後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔708〕新刊『ラボっ子旅に出る。』(副題、異文化をめぐる50年、そしていま、神山典士著、冨山房インターナショナル)には半世紀にわたる国際交流の歴史が凝縮されています。

2024年07月19日 | 図書案内

 株式会社ラボ教育センターについてはたびたび紹介してきましたが、単なる地域の英語教室ではなく、独特の方法(ラボ教育メソッド)により「英語力と社会力を獲得する」学びの場とでも言えるのでしょうか。私のラボ教育センターとの出会いやその研究組織での活動については拙著『実践的演劇教育論-ことばと心の受け渡し』や『地域演劇教育論-ラボ教育センターのテーマ活動』(いずれも晩成書房)に書いていますので、読んでいただければ嬉しいです。

 ラボ教育センターの活動は、物語(ラボライブラリー)を丸ごと表現するテーマ活動などの日常活動と、キャンプや国際交流などの非日常活動に大別されるように思います。新刊『ラボっ子旅に出る。』はラボ教育センターの歴史も踏まえ、とりわけ50年にわたるラボ国際交流に焦点を宛てて書かれたものです。
 著者の神山典士さんがラボっ子ということで、当然のことながらご自身の体験と重ね合わせながら自由自在に筆を運ばれています。
  ノンフィクション作家の神山さんといえば、「佐村河内事件」でマスコミを賑わし、多くの賞を受けられているのでご存じの方も多いことでしょう。
  私は松本輝夫さん(ラボ教育センター元会長)の出版記念会の司会をされている時に1度だけお目にかかったことがあります。神田の冨山房でのことでした。

 本書は周到で丁寧な調査に基づいて書き込まれた労作です。日本の若者が異文化に出会い、大きく人生を変え、成長していく様が随所に語られています。写真もふんだんに挿入されていてとても読みやすい本になっています。昨今必要以上に匿名で語られ、ぼやかした映像が流布される風潮の中、全編を通して固有名詞で語られていることにも好感を持ちます。
 谷川雁さん、定村忠士さんといったもはや歴史的人物のことばも適宜挿入されています。私が言語教育総合研究所でお世話になった故・鈴木孝夫さん、門脇厚司さん、故・本名信行さん、そして、テューターの佐藤公子さん(長時間インタビューさせていただきました)、岩坂えり子さん(私にとって初めてのラボ・パーティ訪問をさせていただきました)などのお名前も懐かしく拝見できました。
 注文は1つだけです。国際交流がテーマなのでそちらに絞ったことは理解できるのですが、テーマ活動の写真を何頁か入れて欲しかったです。「初期のレッスン風景」との対比ができておもしろかったのではないでしょうか。

  蛇足ですが、今年のパリオリンピックを回避して、来年夏には地域の仲間や家族とドイツを根城にした旅を考えています。南フランスのロマネスク再訪、北フランスのゴシック彫刻も視野に入れています。私たちも旅に出ます!

■ 『ラボっ子旅に出る。』副題、異文化をめぐる50年、そしていま、神山典士著、冨山房インターナショナル

〈目次〉
はじめに コロナ禍を乗り越える
第1章 旅立ちの前夜
第2章 「ラボ・パーティ」誕生の秘密
第3章 「ひとりだちへの旅」で鍛えられる
第4章 英語力と社会力を獲得する
第5章 旅の記録2023
第6章 OB・OGたちの足跡といま
おわりに 国際交流半世紀の歴史の重み


〔707〕新刊『国家権力による虚構―歴史の歯ぎしりが聞こえる、「泊・横浜事件」と「大逆事件」』を心して読みました。

2024年07月10日 | 図書案内

 ここ1週間ほどブログが更新できなかったのは表題の本を読んでいたからです。視力の衰えを感じながら、内容の重いこの本にじっくり目を通していたのです。 

 ■『国家権力による虚構―歴史の歯ぎしりが聞こえる、「泊・横浜事件」と「大逆事件」』 向井 嘉之/金澤 敏子/西村 央【著】
・細川嘉六ふるさと研究会、能登印刷出版部、231頁、2024年4月20日発行

   明治時代の「大逆事件」とその30年後、昭和時代の「泊・横浜事件」の共通項はいずれも権力犯罪による事件だという点です。まさに「国家権力による虚構」、権力によるフレーム・アップ(でっち上げ)ということで通底しているのです。「大逆事件」は明治の「泊・横浜事件」、「泊・横浜事件」は昭和の「大逆事件」である、と言った人がいたということでした。なるほど、言い得て妙です。
 本書発刊の狙いは次のことに凝縮されそうです。 
 「国家主導による個人の抹殺とは一体何なのか。「大逆事件」と「泊・横浜事件」を通してその本質を考えてみたい。」(まえがき)

  本書の出版の大きな契機になったのが、「泊・横浜事件」の元被告で中央公論社編集者だった木村亨さんの妻、木村まきさんの死去でした。まきさんは私と同じく清瀬市に住み、地域の市民運動を共にしてきた仲間でもありました。まさに同世代でその人となりを良く知っています。
 彼女を悼んで東京の練馬区にあるギャラリー古藤で「治安維持法の時代を考える」という展示会が開催されたことはこのブログでも報告したところです。昨年の暮れのことでした。
  この本にも頻繁にまきさんが登場し、その展覧会の資料も数多く掲載されています。
 私の後ろ姿も写真に写っていたり、大杉榮の甥にあたる大杉豊さんも来場されていたようです。

 「泊・横浜事件」と「大逆事件」とつなぐ奇遇と言っても良い事実が紹介されていました。木村亨さんは大逆事件で処刑された元医師の大石誠之助と同郷で新宮市の出身です。亨さんの祖母は大石誠之助に看てもらったということでした。「貧しい人からは金を取らない、あんなに良い先生がなぜ殺されたのか。」ということばを覚えていたというのです。
 最後はルポライターの鎌田慧さんへのインタビューで締めくくられています。鎌田さんは大逆事件で生き残った坂本清馬伝『残夢』を著しています。『大杉榮 自由への疾走』と共に名著と言えるものです。

