後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔112〕雨の中「許さない!原発再稼働」「奪うな!原発事故被災者の住まい」コールが響き渡りました。

2016年09月23日 | 市民運動
  「アベ政治を許さない」という市民運動・政治活動は安倍晋三という人が総理である限り続きます。アベ政治は最も危険な市民団体・日本会議主導による政治行動だからです。日本会議は戦前の国体を理想とする政治団体です。大日本帝国憲法体制に限りなく戻そうと意図しているグループです。(いずれこのことにはブログで触れたいと思います)
  清瀬・憲法九条を守る会や清瀬・くらしと平和の会では、毎月3日には、駅頭などで「アベ政治を許さない」というプラカードを持ってアピールしています。さらには、毎月19日には戦争法廃止の集会に参加しています。
  マスコミではあまり報道しないのですが、9月19日は安全保障法・戦争法成立1年ということで、仲間が雨のなか国会前に詰めかけました。ネットでは2万3千人集会の動画がいつでも見られます。

  さて、昨2016年9月22日(木、秋分の日)、東京の代々木公園で、「さようなら原発 さようなら戦争」(「さようなら原発」一千万署名 市民の会主催)の大集会が開かれました。やはり雨の中の集会でしたが、9500人が馳せ参じました。あまりの雨だったので、なんと予定していたパレードが中止になってしまいました。ところが皮肉なことに終了近くになって薄日が差すということで、ちょっと残念な集会になってしまいました。天気の判断は難しいですね。
  私たちのメンバーは数名を数えました。カメラマンやカンパを集める係の人もいました。
 私たちが到着した12時半頃には、会場を取り囲むように様々なブースが開店していました。すでに12時から第1部 トーク&ライブ(野外ステージ)が始まっていました。

・司会 松村真澄さん
・発言 長谷川健一さん(ひだんれん共同代表)
    蛇石育子さん(郡山市議)
    中手聖一さん(避難の権利を求める全国避難者の会共同代表)
    北海道から 長田秀樹さん(北海道平和運動フォーラム代表)
・音楽 寿

 そして雨のため少し予定を早めて、13時20分から 第2部のトーク(野外ステージ)が始まりました。

・司会 菱山南帆子さん
・主催者あいさつ 澤地久枝さん(呼びかけ人)
・発言 福島から 武藤類子さん(ひだんれん共同代表)
   アーサー・ビナードさん(詩人)
   木内みどりさん(俳優)
   高校生1万人署名運動(高校生平和大使)から
   福井から 宮下正一さん(原子力発電に反対する福井県民会議事務局長)
   協力団体から
       木村辰彦さん(「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲行動実行委員会)
       福山真劫さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
・閉会あいさつ 鎌田慧さん(呼びかけ人)
      
  発言者の中には北海道、福島、福井などから駆けつけた人もいました。なお、主催者によると、全国で同様の集会が3、400箇所で開かれたそうです。
  さて、この集会についての今日の朝日新聞報道です。記事と同じスペースの写真が一枚ついていました。これだけの大集会で、この程度の報道ですか。朝日新聞の購読継続も考えてしまいますね。 

●もんじゅ廃炉は「出発点」脱原発集会(朝日新聞2016/09/23)
 脱原発を求める大規模な市民集会が22日、東京都渋谷区の代々木公園であり、主催した「『さようなら原発』1千万人署名 市民の会」によると約9500人が参加した。
 高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を含む抜本的な見直しを政府が表明したことについて、集会の呼びかけ人で作家の渾地久枝さん(86)は「金食い虫で危ないもんじゅはいらない。政府は原発までやめる勇気をなぜ持だないのか」と批判。ルポライターの鎌田慧さん
(78)も「もんじゅの廃炉は、核燃料の再処理と原発の再稼働を止める一つの出発点で、原発政策の転換の始まりだ」と話し、全面的な脱原発を訴えた。(工藤隆治)

 ネットではこの集会の動画が数多くみられます。私たちはステージに向かって左前方に位置取りました。最前列近くです。白髪の男性は私です。見つけてみてください。

〔111〕演劇教育の重鎮、愛媛の畑野(筆名、本名・酒井)稔さんが逝去されました。

2016年09月14日 | 追悼文
 このブログでも触れていますが、ここ1,2年演劇教育に長年関わってこられた方々が亡くなっています。辰嶋幸夫さん、後藤富美さん、さねとうあきらさん、池田潤子さん、渡辺茂さん…本当に悲しいことです。そして、7月16日に畑野稔さんが逝去されました。
 畑野稔さんは日本演劇教育連盟(演教連)の全国委員として活躍され、毎年、総会や全国演劇教育研究集会などにもはるばる愛媛の地から東京まで手土産持参で足を運んでくれました。全国委員会などでは、愛媛の困難な教育状況を語られるのが常でした。
 畑野さんは早くから演教連のワークショップでスタニスラフスキーシステムを学ばれ、地域での演劇教育を牽引されました。
 畑野さんの愛媛や四国での活動は、私には想像もできない広範なものでした。愛媛新聞の追悼記事を見つけました。

