後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔672〕我らがマティアス・ヴェニガーさん、ついに朝日新聞「グローブ」に登場! しました。

2024年03月25日 | テレビ・ラジオ・新聞

  昨日、2024年3月24日、このブログでも数回紹介してきたミュンヘン・バイエルン国立博物館の研究者、マティアス・ヴェニガー(博士)さんが、朝日新聞「グローブ」でその活動を紹介されました。
  「グローブ」は月2回、発行されます。以前本紙とは別に製本されていましたが、今は本紙に組み込まれています。昨日号で299号になりました。
 
  ところで、ヴェニガーさん(新聞ではウェーニガーとなっているが ヴェニガーが正しい)はミュンヘン近くのフライジングにお住まいです。自宅に招待していただいたこともあります。ここ数年、ドイツに行くたびにご夫婦共にお目にかかっています。ドイツの研究者のなかでは、最も親しくさせていただいていて、福田緑の写真集第Ⅳ巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』の巻頭言もお願いしました。また彼は写真家でもあって、この巻ではエラスムス・グラッサーの写真を数枚掲載させていただいています。

 さて、ヴェニガーさんは毎日新聞の電子版でもその活動が掲載されたことはこのブログで紹介済みです。
 今回の「グローブ」は、ナチスドイツの犯罪を追求する「ナチハンター」の特集です。ここには今もなお、戦争犯罪を問い続ける数人のドイツ人が登場します。戦争責任を曖昧にしたままの日本との格段の差異を感じない訳にはいきません。
  我が家の保存版にしたいこの特集のなかで、ヴェニガーさんのナチスが奪った銀製品を持ち主に返す活動が紹介されています。博物館に置かれていた111点のうち半数は持ち主に返したといいます。今年中にはなんとか終了させたいとも書かれています。
 世界中を飛び回って、こうした地道な活動を展開するする知人を、私たちは畏敬の念を持ってお付き合いさせていただいています。2025年秋には再会なるでしょう。


〔648〕「いのちの音楽  あるハンセン病の音楽家を追って」「らじるらじる」で聴けます。(1月2日まで)

2023年12月29日 | テレビ・ラジオ・新聞
 矢部顕さんからの情報です。まだ聴くことが可能です。

◆NHKラジオ第1 12月26日(火)午後6時05分~6時50分

愛生園の青い鳥楽団楽長近藤宏一さんの特集がありました。
見逃し配信で聴くことが出来ます。
インターネットで「らじるらじる」を検索して、
日付12月26日で調べると、下記の番組を聴くことが出来ます。
(1月2日まで可能のようです)

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いのちの音楽  あるハンセン病の音楽家を追って
R1ラジオ第1  12月26日(火)午後6時05分~6時50分
NHKドラマ「らんまん」の音楽担当で作曲家の阿部海太郎さんが、
長年追い続けているのが「青い鳥楽団」。ハンセン病療養所の元患者が、
70年前に結成したハーモニカ楽団です。その録音に圧倒される熱量を
感じた阿部さんは、更に楽団リーダーで、作詞作曲も行った全盲の
近藤宏一さん(2009年没)の埋もれていた楽曲を調査の中で発見しました。
「分断」が更に色濃くなった2023年。貴重な音源を元に、近藤さんたちが
音楽に込めていたものを探っていきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                         矢部 顕

〔605〕マティアス・ヴェニガー博士「ナチスによってユダヤ人家庭から盗まれた銀の家宝を返す使命を担う」の巻

2023年07月27日 | テレビ・ラジオ・新聞
 このブログに再三登場していただいてるマティアス・ヴェニガー博士は、バイエルン国立博物館の学芸員です。福田緑の写真集『祈りの彫刻』全Ⅴ巻の発刊に際してはお世話になりっぱなしの恩人です。とりわけ第Ⅳ巻『完・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』では巻頭言をいただきました。ご自宅にも2回招いてくださり、親しくさせていただいています。
 そのヴェニガー博士の記事がThe Mainichi に掲載されました。緑の解説とともに紹介します。

■私たちの友人、ドイツ、ミュンヘンにあるバイエルン国立博物館のマティアス・ヴェニガー博士の記事が The Mainichi に掲載されたので紹介したいと思って書いています。彼がとても大事な仕事をしていることがわかり、とても忙しそうにしている理由に深く納得しました。
 以下、Deeple翻訳で訳した内容に手を加えて貼り付けました。福田 緑

https://mainichi.jp/english/articles/20230614/p2g/00m/0in/022000c
1 von 3 20.06.2023, 20:38


◆The Mainichi 2023年6月14日

ドイツ人学芸員、
ナチスによってユダヤ人家庭から盗まれた
銀の家宝を返す使命を担う

ミュンヘン(AP)--マティアス・ヴェニガー氏は、白い布の手袋をはめて変色した一対の銀の燭台を慎重に持ち上げ、その底に付いている黄ばんだステッカーを見つめた。

この燭台は、バイエルン国立博物館にある111点の銀製品の一点である。これらの銀製品は1939年の第三帝国時代にナチスがユダヤ人家庭から盗んだものだった。ナチスは政権を取ると、すべてのドイツ系ユダヤ人に対して彼らが所有している銀製品を質屋に持ち込むように命じた。これはユダヤ人を辱め、罰し、排除するために作られた多くの法律のひとつである。

1933年、ナチスがドイツで政権を握った後、ユダヤ人に対する差別と迫害が始まった。そして1945年にドイツが降伏して第二次世界大戦が終わるまでの間に、ナチスはヨーロッパのユダヤ人やその他の人々600万人を収容所(ホロコースト)で殺害するに至ったのだ。

ミュンヘンのバイエルン国立博物館の学芸員であり、返還活動を監督するヴェニガー氏は、できるだけ多くの銀製品を元の所有者の子孫に返還することを使命としている。
「質屋に持ち込まれたこれらの銀製品は、ホロコーストで一掃された人々から残された唯一の生存の証であることが多いのです」。ヴェニガー氏はAP通信のインタビューに答えた。そのインタビューは今後返還されるはずの銀食器が展示された博物館のワークショップで行われたものだった。
「それゆえ、遺族を探し出し、彼らに返還することが本当に重要なのです」と彼は付け加えた。

ユダヤ人家庭から持ち去られた何千もの品々は、約135トンの銀に溶かされ、ドイツの戦争を助けた。しかし、いくつかの博物館には、安息日の前夜にロウソクを灯すための燭台、ワインを祝福するためのキドゥシュ・カップ、銀のスプーン、ケーキ・サーバーなどの数百の銀製品が残されたのだった。