 興味深かったのは「泊・横浜事件」で拷問にあった中央公論編集部長だった藤田親昌のことです。彼の息子が演出家のふじたあさやさんです。日本演劇教育連盟の演劇教育賞選考委員会などで何年もお世話になった方です。2017年、青年劇場が「『事件』という名の事件」を上演しました。木村亨さんが重要人物として描かれているらしいのですが、再演の時は必ず足を運ぶつもりです。


◆永遠の未完成
  六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場
  事業費15兆1千億円は私たちが支払っている電気料金

                                    鎌田 慧(ルポライター)

 青森・六ケ所村に建設中の原発の使用済み核燃料の再処理工場。核燃
料サイクルの事業費が、予定より増えて15兆1千億円になる、と「使用
済燃料再処理・廃炉推進機構」が発表した。
 今月末にはいつから稼働できるか発表する、と言っていたがそれは無
理で27回目の延期発表になりそうだ。
 15兆円といえば国家的大事業だが、着工は1993年(69年には建設計画
があった)。それから31年たったがいまだにいつ完成するのか、誰も語
ることができない。

 工期が長くて有名なスペインのサグラダ・ファミリアは、着実に建設
が進みガウディ没後100年の2026年にはメインタワーが完成する。

 一方、青森で未完の再処理工場は、建物だけはほぼ完成したが、高レ
ベル廃液をガラス固化体にする建屋が、2009年の廃液洩れ、事故で汚染
され停止したまま。
 試運転さえできていない。ウラン溶液とプルトニウム溶液とを分離、
精製する作業もある。
 が、事故続きだった高速増殖炉「もんじゅ」が、ついに廃炉を決定し
たように、廃炉宣言は必定だ。

 使用済み核燃料を核燃料サイクルで全量再処理する、それが政府の絵
に描いた餅。
 破綻はすでに明らかだ。生産がなくとも倒産しないのは、私たちが支
払っている電気料金から費用が支払われているからだ。
 未来のエネルギー。その虚妄を私たちが身銭を切って支えている。
                 (6月25日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」)

   ◆虚妄の核燃料サイクル (上)
  地震大国で活断層だらけの日本では 最終処分場は無理
  着工31年でもまだ未完成の工場
                         鎌田 慧

 6月中旬、佐賀県玄海原発敷地内で、使用済み核燃料(核のごみ)最
終処分場を建設するための、調査がはじまった。これまでは北海道の寿
都町と神恵内村での調査があったが、原発敷地内では初めてだ。
 調査に協力するだけでも20億円が入る、そのカネの力に屈した。さら
に四国電力の伊方原発でも、自社の使用済み核燃料を保管する動きが
ある。

 しかし、最終処分場は世界でもいまなお、フィンランドのオンカロで
建設工事が始まっているだけで、地震大国・日本ではほぼ無理とされて
いる。
 だから日本では、地下300m以上の地層内に埋蔵する方法ではなく、
「キャスク」と呼ばれる、高さ5.7m、直径2.4mの円筒状の金属製
容器に収容して、地上におく方式を取ることになった。
 いわば「仮処分」だが、地上、地下ともに安住の保証はまったくない。
 原発の終わり、デッド・ロックの象徴でしかない。
 にもかかわらず、岸田首相の原発延命政策は、無知、無責任、集団自
殺行為といっていい。

 原発はいまさらいうまでもなく、活断層だらけの地震列島・日本には
もっとも不向きな発電装置だ。
 パイプだらけの原発が大地震に耐えられるかどうか、事故時に住民が
無事に放射能、圏外に脱出できるか、それらの不安すべてを、カネの力
で押し切った暴政が、日本の原発政策だった。

 いま、着工から31年が経ってなお、稼働の見通しがまったくない、青
森県六ヶ所村の核燃料再処理工場の実態を見れば、核政策がいかに馬鹿
げたものだったかがわかる。

 六ヶ所村への「核燃料サイクル」建設は、1969年の「新全国総合計
画」(新全総)時代に計画され、秘密にされてきた(拙著『六ヶ所村の
記録』)。
 着工して31年経っても完成しない工場とは、現代の怪談とも言える。
 日本の「国家事業」としての核燃料サイクル路線とは、技術評論家の
山本義隆氏が書いている。
 「核燃料サイクルの確立そのものを第一目的として核発電に取り組ん
だのである」(「核燃料サイクルという迷宮」)。
    〔6月26日「週刊新社会」第1360号「沈思実行」(199)より〕


〔706〕「わたしは小学生に稲作体験授業を教える農家のお爺さんなのです。」(岡山の矢部顕さんより)

2024年06月28日 | メール・便り・ミニコミ

●福田三津夫様

今年は梅雨入りが遅く、梅雨に入る前に田植えが終わりました。
自分の田の田植えが終わると、小学生の学習田の田植えです。
田植え前の水入れ代掻きのための足ふみ水車(みずぐるま)体験、
そして田植えの写真を添付します。
足ふみ水車体験は大正時代のものを使って行いますので、とっても
珍しい風景ですので、「日本農業新聞」に掲載されました。
わたしは小学生に稲作体験授業を教える農家のお爺さんなのです。
  
矢部 顕


〔705〕6月24日(月)、都知事選・蓮舫さん支持の清瀬駅頭集会に参加しました。

2024年06月27日 | 市民運動

 6月24日(月)の朝9時から約30分間、清瀬北口のロータリーで、都知事選・蓮舫さん支持の駅頭集会に参加しました。
 司会は宮原りえ市議(立憲民主党)、リレー式にアピールが続きます。小西みか市議(生活者ネット)、ふせ由女市議(共に生きる)、原田ひろみ市議(共産党)、原のり子都議(共産党)、宮本徹議員(共産党)の順だったと思います。

