後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔14〕第2弾!「 原発の再稼働に反対する意見表明についての陳情」です。

2015年01月31日 | 市民運動

 前回は「道徳の教科化に反対するの陳情書」が何とかこのブログで世間の目に触れましたが、今回は連れ合いが清瀬・憲法九条を守る会を代表して同じ日に提出した「原発の再稼働に反対する意見表明についての陳情」です。こちらも清瀬市のホームページでは全く掲載もされず、その提案趣旨も紹介されない現状があります。残念ながら委員会や本会議で「少数否決」されてしまったのですが、その内容について読者のみなさんにお知らせする次第です。
 まあ、それにしても、二つの陳情が通らない清瀬市議会の現状を憂います。数年前ならその議会構成から通ったと思うのですが。実は私たちの清瀬・憲法九条を守る会では特定秘密法案批判の陳情を提出していますが、この議会では扱われませんでした。今地方議会で何が進行しているのか、草の根右翼が登場してきていることをどこかで書きたいと思います。


原発の再稼働に反対する意見表明についての陳情


 陳情の趣旨
現在、安倍政権は原発の再稼働を一刻も早く進めようとしています。しかし、私たち「清瀬・憲法九条を守る会」の会員は福島原発事故以来、原発の危険性を痛感し、全ての原発を廃炉にして再生可能エネルギーに切り替えるべきだと考えています。従って、福島原発事故が現在進行中であるにもかかわらずこのような再稼働をするべきではないと、貴市議会として意見表明し、国に対して要請することを求めます。

 理由 
清瀬市議会は、1982年(昭和57年)9月29日に以下のような非核宣言を行いました。
「世界の恒久平和は、人類共通の願いである。 我々は、世界で唯一の被爆国民として、被爆の恐ろしさ、被爆者の苦しみを、声を大にし て全世界の人々に訴え、再び「広島」・「長崎」のあの惨禍を繰り返させてはならない。我々は、非核三原則(造らず、持たず、持ち込ませず)が完全に守られることを願い、すべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求め、いかなる国の、いかなる核兵器も、わが清瀬市内に配備・貯蔵することはもとより、配備訓練、空中輸送、核部隊の通過も許さない。
我々は、核攻撃の目標となるおそれのある施設の撤去に努め、いかなる理由があろうとも、新たに設けることを認めず、疑わしき施設の実態把握と公表に努めることを宣言する。」

私たちは、32年前のこの非核宣言を清瀬市民として大変誇りに思っています。しかし、現状はどうでしょうか。「広島」「長崎」に続いて「第五福竜丸」、「福島原発」と、水爆実験、および原発事故による悲惨な被爆が続いてしまいました。
現在日本各地に散らばる54基の原発は、核攻撃の立派な目標となり、福島原発からは事故の3年後となる今もまだ、放射性物質が空気中にも水中にも放出されています。東海原発、浜岡原発に何か異常が起きれば今以上の大きな脅威が東京都に住む私たちに降りかかってくることは明らかです。川内原発だから大丈夫ということでもなく、これ以上の日本および世界の人々の被爆を防ぐために、すべての原発の再稼働を許すべきではありません。例え事故が起きなくとも、再稼働によって放射性物質はますます増え、しかもその処理技術も定まっていない中で、この国に生きるすべての人々の「被爆」の可能性は格段に高まるからです。
今後はまず、福島から避難せざるを得なかった人々が生きていく希望を見いだせるように生活を保障し、被爆に対する検診体制と医療保障を整えること、それと並行して福島原発を第一号として原発廃炉技術を確立し、新しい、しかも世界に誇れる産業としていくことが大切だと考えます。

 以上の考えから、貴市議会として、国に対し「原発の再稼働に反対する意見表明」を行っていただくよう要請いたします。

                       2014年5月19日
清瀬市議会議長
粕谷いさむ 様
                                          清瀬・憲法九条を守る会  
                                              福田緑  



〔13〕昨年6月「 道徳の教科化に反対する陳情書」を提出しました。

2015年01月30日 | 市民運動
 2014年の6月に「道徳の教科化に反対する陳情書」(下掲)を清瀬・憲法九条を守る会を代表して、東京の清瀬市議会に提出しました。総務文教委員会では2対3で否決、本会議でも正確な人数はわかりませんが否決されました。このブログで取り上げたのはこの陳情書をみなさんに読んでもらいたいからです。
 6月に総務文教委員会に赴き陳情書の趣旨を短時間で説明しました。(係の人からは3分と言われていましたので。)その後委員から質問を受け、委員会の討議に移っていきました。清瀬市のホームページでは議事録としてこのことを記録しているのですが、私の趣旨説明と質問に対する答弁は一切載せられていないのです。実は趣旨説明から質問は「休憩中」という扱いなのです。
 一番問題なのは、この陳情書の内容についてどこにも掲載されていないことです。それを知りたい人は市役所まで行って見せてもらうことしかできません。ホームページでは委員会でも本会議でも、議論の詳細は延々と記録されていますが、肝心の陳情の内容がどこにも出ていないのです。
 もう一つ問題なのは、委員の質問に対する私の答弁が終了したら、委員の議論を聞いているだけで一切感想なども言えないことです。
 あまり長くなると読むのがいやになってしまうでしょうからこれでやめますが、みなさんは道徳の教科化や陳情の扱い方についてどうお考えでしょうか。

道徳の教科化に反対する陳情書

〔陳情の趣旨〕
 識者懇談会の提言を文部科学省は中央教育審議会に諮問し、2018年度にも「道徳の教科化」の実施の見通しだ。算数や数学、国語のように検定教科書を導入し、道徳の評価もするという。道徳教科化の理由も判然とせず、むしろ弊害のみが懸念される。市議会としてもこれに反対し、国に意見表明することを要請したい。

〔理由〕
そもそもなぜ道徳の教科化必要なのか、その理由が明確ではない。第二次安倍内閣において「道徳の教科化」という主張は2011年の大津市におけるいじめ自死事件をきっかけとしている。しかしながら、2006年、第一次安倍内閣においても道徳の教科化は言われており、牽強付会はまぬがれない。そこで安倍教育改革における道徳教育改革は、強い「日本を取り戻す」ために求められる、国民統合へ向けた中心的課題の位置にある、と指摘する論者もいる。戦前の修身の復活を想起する者も多いのではないだろうか。
 ところで、道徳の教科化は教育学的に可能なのだろうか。道徳に関する科学が学問的には構築されていない。さらに文科省では、教科化について、免許を有した専門教師が、教科書を用いて指導し、数値等による評価を行うとしている。それぞれ問題を含んでいるが、とりわけ評価については看過できない。たとえば、学習指導要領では、5,6年生の道徳の内容として「郷土やわが国の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心を持つ。」があげられている。はたして、どのような数値評価が可能なのだろうか。記述式評価にすれば良いという文科大臣の談話も伝えられるが、これとて容易なことではない。
さらに、道徳における教科書問題は避けて通れない。現在は各学校で副読本を使用する場合もあるが、教師が意欲的に教材を選択し、子どもの学習意欲を喚起する取り組みも多いだろう。豊かな道徳的心情を養うためには、教師の幅広い知識や研究が不可欠だ。次のような指摘にも耳を傾ける必要がある。
「本来は教科書に頼るのではなく、先生が身近な問題やテーマで授業を工夫し、多様な見方、感じ方から、個人の尊厳や思いやり、互助、勇気、答えがすぐ出ない問題も考える。それが基本でありたい。」( 毎日新聞社説「道徳の教科化 規格化はそぐわない」2014年1月12日)
修身の国定教科書が戦前の日本の軍国主義化に果たした役割、天皇制・天皇主権を支える背景になったという歴史をもう一度思い起こす必要がある。

    清瀬市議会議長
     粕谷いさむ様
                                                     清瀬・憲法九条を守る会                                                           福田三津夫

〔参考雑誌〕
*特集「政治が強いる道徳を超えて」『教育』2013年9月
*特集「道徳の教科化に抗して」『生活教育』2013年12月
*特集「道徳の教科化にどう立ち向かうか」『生活指導』2014年8,9月
*特集「学びが壊される『道徳の教科化』」『子どものしあわせ』2015年2月
*特集「道徳の『教科化』批判」『教育』2015年5月

〔12〕雑誌『教育』特集「子どものからだを育む文化を」(2015年2月号)を紹介します。

2015年01月27日 | 図書案内
 教育科学研究会が編集している雑誌『教育』に注目したい特集があったので紹介しましょう。「子どものからだを育む文化を」という特集をしています。
 「からだ」に着目した特集というのは、体育教育や養護教諭向け雑誌では頻繁に見られることですが、『教育』では珍しいことではないでしょうか。しかし、私が32年も編集に関わってきた『演劇と教育』(日本演劇教育連盟編集)では時々特集に組まれてきました。日本演劇教育連盟の顧問だった竹内敏晴さんは「からだ」という視点から教師や子ども(人間)の存在を考えようと試みていました。彼はことば・声・心・身体を丸ごとからだと捉えていたと思うのです。教育を考えるときに一番問題にしなければならないのはからだ=人間の全存在であるということでした。なぜか教育界ではことばや心は重視される傾向にあるのですが、声や身体は比較的着目されないことが多いとは言えないでしょうか。そんなことを考えていたときに、『教育』の本特集を見つけて嬉しくなりました。
 特集は7つの論考や実践で構成されています。

 「動き、感じ、つくりだす媒体としてのからだ」渡辺貴裕(東京学芸大学)
 「いま、子どもの『からだ』はどうなっているか」野井真吾(日本体育大学)
 「人間のすべての基本としてのからだ」サライ美奈(くるみの木教育研究所)
 「ぶつかりあう、ふれあうおもしろさを1年生に」大江未知(小学校)
 「からだへのアプローチ-学校でできること」照屋洋(中学校)
 「こころとからだを拓森林活動」宮川雅道(高校)
 「性的なからだとの出会い」金子由美子(養護教諭)

