後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔499〕季刊誌「TOMO-MICHI」(あなたとともに歩む道を求めて)知っていますか。

2022年07月31日 | 図書案内
  「TOMO-MICHI」(副題:あなたとともに歩む道を求めて)という雑誌をいただきました。1,4,7,10月発行の季刊誌です。
  初めて手にしました。 A5版で42頁ほどのそれほど厚くない雑誌ですが、中身が濃いので読みでがあります。定価は、500円+税です。
  表紙と目次をそのままコピーします。
    リベラルで社会派の雑誌です。










〔498〕あの名取弘文さんから『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』の感想が届きました。

2022年07月31日 | メール・便り・ミニコミ
 7月22日に出版した『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』(福田緑、福田三津夫、丸善プラネット)の読書感想がメールや郵便で続々届いています。その中で、友人の山﨑隆夫君の感想はブログでも紹介しました。

 2,3日前に名取弘文さんからも丁寧な手紙が届きました。名取さんをご存じない方はブログの〔460〕「名取弘文さん編の『ナトセンおすすめ おもしろ学校映画館』(子どもの未来社)が出版されましたよ!」を読んでみてください。

◆福田緑様、福田三津夫様

 7月もすぎて行きます。ウクライナ、コロナとうっとおしいことです。「電力不足」という情報を流し原発再稼働をもくろむ動きも嫌です。
さて、この度は『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』をご恵贈いただきましてありがとうございます。2冊目が「続」3冊目が「新」4冊目が「完」5冊目が「結」なるほど、ひねってますね。
 昔、団伊久磨が『パイプの煙』というエッセイ集を出したときは2冊目が「続」3冊目は「続々」でした。

 それにしてもリーメンシュナイダーを20数年も追ったという気力、探究心に圧倒されます。貴誌「啓」で、何回か文章は読んでましたが、こうやってまとめられた本で読むと、重さがずんと伝わって来ます。
  「ティルマン・リーメンシュナイダー:静謐で深い精神性を感じさせる彫刻」(緑、117~125頁)でお二人のリーメンシュナイダーへの熱い思いがよくわかります。
  彫刻と建物の写真もきれいで、量感が伝わってきます。お二人の文章が学術的文体なのも納得できました。

 緑さん、ドイツ語留学生の宿舎のタバコのこと、笑ってしまいました。嫌煙権裁判のことを話してあげればよかったのに。
 それにしても豪華な写真集を5冊も、しかも自費出版とは。費用も大事だったでしょう。

 リーメンシュナイダーが農民戦争に加担して、囚人となり、拷問にかけられたこと。今のロシアで、戦争に反対して、捕らえられている人たちのことを連想しました。また、日本の近代史の中で迫害された人たちのこと、朝鮮、中国、台湾の人たちのことも思いました。

 6冊目も出そうな感じですが、とにかくお体大切に。
 ありがとうございました。
                                 2022年7月24日
                                          名取弘文


 写真集が全5巻になるとは想像もしていませんでした。1冊ずつ追加する中で、書名もその都度考えました。4冊目の「完」で打ち止めのつもりでしたが、まだまだ紹介したい良い彫刻や絵画写真は残っているし、彫刻家列伝や訪問先の情報・資料についても触れておきたいということで5冊目になったのでした。
 6冊目はないと緑は言っています。

〔497〕ますます充実した「季刊 茨木のり子手帖」(12号、2022年春)は28頁です。

2022年07月25日 | メール・便り・ミニコミ
 わずかばかりのカンパで「季刊 茨木のり子手帖」(茨木のり子の家を残したい会・発行)が送られてくるようになったことは以前のブログでも触れました。
 思いがけずに嬉しかったことは、「季刊 茨木のり子手帖」を編集している柳田由紀子さんが今年1月の第2回・福田緑リーメンシュナイダー写真展に来ていただけたことでした。同世代でもあり、旧知の仲のように、対面での話は途切れることはありませんでした。新約聖書学者の田川建三さんとは昔からのお知り合いで、そのことも話に花を咲かせました。田川さんはまたリーメンシュナイダーの研究者でもあります。
  「季刊 茨木のり子手帖」がまた素晴らしい。文学的な薫りが紛々とする、ハイセンスな冊子です。今回はB5版で28頁、茨木のり子の詩も所々に配置し、ミニ詩集といった趣もあります。



 今回のおもなラインアップです。

・自分の持つ「震える弱いアンテナ」を大切に  稲葉剛
・茨木のり子さんのふるさと西尾より  詩人 茨木のり子の会 三浦佳子
・私と茨木のり子の詩との出会い  松島邦
・今頃になって のり子さんを再認識  西野谷敬子
・「詩人茨木のり子の軌跡」楽屋話  橋口紀子

〔496〕「とんでもない 安倍国葬」反核・反戦イロハネット(吉田隆さん)をじっくり読んでみましょう。

2022年07月22日 | メール・便り・ミニコミ
 吉田隆さんの反核・反戦イロハネット(346号)が届きました。安倍氏国葬が国民には相談もなく一方的に閣議決定されたようですが、本日国葬反対の集会が国会前で開かれました。岸田さんは本当に国民の声を聴く耳を持っているのでしょうか。
 まずは反核・反戦イロハネットをお読みください。

◆反核・反戦イロハネット     ( No-346)      2022/7.21
NO NUKES nor ABC NET     拡散歓迎  吉田 隆 (080)5420-6977

とんでもない!安倍国葬
岸田内閣は、早々と閣議決定で安倍国葬を決め、既成事実化すべく着々と準備を始めている。
 戦後の日本で国葬は吉田茂総理のみである。歴代の首相は自民党のとの合同葬が多く、国葬にはしていない。安倍氏を国葬にするには、安倍政権が大きく評価されなくてはならない。多くの国民にとってそのような存在だったのか。熊本日日新聞の調査によれば賛成42%に対し、反対は49%である。安倍政権の評価が大きく割れる中で、国葬を一方的に決めることは、現政権のための「死の政治利用」、「政治の私物化」以外の何物でもない。
  とりわけ、統一教会をめぐる闇は大きく、山上事件を契機に鮮烈にクローズアップしている。その闇を解明するどころか、蓋をするような「国葬」決定は到底容認できない。

はじめに
  統一教会は、その関連組織を含めて、長年にわたり日本の政界に幅広く浸透しており、特に第2次安倍政権以降、政界工作を活発化させていた。その実態は依然定かでないことも多いが、今回の事件を契機に幾ばくかは明るみになった。
ここでは、重要ないくつかのことについて記したい。

▼沿革
「統一教会」(現在の正式名称は「世界平和統一家庭連合」、かつての「世界基督教統一神霊協会」)は、1954年に韓国で教祖・文鮮明(ムン・ソンミョン)が創設した団体である。
58年に日本へ進出、翌59年には日本統一教会が設立され、64年には宗教法人の認証を受けている。
その後、教団は、反共産主義を掲げる関連政治組織・国際勝共連合(1968~)を通じて、自民党を中心とした保守系政治家に接近し、秘書や運動員を派遣するなど、活発な政界工作を行った。