 東京都の予算はスウェーデンの国家予算に匹敵すると言われています。自治体と国を単純比較はできませんが、スウェーデンが実現している教育と医療の無償化と東京都との差異は覆い隠しようがありません。東京都はようやく小中の給食費無償化半額補助を打ち出し、裕福な23区は早速実現しましたが、多摩地区はほぼ半分の自治体だけが手を挙げただけです。中途半端な給食費半額補助が逆に多摩格差を生んでしまったのです。
 私は、大学での教師養成に20年近く関わってきましたが、昨今の学生たちの教職敬遠は深刻な問題です。とりわけ東京都の教職希望が激減しているのです。教員試験の倍率が地方より圧倒的に低いのです。学生たちは教師の仕事の大変さを漠然と感じているのです。
 東京の教育を変革しなくては優れた人材は集まらないでしょう。
  私が新卒だった70年代は美濃部都政で、自由な空気が東京の学校に溢れていたように思います。東京の教育の危機は1999年に登場した石原都政からでした。国家主義的、能力主義的な息苦しい教育現場になってしまいました。
 私にとって都知事は主に教育の視点から選んでいきたいと思うのです。

◆知られたくない過去
  小池百合子氏は、やはり人間として信用できない

                               前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 明るみに出れば地位も名声も失う、人に知られたくない過去を覆い隠
すため、それを知る者を殺す。松本清張の「ゼロの焦点」や「砂の器」
はそういう話だ。
 そんな話になるはずはないが、小池百合子都知事の学歴詐称疑惑は、
彼女の過去をよく知る人物の実名告発でいよいよ深まってきた。

 「このまま黙って死んだのでは悔いが残る」との思いで文芸春秋5月
号に手記を寄せた北原百代氏に加え、11日にはかつて小池一家を財政支
援した朝堂院大覚氏が記者会見した。同氏によれば小池氏はカイロ大学
を2年で中退。その後、朝堂院氏の資金援助を受け、ある人物と空手の
雑誌を始めたが失敗、1年後には東京へ帰り同氏の事務所を手伝ってい
たという。

 12日の囲み会見でジャーナリストの佐藤章氏が朝堂院氏の名前を出す
と、小池氏は何も答えずそそくさと立ち去った。
 よほど触れられたくない過去なのなろう。20日の告示日にも街頭に出
なかったのは、これを聞かれたくないからだろうか。

 小池氏の元側近・小島敏郎氏は18日、小池氏の学歴詐称を刑事告発し
た。彼女の「卒業証書」と「卒業証明書」をアラビア語の専門家の協力
を得て検証したところ、その記載内容には矛盾や欠落が七つあった
という。
 世話になった人から次々に告発される小池百合子氏は、やはり人間と
して信用できない。 (6月23日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔704〕「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」、鎌田慧氏講演会に行ってきました。

2024年06月23日 | 講座・ワークショップ

 昨日、2024年6月22日(土)は「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」ということで、ルポライターの鎌田慧さんの講演会が国立ハンセン病資料館映像ホールでありました。清瀬・憲法九条を守る会、清瀬・くらしと平和の会の仲間と大挙して参加してきました。
 鎌田さんは1時間45分の長時間、ほとんど資料もご覧にならないで、語り続けられました。テーマはまさに「冤罪を追う」。財田川事件、狭山事件、袴田事件、弘前大学教授夫人殺人事件など、現場に足を運び、当事者と対面しながら知り得た事実・真実を訥々と語られました。ルポライターとしてのナマの凄みがそこにはありました。

 10分程度でしたが、冤罪犠牲者の会事務局の野島美香さんの菊池事件のお話もありました。菊池事件は、あるハンセン病患者の冤罪事件です。そのレジメの一部を紹介します。

 講演会傍聴者の中に、『それぞれのカミングアウト』を出版された八重樫信之、村上絢子ご夫妻もいらっしゃいました。

 鎌田さんは近々鎌田慧セレクション『現代の記録』(全12巻、皓星社)を出版されるそうです。私の書棚に収まっている『鎌田慧の記録』(全6巻、岩波書房)は1991年刊行ですから、全集としては三十数年ぶりということになります。
 次に私が期待しているのは、大杉榮、鈴木東民、坂本清馬、太宰治、葛西善蔵などの鎌田慧評伝全集です。どうでしょう、鎌田さん。


〔703〕「腰越九条ニュース214号ができましたのでお送りします。」(塚越敏雄さんより)

2024年06月16日 | メール・便り・ミニコミ

 腰越の塚越敏雄さんから腰越九条ニュース214号が届きました。メールと一緒に紹介します。
 
■遅くなりましたが、腰越九条ニュース214号ができましたのでお送りします。
憲法審査会では、改憲に向けての動きが激しくなっています。目が離せません。
                      塚越敏雄

◆ミサイルと石垣島(下)
  沖縄に自衛隊が配備されつづけ、ほぼ5倍に 異常だ
  ミサイルを沖縄に並べ立てたら、こっちから中国にけんかを
  仕掛けることに
  沈思実行(197)
                   鎌田 慧

 1972年5月の本土「復帰」のあと、この52年間で沖縄の自衛隊施設は
4.9倍にふやされた。国土面積の0.6%の沖縄に、米軍基地の7割が
集中している、と言われながらも、自衛隊が配備され続けてほぼ5倍、
異常というべきだ。
 「本土」に住むわたしたちは、あまりにも、無関心、無頓着だ。

 日米合同演習がはじまり、5月中旬、エマニュエル駐日米大使が、与
那国島の空港に軍用機で降りたった。「日米同盟の戦力強化」の実際を
視察した、という。

 「ミサイルを並べ立てたら、こっちから中国にけんかを仕掛けること
になる」。石垣島の花谷史郎さんの言葉を、わたしは7年前に紹介して
いた。(「東京新聞本音のコラム」2017年1月10日)。
 しかし、非戦を誓った日本国憲法の許で、かつて4人に1人が戦争の
犠牲者となった沖縄で、さらに沖縄本島よりもはるかに小さな孤島群で
日米一体の戦争準備が急速に進められている。この対米従属、無責任な
自公政権に、わたしたちは厳しい批判をしてこなかった。