 様々な立場の人が様々な視点から「からだ」に迫っているのがおもしろいのですが、とりわけ渡辺貴裕さんと照屋洋さんは演劇教育の仲間ですから、おもしろく読ませてもらいました。編集後記によると、この特集の担当は片岡洋子さんと山﨑隆夫さんということです。山﨑くんは大学時代からの友人で、執筆者の推薦を依頼されたのです。実践者ということで照屋さんを紹介したのですが、渡辺さんも執筆されているとは知らなかったです。彼には『演劇と教育』で拙著の書評や連載をしてもらいました。
 『教育』といえば、やはり『演劇と教育』に原稿を書いていただいた霜村三二さんが頻繁に登場されます。若いときに東京の北区で教師をしていたときに出会った佐藤博さんの「映画評」などもおもしろく読ませてもらっています。

▼特集2は「教育の民主主義を求めて」。連載の「映画評」「子どもと本」など毎号充実しています。(A5判128ページ、667円+税、かもがわ出版)

〔11〕本年度の白梅学園大学での教育実習指導終了しました。

2015年01月27日 | 講師実績
 昨日、3年目の白梅学園大学での教育実習指導が終了しました。教員志望の3年生が対象で、来年度の教育実習に備えての授業ということになります。学生たちはとても好意的で熱心なので、指導のし甲斐があるというものです。来年度もやらせていただけるということで今から楽しみです。4年生になった彼らはどんな顔で子どもたちの前に立つのでしょうか。
 白梅学園大学での教育実習指導はとても丁寧なものです。3年次には、「教育実習の意義及び内容」から始まって、「教育機関としての学校」「児童生活実態とその指導」など、数時間の授業が組まれます。最後には授業の略案を作り、それを検討するところまでやるのです。授業は専任・非常勤数人でグループワークを基本にしていて贅沢なものです。
 4年次には様々な学習のあとに模擬授業を経て、いよいよ教育実習です。教師はだいたい5人の学生を担当することになります。実習校に事前に学生と訪問、期間中に授業参観と指導、最後は研究授業参観です。3回の学校訪問を繰り返します。そして、素晴らしいのは、教育実習の経験をグループで、3年生を聞き手に迎えて発表するということです。3年生は実質この時に教育実習が始まっていると言っていいでしょう。
 私が学生たちに話す内容は当然授業のことが中心です。この骨子が下掲の【授業の視点】です。
 4月からの授業参観が楽しみです。学生の奮闘と、久しぶりの小学生に会えるからです。
*授業については拙著『実践的演劇教育論』の鼎談「ドラマのある授業を考える」(渡辺貴裕さん、佐々木博さんと私)を参考にしてください。

【授業の視点】
Ⅰ、教育方法
〔A〕教師のからだ(ことば・声・心・身体)-子どもと交流できるからだ
*<ことばと心の受け渡し>が成立しているか?
・語る(話す)ということ
・聴く(受ける)ということ
・居心地の良いクラス

〔B〕子どものからだ
・聴くからだ-日本の子どもが苦手なところ
・伝えるからだ
・授業への参加(意欲)

Ⅱ、教育内容
〔C〕ドラマとしての授業-教師の教えから子どもの学びへ
*導入・展開・終末(序破急・起承転結…)
*導入(子どもの興味・関心を大切に、子どもの学習意欲を引きだす)
・実践例「ふしぎなたね」(和田仁)
・福田実践への助言「屋上の凧」(鈴木孝雄)
*展開(学習課題の系統性・連続性・継続性)
・ハプニング歓迎
*課題提示・発問・板書・評価
*終末・発展(展示・掲示・発表)
*発表(プレゼン)

Ⅲ、参考
*問題解決学習(考える授業になっているか)
*仮説実験授業(問題-予想-討論-解決)の方法

*「学びの地平を拓く」(フレネ教育者国際会議、リーデフ98、於・自由の森学園)
*授業参観での立ち位置…例えば、7(子ども):3(教師)の構え
*教科の論理と子どもの生理(リズム)の関連性

〔10〕埼玉大学、9年間お世話になりました。

2015年01月24日 | 講師実績
 2015年1月23日、埼玉大学での非常勤講師としての最終授業が終了しました。
 特別活動論ということで、今まで中途半端の紹介になっていた中学演劇の白眉、板橋区立赤塚三中による「人形館」(渡辺茂脚本、演出)と、私が指導した東村山市立秋津小の学級学習発表会のビデオを見てもらいました。この日、用意したプリントはA4で7枚(両面刷り)でした。
●ことばと心の受け渡し(1,演劇教育とは 2,ことばと心の受け渡し 3,いちねんせいードラマの教室 4,授業づくりと演劇 5,心とからだをひらく学級づくり 6,授業・行事・学級づくりの関係図)
●教師であること(教師をめざす貴方へ贈る10の言葉)…本ブログ〔3〕に紹介
●中学校実践記録「ことばが生まれるとき」山地千晶
●授業の視点
●詩「あなたに」谷川俊太郎、「生徒諸君に寄せる」宮澤賢治
 最後の授業ということで「在庫一掃」の感じがしないでもありませんでしたが、まあプリントだけでも読んでもらいたいという思いから学生に取ってもらったというわけです。最後なのでやる必要もないのかしれませんでしたが、一応「学生による授業評価」もしましたので、時間が到底足りません。
 学生たちはとても好意的に授業を受けてくれました。授業後多くの学生から「ありがとうございました。」「お疲れ様でした。」のことばをもらいました。9年目にして初めて学生から手紙をもらいました。
「…昨日までは手紙を書く気なんてなかったのだけど、今日授業に出てみて、あ、最後なんだって実感して手紙を書かねばと思った。あと、今、気づいたんだけど、私は福田さんを尊敬しているのだと思った。私は福田さんみたいに人に対して思いやりとかをもっていないし、気遣いとかもできないし、だからそれをもっている福田さんを尊敬している。大学に入っていい教授に何人か出会って尊敬する人を何人か見つけることができました。福田さんもそのひとりです。…」
 手紙の後半は、ご飯を三食摂りなさいとか、写真を撮っておくと良いとか、何を言いたいのかわからなくなって、「先生、人生は死ぬまで勉強らしいですよ。」で終わっています。最後の「   」は私が教育の最終目標は自己教育であると言ったことなんだけどなあ。いずれにしても手紙ありがとう、嬉しかったよ。
 
 埼玉大学の非常勤講師に迎えられたのが2006年のことでした。33年の小学校教師を自主的に退職した翌年のことです。この9年間、授業としては特別活動論の他に生活科指導法を6年間受け持ちました。演劇教育の理論と実践の総括の時間を確保できたということで、とても幸せなことでした。大学の授業と演劇教育の関連について考えることができました。来年度の講師は白梅学園大学での教育実習指導だけです。「演劇教育の理論と実践」の講座を持たせてくれる大学はないでしょうかね。いずれ紹介しますが、ラボ教育センターの言語教育総合研究所員という立場は継続されていますが。
 大学の先生、とりわけ岩川直樹さん、舩橋一男さん、そして学生たち、お世話になりました。ありがとうございました。
*拙著『実践的演劇教育論』に「大学の授業と演劇教育」、「演劇と教育」誌に「大学の授業と演劇教育」(2014年7月号)を書きました。内容は異なります。

〔9〕「森の劇場」(4号)まもなく発行しますよ。

2015年01月18日 | 図書案内
 「森の会」という脚本研究会があります。スタートは1960年ですから、半世紀以上前のことになります。日本演劇教育連盟の初代委員長、冨田博之さんが始められた会といっていいでしょう。私自身がこの会に参加したのは10年ほど前のこと、55歳で早期退職をしてからのことでした。参加者の新作脚本や演劇情報、その他世間話も含めて交わされる話題がおもしろくて、月1回の例会にほぼ欠かさず参加してきました。会のメンバーは数人ですが、いずれも私より年上で、元小中学教師たちです。練馬区の会員邸に千葉や茨城の人も通ってきます。
 「森の劇場」は「森の会」の同人誌です。1号(1993年)は杉浦俊雄さん、2号(1996年)は冨田博之さんの追悼号でした。3号はメンバーが元気なうちに出そうということで、2013年に発行されました。110数ページの冊子を手に皆さん破顔一笑でした。私は嬉しくなり、鉄は熱いうちに打て、4号創りましょう、と言ったのです。私が編集を買って出て、何とか今年の春には完成しそうです。皆さんには一足早く、その内容をお知らせしちゃいます。

〔目次〕
 巻頭言「言霊の幸わう国にいて」 辰 嶋 幸 夫
「鋏を持つアリス」 辰 嶋 幸 夫
「思い出内科」 辰 嶋 幸 夫
「グー、チョキ、パー国の王様たち」 新 井 早 苗
「子ブタとカエルとカラス」 東 信 男
「ごんぎつね」 東 信 男
宮沢賢治原作と脚色の比較研究 東 信 男
劇あそびは「遊びの本質」を捉えることから始まる 平 井 まどか
鳥山敏子さん逝く 福 田 三津夫
 あとがき 福 田 三津夫
 森の会名簿
 題字 後藤富美

〔8〕久我良三さんの「独楽と人形劇…」のワークショップ風景です。

2015年01月15日 | 講座・ワークショップ
 日本全国に優れた演劇教育の仲間がいますが、千葉の久我良三さんもその一人です。かつて彼に、日本演劇教育連盟が主催する全国演劇教育研究集会でワークショップを開いてもらったことがあります。岩国でのことでした。その様子を少しのぞいてみましょう。