▼安倍晋三と統一教会「三代にわたる濃厚な関係」
  安倍晋三氏の祖父である岸信介元首相は、首相公邸として使っていた建物を教団本部として使用させたほど、文教祖や教団と友好関係にあった。2代目の安倍晋太郎元外相は、統一教会員を自民党国会議員に対して秘書としてあっせんし、各議員を教団のセミナーに勧誘していたという。教団は自らの費用で大々的に秘書講習を受けさせ、自民党に潜入、支えた。
  紆余曲折はあれ、教団の政治進出が特に強まったのが、安部晋三の時代といわれる。憲法改正を掲げ、左翼批判を強めていた安倍氏は、選挙支援などで、統一教会への依存を強め、統一教会との共存共栄関係を築いていったのである。
  政治家対策を担うUPFジャパンの梶栗正義会長は国際勝共連合会長就任前の17年8月、韓国での幹部集会で、韓鶴子総裁にこう報告している。
「最近、日本は雰囲気が変わってきました。以前、勝共連合の活動が活性化していた時と同じような、その当時は200名を超える議員たちがご父母様に侍っていたのですが、その時と同じような雰囲気が近づいています」
  かくて、UPFが福岡で開催したイベント「祖国郷土還元日本大会」に、当時官房長官だった安倍氏が祝電を送ったり、保守系団体の会合や野外イベンに昭恵夫人とともに参加、統一教会関連団体幹部と親しくなったという。
その後の安倍氏は、急激に教団との距離を縮めていく。12年安倍氏が政権を奪取すると、自民党議員の中には、選挙の際に「組織票」となり、選挙支援スタッフを派遣してくれる教団に依存する動きもおこる。
▼統一教会の選挙支援や強固な結びつき
2013年の参院選において、統一教会が全国の信者へ出した「通達」の中には、祖父・岸信介氏の恩人の孫で、安倍晋三氏肝いりの候補者への「後援」を「首相からじきじき」に「依頼」された旨の記述がある。教団の支援を受けて当選している議員は、今年の参院選挙でもいる。
  教団やフロント団体のイベントに、安倍氏の側近を含む、多数の自民党国会議員の来賓が確認されている。2016年に、UPFが創設した「世界平和国会議員連合」の日本創設式典には、当時の閣僚5人を含む、100名以上の国会議員(代理出席の秘書含む)が出席している。また、統一教会と関係の深い議員が多数、閣僚や副大臣などに登用されている。
  また、教団2世信者組織による安倍政権支持を訴える街宣活動が全国で行われたほか、複数の教団幹部が秘密裏に首相官邸へ招待されていたことも明らかとなっている。
2021年9月12日、韓国の教団施設で開催された大規模オンライン集会に、安倍氏がリモート登壇し、韓総裁を礼賛する映像が配信された。その翌月、梶栗正義・国際勝共連合兼UPFジャパン会長は、安倍氏との関係について、「温めてきた信頼関係がある」とし、文教祖や教団会長を歴任した父親(梶栗源太郎氏)時代から、岸、安倍との三代にわたる「付き合い」を誇っている。

▼岸、安倍を貫くもの
  岸、安倍を貫くものは強固な反共思想と権力志向である。周知のとおり、岸は戦犯として逮捕され巣鴨プリズンに収監された。しかし、うまく立ち回り、GHQに利用価値を見込まれ不起訴で釈放された。その後、CIAから渡された多額の資金を活用し、日本の保守政権中枢にのし上がっている。
一方、韓国は北朝鮮に対抗する反共国家としてつくられ、CIA・韓国CIAの指導の下に独裁が長く続いた。統一教会は韓国の大財閥をバックにそうした中で作られ発展した。宗教理念は異なるが似たもの同士である。

  そして、鎌田慧さんのコラムです。

◆寝た子を起こすな
  安倍元首相の「国葬」
  大がかりに国民を動員しようとする政治的利用主義

鎌田 慧(ルポライター)

 ロシアのウクライナ破壊攻撃は止まる気配はなく、新型コロナ
ウイルスの勢いは第七波、1日の感染者は大きく増えている。
 この閉塞感のなかで安倍元首相への襲撃事件が発生した。6日後の
14日、岸田文雄首相は突然、秋に「国葬を行う」 と発表した。
 「憲政史上最長の8年8カ月にわたり卓越したリーダーシップと
実行力」というのが、 国葬の理由のようだ。

 先週のこの欄でも書いたが、安倍政治は多数を恃んで、議会制民主
主義を空疎なものにした。身内を優遇したスキャンダルでボロボロ。
 米国との「核共有」など「平和国家」を誓った戦後の出発を否定
する、軍事強化にむかってきた。長いだけが取りえなのか。

 病気によって、二度も内閣を投げ出し、支持率も最後のころは30%
台だった。それでもなおかつ国葬を強行するなら、死を内閣の補強材に
利用するセレモニーの意味合いが強まる。

 大がかりに国民を動員しようとする政治的利用主義は、静かに霊魂を
追悼する儀式にふさわしくない。
 慰霊はそれぞれの個人の心の動きであって、膨大な国費を使って、
反対を押し切り政治力で強行されるべきではない。悲しみの総動員体制
は、靖国神社を思わせる。
 死者に対する批判がようやく鎮まろうとするとき、寝た子を起こす
ような、仰々しい行事への強制は、逆効果でしょうに。
     (7月19日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)

 ◆日本外交と政治の正体<449>
  安倍元首相の国葬は行うべきでない
  国葬にしなければならない理由は見つからない
  安倍退陣直前の支持率は34%(支持する)と47%(支持しない)だった

                        孫崎 享

 岸田首相が安倍元首相の葬儀について「本年秋国葬として行う」と
述べた。松野官房長官は会見で、国葬とするにあたっての明確な基準を
問われると、
1.安倍氏が憲政史上最長の首相であること
2.選挙遊説中に銃撃を受けて亡くなったこと
3.国内外から幅広い哀悼・追悼の意が寄せられたこと −
などを指摘した。

 政府内では当初、「国葬」の形式にするのは難しいとの見方があった
といわれている。
 戦前の国葬令は1947年に失効した。1967年に吉田茂元首相の国葬を
閣議決定で行ったが、 1980年に死去した大平正芳元首相以降は、政府と
自民党が共催する「内閣・自民党合同葬」が主流となった。

 任務遂行中に亡くなったことから言えば、大平氏は現役の時の選挙
期間中に容体を悪化して亡くなっている。重みは現職の死亡の方が重い。
 今回の安倍氏の銃撃事件で、殺人容疑で送検された山上容疑者の殺害
理由は、「旧統一教会への恨み」であり、政治的動機ではないとされて
いる。従って選挙中に殺害されたものの、政治目的のテロで殺害された
わけではない。安倍首相の民主主義や自由主義への姿勢が理由だったの
ではない。

 こうしてみてくると、「国葬」にしなければならない理由は、なか
なか見つからない。
 読売新聞は「国葬、当初は“国民総”軸に検討…首相が慎重論退け
る」の見出しで報じたが、その中に、「国葬の決定には、自民の国会
議員の約4分の1にあたる93人が所属する安倍派への配慮もある」との
記述があった。時事通信も「異例の対応で、安倍氏を支えた保守層への
配慮を示す狙いがある」と報じている。

