後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔132〕今をときめく?「瑞穂の國記念小學院」を教育実践の視点から考えてみました。

2017年02月27日 | 学校教育
  「瑞穂の國記念小學院」の用地の8億円ディスカウント問題が連日の国会やテレビや新聞などのマスコミで取り上げられています。さまざまな疑惑は深まるばかりなので、東京都での築地市場から豊洲移転問題と同様に、百条委員会のようなものを設置して、しっかり解明してほしいものです。
 ところで、このブログでは、森友学園の幼稚園の「塚本幼稚園幼児教育学園」の教育実践について触れてみます。
 ネット検索の中で、菅野完さんのブログを発見しました。菅野さんはベストセラー『日本会議の研究』(扶桑社、2016)を書いた方です。日本会議の歴史やそれを支える人たち、活動の様子などしっかり調べて書いてあります。しかし掲載された人からの異議申し立てがあり、今裁判で係争中と聞いています。
 その菅野さんが塚本幼児教育学園「思い出の宝箱」というDVDから起こしたのが次の運動会の宣誓のことばです。子どもたちの顔をぼかした映像がネットに出回っていますので、これは信用できそうです。

■塚本幼児教育学園「思い出の宝箱」

”宣誓
あついあつい夏がすぎて、ぼくたちわたしたちの待ちに待った、平成27年度 秋の大運動会がきました。
先生と、お友達と、一緒になって、おけいこをした、おゆうぎ、音楽、体育、かけっこなど、今日一日、頑張ります。
おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんの前で、褒めていただけるよう、全力をつくします
大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている、中国、韓国が、心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願い致します。
安倍首相、ガンバレ! 安倍首相、ガンバレ!
安保法制国会通過よかったです!
僕たち、私たちも、今日一日、パワーを全開します
日本ガンバレ!えいえいおー!”


  皆さんの率直な感想を聞きたいものです。
 これは幼稚園児のことばではないでしょう。間違いなく大人が子どもに言わせているのです。偏向した政治的思想教育としか私には思えません。
 さらにこの幼稚園のHPを調べてある納得がいきました。運動会の宣誓は日常的な教育の「成果」の1つだったことがよくわかります。

■塚本幼稚園幼児教育学園(森友学園の幼稚園)
〔教育内容〕HPより抜粋
・毎朝の朝礼において、教育勅語の朗唱、国歌“君が代”を斉唱します。
・年1回の伊勢神宮参拝
・なぜ教育勅語を朗唱しているのでしょうか?
「教育勅語」は、約2700年前に神武天皇が日本国をはじめられた際、国是としたことがらを明治天皇が国民教育の方針として確認されたものです。12の徳目は人間力を高める必須のものです。さらに朗唱は暗記力の訓練なのです。


 いちいち反論する気にもならないのですが、大事な視点だけは問題提起しておきましょう。教育勅語は戦前の教育の柱です。天皇主権の国体を護持するための教育の根本だったのです。「爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦??相和シ朋友相信シ…」などということだけを取り出して、現代にも通用するなどということを言うのは間違いです。教育勅語は天皇制を守るための指針なのですから。
 ちなみにこの塚本幼稚園は、現在の理事長の籠池泰典氏の義理の父親の森友寛氏が昭和28年(1953年)に設立し、園長に就任したとHPにあります。
 ネット検索して、さらに驚くべき教育実践の実態が明らかになりました。「同期の桜を歌う会」(大阪護国神社)などに園児が出演して、愛国行進曲・日の丸行進曲・日本・五箇条の御誓文・教育勅語などを歌ったり「群読」しているのです。そのいずれもが、大きな声で、単調に怒鳴るように表現しているのです。子どもたちの発達段階を無視した教育が行われているとしか思えません。

 今年4月に開校予定の「瑞穂の國記念小學院」について、HPを覗いてみて、さらに驚愕しました。私には、日本国憲法や教育基本法から逸脱した教育指針に映るのです。

■瑞穂の國記念小學院(みづほのくにきねんせうがくゐん)は、大阪府豊中市に2017年4月、開校予定の私立小学校である。
〔教育の要〕 HPより抜粋
→ 天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ。伊勢神宮・天照大御神外八百万神を通して日本人の原心(神ながらの心)、日本の国柄(神ながらの道)を感じる。
→ 愛国心の醸成。国家観を確立。
→教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成(全教科の要)。道徳心を育て、教養人を育成。
→「大學」素読による人間学の習得。
→大祓詞・般若心経朗唱宗教的情操の育成。
→日本人の心の中心である伊勢神宮からほど近い松阪の地ですくすく育った杉の木・檜をつかった木造伝統建築の校舎や和風装飾物・校庭木による日本人DNAの呼び覚まし。