  □全国演劇教育研究集会の記録□

 講座M 楽しい教室をつくろうー独楽と人形劇とピタゴラスイッチ

講師 久我良三(独楽と人形劇のクマゴロウ)
世話人 村中昌恵(山口・岩国市立平田小学校)
福田三津夫(東京・日本演劇教育連盟)
参加者 大人15人 子ども7人

 午後1時30分から4時30分までの半日講座。
 午前中、講師の久我さんが講座に必要な独楽や人形劇の仕掛けなどをワゴン車に積んで到着。3階の会場までエレベーターで荷物を何度も運び、すべてをセッティングするのに1時間半ほどかかる。小学校の教室ほどのスペースはまるでおもちゃ箱をひっくり返したよう。ほぼ準備完了した頃、開け放ったドアから何事があったのかと、中を覗き込む人が引きも切らない。
「見るだけじゃおもしろくないからやってみてください。」大道芸人に衣装変えした久我さんが誘い水を掛ける。興味津々の見学者たちが増え、まるで祭りの様相。子ども親も教師たちも独楽回しに興じている。ほとんど独楽回し大会のようだ。

 一応、私の方から簡単な講師紹介をして、時間どおりに講座はスタートする。あとは講師ににすべてお任せだ。

●まずは、挨拶がわりに
 久我さんは自己紹介もそこそこに、いきなり独楽の実演から始める。勢いよく回した独楽を糸にからげて独楽が四角い小さな手作り神輿まで到達すると、パンと破裂して、犬の人形が現れて、あらあら不思議、犬が何回もでんぐり返るという仕掛け。まずは参加者の度肝をぬく演出からスタートだ。みんな大喜び。
 次は先端がしなる棒の上に回した独楽をのっけて、隣の人に次々と渡していく。独楽が止まっていつ落ちてしまうか、はらはらどきどき。子どもも大人も神経がとぎすまされて心地よい時間と空間が過ぎる。
釣り糸に独楽を絡め、独楽が4,5メートルの空中を渡っていく。これぞまさしく空中独楽だ。いつも上手くいくとは限らない真剣勝負がいい。

●今回の目玉は、ピタゴラスイッチ
 床1面に準備された仕掛けは、ピタゴラスイッチ、つまりドミノ倒しのことだ。20の仕掛けを親子やグループで作り上げることから始める。仕掛けはすべて久我さんの手作りである。途方もない時間をかけて、おもしろがって作り出す久我さんの姿が垣間見えるようだ。作り方を説明して回る久我さん。試してみての成功、不成功にいちいち歓声が沸く。
 なにやらヘソを曲げすねている小さな男の子のお母さん、手を焼いて困ったふう。すかさず久我さん、
「君、10,9,8,7…って言えるかな。…では全部つなげて1回やってみましょう。」 何とか男の子にカウントダウンさせて、講座に参加させる。さらに元気な2人の男の子には、弓を持った人形を持たせてリンゴを射る役を与える。さすがの名演出家。
みんなが注目するなか、ドミノがスタート。何度も途切れながらも最後のくす玉割りまで届く。みんな大喝采。
「今度はもっと上手くいくようにやってみようか。」
流れがわかった参加者、再度挑戦だ。やる気十分だが、またもやパーフェクトにはいかない。でも満足感が漂うから不思議だ。

●人形劇の実演
 いよいよ自作自演の人形劇の始まりだ。ことの起こりは、小学校の担任をしているときに、子どもの誕生日ごと、全員に異なる人形劇をしてあげたことだという。レパートリーがどんどん広がっていったのだ。「必要は発明の母」か。

・ 発明博士…水をコップに注ぐと、あらあら不思議、ジュース(色水)に変身してしまう。そのジュースをクルクルストローで飲む人形。
・次は、世界で初めての独楽を回す人形だという。しかし今回は不調でうまくいかない。講師の名誉のためにつけ加えるが、筆者は何度も<成功>を目撃している。
・「ヘビのからだはなぜ長い」…講師の十八番の1つ。なぜヘビはからだが長くなったかという話。絶妙の独演会。
・ 一番うける出し物は「ミミズクの散歩」。ミミズクの親子の登場。バージョンアップして、海篇と山篇が加わる。常におもしろいことを見つけようとしている講師の存在がすごい。
・「酒飲みおじさん」…なぜか酒(液体)が消えてしまうのだ。まさに手品師。
・「わたしはだあれ?」…手袋人形の登場だ。しっとりと参加者を引きつける。こちらは子どもにも大受けだ。

●最後は独楽に戻って…
 人形劇を楽しんだあと、講師の卓越した独楽回し演技に酔いしれた。手のっけなんてお茶の子さいさい、「かまいたち」「おろち」「水の中で回る独楽」「空中に浮く独楽」と続く。それぞれの技はことばでの説明はかなり難しい。その実際を見てみたい方は、是非この講座を受講されることを勧めたい。
 そして、独楽回しをやりたそうな子どもやお母さんの雰囲気をいち早く察知した講師、講座の最後の30分は独楽回し練習に戻る。最初と最後は独楽回しだった。 独楽回しの魅力にとりつかれた親子と教師たち、時間いっぱいまで独楽回しに興じていた。
 会場の復元と道具の運び出しは参加者が積極的に担ってくれた。彼らの満足度を示しているようだった。
                                       (報告:福田三津夫)

  *『日本の演劇教育2012』(日本演劇教育連盟編集)より

〔7〕最後は、妻の著書です。(著書紹介③)

2015年01月15日 | 図書案内

『子どもっておもしろい』
 (福田 緑著、晩成書房、2005年11月、200ペ-ジ、表紙はかとうゆみこさん)
  
  同時に退職した妻も本を書いた。
  小学校「ことばの教室」でのこどもたちとのさまざまな出会いをあたたかい視線で描く第一部。著者の教師としての足取りをたどり、子どもとの関わりを記す第二部。子どもとの出会いの魅力にあふれた記録。
 平易な文章で、教師を目指す大学生にも人気がある本だ。
  これは一人の教師の実践の記録と言うよりは、一人の「人」が人間となってゆく覚醒と努力の道程の記録である。
                    (竹内敏晴/本書まえがき より)
 

『子どもっておもしろい』 目次
前書き;竹内 敏晴 

第Ⅰ部 子どもっておもしろい
 1.木曜日でよかった      
 2.ウンコ・タイム   
 3.おばけに燃える男
 4.ヘビとヒキガエル
 5.先生、ヒゲが生えてる   
 6.ダンゴ虫のお城      
 7.さあお食べ、さあお飲め   
 8.福田先生、三十点~!   
 9.インクよ、出て来い
10.やさしい時ってどんな時?
11.真夜中のホットコーヒー  
12.1年中クリスマス
13.野球盤少年
14.オーストラリア旅行にご招待!  
15.ちびっ子剣士、参上           
16.不安定な起き上がりこぼしたち  
17.孝ちゃんのおにぎり
18.ぼく、生まれなおしたいんだ
19.あたしのお部屋  
20.先生はお昼寝してなさい
21.話のわかるおばさん
22.和紙で作った日本地図
23.洗濯ネットの虫かご
24.十日で回せるようになりますから
25.将棋は苦手なんだけどなぁ
26.もも筋トレーニング 

第Ⅱ部 子どもたちが私の先生
1 いいお母ちゃんがいてよかったね
2 本当は闘いたくなんかない!
3 心を「抱っこ」する
4 心の許容量
5 子どもが変わってきている

後書き;福田 緑

     ☆定価2000円+税、送料込みで2000円。  



 

『祈りの彫刻リーメンシュナイダーを歩く』
(福田緑著、丸善プラネット、2008年12月、216ページ)

リ-メンシュナイダーと聞いてすぐにドイツ中世の彫刻家と分かる日本人は少ない。それもそのはずで、彼についての著作は2冊のみ。そこで本邦初めての写真集が刊行された意義は小さくない。地元のドイツ人カメラマンによるカラー写真と、著者の娘の福田奈々子が撮った白黒写真のバランスが心地よい。まさに「祈りの彫刻」である。
 「リーメンシュナイダーの追いかけ人」となった<素人>の著者の執念はさらに続く。巻尾には作品一覧、アクセス情報(こちらもおそらく本邦初)も盛り込んで、贅沢な一冊になっている。
 図書館・美術館だけでなく、病院やサロンなどのくつろぎの場にそっと置いてほしい本だ。
             *2009年日本自費出版文化大賞入選。

    ☆定価4600円+税、送料込みで5000円。


 

『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』
(福田緑著、丸善プラネット、2013年1月、230ページ)

 福田緑は、リーメンシュナイダーの作品を訪ねてドイツ国内だけでなく、ヨーロッパ各地や北米を重たいカメラと三脚を持ちながら周遊し、膨大な作品をカメラに収めた。そして、ついに第2写真集が完成した。この2冊の写真集はドイツの人々の手助けなくしては日の目を見なかったであろう。そういった意味では日独交流の賜物であると言える。
*朝日新聞の書評で紹介される。

    ☆定価5000円+税。













〔6〕次は、妻との共著です。(著書紹介②)

2015年01月15日 | 図書案内


『男の家庭科先生』
(福田三津夫・緑著、冬樹社、1989年 211ページ 表紙、イラストは娘の福田奈々子)

 三津夫は、小学校の担任を数年経験してから家庭科専科に自ら希望してなった。
 1979年当時、全国的にみても男の家庭科専科は非常に珍しい存在であった。時を同じくして、藤沢のあの著名な名取弘文さんも家庭科専科に転身する。
 この本は家庭科の実践記録ではない。むしろ家庭科専科を希望することとなった背景を自身の家族環境から描いたものである。夫の三津夫より妻の緑の方が、執筆の分担がやや多いのはそのことと無関係ではない。
 なぜ日本の家庭は女性に家事育児分担が偏るのか。「男も女も家事も育児も」と主張するのがこの本であり、その<実践記録>である。
 あとがきの半田たつ子さんの「新たな共同作品を祝って」が秀逸。
●絶版、手元に残部なし。