1950年代から1960年代にかけて、ホロコーストの生存者が名乗りを上げ、盗まれた品々を積極的に取り戻そうとすれば、返還されるものもあった。しかし、持ち主の多くはホロコーストで殺害されたり、またナチスから逃れることができたとしても、世界の遠く離れた場所で亡くなった。
「最後の所有者の3分の2はホロコーストを生き延びることができませんでした」とヴェニガー氏は言う。

ヴェニガー氏は、このような困難な状況にもかかわらず、綿密な調査、献身的な活動、そして歴史に関する深い知識を駆使して、これまでに約50点の品々を元の所有者の家族や親戚に返すことに成功した。
氏は、今年中に残りの遺品をほぼすべて返還できると確信している。

まず、彼は元の所有者の身元を探す。いくつかの作品に貼られている小さな黄ばんだ紙のステッカーが彼を助けているのだ。それは質屋によって貼られたもので、独裁政権と戦争の時代にあっても、ドイツ人の執拗な官僚主義が残っていたことを物語っている。ステッカーに書かれた番号は、80年以上前の文書にも銀製品の保存を諦めて質屋に差し出した人々の名前が記載されているのだ。時には、何世代にもわたって家族に受け継がれてきた愛着のある家宝でもある。

ヴェニガー氏は元の持ち主の名前を見つけると、ユダヤ人の死亡記事と系図のデータベースを調べ始める。直系の子孫やもっと遠い親戚がネット上に名前を載せているかもしれないと期待して。

「そうして電話帳を通じてある世代から次の世代への繋がっていき、LinkedIn、Facebook、InstagramやEメールアドレスなどなどが、その家族の若い世代に対応していくことになります。」
と研究者は説明した。
ほとんどの場合、ヴェニガーは幸運にも正しい親族を探し出すことができているという。

子孫の大半は米国とイスラエルに住んでいるが、同博物館はすでに、あるいは現在進行形でフランス、イギリス、オーストラリア、メキシコに住む遺族にも銀製品を返還している。
そしてヴェニガー氏は個人的に遺族に作品を届けるようにしているのだ。彼は今年の早い時期にアメリカに渡った。また先週はイスラエルの遺族に19点の品物を返還してきた。

そのイスラエルでヴェニガー氏は、テルアビブの北にあるクファール・シュマリャフの自宅を訪ね、ヒラ・グートマン(53歳)と彼女の父ベンジャミン・グートマン(86歳)に会い、小さな銀の杯を手渡した。

ヴェニガー氏は、マゲン・ダヴィッド・アドム(イスラエル版赤十字国際委員会)の追跡サービスの助けを借りて一家を探し出すことができたのだ。

この杯は、安息日の前夜にワインを祝福するキドゥシュに使われたものだと思われるが正確にはわかっていない。というのも、ベンジャミンの祖父母であるバイエルンの牛商人サロモン・グートマンとその妻カロリーナが元の所有者だったのだが、祖父母はナチスによってトレブリンカ絶滅収容所で殺されたからだ。
「この杯を取り戻すのは、私たちにとって複雑な気分でした。なぜなら、ご存じのようにそれが祖父母の唯一の遺品であるからです」と語った。
ベンジャミン・グートマンの祖父母はホロコーストで殺害されたが、彼らの息子マックス(ベンジャミンの父)は、ナチスから逃れてイギリス領のパレスチナ(現在のパレスチナ自治区)に逃れたため、生き延びたのだった。

銀の杯を失い、それを返された悲しみにもかかわらず、グートマン夫妻は、銀の杯を取り戻せたことを喜んでいる。そして9月のユダヤ暦の新年であるロシュ・ハシャナーには、親戚一同と共にこの銀の杯で儀式を行うことを計画してるという。

ヴェニガー氏について、グ-トマン夫妻は彼と彼の仕事を賞賛している。
「彼は本当に献身的です。」ヒラ・グートマンは言う。「彼はこの小さな杯をとても大切に扱っています。まるで聖なるもののように。」
                                       
                                                            END

〔507〕安倍氏国葬に「賛成」30%、「反対」53%(毎日新聞世論調査)は国民の冷静で至極当然な判断でしょう。

2022年08月29日 | テレビ・ラジオ・新聞
 岸田首相は安倍晋三氏が凶弾に倒れて数日で「国葬」を宣言しました。花を手向ける人が多かったり、海外メディアの報道に多く取り上げられたりしたということもその理由のようです。確か「民主主義を守るため」などということばで国葬を正当化していたように記憶しています。
 しかしながら、冷静に考えてみると、国葬に関する法律がなかったり、憲法との関連の不備も指摘されるなど、どうやらその根拠もあやふやになってきました。戦後国葬は吉田茂氏だけです。
 安倍政権が8年8か月の長期にわたったことも国葬の理由にされているようですが、評価すべきは政権の長さではなく、日本国にとってどのような利益をもたらし、利点があったかではないでしょうか。
 長らく教育の現場にいて、最も関心があり、比較的一般には忘れられている安倍政権の問題点は、教育基本法の改悪です。さらに、集団的自衛権の一部行使容認、共謀罪、特定秘密保護法、そしてモリ・カケ・サクラ疑惑などどれをとっても問題だらけです。
 アベノミクスによって労働者の実質賃金は減り、大企業の法人税率を下げ、一人当たりのGDPは韓国を下回るようになりました。
 安倍氏はプーチン政権に寛容であり、北方2島だけの返還を試みたにもかかわらず、一顧だにされませんでした。最重要課題と位置づけたはずの拉致問題では拉致被害者は一人も帰国できませんでした。
 さらに、安倍3代にわたって旧統一教会とのズブズブの関係だったことが明るみに出されてきました。
 そんなことを考えていとき、毎日新聞のこんな記事を読みました。さもありなん、と至極納得しました。

◆安倍氏国葬に「賛成」30%、「反対」53% 毎日新聞世論調査 2022/8/21

 毎日新聞と社会調査研究センターが20、21両日に実施した全国世論調査では、銃撃されて死亡した安倍晋三元首相の国葬についても聞いた。国葬に「賛成」は30%で、「反対」の53%を下回った。「どちらとも言えない」は17%だった。支持政党別で見ると、自民党支持層では「賛成」が66%で、「反対」の17%を上回ったが、公明党や立憲民主党、共産党の支持層や「支持政党はない」と答えた無党派層ではいずれも「賛成」が「反対」を下回った。(以下略)