  最後に朝日新聞の2つの記事を引用しておきます。
 日本の教育や社会はもうすでに大きな角を曲がってしまったのかも知れません。

■朝日新聞デジタル 2017年2月17日20時10分
●「安倍晋三小学校、断った」首相、国有地売却の関与否定
 大阪府豊中市内の国有地が近隣国有地の約1割の価格で学校法人「森友学園」(大阪市)に小学校用地として売却された問題で、安倍晋三首相は17日、小学校の名誉校長に妻昭恵氏がついていることを「承知している」と説明。売却に「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べ、関与を否定した。
 衆院予算委員会で民進党の福島伸享氏の質問に答えた。学校法人との関係をめぐり、首相は「私や妻が(小学校の設置)認可や国有地払い下げについて、(自身の)事務所も含めて一切関わっていないことは明確にしたい」と述べた。
 妻が名誉校長についていることについて、「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と説明。また、同学園が「安倍晋三記念小学校」の寄付者銘板に名前を刻印して顕彰する、との文言で寄付金を集めていたことを知っているかとの福島氏の問いには、「いま話をうかがって初めて知った」と答弁した。
 そのうえで「私の考え方に非常に共鳴している方から、(2007年に内閣総辞職して)首相を辞めた時に『安倍晋三小学校にしたい』という話があったがお断りした。まだ現役の政治家である以上、私の名前を冠にするのはふさわしくない。私が死んだ後であればまた別だけれど、私の郷土の先輩である、例えば吉田松陰先生の名前をつけられたらどうかという話をした」とも語った。
 「約9億円と不動産鑑定で評価されていた土地が約8億円もディスカウントされてしまったのはなぜか」との福島氏の問いに対して、財務省の佐川宣寿理財局長は「不動産鑑定士に更地の価格を鑑定してもらい、(国有地を管理していた)大阪航空局が積算した(ゴミなどの埋設物の)撤去費用を差し引いた時価で、適正な価格で売っている」と答えた。
 売却された土地には、今春に同学園が運営する小学校が開校する予定。理事長の籠池泰典氏は憲法改正を求めている日本会議大阪の役員。ホームページによると、同校は「日本初で唯一の神道の小学校」とし、教育理念に「日本人としての礼節を尊び、愛国心と誇りを育てる」と掲げている。(南彰)


■朝日新聞デジタル 2017年2月22日23時48分(一部)
●教育勅語を毎朝朗唱、君が代も 森友学園の幼稚園
 22日の大阪府私学審議会では、学校法人「森友学園」が運営する大阪市内の幼稚園についても取り上げられた。この幼稚園は、ホームページ(HP)によると、毎朝の朝礼で、明治天皇の名で教育理念などを規定した教育勅語の朗唱、君が代を斉唱するとしている。
 府は、幼稚園側が「よこしまな在日韓国人・支那人」などと記した文書を在園児の保護者に配っていたほか、園のHPでインターネット上に園に対する誹謗(ひぼう)中傷があったとして、「(記事の)投稿者は、巧妙に潜り込んだ韓国、中華人民共和国人等の元不良保護者」などとする文書を一時、公開していたことを報告した。
 府が事実確認をしたところ、学園の籠池泰典理事長は「誹謗中傷に対する対抗言論だ」などと回答したという。ただ、委員からは、教育基本法に規定する「我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し」という教育の目的とのずれを指摘する声が出たという。
 府は保護者と幼稚園の間で訴訟になっているケースがあることにも触れたが、詳細は報告しなかった。( 石原孝、小河雅臣、太田成美)




〔131〕「横浜事件国賠 控訴審」傍聴から「東京弁護士会・トークセッション」へ梯子しました。

2017年02月22日 | 市民運動
  横浜事件国賠の控訴審第2回弁論が東京高裁の825号法廷で開かれました。2月20日(月)の午後3時開始です。連れ合いは何回か参加しているのですが、私はこの裁判の傍聴は初めてのことでした。(この訴訟に関してはブログ〔100〕をご覧ください。)
 今回はどうしても足を運ばなければと思ったのは、現在安倍内閣が「テロ等準備罪」を画策しているからです。この法律は名称を変えて口当たりを良くしてもかつて三度廃案になった「共謀罪」の再来に違いありません。そして共謀罪はまさに現代の治安維持法です。 この治安維持法の問題点をえぐり出し闘っているのが「横浜事件国賠 控訴審」です。傍聴は権力を相手に一歩も引かずに渡り合っている原告と弁護団に敬意を表するという意味合いもありました。その「現在進行形」を、自分の目で確かめたいという想いからの傍聴でした。
 この日の日程を今一度整理しておきましょう。

■横浜事件国賠 控訴審第2回弁論
開始: 2017/02/20 15:00
終了: 2017/02/20 15:15
・2月20日(月)15:00~ 横浜事件国賠 控訴審第2回弁論  東京高裁 825号法廷
・口頭弁論の終了後、弁護士会館509号室において、報告集会。