 『ヨーロッパ2人旅、22日間』
 (福田三津夫・緑著、私家版、2000年、168ページ、 表紙は福田奈々子)

 久しぶりに夫婦で出掛けたヨーロッパ(ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス)の自前の旅。それぞれが好き勝手に綴った旅行の記録である。晩成書房社長の水野久さんの協力でできあがる。夫婦共同ミニコミ誌「啓」の拡大版。2008年12月に出版された『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(福田緑、丸善プラネット)はこの旅が契機となっている。
 執筆分担は以下の通り。

    「世界遺産と美術館を巡る旅」 三津夫
    「リーメンシュナイダーの作品を訪ねて」 緑
 
  ☆残部わずか。送料込みで1000円。

〔5〕今、一番読んでほしい演劇教育関係の著書です。(著書紹介①)

2015年01月15日 | 図書案内


『実践的演劇教育論』-ことばと心の受け渡し

(福田三津夫著、晩成書房、216頁、2013年2月)
 『いちねんせい-ドラマの教室』『ぎゃんぐえいじ-ドラマの教室』に続く、演劇教育3部作完結編。私自身の小学校33年、大学7年の演劇教育実践の根幹をなすものは何かを考えてみた。それは<遊ぶ>感性を磨くこと、<ことばと心の受け渡し>を教育全般に行き渡らせることである。その理論的背景と主に大学や地域(ラボ教育センター)での具体的実践を書いてみた。

第1章 演劇教育の理論-原点を探る
 □演劇教育の原点
   Ⅰ 冨田博之の演劇教育論
   Ⅱ 劇あそび研究-小池タミ子の劇あそび論を中心に
Ⅲ 竹内敏晴から学んだこと-語るということ
Ⅳ 考える現場人、村田栄一 
 □鼎談「ドラマのある授業」渡辺貴裕・佐々木博・福田          
□特別活動と演劇教育

第2章 演劇教育の実践-学校・地域で
 □詩を遊ぶ・物語を遊ぶ
   Ⅰ 谷川俊太郎を遊ぶ
   Ⅱ まど・みちおを遊ぶ
   Ⅲ 阪田寛夫を遊ぶ
   Ⅳ 佐野洋子を遊ぶ

 □大学の授業と演劇教育
   Ⅰ 応答のある大学の授業
   Ⅱ 生活科でできること
  Ⅲ ことば遊びから始まる教員免許更新講座
  Ⅳ 教師であること-教師をめざす貴方へ贈る10の言葉

 □演劇教育の広がり
   Ⅰ 限界芸術としてのテーマ活動
   Ⅱ フレネ教育と演劇教育

<資料>
 □『演劇教育実践シリーズ』を巡っての共同研究
□ 「トトロ」学年の卒業式台本(1991年度)東久留米市立滝山小学校  
 □ 私の演劇教育実践史年表

      ☆定価2000円+税、送料込みで2000円。



『ぎゃんぐえいじードラマの教室』                   
(福田三津夫著、晩成書房、2009年8月、254ページ、表紙は、かとうゆみこさん)    

 『いちねんせいードラマの教室』に続いて2冊目の演劇教育実践記録。前書は小学校低学年版、本書は中高学年版。学級づくりと授業づくりの観点から今回も書き綴っているが、とりわけ学級づくりの原体験を丁寧に報告した。「学級崩壊」から学んだ教育の原点「私の学級づくり・授業づくり10か条」は特に読んで欲しい文章である。
 「学級崩壊」のクラス、その体験から学んび演劇教育の出発となったクラス、教師生活最後の困難なクラスなどが登場する「学級物語」が第1章。朗読劇・群読・劇・学習発表会・演劇教室…などの演劇的表現活動が描写されるのは第2章の「授業物語」。
 これから教師を目指す人、教職に行き詰まっている人に読んでもらいたい本だ。

               目次
    まえがき
http://www.bansei.co.jp/index/mokuroku/m01/PDF/%82%AC%82%E1%82%F1%82%AE.pdf 
    プロローグ<ことばと心の受け渡し>とは
    
第1章  学級物語-からだと心をひらく
  ・学級づくりの原体験・銀杏組ストーリー (「トトロ」学級の巻)
  ・教師開眼 (「宅急便」学級の巻)
  ・いじめ・不登校と子どもたち (「みんないい」学級の巻)
       「教室はまちがうところだ」群読台本
  ・共同研究<聴く>ということ 
       (岩川直樹・泉山友子・中村明弘・福田)
  ・私の学級づくり・授業づくり十か条

第2章  授業物語-ことばと心を届ける
  ・<おもしろい授業>を考える
  ・「フレデリック」を遊ぶ(朗読劇)
  ・イランカラプテ・アイヌ民族
  ・「夕鶴」を群読する
     -葛岡雄治さんとのコラボレーション
  ・劇を遊ぶ
  ・学習発表会を遊ぶ
  ・演劇鑑賞教室を遊ぶ
  ・座談会「小さな世界」を広げる記録(田辺敬子・高山図南雄・副島功・福田)
 
  あとがき         
  初出一覧
        ☆定価2000円+税、送料込みで2000円。



(福田三津夫著、晩成書房、2005年8月、215ペ-ジ、表紙は、かとうゆみこさん)
 
 2005年3月、 33年間の東京都での小学校教師生活にピリオドを打って、<演劇教育>の実践を綴る。日本の教育に決定的に欠けているのがコミュニケーションと表現の教育ーそれはまさにドラマの教育でもある。演劇教育の視点で学級づくりや授業づくりを眺めてみるとどう見えるのか。日本ではまれな演劇教育実践記録である。
  低学年のクラスを具体的に報告してみたが、その基本的な考え方は教育全般に通じることだと思っている。
    *2010年日本自費出版文化大賞入選。 
    *1章の「ことばと心の受け渡し」は演劇教育賞受賞文章。

   『いちねんせいードラマの教室』
     目 次

まえがき
 応答責任を軸にした教育実践(岩川直樹)

1 学級づくりーこころとからだをひらく
  ことばと心の受け渡し
  聴くこと 語ること
  笑いがうまれる教室
  子どもたちのからだの向う方向を
             かえるということ (増田美奈)
  座談会・子どもの演技をめぐって
  (平井まどか、佐々木博、正嘉昭、橋本和哉、福田)
  私の劇づくり十か条

2 授業のドラマ
  ひらがなを遊ぶ
  漢字を遊ぶ
  詩を遊ぶ     ・「かたつむり」の授業
            ・「たんぽぽ」の授業
  朗読劇     ・劇あそびを遊ぶ
            ・「おおきなかぶ」の授業
            ・「ぼくのだ!わたしのよ!」の授業
  劇を遊ぶ
  学習発表会を遊ぶ
  研究会・文字ーいのちある小宇宙で子どもと遊ぶ
  (伊東信夫、神尾タマ子、伊藤行雄、佐々木博、福田)

  子どもの生の発見と演劇(栗原浪絵)

あとがき

     ☆残部あり、定価1800円+税、送料込みで2000円。

『劇あそび・学級に活かす表現活動』
                (日本演劇教育連盟発行、演劇教育ブックレット4、2009年12月、54ページ)
  *執筆『劇あそび』平井まどか、『学級に活かす表現活動』福田三津夫
  *連続講座「演劇教育はじめの一歩」(2007年11月17日)の記録。

        ☆定価800円、送料込みで1000円。





〔4〕最近の講座・ワークショップ風景です。

2015年01月14日 | 講座・ワークショップ
 第50回教育科学研究全国大会・公開講座(法政大学)で講座を担当しました。その報告を書きました。1つの講座・ワークショップの風景です。            



         公開講座 ドラマのある教室
                    
                     福田三津夫(日本演劇教育連盟、埼玉大学非常勤講師)

  世話人を入れて5人の講座。大学生から中堅、ベテラン教師まで参加者の年齢層は幅広い。少人数ゆえの、身体表現をじっくり楽しめるぜいたくな時間になったのかもしれない。 椅子だけを半円形に並べての講座スタイル。参加者の心身の弾みに応じていかようにでも対応できるのが強みだ。
 簡単な自己紹介の後、早速、講座スタートとなる。
 
 与えられた「ドラマのある教室」とは何か、私の考えるところをまず話す。
 拙著『いちねんせいードラマの教室』『ぎゃんぐえいじードラマの教室』(晩成書房)で使った「ドラマの教室」は学級づくりのドラマと授業の中のドラマを意味している。このことは学級づくりと授業づくり、つまり教育活動全般にドラマが存在しなければならないという主張である。そして、ここでいうドラマは2つの側面を持っている。演劇的身体表現活動そのものとしてのドラマと、教育活動を演劇的に見たときのドラマという位置づけである。次の柳歓子さんの優れた実践記録の一節がそのことを示していてわかりやすい。
 「光あふれる舞台の上で、ドラマが展開される。でも、そのすぐ脇の暗がりのなかにも、ドラマはある。」(「『生命』を見せよう」、『教育』2009年6月号)
 次に演劇とは何かということを問題にした。舞台上の交流と鑑賞者との交流で成り立つ身体表現を伴った芸術とここではごく簡単に押さえる。舞台上の交流を<ことばと心の受け渡し>と私は捉えている。ここで私の「学級づくり・授業づくり十か条」(『ぎゃんぐえいじードラマの教室』より)を紹介する。「人の話を興味を持って聴く」「相手にことばと心を届ける」「学級づくりはコミュニケーションづくり」に触れる。
 <ことばと心の受け渡し>とは、まずは相手のことばと心を全身でしっかり受けとめ、次に、ことばと心を相手に過不足なく届ける、「声で相手のからだにふれる」(竹内敏晴)ということになる。
 ここから実践的な話に移行する。子どもたちとの一日の出会いの朝の会から授業、集会・行事、帰りの会までこの<ことばと心の受け渡し>が意識され、貫徹される必要がある。
私は実際にどう実践したのか、困難だったクラスの顛末のさわりを話すことにした。
さて、<ことばと心の受け渡し>とは何を指し示すのか、具体的な「ワークショップ」を通して理解してもらおう。