 本日、2022年8月29日(月)の朝日新聞の世論調査でも毎日新聞と似たような数字が並んでいました。

◆安倍氏の国葬「反対」50%「賛成」41%

 他の項目でも良識的な国民の考えが反映されていて納得させられました。簡潔に紹介します。(7月16,17日調査との比較)

*岸田内閣 支持する 57%→47%  支持しない 25→39
*政治家は旧統一教会との関係を断ち切るべきか。断ち切るべき82、その必要はない12
*政治家は旧統一教会を巡る問題について、岸田首相の対応 評価21,評価しない67
*新型コロナウイルスを巡る政府の対応 評価57→45、評価しない34→49
*原発の新設、増設 賛成34、反対58

 同じ朝日新聞の「週刊ポスト」の宣伝広告には「安倍国葬に血税33億円、最大130億円超の試算も」とあります。「政府の『葬儀予算は2・5億円』に騙されるな!」とも。

 ◆いやな感じ
  「国葬」を受け入れられないのは理不尽を痛覚するからだ

                  鎌田 慧(ルポライター)

 岸田内閣の支持率は36%と急落、不支持率は54%と急増。(毎日新聞
と社会調査研究センター、8月20、21日の調査結果)。
 新型コロナの新規感染者は1日当たり20万人を超え、医療崩壊が進む。
 その一方、仕切り直しの内閣改造で、旧統一教会との汚染大臣を外し
たはずなのに出るわ出るわ、反社会的宗教への依存の実態。

 これらの報道に対し、旧統一教会本拠地のソウルで18日、「宗教
弾圧」反対集会が開かれ、安倍氏に黙祷が捧げられた。
 祖父の代からの「広告塔」としての安倍氏を悼んでいるのだが、いま
反対運動が急速に拡大しているにもかかわらず、岸田内閣が「国葬」を
強行するのは旧統一教会の追悼とどこが違うのだろうか。

 わたしが「国葬」を受け入れられないのは、やや大袈裟になるが、
魂をわしづかみにされて引きずり回されるような、理不尽を痛覚する
からだ。
 「いやな感じ」なのだ。
 汚染された内閣や党幹部を不問にして国民を統合する宗教的行事を
実行する。
 人間を無視する暴政。
 国葬実行で人気を取ろうとしても、さらに不支持率を急増させる
だけだ。

 27日(土)午後5時。新宿駅地上西口で、二度目の「国葬」反対市民
集会を開催します。発言者は田中優子(前法政大学総長)、松元
ヒロ(芸人)、古今亭菊千代(落語家)、落合恵子(作家)、佐高信
(評論家)、鎌田など。
    (8月23日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)


◆アマゾンでの個人本屋・猫家族は事情により9,10月と閉鎖します。10月後半に再開の予定です。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
◆ブログもしばらくお休みになります。

〔502〕新刊『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』とりあえず2紙に紹介されました。

2022年08月19日 | テレビ・ラジオ・新聞
 7月末に『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』(福田緑・福田三津夫、丸善プラネット)が出版されましたが、ありがたいことに2紙がこの本を紹介してくれました。
 まずは多摩地区のタウン紙「アサココ」です。福田緑の第2回・リーメンシュナイダー写真展(今年1月、国分寺司画廊)のことを取材して、しっかり記事にしてくださったのが「アサココ」でした。「アサココ」は第1・第3木曜日に多摩地区(町田市・稲城市を除く)に朝日新聞と一緒に届けられます。



 掲載のお礼もかねて、新刊3冊を寄贈しました。これは読者プレゼントとして活用してくださるということです。掲載紙は8月18日(木)、238号です。ネットでも応募できるので、希望の方はアプローチしてみてください。

 もう1紙は「週刊新社会」です。8月3日号に掲載されました。貴重な紙面を割いていただきました。



 先日久しぶりに池袋に行ったとき、2つの書店に立ち寄りました。
 ジュンク堂では、9階の美術コーナーに『完・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』1冊と『結・祈りの彫刻-リーメンシュナイダーからシュトース』2冊が離れて置かれていました。さらに池袋駅近くの三省堂にはなんと5冊の新刊書が置かれていました。いずれも嬉しいことでした。

〔470〕徳永進「死を目前にしたとき 何思う」(朝日新聞、5月5日)に匿名で 矢部顕さんが登場しています。

2022年05月08日 | テレビ・ラジオ・新聞
 鳥取の「野の花診療所」院長の徳永進さんの記事が大きく朝日新聞に取り上げられていました。彼は同世代の尊敬すべき医師で、著書『死の中の笑み』『隔離』(ゆるみ出版)は私の愛読書です。徳永さんと矢部顕さん(このブログでお馴染みですね)が学生時代からの友人だったことを知ったのは十数年前のことでした。
 記事には「京都大の医学部時代、鶴見俊輔が同志社大で教えていた。鶴見ゼミにいた同じ下宿の先輩に誘われ、潜り込んだ。」とありますが、この先輩が矢部さんのことなのです。記事を一読してすぐにわかりましたが、矢部さんからもメールをいただきました。記事とともに紹介します。

◆福田三津夫様
福田さんは徳永進の本を愛読している。徳永進を知ったのは先輩教師の菅龍一さんから教えられたと、以前ブログに書いていらっしゃいましたよね。
その徳永進が矢部の友人だったことの驚きと不思議なご縁をお聞きして、こちらがびっくりでした。
5月5日の朝日新聞に、野の花診療所と徳永進の記事が掲載されていました。
鶴見ゼミにモグリで入り込んだのは私が誘ったからと書いてありましたが、よく覚えていません。
新聞記事はA3ですがA4に縮小しました。読みにくいと思います。拡大してお読みください。
                               矢部 顕