  傍聴席は14席の4列がほぼ満席でしたから50人程度の傍聴者でしょう。
 口頭弁論の開始から十数分での結審です。しかも裁判長の声は小さく聞きとりづらいだけではなく、専門用語の連発です。傍聴を許可しているにもかかわらず、傍聴者にことばを決して届けようとはしていないのです。日本の裁判というのはこの程度だったのですね。 次回の日程を確認して散会しました。

〔控訴審第3回弁論 2017年5月22日 午前10時30分開廷 東京高裁 825号法廷〕

  口頭弁論の終了後、弁護士会館509号室において、報告集会が開かれました。部屋は立錐の余地がなく、満席で立っている人も数人いました。静岡や前橋からも駆けつけている人がいるということでした。弁護士さんや原告の木村まきさんの話もわかりやすく、まさに顔の見える集会でした。とりわけ最後の挨拶に立った、横浜事件国賠を支える会の代表の塚本春雄さんの話が力強くて心地よかったです。


 4時半に散会して、エレベーターのところに気になるチラシを発見しました。同じ建物のイベントだし、参加費は無料です。治安維持法を告発する訴訟から現代の治安維持法を考える集会への梯子です。これは早めに食事をして参加するしかありません。

■東京弁護士会・トークセッション
〔チラシ〕私たちは『秘密』の壁にどう向き合うか~秘密保護法と共謀罪がある日本社会を考える~

 北海道警察本部の「裏金」追及(北海道新聞)や、陸上自衛隊の非公然組織「別班」の暴露(共同通信)など、調査報道が警察の違法や自衛隊の違憲行為の現実を白日のもとに晒した。調査報道があってこそ、わたしたち市民は主権者として必要な情報を知り、国や行政を監視し批判することができる。
 それがいま、特定秘密保護法による「特定秘密」の壁と、共謀罪(複数の人が話をしただけで犯罪になるおそれがある)の成立によって、取材の自由が今以上に侵害され、私たち国民の主権者としての地位と権限が形骸化していくおそれが極めて大きい。
 今回のシンポジウムでは、調査報道の現場でご活躍されている高田昌幸氏、石井暁氏を講師として招き、秘密保護法と共謀罪の危険性を考えたい。
*2017年2月20日(月)午後6時~午後8時(開場:午後5時40分~)
場所 弁護士会館2階講堂クレオA
内容
(1)問題提起「秘密保護法と共謀罪の今」
   東京弁護士会秘密保護法対策本部委員
(2)トークセッション
   ゲスト:高田 昌幸氏(高知新聞記者)
       石井 暁氏(共同通信編集委員)
   コーディネーター:清水 勉氏(東京弁護士会秘密保護法対策本部委員)


  たぶん椅子の数としては350席ぐらいあったはずですが、300人くらいの参加だったでしょうか。初めて聞くことも多く居残って良かったと思いましたが、とりわけ石井暁さんの「マスコミは権力を監視するものである。」ということばに合点がいきました。
  以下のようなチラシも配られていましたよ。

■シンポジウム「国家緊急権は危ない!憲法に緊急事態条項の創設は必要か?」のご案内

 国会の衆参両院の憲法審査会が活動を再開し、具体的な憲法改正事項を検討しようとしており、中でも「国家緊急権(緊急事態条項)」の創設が、大規模自然災害対策等を名目に押し進められようとしています。
 しかしながら、自民党憲法改正草案でも明らかなように、国家緊急権は非常事態を理由に国家権力を行政権(政府)に独占集中させ、法律に基づかずに行政の判断で強制的に人権制約を可能にするもので、人権侵害のリスクが極めて高く、過去の歴史を見ても濫用による重大な人権侵害の事態が引き起こされています。
 このような観点から、憲法改正による「国家緊急権(緊急事態条項)」の創設の問題点と危険性を検証し、市民の皆さんと共に考えるシンポジウムとしたいと思います。
*日時・場所
 2017年3月15日(水)午後6時~午後8時(開場午後5時30分)
 弁護士会館2階講堂クレオABC
*内容
 基調報告「弁護士会における国家緊急権の検討の状況」
       川上 詩朗(日本弁護士連合会憲法問題対策本部事務局長) 
第1部 基調講演「今、憲法に緊急事態条項の創設は必要か?- ドイツとの比較の視点から」 水島 朝穂 氏(早稲田大学法学学術院教授) 
第2部 パネルディスカッション 
 テーマ「国家緊急権は、どのように使われるか - 歴史と現実」
 パネリスト 石田 勇治 氏(東京大学教授)
 パネリスト 水島 朝穂 氏(早稲田大学法学学術院教授)
 コーディネーター 伊井 和彦(東京弁護士会憲法センター委員長代行)