①まど・みちおを遊ぶ
 「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね/そうよ かあさんも ながいのよ
ぞうさん ぞうさん だれが すきなの/あのね かあさんが すきなのよ」
日本人なら誰でも知っているであろう「ぞうさん」の歌を歌ってもらう。昨年100歳になったまど・みちおさんの歌だ。少人数にしてはしっかり声が出ている。これは良い時間が持てそうだ。
「登場人物は何人ですか。」「2人」というのはすぐに出てくる。
「では、誰と誰との会話ですか。」この質問で一時会話は途切れる。どの講習会でも同様だ。幼少時から何度も歌った歌であろうに、すらすら答えが返ってくることはない。最終的には小さい子と子象の会話に落ちついた。2人1組でそれぞれの役を設定して台詞で言ってもらう。役設定はけっこうこだわりがありそうでなかなか会話までは進行しない。でもみんな役になりきり楽しそうだ。終わったら役を交代してもう1度。初対面同士の距離がぐっと近づく。
 最後は1人読みだ。2人組での会話の余韻を残して1人で読む。一人芝居の感覚だ。
 さて「ぞうさん」の数年後に「きりんさん」が書かれた。これも同じような展開で楽しんでみる。さらに数年後の「やどかりさん」。まどさんの詩は優しさにあふれていたり、ちょっと哲学的だったり、ユーモアのセンスをちりばめたり、ひらがなだけの詩で無限の宇宙を感じさせてくれるから凄い。
 ついでに「はひふへほは」も遊んでみよう。もちろん、まどさんの詩だ。
「はひふへほは ラッパに むちゅうで」と私が言ったら「ぱぴぷぺぽ ぱぴぷぺぽ」とみんなに言ってもらう。当然「ぱぴぷぺぽ」はラッパの音のイメージで。ラッパといってもそれぞれの音のイメージを大切に! 自分の好みのラッパの音を出そう。
 「ぱぴぷぺぽは ぶしょうひげ はやし」(私)「ばびぶべぼ ばびぶべぼ」(みんな) これを9連まで繰り返す。教師がリードすれば子どもたちは声を合わせやすいので、わずかな時間で取り組めそう。リーダーを交代すれば詩の雰囲気もがらりと変わるところがおもしろい。数回繰り返せば文字を見ないでも言えそうだ。学習発表会の群読発表にも活用できること請け合いだ。
 「あいうえお」はなかなか素敵なスタートだが、最後は賑やか。「自己紹介」という詩も楽しくて子どもにウケルこと間違いなしだ。

②群読「教室はまちがうところだ」(蒔田晋治)
 世話人と私も入って群読に挑戦だ。台本づくりは参加者でやるのが理想だが、今回は私の構成でやっていただく。どこまで迫力が出せるか。
 ソロは機械的に割り振る。1人で5人分ほど。みんな忙しく、緊張感みなぎる群読だ。
 大切なポイントはそれぞれの台詞を誰にどのような思いを届けるかということだ。「どのような思い」の中に個性がにじむ。全員での「教室がまちがうところだ」は声を合わせるのでなく、それぞれの思いをしっかり表現すること。結果的にばらばらでももちろんかまわない。全体よりも個を重視した群読を大切にしたい。こうした取り組みの結果、単なる文字が起き出してくる。文字の立体化だ。
 表現することとならんで重要なのが「聴くこと」「反応すること」。他の読み手の台詞をしっかり共感的に受けとめ、何らかの反応を返すこと。後半は前の人の台詞と重なるようにテンポと思いをアップして畳みかける。ちょっとした演出だ。
 いきなり、途中止めながらの読みに入り、なんと2回目は本番だ。そのできの見事なこと! 30分程度の時間でこれだけの表現を創り出したすべての参加者に感謝、感激する。

③「夕日がせなかをおしてくる」(阪田寛夫)の群読
④朗読劇「はのいたいワニ」(シェル シルバースティン)「ライオンとねずみ」(イソップ寓話)
③と④は時間切れでできなかったものだが、あらためて挑戦できればと思う。

 少しの時間でどれだけ<ことばと心の受け渡し>ということが伝わっただろうか心許ない。最後に世話人の山隆夫さんと参加者の感想で私の拙文を締めくくりたい。ちなみに山さんは大学時代の大親友である。
〔山隆夫さんのメールより〕
 「すごくいい話でした。福田君に頼んでよかったです。ゆっくりと君の哲学の世界に浸らせてもらって、うれしかったです。ことばが軽薄に表面をさらさらと流れていくような時代の中で、ひとことひとことが深く子どもたちの内面と響きあう、ことばの力を回復するような、それは子ども自身の生きる形を確かなものにしていくわけですが、指導や対応のありようを教えてもらったような気がします。
 詩の読み方一つでも、状況設定などふくめて声に本物の力や質、色彩を与えていくような深い意味を伝えてくれてありがとう。参加者のみなさんのあの笑顔と感動!
 同じ時間を一つの君の物語の中で共有できたことに感謝しています。ありがとう。」

〔参加者の感想より〕
「日々の教室の中で、クラスの雰囲気が明るく楽しく集中できる決め手を聞くことができ、とてもよかったです。ひとりひとりを大切にするためには「相手にどのように伝えるかを考えて話す」―。この相手意識と、自分がどのように伝えたいかを持っていることが必要であるのですね。そのことによって個が生かされていくのですね。聞き手は「全身で受けとめる」というイメージを、子どもたちに伝えていきたいと思います。授業での群読の取り組みや、気持ちを込めた表現を積み重ねることで、心が開放されていくように、実践を通して感じることができました。ありがとうございました。」(Hさん)

「『ことばと心の受け渡し』(ことばだけでなく気持ちも届ける)『反応することが大事』ということ、誰に向けて届けるのかを考える。本当にその通りだと思った。
 日々の教室での子どもたちの姿を思い浮かべながら聞く中で、2学期から改めて、子どもたちとの関係づくりを大事にした学級をつくり上げていきたい。先生に教えていただいた実践をぜひ教室でもやってみたいと思います。本当にありがとうございました。
 実践の詩や群読の授業がとてもおもしろかったです。子どもたちが心から楽しんで取り組む姿が眼に浮かび、自分自身もとても楽しかったです。先生が大事にしたいとおっしゃっていたことが、よく伝わってきました。」(Fさん)

「分科会の名前にひかれて参加しました。教室がドラマのような何かが起きるなんて素敵だなぁと思って。でも福田先生の話を聞いて、日頃からドラマがあって、しかも、演出する人がいないとそれができないと言っておられて、あぁ、自分もそのような演出ができる教師になりたいと思いました。
 短い時間でその役になってみて群読をしたのですが、難しくて、なぜそのようなセリフを言うんだろう? とか考えるだけで時間が過ぎていって…。あまり気持ちのこもったセリフを言えなくて悔しかったです。
 よくわからないまま来てしまったけれど、声を出すってやっぱり大人でもおもしろい!
来てよかったです。子どもたちにもやってあげたいなぁと思いました。ありがとうございました。」(学生Gさん)
 *第50回教育科学研究全国大会・公開講座(法政大学、2011.8.6)報告集より。



〔3〕講座・ワークショップはこのようなことができます。

2015年01月14日 | 講座・ワークショップ


  ●講座・ワークショップの実際

 次のような柱立てで講習したいと思います。もちろん様々な要望・バリエーションにお応えできると思いますのでご相談ください。学級づくり・授業づくり・劇づくり・教職入門講座が中心です。
 ここ数年増加傾向にあるのは、中学生・高校生・大学生・大人対象のワークショップです。民間の英語教育の大きな団体、ラボ教育センターから講師に呼んでいただくことが増えました。そこでは 「表現教育ワークショップーことばと心の受け渡し」という講座を開いています。詩の朗読や群読・朗読劇からことばの持つ意味について考え、「ロミオとジュリエット」などの劇づくりにそれらを応用するという展開です。気軽に声をかけてくださいね。

A【学級づくり】
 学級づくり=人間関係づくりであること。根底には<ことばと心の受け渡し>が成立していること。具体的な表現活動(朗読・群読・劇あそび・ハンカチあそび・朗読劇・劇…)を通して<ことばと心の受け渡し>を学ぶ。
B【授業づくり】
 授業の中で、子どもたちの発言(表現)をどう聴き、応答していくのか。子ども同士のやりとりをどのように創っていくのか、具体的な授業を通して考えたい。テーマは「ドラマとしての授業」「ドラマのある授業」。「谷川俊太郎・工藤直子・まど・みちお・阪田寛夫を遊ぶ」詩の授業、文学教材の扱い方などが考えられるが、国語以外でも可。

  <学級づくり・授業づくり十か条>
【第1条】 子どもはまるごとおもしろい存在だ!
【第2条】 教室の窓を開くー見られることも大事!
【第3条】 教育は一回性のドラマー教室デビューを演出する
【第4条】 教育は固有名詞で語る
【第5条】 子どもの現在から実践を組み立てる
【第6条】 行動を通して表現を考える
【第7条】 人の話を興味を持って聴く
【第8条】 相手にことばとこころを届ける
【第9条】 学級づくりはコミュニケーションづくり
【第10条】 モノであそぶ・からだであそぶ
 *詳細は『ぎゃんぐえいじ-ドラマの教室』(福田三津夫、晩成書房)参照