〔464〕NHKラジオ深夜便「明日へのことば」(祈りの彫刻を撮り続けて20年) の反響の多さにびっくりしました。

2022年04月26日 | テレビ・ラジオ・新聞
 福田緑が出演したラジオ深夜便に多くの反響がありました。
 「緑さん、楽しそうにいきいき話していたね。」と語ってくれたのは同世代の親しいお隣さん、眠れないと深夜放送をかけたまま寝床に入ってしまうのだそうです。だけどこの日はしっかり聞いてくれていました。
 私のところにも何通かのメールが入ってきましたが、緑にはかなり多くのメールや手紙、はがきが届いています。今日、ディレクターの玉谷さんからの手紙には、長野在住の深夜便ファンという方のお便りが同封されていました。
 私がアマゾンに出店している図書販売の「猫家族」には注文が殺到しました。福田緑写真集『祈りの彫刻-リーメンシュナイダーを歩く』(全4巻、丸善プラネット)、福田緑『子どもっておもしろい』(晩成書房)を合わせて20冊以上出荷しました。第1巻はお陰様で完売となりました。6月刊行予定の第Ⅴ巻には予約注文がかなり入っています。

 掲載写真は第2回写真展の時にいただいたお花です。何というランか存じ上げませんがこ堪能ください。



◆NHKラジオ深夜便

○放送日時:4月19日(火)午前4時05分頃〜50分頃(長さ40分位)
○放送波:ラジオ第1&FM放送
○番組名:「明日へのことば」
○タイトル:祈りの彫刻を撮り続けて20年
○出演者:元教員・アマチュア写真家 福田緑さん
○聞き手:玉谷邦博(ラジオ深夜便ディレクター)



〔440〕なんと、ラジオ深夜便「明日へのことば」に福田緑のインタビュー「祈りの彫刻を撮り続けて20年」登場です。

2022年03月03日 | テレビ・ラジオ・新聞
 第2回福田緑写真展が6日間で約500名を迎えて成功裏に終了したことはこのブログで触れたところです。来館者の中にはさまざまな人がいらして、多くのことを教えていただき、啓発されました。その中のお一人が玉谷邦博さん(ラジオ深夜便ディレクター)です。
 彼からの有り難い申し入れがありました。ラジオ深夜便「明日へのことば」での福田緑インタビューです。リーメンシュナイダーなど中世後期の彫刻の写真撮影だけでなく、33年の教師生活についてもご興味がおありのようです。
 ラジオ深夜便といえば、澤地久枝さん、落合恵子さん、五木寛之さんらの名前が浮かんでくるのですが、その詳細は私自身は認識していません。
 放送は「4月19日(火)午前5時05分頃〜50分頃」。注目していただければ嬉しいです。実は、再来週打ち合わせ、月末に収録という日程です。

◆福田緑のインタビュー「祈りの彫刻を撮り続けて20年」

○放送日時:4月19日(火)午前5時05分頃〜50分頃(長さ40分位)
○放送波:ラジオ第1&FM放送
○番組名:「明日へのことば」※
○タイトル:祈りの彫刻を撮り続けて20年
○出演者:元教員・アマチュア写真家 福田緑
○聞き手:玉谷邦博さん(ラジオ深夜便ディレクター)
※番組の主旨は、各界でご活躍の方に仕事や研究を通して
 得た、ものの見方や人生観などを聞くインタビュー。


鎌田慧さんの許可を得てコラムを転載します。

◆神宮の森の大伐採         鎌田慧(ルポライター)

 神宮の森の大伐採計画が、都の都市計画審議会で可決された。先週も
この欄で書いたが、辛うじて都心に残されてきた、歴史的で貴重、広大
な緑のオアシスが、あまりにも露骨な儲け主義の餌食にされようと
している。
 樹齢百年以上の老木もふくめ「開発予定地」にある樹木の半分以上が
大虐殺され、高さ190m、185mなどと、空を制圧するコンクリートの
巨大なオフィスビルが建て並べられるという。

 東京五輪にむけて、建築基準の緩和策で国立競技場の建て替えなどが
実施された。その間隙(かんげき)を縫った巨大開発計画が、三井
不動産や伊藤忠商事などが狙った千載一遇のビジネスチャンスだ。
 しかし、東京の地形が日比谷公園から皇居、神宮の森、新宿御苑へと
森と緑地が続いているからこそ、やわらかな風が流れ、花が咲き、潤い
のある首都となっている。

 森の伐採は、その繋がりの要を破壊する。
 地方の工業開発の時代は終わった。いま都心のオフィスとマンション
建設で、あらたな需要をつくりだそうとしているのが、金融業、不動
産業、建築産業の欲望である。
 かつて土地に柵を立てた囲い込み政策が今後、コンクリートの塔を
天に突き刺し、空を包囲し地上に冷たい暴力的な風を巻き起こす。
 極限の一極集中計画というべき「神宮外苑再開発」は厳しい歴史の
審判を受けるであろう。
     (2月22日「東京新聞」朝刊23面「本音のコラム」より)

〔391〕「白い灰の記憶~大石又七が歩んだ道」で高橋しのぶさんと「再会」しました。

2021年08月14日 | テレビ・ラジオ・新聞
 オリンピックを強行しコロナ禍が深刻で危機的な状況を呈している日々、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 私は、白梅学園大学での教育実習指導がなんとか1学期に終了して、2学期後半の新たな学年のスタートを待っているところです。残念ながらそこでは対面やリモートを織り交ぜての授業になるのでしょうか。
 外に出歩くのは買い物程度、地域の仲間との市民運動もリモートに逆戻りです。
 そんななか、録りためたビデオを見たり、ストックしていた本を読んだりの毎日です。

 今回紹介するのはテレビ番組「白い灰の記憶~大石又七が歩んだ道」です。
 大石さんは第五福竜丸の元乗組員で「ビキニ事件」で被爆した人です。他の乗組員が続々亡くなる中、「ビキニ事件」は何だったのか最期まで問い続け、様々な場所で語り続けた人でした。
 番組の概要は次の通りです。

■「白い灰の記憶~大石又七が歩んだ道」(NHK,HPより)

アメリカの水爆実験による「死の灰」で被ばくした第五福竜丸の元乗組員・大石又七さんが3月に亡くなった(享年87)。1954年に起きたこの「ビキニ事件」は、アメリカが日本に「見舞金」を支払うことで政治決着したが、乗組員の多くは事件後口を閉ざしたまま、若くしてがんや肝機能障害などで次々に命を落とした。ただひとり事件について語り続けた大石さんが抱え続けた怒りとは何だったか。家族や関係者の証言を交えて描く。