参加費・予約
 参加無料・予約不要(先着350名)
主催 東京弁護士会 第一東京弁護士会 第二東京弁護士会
共催(予定)日本弁護士連合会 関東弁護士会連合会
お問い合わせ
 東京弁護士会人権課 TEL:03-3581-2205

 
  最後に鎌田慧さんのコラムを紹介しておきましょう。

 ◆米日共謀の罪   鎌田 慧 (ルポライター)
 国民の良識など鼻先で笑っているような最近の安倍政権のゴーマン、ますます強まっている。戦争は憲法に違反、だから衝突と言い換える防衛相の不安そうな表情には怒りよりも、むしろ、痛々しさを感じさせられる。
 南スーダンに送られた自衛隊員が心配だ。戦争放棄の憲法下で、不幸にしてはじめての戦死者がでたとしたら、「衝突死」として扱うのだろうか。
 安倍首相がいう「犯罪集団」と「一般集団」とのちがいはなにか。いまでも、平和団体がピケを張って逮捕されたら、事務所が捜索され、犯罪集団扱いされている。
 「幸徳(注)が此の事件に関係のない筈がないと断定した、松室(検事)総長も幸徳を共犯と認定する意見でありましたから、証拠は薄弱ではありましたが、幸徳も同時に起訴するやうになったのであります」(平沼騏一郎『回顧録』)。これが12人を処刑した、明治末期の大逆事件の根拠だった。
 「世界一安全、安心な国」が安倍首相のうたい文句だ。秘密保護法、改定盗聴法、さらに「五輪テロ」で脅かしての共謀罪。国内では言論、集会の自由が制約されよう。
 国外では「仮想敵」の恐怖を煽(あお)り立て、イージス艦、ミサイル、オスプレイ、ステルス戦闘機F35などを米国から超高額大量購入。安倍首相はトランプ大統領に、輸出兵器を割引してもらってありがとう、といって帰国した。 (2月21日東京新聞朝刊29面「本音のコラム」より)


〔130〕イケダ自然体操の池田潤子さんが逝去されてもう1年が経ってしまったのですね。

2017年02月20日 | 追悼文
 池田潤子さんが逝去されたのは2016年2月1日のことでしたから、もう1周忌ということになりました。様々な想い出のある池田さんとのことを振り返ってみたいと思います。
1972年に教師をスタートさせて、最も刺激をもらったのが遠山啓編集代表の雑誌「ひと」(太郎次郎社)でした。1973年冬に発行されたのでした。この雑誌の記事と、すぐにスタートした「ひと塾」が私の教育実践に多大な刺激を与えてくれました。「ひと塾」の申し込みの1番はこの年の秋に結婚した連れ合い、2番が私でした。会場は八王子のセミナーハウスでした。
 遠山啓さんだけでなく遠藤豊吉、白井春男、板倉聖宣、つるまきさちこ、竹内敏晴、奥地圭子、鳥山敏子さんなどの名前がすらすらと出てきます。ここで出会った人たちのワークショップなどに頻繁に出入りするのが新卒教師の私でした。
 つるまきさちこさん主宰の「からだとこころの会」で、初めて、野口三千三さんのワークショップを受けることになります。あの野口体操の考案者で、東京藝術大学の教授、劇団などにも多大の影響を与えていた伝説の人でした。本物の日本刀や骨だけの人体模型などを持参しての畳部屋での講習会が印象に残っています。
 池田潤子さんは野口さんの薫陶を得た、鹿児島生まれの元体育の高校教師でした。弟子をとらない野口さんが唯一人弟子と認めた人でした。彼女は日本演劇教育連盟主催の全国演劇教育研究集会や演劇教育セミナーなどの講師を長く続けられました。1980年代の終わりに、「イケダ自然体操」と名乗り始めた頃だったでしょうか、私もワークショップの世話人に志願しました。
 1990年代、やはり妻が池田潤子さんのワークショップの世話人になるということがあって交流の輪がさらに広がりました。
 21世紀に入ってから、2年に一度、手作りの、その年の干支が送られてくるようになりました。特殊な堅い紙で実に器用に折られた、日本的な柄の精巧な置物です。同時にご夫妻の素敵な栞が必ず添えられていました。その1つを紹介しましょう。

 皆様のご健康とご多幸を心から祈念し
2004年が《良くないことが去る年》
でありますように、との願いを籠めて
母子猿を折りました。
 地球上のすべての人類が
字源にありますように
両手を合わせ
良い心と
優しく愛情ある善い行いを
輝く未来に向かって
真っ直ぐに引き伸ばして行ってほしい!と
心から願いつつ
ここに母子一組と栞文をお届けし
新年のご挨拶に代えさせて頂きました。
      平成16年 元旦
        古田俊彦
        潤子(池田)