 沖縄本島北部の東村高江のオスプレイ基地建設反対運動や辺野古新基
地建設反対運動にはなんどか参加した。が、米軍基地はそれだけではな
い。エマニュエル大使や米インド太平洋軍のアキリーノの司令官や日米
海兵隊を統括する第3海兵遠征軍のターナー司令官も海兵隊の輸送機で
先島に着陸している。日米共同訓練や部隊派遣はすでに織り込み済みだ。

 鹿児島の南、馬毛島が防衛省に買収、航空兵站基地とされ、その先の
奄美大島が海上兵站基地。沖縄本島には陸海空の旅団や航空群で7千人
ほど駐留。久米島に航空隊、宮古島、石垣島、与那国島にミサイル配備。
琉球孤はハリネズミのように武装させられる。「平和の島」の要塞化は
イメージするだけで、息苦しくなる。

 石垣島の山里節子さんに電話をかけた。「物理的にミサイルがなん本
たてられようが、平和を愛する島のこころをもちつづけ、喜怒哀楽を
歌ったり踊ったり島と一緒に乗り越えていきます」。彼女は三味線の
名手なのだ。       (6月12日「週刊新社会」第1958号より)


〔702〕ふせ由女清瀬市議の最新「ゆめ通信」(39号)は読み応え十分です。

2024年06月16日 | メール・便り・ミニコミ

 「ゆめ通信」が発行されました。市議会終了後に発行し続けてきて本号は39を数えます。まさに「持続する志」のなせる技です。
 編集スタッフに感謝しつつ、さてこれからみんなで手分けして地域配布です。猛暑の中頑張ります。

 本号、1面には議員の議会レポートと活動日誌、2面は「困難な問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じることを求める請願」の顛末、3面は市議会最終日の図書館問題(市内図書館全6館を2館にするという条例)を巡っての詳細な記録です。4面は拙稿・映画「福田村事件」の感想とゆめ議員の狭山事件現地調査の参加記です。

 どこかで実物を手にしてくださることを願っています。


〔701〕講演「原発事故で自主避難した少年がローマ教皇に会い、そして今、21歳で伝えたいこと」(鴨下全生さん)と朗読と演奏の会に行ってきました。

2024年06月12日 | 語り・演劇・音楽

 昨、2024年6月11日、講演「原発事故で自主避難した少年がローマ教皇に会い、そして今、21歳で伝えたいこと」(鴨下全生さん)と朗読と演奏の会に行ってきました。会場は、吉祥寺にある武蔵野公会堂です。
  この会は「フクシマを思う」という吉祥寺チャリティライブイベントということですが、なんと今回で34回を数えています。会場には歴代のポスターでしょうか、整然と掲示されていました。

 この会のお知らせが東京新聞に掲載されました。さらに、朝日新聞とともに配布される多摩情報紙「アサココ」にもお知らせがありました。
  大学生になった鴨下全生さんのお父さんの鴨下裕也さんには、清瀬・くらしと平和の会、清瀬・憲法九条を守る会として、2回も清瀬に来ていただき講演をお願いしています。この日も会場にみえていましたが、体調がよろしくないようで心配です。そんななか7月18日の彼の裁判案内が手渡されました。
 今までで一番若い講演者ということで堂々と鴨下全生さんが舞台に立ちました。適宜画像を映しながら、東京最高裁(2023年)や最高裁判所(2024年)での意見陳述を読み上げる形で淀みなく自らの思いを開陳し続けました。つらいいじめ体験なども含めてリアルに語ってくれました。そして、2回ローマ教皇に会う中で、歴代教皇として初めてローマ教皇は原発に反対の意を表明することになりました。

 朗読は金子あいさん、丹下一さん、演奏は古部賢一さん(オーボエ)と久保美結さん(ピアノ)、久しぶりに心静まる時を過ごしました。
  開演前に昔懐かしい元教師で、今も地域の運動を担っているYさんと再会しました。チラシを渡されて旧交を温めました。

 

 ◆都知事選に立憲・蓮舫が出馬   

 構図は「赤壁の戦い」小池・自民の大軍に対して勝機はある      金子 勝(淑徳大客員教授)  

 立憲民主党の蓮舫参院議員が都知事選への立候補を表明。参院議員の 地位を捨てて勝負を挑む姿に、政権を取りにいくんだという勢いを感じ た。久しぶりに政治家らしい決断を見て痛快でもある。  

 思い出されたのは、三国志の「赤壁の戦い」だ。曹操の20万の大軍が 荊州に向かって進軍したのに対し、迎え撃つ孫権と劉備の軍はそれぞれ 2万である。劉備の軍師・諸葛亮は「曹操は大軍だが疲れている。おま けに地元の民に支持されていない」と勝機を見いだし、曹操の大軍を打 ち破ったのだった。  

 まさに、都知事選と構図が似ている。自公と手を握った現職・小池知 事は大軍だが、疲れ、都民の支持を失っている。自民は裏金まみれで、 小池には学歴詐称疑惑がある。大軍ながら勢いはない。  

 その証拠に、小池は4月の衆院東京15区補欠選挙で子飼い候補を落選 させた。5月には都議補選(目黒区選挙区)で支持した自民候補が敗北 している。  

 この都知事選は2つの意味で前哨戦である。1つは、自民が衆院3補 選で全敗し、神奈川・小田原市長選でも敗北。他の首長選でも連戦連敗 だ。そんな中、天王山の都知事選で蓮舫が勝てば「政権交代」が現実味 を帯びる。  

 もう1つは、政権交代するとどうなるか、を有権者に提示する機会に なることだ。 つまり、裏金や政治献金を拠出する者のための小池・自民政治から、本 当に困っている人のための政治に転換する。政権交代の生きたモデルを 選挙戦を通じて示すことである。  

 都政で最も重視すべきは、大手不動産企業と癒着した大型再開発の見 直しだ。  

 晴海も築地も外苑もみな三井不動産で都庁幹部が大挙天下っている。  

 晴海の選手村跡地は都有地でただ同然に払い下げられ、タワマンは投 機の対象になっており、一般の住民は住めない開発だった。神宮外苑で は森を切り倒そうとする。築地は球場と国際会議場中心で食文化は名目 だけ。もはや小池は、ほとんどゼネコンの手先である。  