 安倍氏が銃殺されて以降、大手メディアでは、コメントは
 1.哀悼の意を表すること
 2.称賛は惜しまないこと
 3.批判はしないこと − を方針としてきた。
 従って、安倍氏への批判はほとんどなく、批判は違和感を持って
迎えられる。

 しかし、少し前に時間をずらしてみよう。安倍氏が退陣表明直前の
内閣支持率は、NHKの調査によると、「支持する」が34%で、「支持
しない」が47%であった。
 つまり、仮に銃殺がなかったとすれば、国民は安倍氏を「評価
する」より、「評価しない」が多かったのである。
 岸田首相が党内運営を最重視し、国民の意思を軽視する時、思わぬ
批判増に直面する可能性がある。
            (7月20日発行「日刊ゲンダイ」より)

〔495〕本日発売!『結(ゆい)・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』の内容と目次を少し詳しく紹介します。

2022年07月22日 | 図書案内
 いよいよ本日『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』が発売されます。私どもが運営しているアマゾンの「猫家族」もいよいよ解禁になりました。
 ブログ〔492〕で簡単な出版案内はしましたが、詳しく内容について触れませんでしたので、今回は目次をそのまま転載します。
 出版社で〔内容紹介〕を書いてくれたようですが、字数の関係でしょうか「中世後期のドイツで活躍した彫刻家たち」列伝を掲載しているという記述が省略されています。本邦初紹介の彫刻・絵画写真が多数掲載されているのはその通りなのですが、これだけまとまってドイツゴシック後期の彫刻家について詳述された文献はないと自負しています。我々が足を運んで作品をこの目で見て、さらに奮闘努力してドイツ語文献のカタログを連れ合いの福田緑が読み解きました。
 日本はもとよりドイツの研究者でもドイツゴシック後期の彫刻をこれだけ訪ね歩いている人はいないと思います。多くのドイツ研究者が語ってくれたことで自慢できることです。
 巻頭に『結(ゆい)』を付したのは既刊4巻を総括するという意味合いが含まれています。1巻を除いてほぼ写真集に徹したのですが、本巻は作家列伝や「お薦めの美術館・博物館および教会」など文章記述も充実させました。
  「リーメンシュナイダーからシュトース」という副題は、2人の作家は同時代のライバル関係にあり、代表する存在だからです。表紙はリーメンシュナイダー、裏表紙はシュトースの代表作で飾りました。
 是非手にとっていただきたいと思います。



◆『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』(福田緑・福田三津夫、丸善プラネット、220ページ、2022年7月出版)

〔内容紹介〕
リーメンシュナイダーを入り口に、中世ドイツの彫刻家を写真集4巻にわたって紹介してきた著者が、これまで掲載が叶わなかった傑作の数々を、所蔵元との交渉を重ね満を持して届ける「特別掲載アルバム」。現地へ誘う所蔵元情報も盛りだくさん。
〔目次〕
*第I部 所蔵館別 特別掲載アルバム
ニュルンベルク ゲルマン国立博物館 
バンベルク バンベルク大聖堂
ミュンナーシュタット 聖マリア・マグダレーナ教会

*第II部 彫刻家別 特別掲載アルバム 
ニコラウス・ゲルハールト・フォン・ライデン Niclaus Gerhaert von Leyden
ミヒャエル・パッハー Michael Pacher
ダニエル・マウホ Daniel Mauch
 
*第III部 中世後期のドイツで活躍した彫刻家たち
ハンス・ムルチャー Hans Multscher  
ニコラウス・ゲルハールト・フォン・ライデン Niklaus Gerhaert von Leyden
ミヒャエル・パッハー Michael Pacher
ミヒェル・エーアハルト Michel Erhart
グレゴール・エーアハルト Gregor Erhart
ファイト・シュトース Veit Stoß
エラスムス・グラッサー Erasmus Grasser
アダム・クラフト Adam Kraft
ペーター・フィッシャー(父) Peter Vischer der Ältere
ティルマン・リーメンシュナイダー Tilman Riemenschneider
ダニエル・マウホ Daniel Mauch
ハンス・ラインベルガー Hans Leinberger
オットーボイレンのマイスターはハンス・トーマン?
マイスターH.L.はハンス・ロイ? Ist Meister H.L. Hans Loy?
ペータ・デル(父) Peter Dell der Ältere

第IV部 祈りの彫刻を歩く お薦めの美術館・博物館および教会

第V部 資料編
*リーメンシュナイダー覚え書きなど

〔著者略歴〕
福田 緑(フクダ ミドリ fukuda midori)
福田 緑 1950年生まれ 1972年東京学芸大学卒業 東京・板橋区を皮切りに33年間小学校教師として勤務 2005年3月退職 2019年10月 第22回自費出版文化賞特別賞を受賞
福田 三津夫(フクダ ミツオ fukuda mitsuo)
福田 三津夫 1949年生まれ 1972年東京学芸大学卒業 東京・北区を皮切りに33年間小学校教師として勤務 2005年3月退職 同年、第46回演劇教育賞受賞 1991年から20年間「演劇と教育」編集代表 埼玉大学(2006〜2015)・白梅学園大学(2012〜)で非常勤講師を歴任

〔494〕「彫刻はこう見るのか! 福田緑・福田三津夫著、…素敵な写真集をいただく」山﨑隆夫君のブログに感謝!

2022年07月20日 | メール・便り・ミニコミ
 大学時代の親友の山﨑隆夫君のブログ『扉の向こうは』(2022-07-16)で、拙著のことを丁寧に紹介してくれました。心温まるコメントで友を持つ幸せを感じています。ブログをそのままコピーさせてもらいます。本物を読みたい方はこちらからどうぞ。

 
『彫刻はこう見るのか!』

『彫刻はこう見るのか!』

彫刻はこう見るのか! 福田緑・福田三津夫著、…素敵な写真集をいただく 大学時代の親友・福田三津夫君(以下、福田と呼ぶね)とパートナー緑さんが、2人で共同して出…

扉の向こうは子どもの時間

 


◆彫刻はこう見るのか!
福田緑・福田三津夫著、…素敵な写真集をいただく

 大学時代の親友・福田三津夫君(以下、福田と呼ぶね)とパートナー緑さんが、2人で共同して出版した写真集をいただいた。写真集ではあるが、2人の思いのあふれる文章が各所に綴られている。
 本の題名は『結(ゆい)・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーからシュトース』(丸善プラネット社、2022年7月出版)。写真は福田緑さん。文章は緑さんと福田による。(本書の©の印がついていない写真は全て緑さんが撮影したもの)
 リーメンシュナイダーを日本に紹介した先駆者は福田緑さんだという。(これはぼくの間違い。正しくは、日本に最初に紹介したのは佐々木基一氏だということ。それまでも何冊かの本や雑誌等で取り上げられ紹介されていたが、リーメンシュナイダーの作品を目に見える形で紹介する写真集は緑さんが出版するまでなかったとのこと)
 ドイツの旅で夢中になり、1999年から22年以上、ドイツ国内だけでなく各地を訪ね、リーメンシュナイダーの作品のあるところにはどこにでも出かけて行ったようだ。
 リーメンシュナイダーは1460年頃誕生、1531年に亡くなっている。ドイツにおける中世後期「初期ルネッサンス」の時代の彫刻家。(ぼくの適当な解釈ですいません)

