぎる有明防災公園に3万2千人が参集しました。昨年の2万5千人をはるかに上回わりました。今年の多くの参加者が憲法改悪の政治状況を危惧しているからだと思われます。
  今年のメインテーマは「武力で平和はつくれない! とりもどそう憲法いかす政治を」でした。

 これだけの人が参加している集会をマスコミはどれだけ取り上げたのでしょうか。
 さすがにTBSのサンデーモーニングではその映像が流れ丁寧に紹介されていましたが、朝日新聞などでも、改憲派集会と護憲派集会を均等に取り上げるだけで、写真は一切なしでした。しかも改憲派を先に護憲派を後にするとは理解できません。憲法を活かし大切にする姿勢を示すのが公器としてのマスコミのあり方ではないのでしょうか。

 さて、我ら清瀬隊(清瀬・憲法九条を守る会、清瀬・くらしと平和の会)数人が会場に着いたのは、ミニステージとオープニングが終了しかけた午後1時頃でした。比較的空いているところに陣取ったのですが、どうやらそこはメインステージではなかったようです。大きなスクリーンにメインステージの様子が映し出されているAミニステージだったようです。なんとこの集会のステージは5つもあったのです。

 この日配られたプラカードは数種類ありましたが、そのうちの3枚を紹介しましょう。裏にはプログラム、スローガンなどが書かれていました。

 最初に弁護士の伊藤真さんのわかりやすい憲法の話の後、日本各地で活動している人たちの話が続きました。例年より若い話者が多かった印象です。映像で見たい人はユーチューブを探してみてください。間違いなく複数アップされていることでしょう。

 我ら清瀬叛逆老人も3時からのパレードに参加しました。比較的短いと思われる豊洲コースですが、2駅分2㎞あります。約40分とアナウンスがあったように思いますが、実際は1時間半かかりました。
 パレード解散後、駅の近くのいつものラーメン屋でお疲れさんの杯を傾けました。