中野笑理子のブログ

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湯豆腐

2017年11月17日 | 日記
生姜が安かったので買って帰り、生姜ご飯にしようと生姜を刻んでおりました。
針生姜に刻んでいると、さわやかな香りが鼻に通り、気のせいか指先もポカポカ温まるようで、何故だか無性に湯豆腐が食べたくなりました。
そこでいつものスーパーではなく商店街の豆腐屋さんまで行き、湯豆腐やったらコレやで! という大将おすすめの大豆の味が濃い絹ごし豆腐を買ってきました。

湯豆腐といえば思い出す、故中島らもさんの「ネリモノ広告大全 ごぼてん編」に載っている日本酒の湯豆腐(水を入れずに日本酒と昆布のみで作る)にしようかと思いましたが、台所の在庫を見るとあらら、燗酒用も料理用も量が足りません。
仕方なく日本酒と水を半々に昆布の、いつもの我が家の湯豆腐となりました。

池波正太郎さんの書く「仕掛人・藤枝梅安」や「剣客商売」にも、湯豆腐は登場しています。
仕掛人の梅安は「闇の大川橋」の中で相棒の彦さんこと彦次郎と浅草橋場の料亭井筒で湯豆腐を食べながら仕掛けの相談をしていたり、「襲撃」では豆腐好きの彦次郎の毎日続く湯豆腐に少し飽き気味の梅安ですが、大根を千六本にして入れたり蛤を入れたりとアレンジを加えて、梅雨の湯豆腐を食べています。
剣客商売の秋山小兵衛は、「大江戸ゆばり組」の中で焼き干しの鮎でとった出汁で大根を刻んでかけまわした湯豆腐を食べていました。

豆腐は煮えばな、といわれるようにグラっと豆腐が揺れたぐらいでサッと食べると、鬆(す)が入らず美味しいとされています。
なるほど熱すぎず大豆の味がよく分かる、ような気がする。
しかしやはり、飲む方の日本酒が恋しくなってきますな。
身体も温まってきたし、ひとっ走り日本酒を買いに行ってこようかと。