 その圧倒的な緑さんの熱量の中に福田も巻き込まれたようだ。
 緑さんの写真集は2巻出版されていたが、その後、福田の方が緑さんに言ったという。
「リーメンシュナイダーとつながる中世ドイツの彫刻や彫刻家についてもっと調べて日本に紹介したらどう」と。(福田の言葉をぼくが推測したもの。正確な彼の言葉の引用ではない)

 それが第3集、第4集となり出版される。
 そして、今回は2人の共著の出版というわけだ。写真は緑さん。
                   ※
 ぼくは、この世界に対しまったく門外漢で一読者でしかない。
 しかし、緑さんの写真を見て深く感動した。このことは、今年の1月、写真展が開催された時のブログでも触れたかもしれないけれど…。
 福田の説明によると、「本書の作成に際してもう一度ニュルンベルクのゲルマン国立博物館に緑の写真掲載を求める手紙と見本を送ったところ、正面性のある写真を博物館から購入するという条件で、ほかのアングルの写真は緑の写真を掲載してもよろしいという許可を得ることができた」と書かれている。
 つまり、今回の本に掲載されている(ゲルマン国立博物館)正面性の写真は、2人が個人的費用で買い取り、それを掲載しつつ、緑さんの写真を並べて掲載したということだ。
また、博物館が特別の許可を与えるほど緑さんの仕事への敬意と理解があったということ。

 そしてぼくは、実はこの正面性の写真に感動したというより、緑さんの手による写真に圧倒されたのだ。
 緑さんの手にかかると、途端にその彫刻が“命を吹き込まれ生を得て”見る者に深く迫ってくる。
 例えば、本書に最初に登場するシュトース(1447年頃~1533年)の作品『聖母子像』(p6~7)の写真。正面からとらえられたこの彫刻像も、勿論見るだけで何か訴えてくるものがあるが、緑さんのとらえたアングルからの写真をみると、母に抱かれた赤ちゃんが今にも動き出しそうな生きた表情としぐさをしていて、母の手は確かな命の存在を愛おしむように赤ちゃんを右手で抱きとめている。左手は長い襞をそっと持ち上げて…。母の眼差しは、正面からだととらえにくいが、緑さんの写真を通すと深い慈愛に満ちたふくよかな思いがそこにあふれていて、この子をその手に抱きとめる内から込み上げるような生きた喜びや満足感が漂っている。

「凄いな! 緑さんはここを見ていたんだ!」
と思った。

 本に掲載されたその他の写真にも(©の印のないものは全て緑さんが撮った写真)、当時を生きた人間の表情が的確にとらえられていて、ぼくの胸を揺るがす。まるで、その人物の内なる感情やこだわり、生き方、喜怒哀楽等までが浮き彫りにされているようだ。
 まさにこれらが「初期ドイツのルネッサンス」の作品なのだといっていいのだろう。教会に飾られた彫刻などが主だと思うが、当時の彫刻家たちは、一体の彫刻の中に“人間というものの真実”を深く読み取り、感じ取って、それを表現せずにはいられなかったのだろう。このすごさを緑さんは捉えた。そんな風に思った。
                    ※
 以上、もしかしたらぼくの勝手な理解かもしれないが、ふたりによる本の出版はうれしい。とにかく貴重な本だ。見事な写真が満載されている。
                    ※
 初めて2人と出会った日のことを覚えている。
 大学時代の4年生の11月ではなかったか。あるいは卒業した翌年? ぼくらはバドミントンクラブに所属しこれ一筋に生きていたが、大学祭でテントを借りて『ぷーな』という“うどん店”を開いていた。その時、福田が緑さんを伴い店にやって来て紹介してくれたのが初めての出会いだったような…。(事実は、大学卒業した翌年の秋だったね!)

 教師になって2人が結婚を決めた時、ぼくとYとが結婚式の司会をした。3人の中で一番早い結婚だった。福田には、教育実践への独特のこだわりがあってずいぶん刺激された。それぞれ独自の道を歩み始めるのだけれど、福田の存在はいつもぼくの気づかない世界を別面から照らし出してくれて励ましてくれた。

 今回もそんな感じで、2人の出版がとてもうれしい。大学を卒業して50年になるが、ずっと互いに刺激し合っていられる存在であったことがうれしい。

 福田、緑さん、写真集ありがとう。そして、おめでとう!

       
 *大学を卒業し教職に就いてからもしばらくは山﨑と連絡を取り合っていました。教育現場の情報交換から2人で冊子をつくることに発展していきました。
 その年の秋、日本生活教育連盟のサークルで緑と出会い、大学祭に同行することになりました。そこで山﨑たちバド仲間と緑は初対面したのです。その翌年山﨑とYの司会で私たちは結婚式を挙げることになったのです。

〔493〕たんぽぽ舎メルマガ緊急転送「アベさんに対する銃撃について思うこと」(小出裕章さん)を読んでください。

2022年07月15日 | メール・便り・ミニコミ
 安倍元首相の銃撃事件が起こりました。たんぽぽ舎メルマガ緊急転送します。
 とりわけ読んで欲しいのは「アベさんに対する銃撃について思うこと」(小出裕章さん)です。共感すること多々です。
 安倍さんは教育基本法の改悪から始まって、特定秘密保護法、共謀罪、集団的自衛権を認めた戦争法、森友・加計・桜を見る会などの疑惑は大きく日本をゆがめたと思います。非戦を誓った日本を戦争ができる「普通の国」にしたというのが私の認識です。100回以上も国会で嘘をついた人に対して国葬なんてとんでもないことです。

◆たんぽぽ舎です。【TMM:No4533】
2022年7月15日(金)地震と原発事故情報−
             6つの情報をお知らせします
                      転送歓迎
━━━━━━━ 
★1.原発 冬に最大9基稼働 首相表明 消費電力の1割
  火力も10基増         (7/15日本経済新聞より抜粋)
★2.株主にしかできない株主代表訴訟で福島第一原発事故を
  引き起こした東電旧取締役の社会的責任を追及することができた
  原発を運転する会社の取締役には他の会社とは
  比較にならない大きな責任が伴う
  その責任を取れない者は取締役などになってはいけない
    2022年7月13日 木村 結(東電株主代表訴訟事務局長)
★3.「アベさんに対する銃撃について思うこと」
  アベさんが銃撃を受けて死んだ。悲しくはない。
  アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる
  5人に入る人だった
   小出裕章(京都大学原子炉実験所 元助教)
★4.8つの政党本部に5団体で5つの質問を提出
  「老朽原発うごかすな!」「原発は原爆になりうる」
  「核のゴミを増やしてはいけない」
  「原発稼働は再び事故を起こす」「電力逼迫は防げないか」
  回答は立憲民主党、れいわ、日本共産党、社民党だけ
  突撃スピーチ1:木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
  7/6(水)第48回日本原電本店抗議行動報告 (その3)(5回の連載)
  とめよう!東海第二原発首都圏連絡会
★5.津波対策の必要性の認識を鋭く問いただす
  初の原発視察 東電株主訴訟で朝倉裁判長…
  メルマガ読者からの原発等情報1つ(抜粋)
   黒木和也 (宮崎県在住)
★6.新聞より2つ
  ◆統一教会 勧誘手口 安倍広告塔利用
   なぜ、大メディアは自民党と統一教会の関係を報じないのか
   今後もどんどん出てくるであろう自民党議員の統一教会総汚染
     (2022年7月15日発行「日刊ゲンダイ」1面より抜粋)
  ◆日本外交と政治の正体<448>
   安倍元首相銃撃で批判を封じる報道の異常さ
   この事件と報道は日本社会の特異性を示した  孫崎 享
        (2022年7月14日発行「日刊ゲンダイ」より)
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※7/16(土)日中近現代史−全6回連続講座(毎月第三土曜)