 これでは東京の合計特殊出生率が0.99で、ついに1を割るのも 当然だ。  

 一人一人が住みやすく、環境にいい街をつくっていくべきだ。  

 大型開発ではなくて、子育て世代への家賃補助の方がずっといい。  

 自転車道と自転車置き場のある商店街の方がずっといい。  給食の無償化や、子供の送迎がある保育所の設置。  

 さらに、都の公立高校の授業料無償化に加えて都立大学の授業料大幅 軽減も必要だ。  

 介護士や保育士の給料補助や、女性の非正規労働者を正規化した中小 零細企業を支援していくような施策も肝要だ。  

 生活者目線の支援を充実させていくことによって、一気に東京の雰囲 気は変わる。  

 首都決戦で野党は絶対に勝たなければならない。    (6月11日発行「日刊ゲンダイ」5面「金子勝の天下の逆襲」)


〔700〕ブログ700回! 最新の「現代女性文化研究所ニュース」「原発やめようニュース」「キラキラ星通信」です。

2024年06月10日 | メール・便り・ミニコミ

   ブログ700回記念は最近届いたミニコミ特集です。いずれも読み応え十分のミニコミです。

 

   まずは、NPO現代女性文化研究所が発行する「現代女性文化研究所ニュース」です。以前にもこのブログで紹介しましたね。
 本67号は24頁の冊子です。私にとって特に気になる記事は以下の通りです。

・ミサイル要塞にされた南西諸島 鎌田慧
・中国における上野千鶴子ブーム マルクス主義フェミニズムの地平 楊佳嘉
・西山太吉の妻であるということ 生方孝子
・青鞜のひと・遠藤清子 尾形明子

 「原発やめようニュース」は反原発自治体議員・市民連盟が発行するものです(本号は48号)。故・布施哲也さんは清瀬市議を務めましたが、反原発自治体議員・市民連盟の共同代表でした。フクシマ原発ツアーに共に参加したことを思い出します。彼のお連れ合いが布施由女清瀬市議です。 

   「キラキラ星通信」は無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会が発行しています(113号)。18頁立ての読みでのある冊子です。51回目の公開学習会が清瀬で開かれます。


〔699〕人権やジェンダー問題を考えるのに格好の冊子『フェミとーく、やってみない?』が手に入りました。

2024年06月08日 | 図書案内

 人権やジェンダー問題を考えるのに格好の冊子『フェミとーく、やってみない?』が手に入りました。とても読みやすい46頁のパンフレットです。副題は、なんだかすっきりしない気持ち、話し合いたい! 「週刊新社会・5面女性のページ担当部」の編集です。
 執筆者は東京都清瀬市の元男女共同参画室センター長の福田紀子さん。参加型ワークショップのファシリテーターとしても活躍されています。

 

◆いますぐガザ停戦を
                    鎌田 慧(ルポライター)

 パレスチナ 自治区/最南部ラファ クエート病院/
 たった五日間 生きた サブリーン/
 いま医師は 静かに 差し出す/いたいけな あなたの写真を/
 世界に向かって

 サブリーンと名付けられた女の子は、爆死した母親と4歳の姉のあと
を追って世を去った。5日間だけの人生だった。
 石川逸子さんの「ちいさなちいさないのち」の一節。91歳の詩人は夫
とともにイスラエル大使館の路上に立って、その死を悼む詩を朗読した。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、大量虐殺と兵糧攻めで「ハマス壊
滅」作戦を続けている。国連の主要な司法機関である国際司法裁判所(
ICJ)はイスラエルに対して攻撃の即時停止を命じる暫定措置(仮処
分)をだした。
 南アフリカが「ジェノサイド条約」違反を訴えていたのを受けて
である。
 国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官はネタニヤフ首相の逮捕状を
請求。国際世論もイスラエル批判を強める。
 報道ではネタニヤフ政権内の極右官僚たちが、停戦と人質解放を妨
害、「ハマス壊滅」を要求しているという。

 日本では地中海沿岸の虐殺には、心を痛めてもなかなか行動に結びつ
かない。
 しかし日本でもアイヌ虐殺、沖縄侵略、朝鮮侵略、南京虐殺など、負
の歴史があった。
 その反省こそが、パレスチナ攻撃とガザ虐殺を批判、支援する根拠に
なる、と思う。 (6月4日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔698〕ホロコーストを体験した民族がなぜガザで虐殺の行為に及ぶのか、田浪亜央江さんのインタビュー記事に合点がいきました。

2024年06月04日 | テレビ・ラジオ・新聞

 ドイツ国内に残るホロコーストの爪痕、ダッハウ強制収容所、強制収容の会議が行われたバンゼー、アウシュビッツに囚人を移送する16番線のあるグリューネヴァルト駅等々、さらにポーランドまで足を伸ばしてアウシュビッツも訪ねました。ホロコーストの犠牲になった人は600万人を超えるといわれています。

 私が常々疑問に持ち続けてきたことは、ホロコーストを体験したユダヤの民がなぜガザなどでの虐殺の行為に及ぶのか、ということでした。
  その1つの回答を得ることができたのは、「イスラエル 強行世論の背景は?」「入植地が増加 右傾化の核に」  という田浪亜央江さんのインタビュー記事でした(東京新聞、2024年5月29日、「考える広場」)。このブログではその部分を紹介させていただきますが、東京新聞のサイトではその全文を読むことができます。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/330157