 この栞には漢和辞典からの引用で「申」の語源が記されていたのです。
 池田さんはその後教室を開かれ、国内外に講習の場が広がりました。とりわけデンマークには何回か呼ばれて行かれたという話を伺っていました。
 雑誌「ひと」に池田さんの実践が掲載されたのは私としても嬉しいことでした。この連載が元になって『くつろいで、くつろいで、とことんくつろいで―イケダ自然体操』(樹心社、2006年)が出版されます。「こんな本が出来ました。お読みくださると嬉しいです。」という文が添えられた御著書が送られてきました。当時私は埼玉大学で授業を始めたばかりでした。早速、授業の課題図書にこの本をノミネートしたのです。
 この本は野口さんとの出会いや教室の発展の様子にも触れられています。

■『くつろいで、くつろいで、とことんくつろいで―イケダ自然体操』樹心社、2006年
 著者の池田さんは、とても優しく、すっとした意志の力が感じられる方です。また、向上心の塊のような方で、常に勉強を続けられています。
 この本を書かれるにあたっても、書いているうちに、どんどんご自身のやり方も変わっていくし、考え方も少しずつ変化していくことで、なかなか本の形にして出版するということに納得してくださらなかったのですが、お願いして5年少々、やっと形にすることができました。
 池田さんの40年以上の体操人生から得られた、素晴らしいものがつまった本です。人間のあり方の根源に迫るイケダ体操の真髄、そして池田さんの感性の素晴らしさを少しで感じていただければと思います。
 どうか、何か素敵なものを1つでも、この本から得ていただければ幸いです。

 野口体操やイケダ自然体操から頂いたものは様々あります。こころとからだの関係性、からだそのものについての認識、聴くということ…教育の根本のところを示唆されたのでした。
 なお、市橋久生さんが池田さんの仕事について簡潔にまとめた心温かい追悼文を書かれています。(「演劇と教育」2016.6月号)

〔129〕『ブラッカムの爆撃機』から映画「風立ちぬ」までを、考え続けています。

2017年02月16日 | 図書案内
  『ブラッカムの爆撃機-チャス・マッギルの幽霊・ぼくを作ったもの』をようやく読み終えました。この本がどのようにできたのか、以前のブログでも若干触れましたが、改めて紹介しておきましょう。出版元の岩波書店のサイトから拾ってみます。

●『ブラッカムの爆撃機-チャス・マッギルの幽霊・ぼくを作ったもの』2006年、金原瑞人訳、岩波書店
〔出版社からのコメント〕
  イギリスのカーネギー賞作家ロバート・ウェストール(1929-1993)の作品集。収録されるのは、「ブラッカムの爆撃機」「チャス・マッギルの幽霊」「ぼくを作ったもの」の3編に、晩年(6年間)著者と生活を共にした女性リンディ・マッキネルによる略伝「ロバート・ウェストールの生涯」。
 ----と、これだけならば、ふつうのヤングアダルト向き児童書と思われるでしょうが、この本には、あっと驚く仕掛けが......。
 1990年に福武書店から刊行された『ブラッカムの爆撃機』(「チャス・マッギルの幽霊」「ブラッカムの爆撃機」の2編を収録)に惚れ込んだ宮崎駿監督。思いが昂じて、はるばるウェストールの故郷をたずね、「ウェストール幻想 タインマスへの旅」(コマ漫画、カラー24頁分)を描き下ろし、自ら編んだ今回の本のイントロに配したのです。ぜひとも今の日本の若者たちにウェストールを読んでほしい! という宮崎監督の熱い思いが伝わってきます。【編集部:若月万里子】
〔内容(「BOOK」データベースより)〕
 イギリスの作家ロバート・ウェストールの作品集。大戦下の少年たちの友情と恐怖を描く「ブラッカムの爆撃機」の他、「チャス・マッギルの幽霊」「ぼくを作ったもの」の2編に、リンディ・マッキネルによる「ロバート・ウェストールの生涯」と宮崎駿のカラー書き下ろし「タインマスへの旅」を収録。