●酒井稔さん死去、愛媛の演劇文化けん引 86歳
(愛媛新聞2016年07月18日(月))
 愛媛の演劇界を長年支えるとともに反戦平和運動を続けてきた酒井稔(さかい・みのる)氏が16日午後10時20分、胆管がんのため松山市の病院で死去した。86歳。内子町出身。自宅は松山市木屋町4の35の1。葬儀・告別式は19日午前10時半から松山市天山3の2の27、ベルモニー会館天山で。喪主は長男哲哉(てつや)氏。
 1957年に現在の「こじか座」の前身となる児童劇団を立ち上げ、以来60年近く愛媛の演劇文化をけん引。教員として勤務した松山東雲中・高校などで、子どもたちに演劇指導した。
 戦時中、海軍飛行予科練習生に志願し、山口県周南市の基地で訓練中に終戦を迎えた。松山市平和資料館をつくる市民の会会長として2003年から毎年、松山空襲の惨状を語り継ぐ資料展を開き、平和の尊さを訴え続けた。広島で被爆し亡くなった松山市出身の俳優丸山定夫の顕彰にも尽力した。
 前県文化協会長、愛媛演劇集団協議会長。15年に愛媛新聞賞。

 さらに次のようなご本人の映像付きの記事も発見しました。

●戦争の悲惨さ伝える「平和展」始まる(愛媛新聞2014年07月25日(金))
 戦争の悲惨さを伝える「平和展」が25日、愛媛県松山市湊町7丁目の市総合コミュニティセンターで始まった。召集令状や遺書など第二次世界大戦に関する資料に加え、今年は集団的自衛権行使を容認する閣議決定を報じた愛媛新聞など7月2日付の全国14紙を並べ、世情を反映した展示となっている。29日まで。無料。
 松山空襲の犠牲者を追悼し平和の大切さを伝えるため市民団体「松山市平和資料館をつくる市民の会」(畑野稔会長)が毎年開催。空襲で焦土化した市街地の写真や市内に落ちた焼夷弾の弾頭など約500点を展示している。
 「死亡児童三名」。雄郡国民学校(現雄郡小)の宿直者が記した帳簿は、松山空襲がもたらした被害を赤裸々に伝える。

  演教連が主催する演劇教育賞に私の実践記録「ことばと心の受け渡し」を推薦してくれたのは畑野さんと種田庸介さんでした。その実践記録を収録した拙著『いちねんせい-ドラマの教室』(晩成書房、2005年)を全国委員会の時にお二人に手渡すことができたのでした。
  「演劇と教育」の原稿を最後にいただいたのは「戦争と教育-軍国少年の戦中・戦後」でした。ファックスで入稿され、何度かやりとりをして完成稿にもっていったのですが、年下の生意気な校正者に一言も文句は言いませんでした。その文章が「演劇と教育」最新号(2016年8+9月号)に再録されています。末尾の文章は畑野さんの遺言と思って、引用したいと思います。合掌

『 修身教育で育てられたり、軍隊で過酷な教育を受けたりしても、根本的な人間そのものについての思索と結びつかない限りそれは空疎でしかなかったことから考えて、「徳育」を教科にして徳目を教え込もうという今の教育行政の方策は何の効果も生まないと思う。また個人の尊厳を謳った憲法十三条や人格の完成を目指した元教育基本法は不変の真理であり、教育がこれに基づいて行われない限り、一方向に向かわせるためではない真に人間を育てる教育の営みにはなり得ない。
 これが苦難の体験を通してつかんだ元軍国少年の結論である。』(2007年8+9月号より再録)

〔110〕「いわゆる『教育密告サイト』から警察への情報提供に反対する請願」、清瀬市総務文教常任委員会は採択するでしょうか。

2016年09月05日 | 市民運動
  ブログ〔105〕で、今の日本の危機的状況の1つとして、「教育密告サイト」のことを取り上げました。「情況への発言」ということで、この問題を清瀬市に請願することにしました。提出した請願は以下の通りです。