 日本の対中国侵略戦争からの教訓は何か
 〜歴史和解の方途を紡ぎだすために〜
 第1講「戦前の日本国家とは何だったのか」

 講 師:纐纈(こうけつ)厚さん(山口大学名誉教授・政治学博士、
        東亜歴史文化学会会長・植民地文化学会代表理事)
日 時:7月16日(土)14時より16時
会 場:「スペースたんぽぽ」
 参加費:800円 予約必要です。
     たんぽぽ舎あて電話 03-3238-9035か
     「ヤフーメール」<tanpopo3238@yahoo.co.jp> で、
     ご氏名と電話番号をお知らせ下さい。
     受付番号をお伝えいたします。
   第2講は8月20日(土)14時より16時
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※7/20(水)青木惠子さん講演会にご参加を!

 浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」連続講座
 『冤罪はなぜ起きるか 権力監視のジャーナリズムが衰退
  正義を実現しない司法』

 講 師:青木惠子さん(冤罪被害者)
日 時:7月20日(水)18時30分より20時30分
会 場:「スペースたんぽぽ」
 主 催:「スペースたんぽぽ」講座会議
 協 賛:人権と報道・連絡会
 参加費:800円 予約必要です。定員40名。
  7月16日と同じ予約方法です。
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※7/25(月)第4回安田節子氏連続講座(全6回)にご参加を!

   「子どもの健康とバイオテクノロジー食品」

 お 話:安田節子さん(食政策センター・ビジョン21代表)
日 時:7月25日(月)19時より21時
会 場:「スペースたんぽぽ」
 参加費:800円 予約必要です。7月16日と同じ予約方法です。
   第5回は9月27日(火)、第6回は11月30日(水)
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┗■1.原発 冬に最大9基稼働 首相表明 消費電力の1割
 | 火力も10基増
 └──── 7/15日本経済新聞より抜粋

 岸田文雄首相は14日、首相官邸で記者会見し原子力発電所を今冬に
最大で9基稼働すると表明した。国内消費電力のおよそ1割に相当する
電力を確保する。火力発電の供給能力も10基増やす。(後略)
          (7月15日「日本経済新聞」1面より抜粋)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA133Z30T10C22A7000000/

≪事故情報編集部≫より
 ・「電力需給逼迫問題」については、原発再稼働ではなく、
  「JERA」所有の休止火力発電の再開などメールマガジンで、
  引き続き、考え方を示していきたいと思います。


┏┓ 
┗■2.株主にしかできない株主代表訴訟で福島第一原発事故を
 | 引き起こした東電旧取締役の社会的責任を追及することができた
 | 原発を運転する会社の取締役には他の会社とは
 | 比較にならない大きな責任が伴う
 | その責任を取れない者は取締役などになってはいけない
 └──── 2022年7月13日 木村 結(東電株主代表訴訟事務局長)

◎ 11年間共に闘ってきた原告、そして弁護団と健闘を称え合いたいと
思います。
 更に33年前から東京電力の株を購入して株主総会で脱原発提案を訴え
続けてきた東電株主運動のメンバーに感謝します。
 何度も挫けそうになりながらも東電の杜撰な経営を許してはいけ
ない、首都圏の電気を作るために福島や新潟の人々が危険にさらされて
いる現実を変えなければいけない、と闘ってきました。

◎ 株主にしかできない株主代表訴訟を提起し、原発事故を引き起こし
た旧取締役5名の社会的責任を追及することができたのを嬉しく
思います。
 どのような技術でもヒューマンエラーはありますが、原発はひとたび
事故を起こせば取り返しのつかない被害を生命と環境に与えます。

 そのような原発を運転する会社の取締役には、他の会社とは比較に
ならない大きな責任が伴います。
 その重責を担う覚悟を持たない者は、責任を取れない者は取締役など
になってはいけないのだということを示していただいたと考えます。

◎ 判決をいただいた朝倉裁判長と川村、丹下裁判官にも感謝
申し上げます。
 証人席に立った専門家や被告に対して詳細にわたる質問をしていただ
き、想定問答を繰り返してきたであろう被告たちが言葉に詰まる場面も
あり、聞き応えのある尋問を展開していただきました。

 特に、「水密化」が造船や潜水技術として古くから確立された技術で
あり、津波対策として簡単にできる水密化すらしなかった東京電力の
危機意識のなさ、予測能力のなさ、5人の取締役の明らかな任務懈怠が
浮き彫りにされました。

 ちなみにこの「水密化」は6月17日の原発被害者訴訟の最高裁判決
で、後知恵だと唾棄されたのです。
 裁判官の資質が、自分の知識を常に疑う真摯な公平性が裁判官に
とっていかに大切かを知る判決でした。

 また、長きにわたった裁判の中、原告が提出した事実経過表に被告側
の主張も書き添えて主張の違いをひと目でわかるように提案してくだ
さった大竹裁判長にも感動しました。
 公正に裁判していただいたことを感謝しています。


┏┓ 
┗■3.「アベさんに対する銃撃について思うこと」
 | アベさんが銃撃を受けて死んだ。悲しくはない。
 | アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる
 | 5人に入る人だった
 └──── 小出裕章(京都大学原子炉実験所 元助教)

◎ アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認め
た戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京
オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。
 彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
できる国への道づくりだった。

 アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・
人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。
 朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、
彼の言いなりに膨大な武器を購入した。

 彼は息をするかのように嘘をついた。森友学園、加計学園、桜を観る
会、アベノマスク…
 彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネ
でもあるかのように使い放題にした。
 それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠
の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。その中で、自死を
強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。
 私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。
 私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺し
ていい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言
してきた。

◎ アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思った
が、殺していいとは思っていなかった。
 悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されて
しまったことをむしろ残念に思う。
 多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその
意見に与しない。
 すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。
 歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。
 そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている
人がいるとすれば、それこそ不思議である。

 国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら
奪った。
 民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙
区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。
 国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内に
ばらまいた。

◎ 原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考える
だけでもばかばかしい。
 日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている
時に安全だと言って認可された。
 もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。
 その福島第一原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後
11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たち
が苦難にあえいでいる。

 それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を
支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。
 もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は
国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。
 どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということを
フクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると
言っている。