   私が合点がいったのは以下の箇所です(田原牧さんは論説委員)。

田原 イスラエルは国際社会で孤立を深めています。それでも国民の多数が報復攻撃に前のめりになる原因として、ホロコースト体験を指摘する声があります。敵に一歩でも引けば、やられかねない。世界の良識も頼りにならないという感覚が染み付いているという解釈です。
 田浪 ホロコーストを結び付ける言説はあります。でも、それは体験というより「物語」だという点に注意すべきです。
 ホロコーストは欧州で発生しましたが、国民の多数派はアラブなどそれ以外の地域の出身者たちです。親や祖父母もホロコーストは体験していない。
 実際、建国当初はホロコーストを強調しませんでした。むしろ、それは民族の弱さと見なされ、否定的に扱われました。
 それが1960年代に変わります。世界各地から集まった国民を統合するナショナリズムや対外的に政策を正当化する道具として利用していきます。
 中身も悲劇一辺倒ではなく、欧州の迫害にいかに抗(あらが)い、周囲のアラブ諸国を破って「建国の奇跡」を成し遂げたかという抵抗の物語として語られています。 


   余談ですが、田浪亜央江さんの御尊父は田浪政博さんで、昔からの知人でもあります。我が家からほど近い、武蔵野線の新秋津駅前でかつて秋津屋ラーメンを開業されていました。かん水などの添加物を使わない美味しいラーメンとして有名でした。私のクラスを授業参観した大学院生たちと、土曜日に月1回ぐらいここのラーメンを食べ語るのが常でした。
 彼は、かつて文部省が戦後すぐに発行した『憲法のはなし』を復刻出版され、新聞やテレビなど多くのマスコミで取り上げられました。開店の周年記念に国民学校の記憶を記した大部な本も出版されました。
  私が東久留米九小で教師をしているときに、平和集会で彼に東京大空襲の話を伺ったことがあります。
 かつてこのブログでも、彼のユニークな封書の年賀状を紹介したことがありました。
  
 田浪亜央江さんの話をいつか聞きたいと思っています。


〔697〕清瀬市の図書館6館を2館にする暴挙「現代の焚書坑儒」に、請願行動で市民が立ち上がりました。

2024年06月02日 | 市民運動

   あろうことか、清瀬市の3月議会で、清瀬市の図書館6館を2館にすることが本会議で決定されました。この暴挙に対して当然ながら市民が請願行動ということで立ち上がりました。(詳しくはブログ〔695〕)
 この請願を支持する立場から、私たち清瀬・憲法九条を守る会と清瀬・くらしと平和の会は定例会後署名活動に加わりました。いつも月1回駅頭行動をしている清瀬駅北口のペデストリアンデッキで行いました。6月1日(土)のことでした。
 実はこの時、別の市民団体が南口で同様の署名活動を展開していました。さらに前日と、この翌日もまたまた別の団体が署名活動をしていました。6月の市議会に間に合わせようという市民の熱意がそうさせたのです。

 この請願は6月19日(水)午前10時からの総務文教常任委員会で討議されます。最終的には6月28日(金)の本会議で決定されますので、多数の傍聴をよろしくお願いします。私たちもできるだけ多く駆けつけたいと思います。現代の焚書坑儒を許さない闘いです。


 ◆裁かれる裁判官           鎌田 慧(ルポライター)

 「ひとたび狙われて、投獄されれば、肉体深く食い込む虐待、あの虚
偽、虚構の、覆われた部屋、あの果てしない、底知れぬ眩暈(めまい)、
最早正義はない」。袴田ひで子さん(91)が22日、静岡地裁の最終弁論で
弟の死刑囚・巌さん(88)に代わって、読み上げた手紙の一節である。

 巌さんは清水市(現静岡市)で1966年に発生した一家4人殺害事件の犯
人として逮捕され、1980年に死刑確定。
 その直後、現実から乖離(かいり)する精神状況になった。
 ひで子さんは「姉はいない」などと拒否されながらも東京拘置所の面
会に通い続けた。「拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」。

 2014年、静岡地裁の再審開始決定で48年ぶりに釈放された。それでも
検察側は抗告、ようやく22日に結審だった。
 が、検察はまた「死刑」を求刑した。
 茶番というべきか、権威もプライドも捨てた天に唾する愚挙。
 9月26日の判決は120%無罪判決である。
 みそ工場のタンクから「発見」された犯行時の着衣が「証拠」だが、
労働者が自分が手がけた製品に下着を隠すことなどありえない。

 私は、一審死刑判決を書いた熊本典道裁判官を思った。落魄(らくは
く)して福岡郊外の木賃1DKアパートに身を隠すように、一人暮らし
ていた。
 袴田無実を信じていたが、裁判長ともう一人の陪席裁判官を説得でき
なかった。
 重い罪悪感に苦しんだ人生だった。
         (5月28日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)


〔696〕「殺すな ガザ地区停戦 緊急行動」は、イスラエル大使館前だけではなくアメリカ大使館前でもやりました。

2024年05月26日 | 市民運動

 鎌田慧さんたちの呼びかけに応えた約800人がイスラエル大使館前に結集しました。我々清瀬の叛逆老人数名で駆けつけたところ、なんと、アメリカ大使館前でも抗議集会を行うというではありませんか。ブログにも報告した昨年の集会ではイスラエル大使館前だけでしたが、今回は確実にバージョンアップです。地下鉄での移動がけっこう大変でしたが、集会の梯子をすることにしました。

 ◆「殺すな ガザ地区停戦 緊急行動」
  5/25(土)13時より、イスラエル大使館前

                                鎌田 慧(ルポライター)

 パレスチナ・ガザ地区ラファへのイスラエル軍の本格的な侵攻が
迫っている。ラファに生活していた120万人のうち63万人以上が退避し
た。阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄というべきだが、イスラエルのネ
タニヤフ首相は「ハマス壊滅を叫び続けている。
 剥き出しのコンクリート残骸、悲しみ慟哭(どうこく)。生まれ落ちた
かいもなく吹き飛ばされる嬰児(えいじ)。悲惨な映像を目にしてなにも
できない。食料も医薬品も遮断され、地上の砲撃、空からミサイルが降
り注ぐ。この連日の暴虐を座視しているだけだ。
 ジェノサイド(集団虐殺)の被害者が80年後に加害者になる歴史の
悲劇。慄然とさせられる。