 大石さんが「ビキニ事件」について重い口を開いた切っ掛けは、ある学校の働きかけでした。子どもたちに「ビキニ事件」を語って欲しいというお願いがあったのです。番組では学校名は出されていなかったのですが、私は和光中学校ではないかと直感したのです。そして大石さんが語った本人が出演したのです。まさかの高橋しのぶさんの登場でした。大石さんはしのぶさんが全盲のため第五竜丸の模型をつくったということです。これ以降、何体もの模型をつくることになるのです。
  しのぶさんは全盲で、普通学級の和光小に入学したのです。担任は平林浩さん、次のような教育実践記録が出版され、懐かしく本棚から取り出しました。

■『しのぶちゃん日記-目が見えなくても、みんなといっしょ』平林浩、太郎次郎社、1981
■(ブックライブより)
障害をのりこえて学んでいくしのぶちゃんを囲んで、クラスの子どもたちもまた、ゆたかに育つ。彼ら三八名の二年間にわたる、授業を中心とした記録。朝日「天声人語」……教育の現場で日々、こういう心のこもった、ていねいな実践が続けられていることに敬意を表したい。
■平林浩(太郎次郎社エディタスHPより)
1934年、長野県・諏訪地方生まれ。子ども時代から野山を遊び場とする。1988年まで小学校教諭。退職後は「出前教師」として、地域の子ども・大人といっしょに科学を楽しむ教室を開いている。仮説実験授業研究会、障害者の教育権を実現する会会員。
著書に『仮説実験授業と障害児統合教育』(現代ジャーナリズム出版会)、『作って遊んで大発見! 不思議おもちゃ工作』『キミにも作れる! 伝承おも ちゃ&おしゃれ手工芸』『しのぶちゃん日記』(以上、太郎次郎社エディタス刊)など、津田道夫との共著に『イメージと科学教育』(績文堂出版)がある。


  1970年代前半のこと、新卒時に日本生活教育連盟に所属していた私は、板橋の火曜会という研究会で平林さんを講師にお招きしたことがありました。彼のことは「ひと塾」で知り合ったのでした。それからしばらくした1977年、彼はしのぶちゃんを2年間担任し実践記録を書いたのでした。
 しのぶさんは現在特別支援学校の英語教師として活躍していました。失礼ながら昔の教え子に再会したような気分でした。もちろん『しのぶちゃん日記』も再読し始めました。この本の凄さについてはいずれ本ブログで触れたいと思っています。

  大石さんの話に戻します。
 彼は残念ながら今年亡くなられました。でも「ビキニ事件」を語り継ぐ人がいるのです。第五福竜丸の展示館の学芸員の方です。小学校教師の時、数回、第五福竜丸の展示館を社会科見学で訪れたことがありましたが、今度は孫でも連れて行って彼女の話を聴いてみたいと思っています。行くとは言わないかな。

 蛇足ながら、NHKスペシャルではこんな放送もしていたのですね。

■NHKスペシャル 又七の海 ~死の灰をあびた男の38年~
放送日 : 1992年4月19日 (59分)

1954年3月1日、マーシャル諸島のビキニ環礁でアメリカが水爆実験を行った。その威力は広島の原爆の1000倍、実験場近くにいた第五福竜丸の乗組員23名が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが亡くなった。一般市民を巻き込んだこの実験は、世界中に大きな衝撃を与えた。死の灰を浴びた乗組員たちは、被ばくの健康への不安を抱えながらその後の人生を生きてきた。事件から37年たって乗組員の一人・大石又七さんは、自らの体験を後世に残すため、手記にして出版した。番組の中で、又七さんは、自分たち乗組員の犠牲に対するアメリカ側の責任が明確にされないまま、福竜丸の事件が忘れ去られようとしていることに不満を感じる、と語る。

〔388〕園部哲「英国で進むドイツ讃歌」(『GLOBE』)に啓発され、「戦争の記憶」(『定年時代』)は心して読んでいます。

2021年08月02日 | テレビ・ラジオ・新聞
  朝日新聞が月1回発行している20頁立ての『GLOBE』最新8月1日号の図書紹介欄に「英国で進むドイツ讃歌」という小さな記事が掲載されました。翻訳者でロンドン在住28年という園部哲さんが書いたものです。彼が取り上げたイギリスのベストセラーとは『Why the Germans Do it Better(なぜドイツ人はうまくやれるのか)』ジョン・カンプナーです。
  「その背後にはブレグジット(EU離脱)を悔やむ心情、新自由主義経済に対する忌避感、落ち着いた政治家へのあこがれ、そしてコロナ禍への対処の相違(ドイツの方が科学的だった)がある。」と綴っています。
 興味ある方は記事に当たってみてください。

 この記事が心に響くものがあり、次のような感想を編集部にメールで送りました。

*グローブ244号で一番興味を持ったのが「書店」の頁でした。「英国で進むドイツ讃歌」という見出しが衝撃的でした。
ロバート・ウェストールの作品が好きでほぼ読み尽くしているのですが、彼の作品にはドイツからのイギリス空爆の話がかなり多く登場します。実体験を下敷きにしてウェストールは書いているのですが、そうしたイギリス人からするとドイツに対する憎しみのようなものが消えているとは思えないのです。しかるに「英国で進むドイツ讃歌」とはにわかには信じられませんでした。しかし園部さんの文章を読んでなるほどと合点しました。しかもそれを裏付けるかのように英国の取り上げられたベストセラー5冊のうち3冊がドイツ関連本だったとは。
というわけで『なぜドイツ人はうまくやれるのか』を頑張って読みたいと思った次第です。
ちなみに私ども夫婦はドイツ好きで、20回弱の渡独経験があり、ドイツ人の友人も多いのです。

  朝日新聞がらみでもう1つ紹介したいと思います。月2回発行の『定年時代』というシニア向けの8頁立ての新聞です。
  夏場のこの時期、いつも待ち焦がれているのは「戦争の記憶」頁です。書かれた手記を丁寧に辿りながら反戦の思いを新たにします。今回は4人の方のうち、海中特攻の話が心に残りました。(「海中特攻『伏龍』の訓練」豊田黎一郎)
 数年前に、早稲田大学で海中特攻の体験談を生存者に伺ったことがありました。(ブログ掲載)その話とまさに重なる文章でした。他の手記も赤線を引きながら読ませていただいています。戦争体験の継承をこれからも願いたいものです。