◎ さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国に
しようとする。
 愚かな国民には愚かな政府。
 それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。
 しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつ
の日か爆発する。

 今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。
 でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する
意見には私は与さない。
 心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想
とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。
 さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などが今まで
以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされて
しまうのではないかと私は危惧する。(2022年7月9日付)


┏┓ 
┗■4.8つの政党本部に5団体で5つの質問を提出
 | 「老朽原発うごかすな!」「原発は原爆になりうる」
 | 「核のゴミを増やしてはいけない」
 | 「原発稼働は再び事故を起こす」「電力逼迫は防げないか」
 | 回答は立憲民主党、れいわ、日本共産党、社民党だけ
 | 突撃スピーチ1:木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 | 7/6(水)第48回日本原電本店抗議行動報告 (その3)(5回の連載)
 └──── とめよう!東海第二原発首都圏連絡会

突撃スピーチ1:木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 いよいよ参議院選挙ですがみなさん、まともな野党に投票しましょう。
 立憲民主党、れいわ、日本共産党、社民党だけです。そのことを確認
しました。
 実は公開質問、“老朽原発動かすな!”というのを各党本部へ送って
返事をもらいました。
 その結果を報告します。
 まず、この首都圏連絡会と再稼働阻止全国ネットワークその他5団体
で共同声明を発表しました。

 簡単にタイトルだけ言いますと、“老朽原発うごかすな!”、
それから“原発は原爆になりうる”、それから“核のゴミを増やしては
いけない”、4番目“原発稼働は再び事故を起こす”、5番目“電力
逼迫は防げないか”この5つについて質問したところ、
 8つの政党本部に出したのですが回答が返ってきたのは先ほど
言った4党です。
 それから自民党と国民民主党は一応回答が返ってきたんですが、
彼らはこれらの質問に答えなかったんです。コメントでしか回答
しなかった。
 さらに日本維新と公明党はなんか準備はしてたんですけど結局送って
こなかった。これが結果です。
 その資料お配りしますのでぜひ見てください。
 ここにいる人は与党とかに投票する人はいないでしょうけどこの
ことをみんなに伝えていきたいと思います。  (その4)に続く

┏┓ 
┗■5.津波対策の必要性の認識を鋭く問いただす
 | 初の原発視察 東電株主訴訟で朝倉裁判長…
 | メルマガ読者からの原発等情報1つ(抜粋)
 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.津波対策の必要性の認識を鋭く問いただす
  初の原発視察 東電株主訴訟で朝倉裁判長
  7/14(木)7:10配信「時事通信」
https://news.yahoo.co.jp/articles/25fd681bbc4f118ab45851c1d6a159e06ccd87fd


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┗■6.新聞より2つ
 └──── 

 ◆統一教会 勧誘手口 安倍広告塔利用
  なぜ、大メディアは自民党と統一教会の関係を報じないのか
  今後もどんどん出てくるであろう自民党議員の統一教会総汚染
     (2022年7月15日発行「日刊ゲンダイ」1面より抜粋)

  ※詳しくは次回のメールマガジンに掲載予定です。


 ◆日本外交と政治の正体<448>
  安倍元首相銃撃で批判を封じる報道の異常さ
  この事件と報道は日本社会の特異性を示した

                      孫崎 享

 安倍晋三元首相が7月8日、銃撃され死亡した。この事件は今日の
日本社会の特異性を示している。
 主要メディアの報道は
1.哀悼の意を強く出すこと
2.安倍への賛美はいいが批判をしないこと
3.メディア間で一体性を持つこと−である。

 大手5紙(読売、朝日、毎日、産経、日経)は、9日付の1面で「
安倍元首相、撃たれ死亡」と全く同じ見出しで報じている。
 一つの事件で同じ見出しが出るのは異常な現象だ。
 これだけではない。8日夜のデジタルなどの報道で、朝日、産経、
共同、日経、読売は「政治信条への恨みではない」と同じ見出しで
報じている。
 産経は「政治信条への恨みではない」と報じるとともに「県警は
認否を明らかにしていない」としている。

 おかしいではないか。「認否を明らかにしない」の状況下、なぜ
容疑者が即、「政治信条への恨みではない」だけ述べるのか。
 政権を忖度する警察誘導の報道だろう。
 日経新聞は「安保関連法・アベノミクスで功績」と前向き評価をして
いる。こうした報道に、今は哀悼だけを述べる時で、評価をするべき
ではないという声はない。

 では、批判した時はどうなるか。
 立憲民主党の小沢一郎衆院議員が、岩手県で行った参院選の応援演説
の際、安倍元首相銃撃事件について、こう話したと言う。
 「大変残念だ。お悔やみ申し上げる」「安倍さんの個人的な批判を
するものではないが、自民党の長期政権が社会をゆがめ、格差を拡大
し、国民の政治不信を招いた。その政治不信の中から、過激な者が銃撃
暗殺に走った」「日本の戦前の歴史も、世界の歴史でも、社会が不安定
になると、血なまぐさい事件が必ず起きる。自民党の長期政権が招いた
事件だと言わざるを得ない」
 これに対して、自民、公明が批判するならともかく、党首である
泉健太代表が「元総理の命が失われ、背景や全容はいまだ不明です。
その状況で、事件と長期政権など何かを不用意に関連付けるべきでは
ない。党としても注意いたしました」とツイッターに投稿した。

 「自民党の長期政権が社会をゆがめ、格差を拡大し、国民の政治
不信を招いた」のも、容疑者の生活困窮が犯罪に結びついたのも
事実だ。
 自民と対決を避ける、その姿勢では選挙で負けるのは当然だ。
         (2022年7月14日発行「日刊ゲンダイ」より)

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※動画アップの紹介

1.IWJさんの動画
・2022.6.27 たんぽぽ舎・徹底解説「経済安全保障推進法」危険な
現代の国家総動員法―登壇:海渡雄一弁護士
https://www.youtube.com/watch?v=4KPI5u6x5zQ

2.三輪祐児さんのユープランより
・20220709 UPLAN 高橋博子「被ばくの戦後史」
 https://www.youtube.com/watch?v=G3abtCi0ePg
・20220706 UPLAN 第48回とめよう!東海第二原発・
 第106回東電本店合同抗議
 https://www.youtube.com/watch?v=SLwehnti218
・20220616 UPLAN 内田雅敏弁護士「新大統領 尹錫悦政治の韓国」
 https://www.youtube.com/watch?v=5MppMbNbKjk
・20220523 UPLAN 安田節子「子どもの健康と農薬汚染・その2」
 https://www.youtube.com/watch?v=wEYfpFojx6k
・広瀬隆「二酸化炭素によって地球が温暖化しているという説は
 科学的にまったく根拠がないデマである」
 20220127 UPLAN 【総集編・全編6時間】
 https://www.youtube.com/watch?v=K14tki8e2Ck

────────── 
☆ひきつづき、たんぽぽ舎の活動・日刊メルマガ=「地震と原発事
 故情報」へのカンパを受け付けていますので、よろしくお願い致
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☆《事故情報編集部》より
 メールマガジン読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他
 投稿(「川柳・俳句・短歌」など)を歓迎します。