C【劇づくり】
 脚本のある劇、絵本からの劇づくりなど、具体的な演劇指導についての話。子ども相手に直接指導、指導者への演技演出指導など。

  <私の劇指導10か条-遊べる脚本で、子ども自身の壁を破る>
【第1条】子どもたちが遊べる脚本を選ぶ
【第2条】役はオーディションで決める
【第3条】状況設定をしっかり確認する
【第4条】役について詳しく説明させる
【第5条】劇の構造・テーマを理解する
【第6条】言葉を届ける対象を明確にする
【第7条】言動にきちんと反応する
【第8条】自分の壁を破る
【第9条】衣装・音効・照明もアッピール
【第10条】教師の表現力を鍛える
  *詳細は『いちねんせいードラマの教室』(福田三津夫、晩成書房)参照


D【教職入門】
 教師を目差す学生、若い教師たち、教育に息詰まりを感じているベテラン教師たちへ次のような言葉を贈りたい。

  <教師であること・2011-教師をめざす貴方へ贈る10の言葉 >
 私が教職入門という講座を持ったとしたら何を学生たちに伝えたいかを考えてみた。つまりそれは教師をめざす卵たちに贈る言葉ということになるが、同時に、40年前に学生だった私自身に贈る言葉でもある。「私の学級づくり・授業づくり10か条」(拙著『ぎゃんぐえいじードラマの教室』晩成書房、所収)「私の劇づくり10か条」(拙著『いちねんせいードラマの教室』晩成書房、所収)と合わせて読んでいただくと嬉しい。

Ⅰ、「ことばと心の受け渡し」の実践(コミュニケーション、表現、交流)
 33年の小学校教師、5年の大学講師体験から教育の本質・根本は何かと問われれば、「ことばと心の受け渡し」が教育現場にきちんと成立していることと答えたい。「ことばと心の受け渡し」とは私の教育信条に沿った造語であるが、つまりは教師と子ども、子どもと子ども、さらにはそれらを取りまく親や地域社会の交流・コミュニケーションにほかならない。ことばや心をしっかり全身で受けとめ、アクションとしてのことばや心を相手にきちんと届けること、語っていくことだ。まずは「臨床の知」(中村雄二郎)を根本に置いた教育を目差さなければならない。
 *前掲した『いちねんせいードラマの教室』『ぎゃんぐえいじードラマの教室』は「ことばと心の受け渡し」の実践記録。参考文献『臨床の知とは何か』中村雄二郎、岩波新書。『ドストエフスキーの詩学』ミハイル・バフチン、ちくま学芸文庫

Ⅱ、子どもとシンクロできる「からだ」(教師のからだ)
 私は自分のことばが子ども(学生)たちに届かない、という経験を嫌と言うほど味わってきた。なぜか。それは彼らとシンクロするからだを持ち合わせていないからにほかならない。
 鮮やかに思い出すのは教職をスタートさせたばかりの運動会でのダンス指導でのこと。中心的な指導を担ったのは中年の女の先生だった。私は補助的な存在だったが、私のことばはほとんど子どもたちに入っていかないのだ。そこには自らフォークダンスを踊ろうともしないで踊らせることだけに終始していた私がいた。ある日の放課後、踊りの上手な子数人から徹底的に踊りを習うことにした。その翌日の学年合同練習の時、あきらかに子どもたちが私を見る目が変わっていた。この時「指導が入る」とはどういうことなのかが実感としてわかった。
 ある年の運動会、ソーラン節を学年の表現に採り入れたいと思ったが指導者はいなかった。妻から時間をかけて教わり、翌日、学年の子どもたちの前に立った。テープが流れる中で一人踊りきった。決してうまい踊りではなかっただろうが子どもたちはいっぱい拍手をくれた。
 子どもを常に上から見るのではなく、時には子どもと向かい合い、寄り添いながら同じ方向を見つめることをできるからだをもつ必要が教師には求められる。
 *『ことばが劈かれるとき』竹内敏晴、ちくま文庫

Ⅲ、教科の論理と子どもの生理(教科の系統性と演劇的教育方法)
 新卒教師の私が最初にめざしたものは教える教科の系統性と科学性を獲得することだ。人類の遺産である真理に基づいた科学や学問をいかに無駄なく配列するか。そのためにはあらゆるジャンルの本を買い、足繁く様々な研究会に通った。今尤も進んでいると思われる教材を入手し「さあどうだ。」とばかり子どもたちに差し出したが、なぜか反応は鈍い。教師の「教え」ばかりが先行し、そこには子どもの「学び」がなかったのだ。
 教育は教科の論理だけでは成立しない。「ドラマとしての授業」が求められるのだ。子どもの思いや生理、リズムなどを無視して授業の成立はない。子ども自身が真理や真実を獲得していくという学びのプロセスが実は教育実践だったのだ。「ドラマとしての授業」を考えるとき、演劇の本質から学ぶことは多い。
 *『演劇教育』冨田博之、国土社

Ⅳ、生存権と平和主義(インドとアウシュヴィッツ)
 新しく教師になる若者たちに求めたいものは、世界的な視野をもってほしいということだ。
 インドの世界遺産の見学ツアーに参加したのは小学校教師を辞してすぐのことだった。ここで見聞きした10日間の<事実>は衝撃的だった。外国渡航28回、32か国・地域を巡ったなかで、人間とは何か、生きるとは…など、自身の生存感覚を根底から問い直させられたと言っても過言ではない。糞尿・埃紛れの極貧の生活、インドの新幹線といわれる、ごみが散乱したプラットホームで列車を待つ時ににじり寄ってきた下半身麻痺の少年、かたや裕福なカーストは超エリートの身分社会。小銭を求める少女に我々は何を与えられるのか。
 インド旅行から1年後、厳冬のポーランドに渡る。ドイツ・チェコ・オーストリアなどを巡る個人旅行だ。一番の目的はナチスの戦争犯罪の跡を辿ること。ホロコーストを決議した会議所、ユダヤ人などを送り出したプラットホーム、ナチスに抵抗し処刑された跡、ユダヤ人の巨大な追悼石碑群を見学し、最後に辿り着いたのがポーランドのオシフィエンチム(ドイツ名でアウシュヴィッツ)だ。小雪の舞うなか英語圏の旅行者30数名と共に広大なアウシュヴィッツの施設をただただ沈黙のなか廻る。紫色の温かそうな帽子を被ったポーランドの若く美しい女性の案内人は淡々と感情を押し殺して彼女が生まれる前に祖国で起こった悲劇を語ったのだった。被害者の累々とした頭髪・鞄・靴などの部屋の数々。人間はこれほど残酷になれるものなのか。
 しかしこれはドイツだけの話だろうか。私たち日本人は南京大虐殺、日本軍731部隊など、中国・朝鮮・台湾侵略などの日本の戦争犯罪も同時に語る必要があるだろう。
 生存権がうたわれた平和憲法をもつ日本の教師として、インドの現在、ドイツ・日本の歴史をしっかり学ばなければならない。
 チェルノブイリ25年目の2011年、福島原発の溶融事故が起こった。ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ…日本人として考えるべきことは多い。
 *『アウシュヴィッツ博物館案内』中谷剛、凱風社
 
Ⅴ、芸術に対する深い関心(美術・音楽・演劇・映画・旅行・読書…)
 芸術は専門家だけが実践し、専門家だけが享受するものではないことは多くの「知性」が語っている。すべての人々の思考基盤、発想の源になくてはならないのが芸術である。万人が生きていくうえで最小限必要なものであり、まさに生きる力としての芸術だ。
宮澤賢治や新美南吉は音楽や劇、文学などを教師として殊更大切にした。彼らは豊かな言語感覚、美意識、潤いのある日常、明日への限りない活力などは芸術から湧きいずることを日々実感していたことは間違いない。
 たとえば「ドラマとしての授業」「ドラマのある授業」を語る時、教師自身が演劇的体験し、演劇の創造と鑑賞についての力量を持たなければならないだろう。
 *『限界芸術論』鶴見俊輔、ちくま学芸文庫

Ⅵ、教育実践記録を読むこと・語ること・書くこと(学級通信と著書)
 教師としての行き詰まりを感じたとき、優れた実践記録は我々に勇気と励ましを与えてくれる。教育行政やある教育理論にただ従うだけでなく、教育主体としての教師が実践を切りひらくために実践を聴き、語ることが自身の実践を飛躍させることになる。
 たとえば学級通信という形で日々の実践を記録し総括して同僚やサークル仲間に批評を仰ぐ。チャンスをとらえて雑誌にそれを発表する。そんな実践の検証の活動が教師には求められそうだ。
できれば20年目や30年目には私家版でもいい、著書の1冊も持ちたいものだ。本を書くことはひょっとして恥をかくことかもしれない。でもそうすることによって確実に教師としての力量は高められる。在任中に実践記録を出せれば私の教師人生もずいぶん変わっていただろうと思う。
 *『学級通信 ガリバー』村田栄一、社会評論社

Ⅶ、様々な教育の仕事(担任・専科・心障学級・管理職…)
 学校教育は様々な教師によって支えられている。6年間の家庭科専科の体験から、生活指導をあまり担わなくても良いというかわりに、全校的な立場で力を尽くさなければならないということがよく理解できた。学級担任だけでなく専科、心障学級が併設されている場合は担当を変更する勇気を持つべきだ。
 連れ合いの緑は心障学級担任の体験を薦めている。そうした意味からも学生の時に介護実習を体験することは大いに意味のあることかもしれない。
教育現場に入ったときには、教師の他に給食、事務、用務、警備などの主事さんらがいらっしゃることは当然だがけして忘れてはいけないことだ。彼らとしっかり交流を図ることが子どもの成長にも望ましいことはいうまでもない。間違いなく、教師だけで教育が成立するものではないのだから。