〔360〕神奈川新聞「時代の正体 憲法考」(田中大樹記者)に啓発されました。

2021年04月22日 | テレビ・ラジオ・新聞
 普段は目にすることがない神奈川新聞の切り抜きをある人に送ってもらいました。「時代の正体 憲法考」という3回にわたる特集です。一読して鋭く時代を切り取るその先進性に目を見張りました。ネットでも調べてみるとこの「時代の正体」という記事は断続的に報道されているようで、多くの書籍にも収録されています。無知で浅学の己を恥じるばかりでした。
 今回はとりあえず、「時代の正体 憲法考」のさわりを紹介します。横浜事件と学術会議任命拒否問題は根底で通じる「排除」の論理があるというのです。田中記者は横浜事件の当事者の一人故・木村亨さんのお連れ合い木村まきさんに実に周到に取材して記事を書いています。ネットでは以下のようにその一部を読むことができますが、図書館などで実物を読むことをお勧めします。

■時代の正体 憲法考(上) 神奈川新聞| 2021年3月14日(日)
*横浜事件と学術会議任命拒否 根底で通じる「排除」の論理

 憲法の現場に立つ当事者の言葉から、自由や権利を改めて考える。

 国会はコロナ禍一色に染まっていた。
 1月28日、コロナ対策の特別措置法と感染症法の改定を巡る与野党協議が大詰めを迎える中、日本学術会議が声明を発表した。菅義偉首相が会員候補6人の任命を拒否した問題の発覚から4カ月、速やかな解決を求めた。
 翌29日、加藤勝信官房長官は記者会見で「任命権者として最終判断しており、一連の手続きは終了している」と不快感を示した。定員に満たない違法状態を放置する。
 さかのぼること1カ月半前、「戦時下最大の言論弾圧」と形容される横浜事件の被害者、木村亨さん=享年(82)=の妻まきさん(72)は東京・多摩の駅ホームでつぶやいた。
 「名簿も見ないで拒むなんて本当にひどいですね」(以下略)

■時代の正体 憲法考(中) 神奈川新聞| 2021年3月16日(火)
*ヤジ排除から考える 表現の自由 萎縮を危惧

憲法の現場に立つ当事者の言葉から、自由や権利を改めて考える。

 2月24日、札幌地裁(札幌市)で、ある訴訟の口頭弁論があった。発端は2019年7月15日、JR札幌駅南口の駅前広場だった。
 広場は群衆で埋まっていた。日の丸の小旗が揺れるその中に、横浜市出身の大杉雅栄さん(33)は身を置いていた。視線の先には安倍晋三首相(当時)。選挙カーに上り、参院選の街頭演説に立っていた。
 演説開始から1、2分が過ぎたころだった。「安倍、辞めろ」。大杉さんは声を張り上げた。直後、男たちに体をぐいとつかまれ、後方へと押しやられた。北海道警の警察官だった。法的根拠を尋ねたが、明確な回答はない。移動後もつけ回され、逃れることができたのは500メートルほど離れた札幌市時計台付近だった。
 駅前広場にいた団体職員の桃井希生さん(25)は、排除されたのが大学の先輩の大杉さんだとすぐに気付いた。自身も「増税反対」と叫んだ数秒後、同様に取り押さえられた。警察官はその後も傍らを離れようとせず、1時間以上付きまとわれた。この日、政策に批判的なプラカードを掲げた女性らも排除されていた。(以下略)

■時代の正体 憲法考(下) 神奈川新聞2021年3月17日(水)
*横浜事件と学術会議任命拒否 「学問の自由」を考える

 憲法の現場に立つ当事者の言葉から、自由や権利を改めて考える。
 「戦時下最大の言論弾圧」とされる横浜事件の国家賠償請求訴訟は、再審を認めなかった東京高裁の判断が確定した。2020年12月、東京・日比…(以下略)


〔329〕「町山智浩のアメリカの今を知るTV In Association With CNN」と「関口宏のもう一度!近現代史」は私のお勧めの番組です。

2021年01月31日 | テレビ・ラジオ・新聞
 コロナ禍の今、ステイホームということで予約録画をして必ず見ている番組があります。それが表題にある2番組です。
 ご存じ町山智浩さんはアメリカ在住の映画評論家です。同じくカリフォルニアに住む女優の藤谷文子さんとアメリカの今を報告してくれます。右翼的な団体Qアノンやプラウド・ボーイズなどにも突撃取材を敢行します。日本のマスコミが伝えないような報告もあり、臨場感をもって見ています。


●「町山智浩のアメリカの今を知るTV In Association With CNN」番組概要(HPより)

 実は知ってるようで知らないアメリカ社会の“今”を、カリフォルニア在住の人気映画評論家・町山智浩が、解りやすくひも解く今までにないニュースエンタテインメントプログラム。トランプ政権で存在感を増す24時間ニュース専門局「CNN」の渾身のリポートをフル活用しながら、映画や音楽なショウビジネスの話題も織り交ぜて、刻一刻と変化するアメリカの社会問題を徹底的にあぶりだします。アメリカの今を知れば、世界の今、そして日本の今が見えてくる!
 毎週金曜日 BS朝日 夜10:24~10:55

【出演】
町山智浩(映画評論家/コラムニスト)
藤谷文子(女優/ロサンゼルス在住)他

*史上初の女性副大統領カマラ・ハリスの素顔2021年1月29日(金)
*2018年4月7日(土)から「町山智浩のアメリカの今を知るTV In Association With CNN」がスタート。

 もう1つの番組は「関口宏のもう一度!近現代史」です。明治維新から現在までを、時には3,4か月分を1時間かけて丁寧に保阪正康さんが解説してくれます。およそ教科書では知り得ないが、日本人としては知っておきたい、知らなくてはならない史実が満載です。当時の貴重な映像や音声などどこから発掘したのだろうかと感心することしきりです。亡くなった半藤一利さんが語っていたという、本当は絶対ということばは使いたくないが「絶対戦争はしてはいけない」とだけは言いたい、ということばが重く思い出されます。保阪さんは半藤さんの盟友ともいうべき人でした。朝日新聞掲載の半藤さんへの追悼文が秀逸でした。
 ちなみに、保阪さんの話を直に聞いたのは数年前の鎌田慧さんの出版記念会でした。(このブログに掲載)その後『週刊金曜日』にお二人の対談が大々的に特集されたのでした。

●「関口宏のもう一度!近現代史」BS TBS 毎週土曜日12:00~12:54(HPより)
関口宏VS保阪正康
「関口宏のもう一度!近現代史」は、BS-TBSで2019年10月12日より土曜日12:00-13:00に放送されている教養番組。明治維新から150年余り、そこから終戦までの流れをほとんど詳しく分かっていない人のために関口と一緒に学んでいく歴史番組である。