1.「投稿」のテーマは、「原発問題」が中心軸ですが、エネルギー、
 自然、政治・経済、社会、身近な生活も歓迎します。

2.原稿に「見出し」をつけて下さい。(「見出し」は1行見出し
 よりも2行又は3行見出しの方が読む人にとってわかりやすい)
 執筆者名(基本的に本名でお願いしています)と執筆者名の後にかっこ
 書きで「所属・団体名」か「在住県名」を記載して下さい。
 例:たんぽぽ花子(たんぽぽ舎)、
   たんぽぽ太郎(東京都千代田区在住)

3.「集会・デモ・講演会等のお知らせ」の投稿に関しては、
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 日程が直前にならないよう余裕を持っていただけると幸いです。
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〔492〕二十数年来のドイツゴシック後期の彫刻との邂逅が『結(ゆい)・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』に結実しました。

2022年07月12日 | 図書案内
  ミュンヘンのバイエルン国立博物館でティルマン・リーメンシュナイダーのマグダラのマリアに出合ったのは1999年のことでした。妻はそれ以来「リーメンシュナイダーの追いかけ人」になり本邦初の写真集・全4冊を刊行することになりました。
  5冊目の新刊『結(ゆい)・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』は単なる写真集ではありません。ドイツゴシック後期の彫刻との邂逅から二十数年間に書きためた文章を集大成したものです。
  こんな紹介文を書いてみました。



  新刊『結(ゆい)・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』
                      (福田緑・福田三津夫、丸善プラネット)
 
 ティルマン・リーメンシュナイダーは中世後期のドイツの彫刻家。精神性の高さを感じさせる静謐な彫刻群は福田緑の写真集『祈りの彫刻-リーメンシュナイダーを歩く』(全4巻)によって初めて日本に紹介された。(「祈りの彫刻 リーメンシュナイダー三部作」で日本自費出版文化賞グラフィック部門特別賞受賞)
  『結(ゆい)・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』は「祈りの彫刻」シリーズの第5巻。既刊と異なるのは、ドイツ語文献・図録に基づいたリーメンシュナイダーやファイト・シュトースと同時代の作家列伝や作品解説があること、夫婦の共著になっていることなどである。

 本邦初ともいえるドイツ中世後期の彫刻・絵画を写真とともに多数紹介している。
 絵画は彫刻家のシュトースやミヒャエル・パッハーが描いたものに限定している。まさに、彫刻と絵画の二刀流である。シュトースの絵画画像はヴェニガー博士の提供、パッハーのそれはミュンヘンのアルテピナコテークから購入した。
  彫刻と絵画の二刀流といえばもう一人、ハンス・ムルチャーを忘れてはいけない。こちらは残念ながらベルリンの絵画館からの購入はならなかった。

  この時代はゴシック後期ともドイツ・ルネサンスとも称されるが、創造的で個性豊かな彫刻群は近代への萌芽・橋渡しであるに違いない。日本でもっと紹介されたり、注目されて欲しいという願いを込めた出版であった。
  なお資料として詳細に「 作品の宝庫である美術館・博物館・教会を歩く」が付されている。訪ね歩くための人にはもってこいのガイドブックになっていると自負しているのだがどうだろう。

■2022年7月発行、5720円、220ページ


  今年の1月に原稿を預けてから半年、校正を経てようやく見本が送られてきました。
 発売は7月20日(水)です。アマゾンネットの「猫家族」でも販売予定です。少々お待ちください。

〔491〕現代女性文化研究所、「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」知っていますか。

2022年07月07日 | メール・便り・ミニコミ
 ある人から現代女性文化研究所ニュースという冊子をいただきました。NPO現代女性文化研究所が年3回程度発行する立派な出版物です。B5版、20~24ページ程度になるでしょうか。 
 望月百合子さんが題字を書かれたそうですが、私はそもそも望月百合子さんとはどういう人なのかまったく知識がありません。ネットで調べると次のようなことが見つかりました。

◆「すべての女性の幸福と人間としての平等、平和な世界」実現のために、 私たちは今、熱く語りあい、活動し続けます。この素朴ともみえる根源的な主張は、これまでたくさんの女性によって思考・模索され、語られ、実行に移されてきた長い歴史の積み重ねそのものであります。時は21世紀という新しい時代を刻んでいますが、 地球上ではなお、さまざまな差別や心身の自由を犯す事件・紛争が絶えません。永遠の願いをどのように実現していったらいいのか、共に考える機会をつくることにしました。
 この研究所は、100歳まで生きた評論家の望月百合子さんの遺志によって生まれました。「現代女性文化研究所」の発案・命名とも望月百合子さんによるものです。冒頭にある「すべての女性の幸福と人間としての平等、平和な世界」の実現は、望月百合子さんが生涯を賭けてつらぬこうとした理念です。100年という時間を背景に生まれたこの研究所は、今後女性のためのさまざまな活動を行っていきます。 (現代女性文化研究所HPより)





 現代女性文化研究所ニュース61号に「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」のことが書かれていました。同会が「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」優秀賞を受賞したというのです。
 「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」が開設されたことは知っていましたが、今年ですでに4回目になるとは思ってもいませんでした。

  そもそも、むのたけじさんの話を直接聞いたのは、2016年5月3日の憲法集会の時でした。息子さんに補助されながら車椅子で登壇し、反戦を力強く訴えられました。その3か月後に101歳で亡くなられたのでした。その時の様子も織り込まれたDVDを私は後に視ることになります。

〔490〕5月3日の憲法記念日、4紙掲載の市民意見広告は日本国憲法を守り実践するものです。

2022年07月05日 | 市民運動
 ここ数年、市民意見広告運動に共感し、活動に参加しています。
 参加すると言っても、駅頭や地域で市民意見広告のチラシを配る程度ですが。
 先日、活動や会計報告、紙面別刷り、そしていつものように「市民の意見」という冊子が送られてきました。
 賛同者は11,432人、賛同金は31,629,341円。掲載紙は朝日新聞、読売新聞、沖縄タイムズ、琉球新報の4紙だったそうです。
 掲載された参加者名をマーカーで丁寧に辿ることは彼らとの連帯の証です。新しく知人の名を見つけて嬉しくなることもあります。





 今回紹介したいのは「市民の意見」という冊子です。隔月刊、年2,500円ですが、頒価は1部400円です。
 6月1日発行、191号の目次を紹介しておきます。海老坂武さん、永田浩三さん、田浪亜央恵さんなどの論考に刺激を受けました。田浪さんは東村山で秋津屋ラーメンを営んでいた田浪政博さんの娘さんです。政博さんの年賀状をこのブログで取り上げたことがありました。
 「田浪さんは開店10周年記念として、戦後すぐに発行された文部省が作成した『あたらしい憲法のはなし』を復刻出版したのです。東久留米九小の全校児童の前で東京大空襲の話をしていただいたこともありました。」(ブログ〔428〕より)

 元中学校教師で詩人の石川逸子さんが『三鷹事件 無実の死刑囚 竹内景助の詩と無念』(梨の木舎)を上梓されました。それを書評した松井隆志さんの結語「…戦後史を考える際には、『革新』側の過ちもその背景の一部をなしていたことを忘れるべきではないだろう。」も重く心に響きます。