  私が手に入れた本は2009年2月発行8刷ですから、相当売れた本ということになります。その理由は宮崎駿さんの関与によるところが大きいようです。彼はこの本の編集にかかわり、最初と最後に自身の漫画を配しました。「ブラッカムの爆撃機」は児童文学とは呼べない、大人の鑑賞にも十分堪えうる読み物で、しかも翻訳ということもあって、かなり理解が難しい物語なのです。ところが宮崎さんの漫画がうまく読書案内してくれていて、読み始めやすくなっています。
  3編の収録作品のうち私が好きなのは「ぼくを作ったもの」です。偏屈な祖父の話ですが、最後の一文は「時は流れる。それもあらゆる方向へ。そう、祖父がぼくを作ったんだ」
で結ばれます。
  そして、〈特別寄稿〉「ロバート・ウェストールの生涯」がいいですね。後に妻になるリンディ・マッキネルさんの筆になるものです。彼女にしか書けないウェストールの人となりを知ることができます。人間ウェストールをリアルに感じることができました。
 ウェストールに親近感を抱くのは、彼が中学校の美術教師を25年続けていて、55歳で早期退職をしたという事実です。私は小学校の教師を33年続けて、奇しくもウェストールと同じ55歳で退職をしています。何かの因縁を感じるのです。
 さてマッキネルさんはウェストールの作品を2つに大別しています。「現実的でリアルな物語」(第2次世界大戦が背景になっているものが多い)と「怖い」物語(超自然的な存在や現象を扱っている)です。
 宮崎駿さんの描き下ろし後編は、ウェストールとの架空対談です。最後に「ぼくはウェストールが好きだ…」で結ばれています。そうなると、次に読むのは宮崎さんイラストの『水深五尋』しかないでしょう。

●『水深五尋』金原瑞人・野澤佳織訳、宮崎駿イラスト、岩波書店、2009年
〔内容(「BOOK」データベースより)〕
 舞台は、第二次大戦下、イングランド北東部の小さな港町―貨物船がUボートに撃沈されるのを見たチャスは、翌朝、砂浜で発信器らしきものを発見する。友人たちと興味半分で始めたスパイさがしは、しだいに深刻な事態に…。カーネギー賞受賞作『“機関銃要塞”の少年たち』のチャス・マッギルと幼なじみが十六歳になって登場。本邦初訳。


  「ぼくはウェストールが好きだ…」という宮崎さんだからこそ、「紅の豚」や「風立ちぬ」が生まれたのでしょうか。「風立ちぬ」は賛否両論を巻き起こしましたが、以下の文章を読むと、その思いはひしひしと伝わってはきます。戦闘機としての零戦を造った主人公や原爆を造った科学者たちを現在の私たちは肯定していいのでしょうか。ラブストーリーを絡めた美しい映像の連続だけに想いは揺れ続けるのです。

●「風立ちぬ」企画書、「飛行機は美しい夢」宮崎駿、2013年
 零戦の設計者堀越二郎とイタリアの先輩ジャンニ・カプローニとの同じ志を持つ者の時空をこえた友情。いくたびもの挫折をこえて少年の日の夢にむかい力を尽すふたり。
 大正時代、田舎に育ったひとりの少年が飛行機の設計者になろうと決意する。美しい風のような飛行機を造りたいと夢見る。
 やがて少年は東京の大学に進み、大軍需産業のエリート技師となって才能を開花させ、ついに航空史にのこる美しい機体を造りあげるに至る。三菱A6M1、後の海軍零式艦上戦闘機いわゆるゼロ戦である。1940年から三年間、ゼロ戦は世界に傑出した戦闘機であった。
 少年期から青年期へ、私達の主人公が生きた時代は今日の日本にただよう閉塞感のもっと激しい時代だった。関東大震災、世界恐慌、失業、貧困と結核、革命とファシズム、言論弾圧と戦争につぐ戦争、一方大衆文化が開花し、モダニズムとニヒリズム、享楽主義が横行した。詩人は旅に病み死んでいく時代だった。
 私達の主人公二郎が飛行機設計にたずさわった時代は、日本帝国が破滅にむかってつき進み、ついに崩壊する過程であった。しかし、この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。
 自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。夢は狂気をはらむ、その毒もかくしてはならない。美しすぎるものへの憬れは、人生の罠でもある。美に傾く代償は少くない。二郎はズタズタにひきさかれ、挫折し、設計者人生をたちきられる。それにもかかわらず、二郎は独創性と才能においてもっとも抜きんでていた人間である。それを描こうというのである。

 この作品の題名「風立ちぬ」は堀辰雄の同名の小説に由来する。ポール・ヴァレリーの詩の一節を堀辰雄は“風立ちぬ、いざ生きめやも”と訳した。この映画は実在した堀越二郎と同時代に生きた文学者堀辰雄をごちゃまぜにして、ひとりの主人公“二郎”に仕立てている。後に神話と化したゼロ戦の誕生をたて糸に、青年技師二郎と美しい薄幸の少女菜穂子との出会い別れを横糸に、カプローニおじさんが時空を超えた彩どりをそえて、完全なフィクションとして1930年代の青春を描く、異色の作品である。