〔319〕夏のテレビの「戦争特集」で気になったのは被害より加害の歴史を振り返る番組が圧倒的に少なかったことです。

2020年12月16日 | テレビ・ラジオ・新聞
  この夏にテレビ放映された「戦争特集」がずっと気になっていました。番組としてどう評価したら良いのかと考え込んでしまったからです。
 33年の小学校教師の体験の中では平和教育と称して、社会科などで戦争の歴史について教え、ほとんどの学校で平和集会を開いてきました。授業の中では加害の歴史もしっかり教えたつもりですが、平和集会などで取り上げたのは被害としての広島・長崎の原爆や東京大空襲のことでした。被害の歴史から戦争を考えることが圧倒的に多かったような気がします。
 加害の歴史を振り返るのは正直しんどいことですが、戦争責任を考えるときには避けて通れないことです。
 今年の夏のテレビ戦争特集を振り返ってみました。できる限り番組に目を通してきましたが、やはり加害の歴史を直視するようなものが少なかったと思います。戦後75年になりますが、再び戦争を引き起こさないために、懐かしさで戦争を語ることの危険性を肝に銘じたいと思います。
(以下の文章はそれぞれの放送局のHPからの引用です。)

■伊400 幻の巨大潜水艦●NHK本放送 8月 5日(水) 22:00~22:45

*エピソード1 海底に眠る巨大潜水艦
 2014年10月、NHKはハワイ大学と共同で、ハワイ・オアフ島沖での潜水調査を実施しました。そして伊400の最も重要な部分ともいえる「格納筒」を発見。初めて撮影に成功しました。海底に眠る伊400の映像、そしてCGで幻の巨大潜水艦がよみがえります。

*エピソード2 日本海軍の極秘計画
 アメリカ本土攻撃――連合艦隊司令長官・山本五十六のこの構想のもと、極秘裏に始まった「潜水空母」計画。伊400の建造は設計段階から困難を極めました。なかでも難題は「翼全長12mの航空機を直径およそ4mの格納筒に入れる」こと。いったいどのようにして解決したのでしょうか――?

*エピソード3 伊400と若き乗組員たち
 終戦の前年に完成した伊400。乗組員たちの多くは10~20代の若者でした。その彼らに与えられた任務とはアメリカの大艦隊への「特攻」。死を覚悟して出撃した若者たちを、しかし思いもよらぬ事態が待ち受けていました。その時、全乗組員を率いる伊400艦長が下した決断は・・・・・・。

■ガダルカナル 大敗北の真相
●NHK本放送  8月12日(水) 22:00~22:45

*エピソード1 エリートたちの判断ミス
 ガダルカナルの戦いは日本陸軍・一木支隊の戦闘から始まりました。916人の一木支隊が戦ったアメリカ軍部隊の兵力は10倍以上の1万あまり。ケタ違いの戦力差を前に一木支隊は全滅します。この無謀な作戦を立案したエリート参謀たちは、楽観的な見込みしかせず敵を正確に把握していなかったのです。

*エピソード2 最大のチャンス
 第一陣の壊滅を受け、日本軍が急ぎ投入したのが陸軍・川口支隊でした。同隊は米軍の弱点・ムカデ高地を攻撃、作戦目的の達成にあと一歩のところまで迫ります。しかし、ここで日本陸海軍の連携がうまくいかず戦力が不足、攻撃は挫折しました。この時、日本軍にとって「最大のチャンス」が消え去ります。

*エピソード3 終わりなきサバイバル
 川口支隊敗退後も日本軍の兵力は送られ続け、「ガ島」日本軍将兵の数は3万に達します。しかし、補給の失敗、特に食糧不足は絶望的で、兵士たちは言語に絶するサバイバルを強いられました。この時島にいた陸軍将校の日記や元米軍兵士の証言から、壮絶な飢餓の戦場の実際が浮き彫りに――。  

■NHKスペシャル「沖縄 “出口なき”戦場~最後の1か月で何が~」

*番組内容:75年前の沖縄戦、日米の勝敗が事実上決したにも関わらず、その後、多くの命が犠牲になった。NHKは、アメリカ軍の膨大な新資料を発掘、苛烈な戦闘の全貌に迫る。
*詳細:住民12万人が命を落とした沖縄戦。1945年5月末、日本軍の総司令部があった首里が陥落、事実上の勝敗が決した後にも関わらず、戦闘は継続。少なくとも住民4万6千人が命を落とした。なぜ、これほど多くの住民が犠牲になったのか。今回NHKは、アメリカ軍の新資料を発掘、苛烈な攻撃に住民が巻き込まれていった詳細が浮かび上がってきた。終わることなく続いた戦場で何がおきていたのか。多くの命が失われた1か月に迫る。

■NHKスペシャル「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」

*番組内容:今回私たちは、アメリカの原爆開発の現場責任者の手記や、当時の日本の指導者たちへのインタビューを入手。それにNHKのアーカイブスを加え、原爆投下の全体像に迫った。 *詳細:戦後75年にあたる今年、私たちは、アメリカの原爆の開発計画の現場責任者の手記を発見。さらに、原爆を投下した爆撃機のパイロットや、当時の日本の指導者へのインタビューも入手した。そこからはアメリカが自らの「正義」のために、投下を決定した過程や、日本が降伏を決断できないまま、あの日を迎えてしまった経緯が浮かび上がってきた。これらの資料に、NHKが取材した膨大なアーカイブスを加え原爆投下の全体像に迫った。

■にっぽん!歴史鑑定「太平洋戦争開戦!山本五十六の苦悩」
放送日:2020年8月10日 BS-TBS

 太平洋戦争と山本五十六の関係に迫る。アメリカをはじめとする連合軍と日本が戦いを繰り広げた同戦争では、300万人もの人々が命を落とした。しかし、大日本帝国海軍・連合艦隊司令長官の山本は、日本の敗戦を予測していた。また、日本海軍史上最高の名提督と言われる山本は、日米開戦を回避しようと尽力もしていた。

  ところで、お勧めのテレビ番組を紹介しておきます。BS,TBSの「関口宏のもう一度!近現代史」です。保阪正康氏をコメンテーターに迎えて明治から昭和の時代を振り返る数十回続く地味ではあるが貴重な番組です。日本人が知っておきたい歴史の事実に目が開かされます。