 「人道危機」として南アフリカは国際司法裁判所に訴えた。ユダヤ人
を優遇し、パレスチナ人を抑圧するイスラエルを「アパルトヘイト
国家」と批判。中南米のニカラグア、コロンビア、北アフリカのリビ
ア、エジプトなども南アの訴えを支持。これからも増えそうだ。
 米コロンビア大学の学生が抗議キャンプ行動を始めたのを突破口に、
連帯キャンプが50大学を超えた。米国が与えた武器でガザ市民が殺され
ている。ベトナム反戦行動が蘇った。
 5月25日13時。地下鉄有楽町線麹町駅6番出口。イスラエル大使館前
で「殺すな ガザ地区停戦緊急行動」をやります。呼びかけ人は雨宮処
凛、落合恵子、佐高信、田中優子、永田浩三、前川喜平、鎌田。
              (5月21日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)

 登壇者の発言はどれも耳を傾けるものでしたが、メモをとっていないので正確に紹介はできません。写真で集会の様子は感じ取っていただきましょう。

イスラエル大使館近辺、発言者は鎌田慧さん

道路を挟んで800人が参集

清瀬の仲間

佐高信さん

アメリカ大使館近辺、雨宮処凛さん

浅野健一さん

鎌田慧さん

■たんぽぽ舎メルマガ(5025号)より転載

イスラエル政府はパレスチナの人々への蛮行を即刻やめよ  日本・米国政府はイスラエル政府に戦争をやめさせるよう  最大限の働きかけをせよ  5/25殺すな!ガザ地区即時停戦緊急行動に参加して(概略)  小山芳樹(たんぽぽ舎)

◎ 5月25日(土)、イスラエル大使館に近い小さな交差点は12時30分こ ろから、多くの参加者が集まり始めていました。  「ガザ地区即時停戦市民行動」主催の緊急行動は13時5分過ぎから、 呼びかけ人の鎌田慧さんのアピールから開始され、次々に発言がおこな われる。  呼びかけ人の2人=落合恵子さん、神田香織さんのお二人は参加でき ずにメッセージが代読されました。代読は、たんぽぽ舎の横田朔子さん。

◎ イスラエル大使館近くの行動は約800人(鎌田慧さんの発言)、アメリ カ大使館近くの行動は約200人(私の推測)位の参加者でした。アメリカ大 使館近くの集会では、呼びかけ人の浅野健一さんも発言されていました。 たんぽぽ舎は、「殺すな!ガザ即時停戦」「FREE PALESTI NE!」と書いたプラカードを持参し、参考ビラ300枚を配布、参加は 6名、アメリカ大使館ではプラス1名の7名でした。

■たんぽぽ舎メルマガ(5028号)より転載

 「天井無き牢獄」を開放せよ! FREE PALESTINE!  800人の市民・労働者がかけつける 

5/25 「殺すな!ガザ地区停戦!緊急行動」に参加して 

二人のメッセージ(落合恵子さんと神田香織さん)紹介   横田朔子(たんぽぽ舎 ボランティア)  

 イスラエル政府のガザの人びとに対するジェノサイドがエスカレート する中で、5月25日(土)緊急行動に、たんぽぽ舎の仲間たちと参加 しました。主催は、「ガザ地区即時停戦市民行動」。呼びかけ人は、浅野健一、 雨宮処凛、落合恵子、鎌田 慧、神田香織、佐高 信、永田浩三、 前川喜平、柳田 真、柳 広司(敬称略)。

 ―呼びかけー  イスラエル政府によるガザの人びとへの虐殺行為を怒りと悲しみを抱く 世界の人々と連帯します。ひとりひとりの人間の命より大切なものは ありません。憎悪と報復の応酬は、際限なく拡大し、けっして平和を もたらすことはありません。  戦争によって利益を得る者に、この世の居場所を認めてはなりません。  イスラエル政府は、パレスチナの人々への蛮行を、即刻やめよ。 日本政府とアメリカ政府に戦争をやめさせるよう、最大限の働きかけ をせよ。(前川喜平)  

 イスラエル大使館にほど近い歩道には車道を挟む両側に800人の市民・ 労働者がつめかけ、13時開会。  呼びかけ人の鎌田さん、雨宮さん、佐高さん、参加した市民等が登壇。 ガザの悲惨極まりない状況、イスラエル政府の許しがたいジェノサイド に対する抗議等の発言が続き、当日会場に来られなかった落合さんと 神田さんからはメッセージが寄せられ、横田が代読。お二人のメッセージ をぜひ皆さんにお伝えしたく、紹介します。  

 呼びかけ人のイスラエル大使館への抗議行動のあと、電車を乗り継ぎ アメリカ大使館への抗議行動が行われ、散会しました。  

 イスラエルでは、毎週末、商都テルアビブやエルサレムなどで、戦闘 より人質解放を優先するよう求め、ネタニヤフ政権の退陣を求める抗議 デモが開かれており、デモは数千人から数万人が参加し、政権への圧力 を強めている、と報道されています。(毎日新聞、5月2日)  800人の参加者一人一人が周りに呼びかけ、ガザ地区の人々への虐殺 行為を即刻やめさせるよう日本の世論を高めていきましょう。

※メッセージ紹介

○5.25殺すな!ガザ地区即時停戦緊急市民行動   ……まずはガザ停戦! それ以外に何がある!   いまから、ここから、「わたし」から……。                落合恵子    

 こうしている間にもガザの子どもたちは…。想像するだけで息が苦しく なる。私たちは座して、ニュースを観ているだけでいいのか。爆風で羽の ように吹き飛ばされたあの子。食料も水も医薬品もないまま、なぜそう なったのか もわからないまま最期を迎える子どもの、大きく見開いた 眸は何を見ているのか。「飢えて泣く子の前で文学は何が可能か」ととい かけひとがいた。同じ問いをいま私たちはつきつけられている。 飢えて 死ぬ子の前で、大人は何が可能なのか、と。子どもは、どの国の、どの 社会に生まれるかを選ぶことはできない。ヒトラーのホロコースト。 第一次、第二次の世界規模の戦争、ボスニア、ルアンダなどのジェノ サイド。それらの反省もないままガザにおいていままたジェノサイド をおかす。この国は何をしている? わたしたちは何をしている? 米国の学生の抗議行動から学ぶものはないか?  ……子どもは今を生きている。その子どもに、「明日まで待てとは 言えない」。チリの詩人であり教育者であり外交官 ガブリエラ・ ミストラルは言った。  ガザの子どもに、あなたは言えるか?「明日まで待て」