〔128〕〔「お笑い芸人対原発事故」おしどりマコケンの原発取材2000日〕に感激しました。

2017年02月08日 | テレビ・ラジオ・新聞
  「おしどり」マコ・ケンという夫婦のお笑い芸人を知っていますか。吉本興業に所属しながら異色の活動を続けるコンビです。
 私が初めて彼らのことを知ったのは、2015年11月の伊方原発反対行動に参加したときです。伊方原発現地での反対行動に続き、愛媛・松山公園での反原発大集会に合流しました。その集会の司会をしたのが彼らでした。お笑いで人々を引きつけ、客引きを狙っているのかなどと勘ぐったのですが、とんでもない! 彼らの原発知識は半端ではないことがそのことばの端々からうかがえたのです。(ブログ54参照)
  彼らの話をじっくり聞いたのはそれから1年後でした。2016年8月「福島を忘れない!全国シンポジウム・現地見学」の交流イベントでのことでした。彼らはたんなるお笑い芸人ではない、生きることに実に真摯な、尊敬すべき若者でした。(ブログ107参照)
  その彼らのドキュメントが放送されるという情報を得て、録画しました。真夜中の放送だったのです。しかも体制べったりの読売系の日本テレビでの放送というのが二度びっくりです。
  ドキュメントは、なぜ彼らが原発事故を調べるようになったのか、ドイツまで足を伸ばした徹底した取材活動の様子がそのメインです。「交流イベント」の映像で繋ぎながら伊方原発の司会の様子も垣間見えます。「交流イベント」では我々清瀬から参加した者たちの姿も映っていてびっくりでした。

*〔日テレサイト〕NNNドキュメント 放送:2月6日(月)0:55~1:50
「お笑い芸人対原発事故」おしどりマコケンの原発取材2000日
〔番組内容〕
 原発事故から6年、東電の会見の最多出席は、お笑い芸人「おしどり」のマコ・ケン夫婦。医学部中退のマコが場違いだとの声を猛勉強で乗り切り、きょうも事故の真相に迫る。
〔詳細〕
 福島第一原発事故から6年弱、東京電力が行ってきた記者会見の最多出席者はなんと、お笑い芸人「おしどり」のマコ・ケン夫婦だ。芸人が場違いだ、とのバッシングを猛勉強で乗り切り、鋭くしつこく追求し、世に出て来なかった幾つもの事実に光を当てた。東電の会見者らが何度も沈黙したりタジタジになる事も。医学部中退のマコちゃんは子ども達や原発作業員の健康問題を掘り下げ、得意の突っ込みでにっこり笑って原発事故を斬る。
〔再放送〕
2月12日(日)11:00~BS日テレ
2月12日(日)5:00~/24:00~CS「日テレNEWS24」

 
 現在ユーチューブでも視聴可能です。(繋がらないときは、サイトをコピーして検索してみてください。)彼らの大奮闘を何とか支持し、支援していきたいものです。清瀬の地にも来てもらって、話を聞きたいということが昨日話されたばかりでした。

      https://www.youtube.com/watch?v=1xsgo9eh3xM



〔127〕『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』を読んで思考回路が繋がりました。

2017年02月02日 | 図書案内
  マーティン・ファクラー著『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』を読んだのは、二兎社の芝居「ザ・空気」のパンフレットに永井愛さんと著者の対談があったからです。この本は読んで確実に得する本でした。今日本に起きている様々な現象が私の頭の中で見事に繋がってきました。
  まずは本の概要を紹介したいのですが、アマゾンの〔内容紹介〕が実に的確です。内容をしっかり伝えてくれています。面倒くさがらずに目を通してください。

■『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』マーティン・ファクラー、双葉新書 2012/7
〔内容紹介〕
 3・11、そして福島第一原発事故を経て、日本人は新聞の限界を知った―。
 なぜ日本の新聞は国民が知りたい事実を伝えず、「権力者の代弁」ばかりをたれ流すような報道に終始するのか。
 日本取材歴12年の米国人ジャーナリストが明らかにする「国民総新聞不信」の真実!
 新聞は誰のためにあるのか
 この当たり前の問いに対し、はたして日本の新聞は胸を張って答えを出せるだろうか。
「社会の木鐸」と例えられ、権力を監視し、市民社会をより良きものにするために存在するはずの新聞。
 だが、福島第一原発事故をめぐる報道では、当局の発表をそのまま報じる「記者クラブメディア」の限界を国民の前に自ら晒すことになった。
 著者のマーティン・ファクラーはそんな「発表報道」に背を向け、東北の被災地を自分の足で回り、地元の人々や行政機関の窮状や奮闘を全世界に向けて発し続けた。単身乗り込んだ南相馬市役所では、原発事故により記者クラブにいるはずの記者はみなすでに退避していた。
 桜井勝延市長は、著者にこう訴えた。
「日本のジャーナリズムは全然駄目ですよ! 彼らはみんな逃げてしまった! 」(本書p42より)
 著者は12年間にわたり日本を取材し続けている。この国において、アウトサイダーと自覚するからこそ見えた、日本の新聞が抱える「ジャーナリズムの欠落」という根源的な問題。そのための議論を起こすために、あえて実体験に基づいた厳しい指摘をいくつもしている。同時に、志をもって働く日本人ジャーナリストたちと、3・11から立ち上がりつつある第二の故郷・日本にエールを送る。

