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後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔630〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑲〈最終回〉 初めてのバーデン・バーデンは期待で胸いっぱいでした。

2023年10月28日 | 美術館・博物館鑑賞
 いよいよ2023年夏、「ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く」は終焉を迎えました。バーデン・バーデン2泊、ルースとトーマスが待ってくれているフランクフルト(カルベン)は2泊です。
 初めてのバーデン・バーデン訪問の目的は、ゲルハールトの磔刑像を拝観することです。バクサンドールのカタログにも掲載されています。道順として少し行きにくいところなので、今回は無理かなと弱気になったのですが、緑がしっかり予定に入れてくれました。

 9月13日(水)、バーデン・バーデンの駅から市の中心部まで数㎞なので、バスに乗ることにしました。まず目差したのはクロスター教会。バーデン・バーデンに美しい聖母子像があるよ、と教えてくれたのはヴェニガーさんでした。ならば行くしかありません。
 この教会はAbtei Lichtenthal Baden-Baden の中にありました。軽食ができるところで、多くの家族連れで賑わっていました。その一角にクロスター教会がありました。厳粛な雰囲気の堂内に気品高く聖母子像が鎮座していました。磔刑像も素晴らしいので来てよかったです。





 9月14日(木)、いよいよゲルハールトの磔刑像探しです。丘の上のシュティフト教会が目差す場所です。苦労して探し当てたのですが、残念ながら施錠されていました。通りがかりの女性が親身になっていつ開場するのか、電話して調べてくれました。午後2時に入場できそうだということで食事をしながら待機です。
 せっかくバーデン・バーデンに来たので、先に、州立美術館とブルダ美術館も覗いて見ました。





 満を持してシュティフト教会へ。やはりゲルハールトは素晴らしい! キリストの身体的なバランスも良いし、ステンドグラスを通した七色の光がキリストにあたって、実に美しかったです。


 
 バーデン・バーデンは「ローマ時代からの由緒ある温泉町」だというのですが、ついに温泉につかることもありませんでした。

 9月15日(金)、フランクフルトに移動です。カルベンではルースとトーマスがいつものように最高の「ホテル」を用意してくれていました。8月中旬にトーマスは私たちの子どもと孫に会いに来てくれましたが、その後、散歩中に転んで杖をつく生活になっていました。そのため予定していたマリア・ラーハには行けなくなってしまいましたが、他日を期したいと思います。その時はエルツ城・マルクスブルク城・エーベルバッハ修道院にも足を伸ばしたいと考えています。

 次の旅は、新しく発見されたリーメンシュナイダーのキリスト像がニュルンベルクのゲルマン国立博物館で公開される2025年かな、ともう2人で話しています。都合が合えば友人2人も同行されるかも知れません。それまでに、シルヴィアから届くであろう2冊(ミヒェル・エーアハルトとハンス・ムルチャー)の大部なカタログをしっかり読み込まなければ、と思っています。まだまだ、私たちのドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクの旅は続きそうです。

〔629〕2023夏・ドイツ後期ゴシックとフランスロマネスクを歩く⑱  猛暑のランツフート、それでも教会・博物館・城と歩き回りました。

2023年10月28日 | 美術館・博物館鑑賞

*3泊したイビスホテル、駅から徒歩数分。ハートマーク内の表示が気に入りました。

 9月11日(月)、12日(火)の2日間、ランツフート(ミュンヘンから北東に約100㎞)の市内をくまなく歩き回りました。ドイツでもこの時期こんなに暑くなるんだと思いながら、普段かぶらないチャラい帽子を離せませんでした。注意深く日陰を選びながら歩きました。



 最初に向かったのはなんといっても聖マルティン教会、ラインベルガーの巨大で逞しい聖母子像にご挨拶です。と思ったのですが、ミサの最中で入場はできません。翌日入場が叶いこの時にじっくり拝観しました。ラインベルガー関連の作品だけでもここに3、4点あります。彫刻の顔が壊されていたりして状態はあまり良くないのですが、見る価値は充分にあります。キリスト像はラインベルガー系の人でしょう。そうそう、大事な彫刻を発見しました。ミヒェル・エーアハルトの巨大な磔刑像です。大きくても手抜きなしの仕事です。



 彫刻作品が陳列されているランツフート美術館は閉館中でした。がっかりして、イーザル川の河畔に佇んだのでした。川縁の木陰のベンチは何処も満席。人がベンチから立つとすかさず場所取りもしました。







 12日(火)早朝、気を取り直して向かった先は小高い丘の上にあるトラウスニッツ城でした。あまり期待はしていなかったのですが、どうしてどうして、大当たりでした。我々含めて4人だけの見学ツアーに参加しました。案内の女性が1部屋ずつ鍵を開閉して厳重管理していました。調度品、絵画などの美術品の他、実に質の高い彫刻が並んだ礼拝堂があったのです。京都の東寺の立体曼荼羅を想起させるようなお堂でした。
 ニコライ教会のラインベルガーのキリスト像にも「挨拶」してきました。前回は雨の中の訪問だったことを思い出していました。前回同様、我々の他にはどなたもいらっしゃいませんでした。

 翌日は5時間かけてバーデン・バーデンに向かいました。