Ⅷ、地域の教育力(家庭・社会)
 学校教育は教育の1分野であり、家庭教育と社会教育で教育は完成する。常に教師は家庭と社会に目配りをすべきである。
 とりわけ家庭との連携は重要だ。様々な職種を有する保護者とどう繋がるか、真剣に考えてみたい。教師がすべての子どもがおもしろい、可愛いと接した時、親たちはほとんど間違いなくその教師を支持してくれる。教え方が多少上手でなくても、我が子をしっかり認めてくれる教師であれば様々な協力は惜しまないものである。親と子どもを核とした「共同戦線」がはれれば想像もできないことができることがある。
 家庭からさらに地域社会に教師がうって出ることが果たしてできるか。そんなすごい教師がいなかったわけではない。
 *『学級文化活動と集団づくり』鈴木孝雄、明治図書、絶版。『一年生の四季』鈴木孝雄、草土文化、絶版。

Ⅸ、社会人としての教師(市民運動・組合運動)
 教室で教えるだけが教師ではない。あらゆる社会的な事象に対して興味関心を持ち、様々な市民運動を展開している教師の後ろ姿は子どもに間接的に眩しく映るだろう。教師自身が個性的で、社会を変革していこうという強い意志を持たないで、どうして個性的で行動的な子どもを育てることができるだろう。職場環境を働きやすいように同僚と変えていくことはすぐに子どもたちの教育に跳ね返っていくことになる。市民運動や組合活動は他者との貴重な出会いの場になるだろう。
 *『人間の条件』ハンナ・アレント、ちくま学芸文庫

Ⅹ、教師こそ自己教育を(教育研究活動、挫折から学ぶこと)
 最初から挫折無しに教育がうまくいくはずもない。何度も何度も失敗を重ねることによって教師は鍛えられていく。そういった意味からすると、教師は子どもや親、同僚から日々学ばなければならない。残念ながらうまくいった実践から学ぶことは少なくて、失敗から新たな教育指針が見つかることが圧倒的に多い。挫折やスランプは教師にとって最大のチャンスと言える。難を転じて福となす、南天(ナンテン)の精神が教師には必要だ。
 教師は一生学び続けなければならない。若い教師だけでなくベテラン教師が実践のつまずきで退職に追い込まれるケースも少なくない。ベテラン教師といえども自身の学びを放棄したとき、子どもの前に立てなくなる事実を私は嫌というほど見てきた。一緒に学べる同僚や、あえて厳しい批判・提言を投げかけるサークル仲間はお金を出しても買えるものではない。
 *前掲『ぎゃんぐえいじードラマの教室』、『子どもっておもしろい』福田緑、晩成書房。いずれも学級崩壊から「教えることの再出発」が書かれている。
 *詳細は『実践的演劇教育論ーことばと心の受け渡し』(福田三津夫、晩成書房)参照

     
E【表現教育ワークショップーことばと心の受け渡し】
 中学生・高校生・大学生・大人対象のワークショップ。
     

〔2〕こんなことをやってきました!こんなことをやります!〔講師実績と予定〕

2015年01月13日 | 講師実績
退職してから「ちょっと来てくれない。」「はあい。」といった感じで、気軽に、呼ばれたところに講師に出掛けています。テーマは、学級づくり・授業づくり・劇づくり。そこでは小学校教師生活三十三年で手に入れたこと(子どもたちなどに教えられたこと)を話すことにしています。実際の授業もやります。声をかけてください。待ってます!(以下の講師実績は小学校退職後のみ)

   ●2005年4月~2006年3月
 
  5月 8日   「教育基本法と憲法」レポーター
               清瀬憲法九条を守る会主催  
  6月 9日   江東区立南陽小学校校内研究会①
  6月28日      同上         ②
  8月11日   全国演劇教育研究集会、講座「表現のある授業」
  9月20日   江東区立南陽小学校校内研究会③
  9月27日      同上、二の三授業参観 ④
 10月26日   東村山市立東萩山小学校校内研究会
 11月 9日   東村山市教育研究会児童文化部、講座「授業と演劇」
 11月12日   松戸市合同教育研究集会
             「文化が子どもをかえる~文化活動・表現」分科会
             共同研究者
 11月24日   松戸市立高木第二小学校校内研究会 
 12月 4日   日本民教連交流研究集会
              「一人ひとりが輝く芸術教育」レポート
2006年
  1月14日   新春セミナー「学級学習発表会」レポーター
  2月 4日   日本演劇教育連盟・常任委員会研究報告

   ●2006年4月~2007年3月

  4月14日  埼玉大学教育学部非常勤講師開始 
             前期「特別活動論」担当
  4月18日  志木市教職員組合教育研究集会
  8月22日  志木市立宗岡第二小学校校内研究会
  9月13日  東村山市教育研究会児童文化部(授業研究会)
 10月 5日  埼玉大学教育学部非常勤講師
             後期「特別活動論」
                「生活科指導法」担当             
 10月11日  江東区立南陽小学校校内研究会
 11月21日  松戸市立高木第二小学校校内研究会
2007年
  2月17日  フレネ教育研究会

   ●2007年4月~2008年3月

  4月13日  埼玉大学2年目開始(2006年度と同じ)
  5月17日  ハグ子どもパートナーズ講師
  10月17日 松戸市立高木第二小学校校内研究会(2年生の詩の授業)
  11月14日 東村山市教育研究会児童文化部(劇あそび)
  11月17日 日本演劇教育連盟・連続講座(学級に生かす表現活動)
  11月27日 松戸市立高木第二小学校校内研究会(3年生の授業)
  12月12日 江東区立南陽小学校校内研究会
2008年
  2月13日  江東区立南陽小学校校内研究会(研究発表会) 
  
   ●2008年4月~2009年3月
   
  4月11日  埼玉大学3年目開始(前後期とも講義内容は前年と同じ)
  4月14日  ラボ言語教育総合研究会レポート「テーマ活動と演劇教育」
  6月11日  東村山市児童文化部「表現活動による学級づくり」 
  6月26日  江東区立南陽小学校校内研究会 
  7月10日  江東区立南陽小学校校内研究会  
  7月24日  江東区立南陽小学校校内研究会「劇づくり初めの一歩」
  8月 2日  全国演劇教育研究集会、講座「学級づくりと表現活動」
  10月22日  富士見市国語部「朗読・群読・朗読劇」
  11月10日  松戸市立高木第二小学校校内研究会(4、6年生の授業)
2009年 
  1月14日  江東区児童文化部、「表現活動を生かす学級づくり」 
   2月6日  江東区立南陽小学校校内研究会(研究発表会) 
  
   ●2009年4月~2010年3月

   4月13日  第二期ラボ言語教育総合研究所研究員メンバースタート
   4月17日  埼玉大学4年目開始(前後期とも講義内容は前年と同じ)
   6月17日  江東区立南陽小学校校内研究会
   8月 2日  全国演劇教育研究集会、講座「学級づくりと表現活動」
   8月28日  教員免許状更新講習講師(埼玉大学)
   9月30日  江東区立南陽小学校校内研究会
   10月6日  松戸市立高木第二小学校校内研究会(2,3年生の授業)
   10月27日 富士見市国語部「朗読・群読・朗読劇」
   11月9日  松戸市立高木第二小学校校内研究会(6年生の授業)
   11月11日 江東区立南陽小学校校内研究会
2010年
   2月 5日  江東区立南陽小学校校内研究会(研究発表会)
         
   ●2010年4月~2011年3月

   4月 9日  埼玉大学5年目開始(前後期とも講義内容は前年と同じ)
   7月 7日  東村山市児童文化部「国語教材を通した表現活動の工夫」 
   8月 4日  全国演劇教育研究集会、講座「学級づくりに生かす表現」
              (有明教育芸術短期大学)
   8月25日   江東区立南陽小学校校内研究会(演劇指導の方法)
   10月17日 日本子育て学会第2回大会自主シンポジウム
           「異年齢グループの協同での劇表現活動が育む社会力」パネラー
2011年
   1月19日  江東区立南陽小学校校内研究会(授業研究)
   2月 4日  江東区立南陽小学校校内研究会(研究発表会)
        
    ●2011年4月~2012年3月
       
    4月15日  埼玉大学6年目開始(前後期とも講義内容は特別活動論)
    6月22日  江東区立南陽小学校校内研究会(授業研究)
    8月 2日  全国演劇教育研究集会、講座「学級づくりに生かす表現」
               (有明教育芸術短期大学)
    8月 6日  教育科学研究集会 講座「ドラマのある教室」(法政大学)
    8月24日  荒川区教育研究会 講座「学級づくりに生かす表現」(荒川区立第九中学校)
   10月13日  第三期ラボ言語教育総合研究所研究員メンバースタート
   10月22日  学びをつくる会 講座「ドラマのある教室」(法政大学)
   12月14日  東村山市立東萩山小学校校内研究会「特別支援学級の劇づくり」
2012年
    1月26日  川口市教職員組合基礎講座「学級に活かす表現活動」(川口市西公民館)
    2月11日  劇あそびと劇の会提起「劇あそび研究ー小池タミ子の劇あそび論を中心に」
               (日本演劇教育連盟事務所)
    2月12日  埼玉子どもを守る連絡協議会「ことばあそび・手遊び・群読…」(常磐公民館)
    2月16日  脚本研究「森の会」提起「冨田博之の演劇教育論」(練馬・桜台)