◆ 無責任国家 鎌田慧(ルポライター)
                 
 米連邦最高裁が、人工妊娠中絶の権利を否定した。1973年にこの権利を
認めた最高裁判決を覆したのは、トランプ前大統領がリベラル派の判事を
外して、保守派を指名していたからだった。
 裁判所が「人権の砦」と言うよりも「権力の防波提」のようになってい
るのは、米国のことだけではない。被告にとって痛憤の最高裁決定は少な
くない。が、典型的なのは砂川裁判判決だった。
 59年3月、砂川基地反対闘争での逮捕者が一審の東京地裁で無罪判決と
なった。「米軍駐留は憲法第九条違反」とした伊達判決にたいしてマッカ
ーサー駐日米大使が藤山愛一郎外相と会い、最高裁に「跳躍上告」をする
よう促した。外国の大使が政府中枢に直接政治工作したのだが、同大使は
田中最高裁長官とも秘密協議を進めた。
 9か月後、最高裁は全員一致で、伊達判決破棄、米軍駐留合憲の逆転判
決をだした。日本の主権が疑われた判決だった。
 そして、現在只今、東電福島原発事故の被害者が国に損害賠償を求めた
 4件の集団訴訟で最高裁は「津波は想定外」として国の責任を免責した。
わたしは、原発建設時代から取材してきたのだが、自治体の首長たちは
「国が安全だ、といってますから」と推進してきた。
結局、誰も責任を取らなかった。いままた「原発の最大限利用」などと
いう。極限の「無責任国家」だ。
(6月28日東京新聞23面「本音のコラム」より)

〔489〕機関誌『風の子』(41号、特集■劇団風の子創立70周年を迎えて)が発行されました。

2022年07月02日 | 図書案内


 劇団風の子の機関誌『風の子』(41号、特集■劇団風の子創立70周年を迎えて)が送られてきました。不定期刊行物で、前号は2016年発行でした。
主に子どもたちが鑑賞する劇をつくる劇団がこのような機関誌を発行し続けていることはあまり例がありません。優れた劇を作り続けてきた歴史ある劇団だから出来ることです。
 まずは、2001~2020年の歴史を写真や文章、上演作品年譜で辿ります。

 Ⅰ 舞台写真でみる劇団風の子70年(2001~2020年)
 Ⅱ 劇団風の子70年の歩み(2001~2020年)
 Ⅲ 劇団風の子・上演作品年譜(2001~2020年)

 次に目次をコピーしておきます。
 読んでみたい方は以下のところにご連絡ください。



*風の子41号(600円、2022年4月20日発行)
*劇団風の子協議会:東京都八王子市美山町1320-1、電話 042-652-1001

 機関誌『風の子』と一緒に劇団風の子・団内通信(A4版4頁)が送られてきました。季刊紙のようで、今回は7,8号でした。政治社会状況を展望する「風来坊」、「公演現場からのこえ」、「劇団キャンパス公演」などの情報満載です。劇団創始者の多田徹さんの精神が息づいているようです。



〔488〕「壊憲政治は、戦争への道」(コンパス21)は投票前に読んで欲しい冊子です。

2022年07月02日 | 図書案内
 1週間前にあった「清瀬・憲法九条を守る会」の例会は192回目でした。特別ゲストとして、新社会党委員長・岡崎宏美さん、参議院選挙比例区出馬の岡崎彩子さんを交えての拡大版「清憲」という感じでいつもより多い20名の参加でした。
 ところで、あらためて九条の会の歴史について調べてみてびっくりしました。最初に結成されたのは日本ではなく、1991年の湾岸戦争時、アメリカでチャールズ・オーバービーさんが創設したのでした。日本国憲法九条の優位性を認め、その精神を世界中に広めたいという彼の願いが発端でした。改めて思い出した次第です。
 1993年、日本で最初の九条の会は名古屋で設立されたのですね。
 2004年、九条の会が全国組織になります。小田実、鶴見俊輔、澤地久枝などそうそうたる知識人、運動家9人が代表に名を連ねます。
 清瀬では2005年、布施・佐藤・篠原各氏が設立します。当時、清瀬・九条の会が存在していたため別組織として清瀬・憲法九条を守る会がつくられました。私は2回目から参加し続けています。今年で17年目ということになりました。



 その会で、1冊の本をいただきました。「壊憲政治は、戦争への道」(コンパス21)です。今年3月に発行された82頁、880円の読みやすい冊子です。現在の日本の政治や社会を俯瞰でき、参議院選挙の投票に参考になるものです。一読をお勧めします。。
*連絡先:コンパス21刊行委員会
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-10 三辰工業ビル3F
電話 03-6380-9960

◆「沈思実行」(103)
  続・裏切られた少女の希い
  沖縄の平和を抜きにして憲法第9条は存立しえない
                     鎌田 慧

 ロシアのウクライナ侵略を背景にした、バイデン・岸田会談。岸田
首相は、日本の防衛費をさらにふやして、防衛力を抜本的に強化すると
誓った。会談の主要なテーマが日米軍事同盟の強化だった。
 岸田首相が「敵基地攻撃能力の保有」をふくめて、「あらゆる選択肢を
検討する決意」を述べると、バイデン大統領は「強く支持する」と応じた。

 会談後の記者会見で、中国が台湾に侵攻した場合に、米軍が軍事的に
関与するかどうか、と記者団から質問され「イエス。それが我々のコミッ
トメント(誓約)だ」と答えた。
 さすがに、安倍元首相が主張する「核共有」の方針は確認されなかった
ようだが、軍拡強化から戦争へと進むのを容認する首脳会談だった。
 ウクライナのゼレンスキー大統領が、「ウクライナがNATOに加盟し
ていれば、ロシアの侵攻はなかった。それが歴史的失敗」と言ったのを受
けて、これから戦争危機?軍備増強論が横行しそうだ。

 会談後の共同声明に、権威づけとして、沖縄辺野古の新基地建設が言
及されている。これらの報道を読みながら、わたしは沖縄出身の歴史学者・
新崎盛暉さんの「沖縄を米軍政下に置いている不条理がいわゆる『平和憲
法』の成立と結びついている」(『わたしの沖縄現代史』岩波現代文庫)
との指摘を想い起こしていた。
 「非武装国家日本」が「アメリカの目下の同盟国」へ、「沖縄の分離独
立支配」が「沖縄の日米同盟の軍事拠点化」と実質的に変化する「構造的
差別」を、新崎さんは鋭く批判していた。

 全島米軍基地といっていいほどの、沖縄の大いなる犠牲と苦悩にはまっ
たく無頓着に、本土のわたしたちは平和を謳歌してきた。
 そしてさらにいま「台湾危機は日本危機」と言い募りながら、その犠牲
を奄美群島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島に押しつけようとして
いる。自衛隊とミサイルを配置しての要塞化である。
 沖縄の平和を抜きにして憲法9条は存立しえない。
 憲法9条が沖縄に適用されないかぎり、日本の平和はない。
         (6月8日発行、週刊「新社会」8面より)