【目次】
第1章 青い目の3・11取材記
第2章 情報寡占組織・記者クラブ
第3章 かくもおかしい新聞
第4章 ジャーナリストがいない国
第5章 日本の新聞 生き残りの道

  著者が真っ先に批判するのは、日本独特の「情報寡占組織・記者クラブ」のことです。「検察当局と一体化する記者クラブ」だからこそ、権力の発表を鵜呑みにする傾向が強く、しっかり調査して記事を書く「調査報道」でなく「発表ジャーナリズム」になっているというのです。アメリカではそうしたジャーナリズムのことを「アクセス・ジャーナリズム」と言っているようです。
  私が最も合点がいったのは次の件です。
「ジャーナリストとは、基本的に権力寄りであってはならない。権力の内側に仲間として加わるのではなく、権力と市民の間に立ちながら当局を監視し、不正を糺していく。」(130頁)
「私が12年間、日本で取材活動をするなかで感じたことは、権力を監視する立場にあるはずの新聞記者たちが、むしろ権力側と似た感覚をもっているということだ。」(150頁)

  しっかり権力に対峙するのが新聞やマスコミの使命ではないでしょうか。そのとおりだと拍手を送りたくなりました。
  しかしながら著者は、日本の新聞をすべて批判の対象にはしていません。朝日新聞の中山由美記者、「プロメテウスの罠」を立ち上げた依光隆明特別報道部長、加藤洋一編集委員、船橋洋一主筆(いずれも当時)などは評価しています。琉球新報や沖縄タイムス、高知新聞、神戸新聞、愛媛新聞、河北新報、東京新聞など地方紙には注目しているようです。
  そして、『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』は気になる本です。近いうちに手に入れようと思っています。

■『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』マーティン・ファクラー、双葉新書 2016/2
〔内容紹介〕
 2012年末に第二次安倍政権が誕生してから早や3年。その間、大きく変わったことが権力とメディアの関係だ。
 朝日新聞に代表される政権に批判的な大手メディアはなぜ軒並み"大人しく"なったのか。その背景には安倍政権の巧みなメディアコントロールと、ネットによる大転換期に対応できず組織防衛に走る既存メディアの腰砕けぶりがあった――。
 前ニューヨーク・タイムズ東京支局長の著者が明らかにする「世界から見たアベ・ジャパン」の真実。
「BOOK」データベースより
「今、日本はアメリカが辿った“暗い未来”へと突き進んでいる」右傾化する政権、監視国家化、ネトウヨ…権力からの「圧力」に屈し、なすべき批判を放棄する大手メディア。日本取材歴20年のニューヨーク・タイムズ前東京支局長が決意の告白!世界から見たABE JAPANの危うい正体。


  マスコミということで、最近はテレビが大いに気になっています。「発表ジャーナリズム」の典型がNHKです。会長が替わっても権力を支えるNHKには変わりありません。なぜそんなNHKに受信料を払う必要があるのでしょうか。受信は希望制にして、希望者だけ料金を払うようにしたいものです。受信を希望しない人には、NHKが見られなくなればいいのです。日本テレビやフジテレビはあまり好きではないのですが、受信料を取っているわけではないのでまだ我慢できます。見たくなければ見なければいいのですから。でもNHKはそうはいきませんよね。

  それにしても、最近の東京MXテレビ、月曜日夜の「ニュース女子」という番組、ひどいですね。正月2日の沖縄特集は最悪でした。沖縄ヘイト番組でした。高江や辺野古で基地反対闘争をしている市民運動に対しての敵意丸出しです。
  一番の問題点は、きちんとした取材に基づかない内容で、まさにバラエティー番組という趣でした。レポーターは井上和彦という人です。テレビで時々見かける6人の中年男性コメンテーターが、4人の若い女性におもしろおかしく社会問題を「教えてあげる」という感じのものでした。この司会が、長谷川幸洋という人で東京新聞論説副主幹というから驚きです。東京新聞を信頼、評価している私には大いなる違和を感じたのです。
  この番組、今ならユーチューブで視聴可能です。
  やはりユーチューブですが、「のりこえねっと」というサイトがあって、この番組について2時間ほどの徹底批判対談(安田陽一vs野間易通)が素晴らしかったです。事実に基づいた反証です。
  先日の「ニュース女子」は安倍政権に注文するという内容で放送していました。はっきりした批判にもなっていないのですが、左翼だけでなく保守も批判していますよ、ということをアリバイ的にやっておこうという趣旨が見え見えでした。