■「関口宏のもう一度!近現代史」〔番組HPより〕
12/12(土)は昭和7年後半を詳しく取り上げる。日本が満洲国を承認。そんな中、リットン調査団が報告書を公表。意外と日本に妥協的 ...〔略〕

〔309〕矢部顕さんのお便りと新聞記事「取り込まれるアーミッシュ」。今は昔なのでしょうか。

2020年11月07日 | テレビ・ラジオ・新聞
 矢部顕さんはラボ教育センターのの中核として長らく仕事をされてきました。ラボ国際交流として度々外国を訪れたようです。アメリカではペンシルベニアに何回か子どもたちを連れて行ったということでした。近隣にはアーミッシュの居住地があったようで、昔ながらの暮らしを守る彼らのことをコーヒーを飲みながら話してくれました。
 今はアメリカ大統領選挙まっただ中ですが、「取り込まれるアーミッシュ」という新聞記事を送ってくれました。
 確かアーミッシュはドイツからの移民で、名前からするとトランプ大統領の祖先もドイツの人だったのではないでしょうか。うろ覚えですが、ドイツにルーツをもっていると聞いたことがあります。

 矢部顕さんのメールと新聞記事です。

■第1信

毎日新聞11月2日の記事を添付します。
A4に縮小していますので読みにくいと思いますので、
拡大して読んでください。

この記事にびっくりしました。
2006,2007,2008の頃に見たアーミッシュの村からは
想像できないくらいの急激な変化が起こっている
のでしょうか。

コミュニティによって違いはあるとは思いますが、
この記者が16年前に見た風景と同じように私も
見ましたが、それがすっかり変わってしまったとか。

共和党によって利用されているようになっているとは。

■第2信

この記事がアーミッシュ一般的なのかどうかは不明です。
一部だろうとは思うのですが。
それに写真に写っている人物は、アーミッシュの服装では
ありません。が、そういう人もいるのかも知れません。

「我々は大統領に従って生きているのではない。
神に従って生きている。だから大統領選挙には行かない」
という言い方をしている人が多いと思います。

宗派的な信念や文化や生活スタイルを守り続けるのは
厳しく困難なことだろうと、現地で思いましたが、
その困難を越えて300年間連綿と貫いてきたことは
事実ですし、感動したものです。



 ◆ 原発依存内閣 「原発ゼロ」を現代で決済しよう
                 鎌田 慧(ルポライター)

 福島第一原発事故の避難者の生活を見聞きするだけでも、この人たちの
生活の困難さばかりか、喪失感の大きさを考えさせられる。
 いきなり避難を命じられ、ごく普通の日常がまったく暗転、それからも
う10年近くも故郷を追われ、家族はバラバラ。
 自分の生活に置き換えてみれば、その苦境をすこし理解できる。
 それでも、官義偉首相は再稼働を強行しようとしているのだが、その理
由が30年後の2050年、温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にするためという。

 環境問題に全く無関心だった安倍政権に代わって、遅ればせながら、二
酸化炭素削減方針を打ち出した。が、その手段が完全に行き詰まった原発
の再稼働。毒をもって毒を制するアクロバット。
 「安全最優先で原子力政策を進める」と菅氏。世耕弘成・自民党参院幹
事長は「新技術を取り入れた原発の新設も検討することが重要だ」。梶山
弘志経産省は「今後10年間は再稼働に全精力を注ぐ」。

 事故の悲惨と被災者への想いは全くない。
 繁栄の頭上に髪の毛一本でぶら下がっている「ダモクレスの剣」。ある
いは回転式拳銃に込められた実弾一発に賭ける、ロシアン・ルーレット。
 原発の安全性もまた運任せ。避難訓練付き装置など果たして人間のため
なのか。
 核廃棄物処理は数万年後に続く負債。
 「原発ゼロ」を現代で決済しよう。
       (11月3日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)

〔291〕「JNN世論調査、内閣支持率35.4%で最低を記録」不支持率は62.2%ですね。

2020年08月04日 | テレビ・ラジオ・新聞
 東京もようやく梅雨が終わり、コロナ禍の猛暑の夏がやってきました。
 パソコンをいじっていたら、「JNN世論調査、内閣支持率35.4%で最低を記録」というニュースが飛び込んできました。やっぱりというか、とうとうといいか、まだというか、ですね。
 ご存じない方もいらっしゃると思いますので、一部を転載させていただきます。

■JNN世論調査、内閣支持率35.4%で最低を記録
8/3(月) 7:35配信
TBS系(JNN)

 最新のJNNの世論調査で、安倍内閣の支持率は35.4%と最低を記録しました。また、「GoToトラベル」キャンペーンについて聞いたところ、「使いたいと思わない」と答えた人が77%にのぼりました。

 安倍内閣を支持できるという人は、先月の調査結果より2.8ポイント減って35.4%でした。一方、支持できないという人は2.4ポイント増加し、62.2%でした。

 JNNでは2018年10月に調査方法を変更したため単純に比較はできませんが、先月に続いて第二次安倍政権発足後、最低の支持率を記録、不支持率が6割を超えたのも初めてです。

 新型コロナウイルスの感染防止に向けた政府のこれまでの取り組みについて、「評価する」は26%と、今年2月以降で最低の数字となりました。

 中でも、政府が先月22日から東京発着の旅行を対象外としてスタートさせた「GoToトラベル」キャンペーンの是非について聞きました。「評価する」が25%だったのに対し、「評価しない」は66%、キャンペーンを使いたいと思うかについては、「使いたい」は19%にとどまり、「使いたいと思わない」が77%に達しました。

 感染者の増加を受けて政府が緊急事態宣言を再び出すべきか聞いたところ、「出すべきだ」は61%、コロナ対応などを話し合うため早期に臨時国会を「開くべき」との声は8割に達しています。(以下略)


  そして、本日、2020年8月4日の朝日新聞夕刊の「素粒子」です。だめ押しですか。

■素粒子
感染拡大ニ目ヲツブリ/ソレデモ「GoTo」ナノカノ疑問ハ素通リ/閉会中審査ヘノ首相ノ出席ハ無視シ/憲法53条ニ基ヅク臨時国会召集要求ハ聞コエヌフリ/河井被告陣営ヘノ1億5千万円ニツイテノ説明ハオ茶ヲ濁シ/「モリ・カケ・桜」ノ説明責任ハ口先ダケ/ソウイウ政権ヲ/アナタハ支持シマスカ?
 ◎
政権各位、夏休み返上の子どもたちに恥ずかしくない?