○「殺すなガザ地区停戦緊急行動」へのメッセージ                       講談師 神田香織  

 イスラエルのガザ攻撃開始から7カ月もたつというのに、この明らかな ジェノサイドは終わることなく、激しさを増す一方です。ついには追い 詰められた住民が身を寄せる南部ラファへの本格的な攻撃が始まって しまいました。水もなく食べるものもなくやせ衰えていく子どもたち、 赤ん坊までも殺され続けているこの現状を、私たちはいつまで忸怩たる 思いで見守るしかないのでしょうか。  今、米国はじめ世界中の大学生たちも抗議の声をあげ、闘っています。 日本でも多くの人たちがこれ以上殺すな、停戦しろと訴え続けています。  ネタニアフに問いたい。「イスラエルの子どもたちもガザの子どもたち も同じ子どもだと、なぜ想像しないのか」と。  先の戦争で東京大空襲、沖縄戦、広島長崎への原爆投下と数十万もの 国民が虐殺されるジェノサイドを体験した日本にしかできない仕事、それ が停戦の訴えです。我が国こそ、率先して停戦を強く求めるべきです。 それができないというのなら、私たち市民が、国民が、停戦を求める世界 中の人びとと繋がって、私たちの声でこのジェノサイドを止めようでは ありませんか。「繋がれば力に」を合言葉に!


〔695〕清瀬市民が動き出しました! 「清瀬市立図書館の充実・発展の提案に関する請願書」提出へ。

2024年05月18日 | 市民運動

   澁谷桂司市政の「図書館を6館から2館へ」という暴挙に心ある市民が立ち上がりました。3月市議会の決定はすぐには覆せないということで、チラシにあるように新たに4つのことを提案しています。廃止する図書館の代わりに、地域文庫を充実させたいというのです。さらにそこには、自動貸出機を置いて欲しいという当然の要求などです。
   6月議会ではこうした請願が提出されます。近場の方の傍聴をお願いします。

 

 ◆沈思実行(193)
  過労死を考える(上)
  原因は交代制の深夜労働 疑う妻たちが発言

                   鎌田 慧

 トヨタ自動車で働いていて、過労死した労働者の妻が、初めて弁護士
に会ったとき「どうして車を夜、作らなければならないのですか」と聞
いた、という(「過労死」過労死弁護団全国連絡会議編)。
 それを読んで、ふいを衝かれたように驚かされた。過労死された妻に
してみれば、当然の発言である。それを当たり前にしている「世間」が
批判されている。昼に働いて、夜は寝るのが、普通の暮らしのはず
なのだ。

 実はわたしは出稼ぎ労働者の取材で、トヨタ自動車の本社工場で半年
働き、旭硝子船橋工場で2カ月(ガラス粉末が多く、喘息発作でダウン)
働いたことがある。
 トヨタでも旭硝子でも、交代制の深夜労働は当たり前だった。旭硝子
でのブラウ管製造のラインは、出稼ぎ労働者に任されていて、1時間45
分働いて15分間の休憩、というシステムだった。

 短時間でカネ稼ぎが魅力なので、18時間、24時間を連続して働く人は
珍しくなかった。それもあってか、2カ月で3人が過労死。腰痛、寮の
階段踏み外し、などで退職、故郷に帰った人たちがいた。わたし自身、
状況の酷さを体験記として書いたが、交代制の深夜労働を疑った事は
なかった。

 鉄鋼や窯業、石油産業など、加熱による業種は連続生産が必要だ。
 しかし、自動車の組み立てなどの交代制労働は、生産量を増やすため
だけのものなのだ。それも深夜労働など、人間的な体内時計を無視し、
人間の精神と肉体にいいわけがない。

 近所に住む知人の長男(当時43歳)が夜になっても自宅に帰らず、
翌朝、会社で死亡しているのが発見された。長時間労働とパワハラによ
る異常事態だったが、労基署が取り合わなかった。それで過労死弁護団
連絡会議を組織し、全国の過労死と取り組んでこられた、川人弁護士に
紹介した。その活躍によって労災認定をかちとった。

 大量殺人は戦争ばかりではない。経済戦争の犠牲者としての過労死、
職業病患者は一向に減らない。
 人間のいのちと健康を奪う非人間的生産を規制するのは、裁判ばかり
か、労働運動の役割だ。  (5月8日「週刊新社会」第1354号より)


〔694〕平和のシンボル「アンネのバラ」「反核のバラ」を栽培し、普及させたいという陳情を否決したのは清瀬市議会でした。

2024年05月15日 | 市民運動

 今から3年前の2021年、清瀬で共に市民運動をしている大貫静子さんが、〈“花のまち、清瀬”のもとで「平和を願うふたつのバラの花」を栽培し普及させることを求める陳情〉を清瀬市議会に提案したところ、無残にも否決されました。ふたつのバラとは「反核のバラ」と「アンネのバラ」です。その詳細は、一人会派「共に生きる」のふせ由女市議が議会ごとに発行する「ゆめ通信」をお読みください。
 ところで、陳情に賛成したのは日本共産党市議5人とふせ由女議員だけでした。清瀬自民クラブはもとより、平和の党だったはずの公明党、風・立憲・ネットも反対に回ったのです。

 この5月のはじめ、朝日新聞と一緒に配布される多摩地区の情報誌「アサココ」に「津田塾大でアンネのバラ植樹祭」という記事が掲載されました。「本学の平和研究の伝統を地域と分かち合う良い機会」と関係者は話しています。納得、さすが津田梅子の大学だけありますね。
  さらに、私が運営に協力している練馬区の保育園から「園だより」が届きました。こんな嬉しい一節がありました。
 「バラの季節です。保育園でも平和の象徴とされる『アンネのバラ』が満開です。」