  いわゆる「教育密告サイト」から警察への情報提供に反対する請願
      
  紹介議員 ふせ由女
〔請願の趣旨〕
「学校教育における政治的中立性についての実態調査」が自民党のサイトに登場し、寄せられた情報を警察に提供しようとしている。これは「密告」を是認するものであり、看過できない。政府や文部科学省はこうした活動に注意を促し、再発防止の指導徹底をはかるよう、市議会としての意見勧告を要請したい。

〔請願の理由〕
まずは、事実経過を確認するため次の新聞記事を引用する。

●自民、「政治的中立を逸脱」した教師の事例をネット募集(朝日新聞、2016年7月9日) 自民党が党公式ホームページ(HP)で、教育現場での「政治的中立を逸脱するような不適切な事例」を募るネットアンケートを始めた。18、19歳に選挙権が拡大されたことを受け、「主権者教育が重要な意味を持つ中、偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れ」があることを調査理由に挙げている。ネット上では「この調査こそ教育への政治的介入」と批判の声も出ている。(略)
 HPには当初、教育現場で「子供たちを戦場に送るな」と主張する教員がいるとする表現があり、その後、「安保関連法は廃止にすべきだ」と訴える教員がいるとの表現に変えられたが、いずれも削除された。

「紛れもなく警察国家である。」「子どもたちに密告を奨励するのか。」「まるで戦前・戦中の思想統制だ。」などとネットで批判が渦巻いたのは当然のことである。太平洋戦争時代の「非国民」密告の隣組を想起させられたのは私だけではないだろう。治安維持法(1925年施行)は、こうした密告によって「国体変更」などを目的にした運動・団体を摘発、28年の改正で政府批判も弾圧対象になった。
そもそも、教育基本法16条には「教育は不当な支配に服することなく…」とあり、この調査は違反の疑いが濃厚だ。
教育現場における、教員の教育実践への萎縮(自己規制)が狙いではないかと思わざるを得ない。

                             2016年8月29日
  清瀬市議会議長
  渋谷のぶゆき様
                                     清瀬・憲法九条を守る会   
                   福田三津夫

 市議会の事務局から連絡があり、この請願は総務文教常任委員会で議題にされることになりました。2016年9月9日(金)、朝の10時頃に委員会は開始されますが、いつもなら10時半頃から請願は扱われます。興味がおありの方は、清瀬市役所においでください。4階です。
 資料として、以下の新聞記事を引用しておきましょう。

〔資料〕
●自民「政治的中立調査」、警察に一部提供 部会長が意向(朝日新聞、2016年8月2日) 自民党がホームページ(HP)で実施した「学校教育における政治的中立性についての実態調査」について、木原稔・党文部科学部会長は1日、投稿された情報のうち明らかに法令違反と思われるものなど一部を警察当局に提供する考えを示した。いじめや体罰など政治的中立と関係のない通報があったといい、こうした情報も対象という。

 この件に関して調べ始めると、いろいろ憂慮すべき事柄が判明してきました。箇条書きにして記録しておきます。

・「学校教育における政治的中立性についての実態調査」自民党HP開設、6月25日から7月18日。(学校名、教員名、具体的な授業内容)を知らせるよう要求する。
・結果は警察当局に提供予定。
・「紛れもなく警察国家である。」「警察国家の到来だ。」ネットで批判。
*教育基本法16条「教育は不当な支配に服することなく…」違反。
*「子どもたちに密告を奨励するのか。」「まるで戦前・戦中の思想統制だ。」との声多数。
*太平洋戦争の時代の「非国民」密告の隣組の想起。治安維持法(1925年施行)こうした「調査」によって「国体変更」などを目的にした運動・団体の摘発、28年の改正で政府批判も弾圧対象。
*教育現場の萎縮が狙いという指摘あり。

  少し思い起こしてみれば、〔政府側の教育にまつわる危険な言動〕は山ほどあります。列挙してみましょう。

・教育基本法改悪、教育委員会制度の改編、教科書検定制度の強化…。
・国立大学の卒業式など行事に国旗・国歌を位置づけること。
・教員の政治的中立「違反に罰則」。
・「岐阜大学で、卒業式などに君が代を歌わないのは恥ずかしい」馳発言。
・森元首相の教育勅語は良いことが書いてある、「オリンピックで選手が国歌を歌わないのはみっともない」発言。

 最後に、この自民党のサイトを立ち上げた木原稔という人物は、文化芸術懇話会座長、百田尚樹「沖縄の2紙は潰さないと。」発言の仕掛け人でした。(2015年6月)そのことで役職を更迭されています。
 さらに、2014年10月2日 チャンネル桜に出演、護憲を教える教師を否定、「憲法の成立過程を説明し、自主憲法を志向する教師でなければならない。」との趣旨の発言をしているのです。
  なるほど、すべてが繋がりました。