    ●2012年4月~2013年3月
 
    4月12日  埼玉大学7年目開始(講義内容、特別活動論は通年、生活科指導法は前期)
    4月13日  白梅学園大学1年目開始(講義内容、教育実習指導)
    4月19日  脚本研究「森の会」提起「高山図南雄のあらためてスタニスラフスキー」
               (練馬・桜台)
    4月21日 ラボ言語教育総合研究所公開講座
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(ラボ教育センター13階)
             *講座の様子は下記のラボのブログを参照してください。               
https://www.labo-party.jp/hiroba/top.php?PAGE=kyomu&MENU=DIARYDETAIL&DIARY_ID=69657
             *ついでに、ラボのために書いたコメントも読んでください。
http://www.labo-party.jp/special/index18.php
    5月17日 脚本研究「森の会」提起「竹内敏晴から学んだこと」
    6月3日  劇あそびと劇の会提起「考える現場人、村田栄一」
    8月3日  全国演劇教育研究集会、講座「ことばあそびから朗読・群読へ」(山口)
   10月7日  ラボ千葉支部中高大生合宿<ことばと心の受け渡し>ワークショップ(佐倉)
   10月28日  ラボ言語教育総合研究所公開講座(ラボ教育センター関西総局)
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」
             *講座の写真をラボの事務局の方が撮ってくれました。
http://www.facebook.com/LaboParty?ref=hl#!/media/set/?set=a.381394885270732.87653.207534742656748&type=1
2013年
    1月17日 脚本研究「森の会」提起「落合聰三郎の演劇教育論」
    1月19日 ラボ神奈川支部テューターワークショップ(御殿場)
   
    ●2013年4月~2014年3月
    
    4月5日   白梅学園大学2年目開始(講義内容、通年、教育実習指導)
    4月12日  埼玉大学8年目開始(講義内容、通年、特別活動論)
    4月13日 劇あそびと劇の会提起「落合聰三郎の劇あそび論」
    5月23日 脚本研究「森の会」提起「寒川道夫の光と影」
    6月20日 脚本研究「森の会」提起「プロメテウスの火」脚本検討と演出
    8月3日  全国演劇教育研究集会、講座「演劇教育の原点を探る」「冨田博之の演劇教育論」
             佐々木博さんとともに(オリンピック青少年センター)
    9月9日  ラボ東北支部テューターワークショップ
           「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(郡山)
    9月10日  ラボ東北支部テューターワークショップ
           「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(盛岡)
    9月18日 ラボ北関東信越支部テュータースクール
           「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」「プロメテウスの火」
             (大宮ラボセンター)
   10月5日   ラボ神奈川支部高大生ワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(川崎)
   10月19日  ラボ九州支部テューターワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(宗像)
   10月20日  ラボ中国支部テューターワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(広島) 
   12月9日  ラボ中部支部テューターワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(名古屋)
   12月14日 劇あそびと劇の会提起「岡田陽論」
2014年
1月16日  脚本研究「森の会」提起「ひとりはみんなのために みんなはひとりのために・考」
   2月20日  脚本研究「森の会」提起「鳥山敏子論」
   3月20日  脚本研究「森の会」提起「伊丹万作の演技指導論草案」
               
    ●2014年4月~2015年3月
          ラボ教育センター・テーマ活動研究①、宇野由紀子パーティ参観(小平市)
          ラボ教育センター・テーマ活動研究②、行松泉パーティ参観(川越市) 
    4月4日   白梅学園大学3年目開始(講義内容、通年、教育実習指導)
    4月11日  埼玉大学9年目開始(講義内容、通年、特別活動論)
    4月12日  ラボ広島西地区小中高生ワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(広島)
    4月17日  脚本研究「森の会」提起「島田陽子・畑中圭一のことばあそびうた」
    4月26日  ラボ浜松地区小中高生ワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(浜松)
    5月15日  脚本研究「森の会」提起「魔法をすてたマジョリン・考」
    7月21日  ラボ名東地区親子ワークショップ
            「表現教育ワークショップ ことばと心の受け渡し」(長久手)
    8月3日  全国演劇教育研究集会、講座「演劇教育の原点を探る」「教育における遊び」
              平井まどかさんとともに(オリンピック青少年センター)
    12月18日 脚本研究「森の会」提起「石井郁男『ドラマのある授業』を巡って」

2015年
    1月15日 脚本研究「森の会」提起「相川忠亮の仕事」
    3月28日 日本演劇教育連盟指導者養成部講座「演劇教育をすすめるにあたって~その原点を探る」
                         (桐朋小学校)
    ●2015年4月~2016年3月
          白梅学園大学4年目開始(講義内容、教育実習指導)
          ラボ教育センター・テーマ活動研究➂、高橋義子パーティ参観(八王子市)
    5月17日 清瀬・憲法九条を守る会・提起「自民党憲法改悪法案」「大学への国旗・国歌要請」
    8月2日  全国演劇教育研究集会、講座「演劇教育の原点を探る」「竹内敏晴の仕事」
              平林正男さんとともに(オリンピック青少年センター)

〔1〕福田 三津夫の自己紹介です。ブログは、演劇教育、市民活動、美術・演劇鑑賞、旅行などがテーマです。

2015年01月13日 | 自己紹介


 2015年2月、OCNのホームページサービスが停止になりました。そこでホームページからこちらのブログに「引っ越し」することにしました。この間、約5300回のアクセスをしていただきましたこと、感謝申し上げます。しばらくは引っ越し作業が続きますが、〔9〕からは新規発信ということになります。今までのホームページ以上に臨機応変にリアルタイムで演劇教育に関する事柄について触れていきます。たぶん週1回ぐらいの書き込みになるのではないかと思いますが気長にお付き合いください。まずは日本の演劇教育の理論や実践の発展に寄与できるように肩の力を抜いて頑張りたいと思います。
 最近では教育活動とともに地域の市民活動にも力を入れています。4年前(2015年)に、居住地の東京・清瀬市で革新無所属市民派の市議を誕生させました。彼女の政策作りや請願活動、駅頭宣伝など月2回の定例会で仲間と話し合って行動しています。国会や様々な集会に出かけることも頻繁にあります。そんなことで「情況」に対する発言も随時掲載していきます。
 ところで、連れ合いが中世ドイツの彫刻家、リーメンシュナイダーの追いかけ人になって本邦初の写真集を4冊出してしまいました。2022年6月、5冊目が共著で刊行予定です。私もその影響を受けて、たびたびドイツをはじめ海外に足を運んで、様々な美術品を鑑賞しています。私は仏像なども大好きで、美術館・博物館巡りに健康維持もかねて精を出しています。旅行や美術館巡りの記事も増えていきそうです。
 まあ、何でもありの気まぐれブログになりそうですが、よろしくお付き合いください。
 なお、以前はこのブログへの投稿可能な設定をしていましたが、ある記事をめぐってネトウヨ投稿が頻繁になったためそれを解除しました。ご理解ください。
 
 ではまずは自己紹介から始めましょう。

■自己紹介;1949年東京生まれ。東京学芸大学卒業。1991年から20年間、雑誌「演劇と教育」(日本演劇教育連盟編集、晩成書房発行)編集代表。日本演劇教育連盟元副委員長。2005年から9年間、埼玉大学非常勤講師(特別活動論・生活科指導法)。2020年現在、白梅学園大学非常勤講師(教育実習指導)。「ことばと心の受け渡し」(「演劇と教育」2005年4月号)で第46回演劇教育賞受賞。ラボ言語教育総合研究所研究員。妻とミニコミ誌「啓」100号まで発行。脚本研究会「森の会」、清瀬・憲法九条を守る会、清瀬・くらしと平和の会所属。
■書いた本;『男の家庭科先生』(冬樹社、妻・福田緑との共著)、『ヨーロッパ2人旅22日間』(私家版、福田緑との共著)、『いちねんせいードラマの教室』(晩成書房)、『ぎゃんぐえいじードラマの教室』(晩成書房)、『実践的演劇教育論-ことばと心の受け渡し』(晩成書房)、新刊『地域演劇教育論-ラボ教育センターのテーマ活動』(晩成書房)。2019年最新刊、責任編集『ことばで遊ぼう 表現しよう!-ことばあそび・朗読・群読』(晩成書房)。『劇あそび・学級に活かす表現活動』(平井まどか・福田三津夫共著、日本演劇教育連盟ブックレット)福田緑・福田三津夫『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』(丸善プラネット)本の内容は追々紹介していきます。
■〔 学級づくり・授業づくり・劇づくり〕の講師やります。具体的には(ハンカチ遊び・手遊び・劇遊び・朗読・群読・朗読劇・劇…)といった内容です。
 2005年3月、33年の小学校教師生活に別れを告げました。定年を5年残しての自主退職でした。からだが自由に動くうちに全国の教師たち・教師の卵たちの手助けをしたいと思ったのです。いつでもどこでも、学級づくり・授業づくり・劇づくりの実際、教職入門について基本的具体的な話をし、ワークショップを開きます。(校内研究会・児童文化部・演劇教育部・国語部・組合教研・その他サークルなど)授業もします。ラボ教育センターなどで小中高大生・大人向け表現教育ワークショップ「ことばと心の受け渡し」が増えています。気軽にご連絡ください。

■リンク(家族のホームページなど)         
 ●福田緑のホームページ    https://blog.goo.ne.jp/riemenschneider_nachfolgerin/e/3ea5c449d57db064f782575f30be9e4c
 ●漆工房 皎月         https://www.facebook.com/kohgetsu.nanako
 ●家族展「和に集う」 (2014.5.1~10)やりました! 
               http://youtu.be/H9uMFZ0LawY

 ●その他の映像 
  *展示会History      http://youtu.be/h48jCSIyRcM
  *四十雀の巣立ち 前編 http://youtu.be/kKWxYP5onmY
  *四十雀の巣立ち 後編 http://youtu.be/yF4ek_cx8e8