元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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訪問介護(介護保険)の登録ヘルパーは就業規則を届出しなければならない労働者の数にカウント!!

2018-07-09 11:20:51 | 社会保険労務士
 介護保険の訪問介護者は登録ヘルパーを含めて「労働者」(=委託ではない)である!

 就業規則を作成して労働基準監督署に届け出なければならないのは、その事業所に常時10人以上の労働者となっており、この10人以上というのは、正規の労働者だけではなく、常態的に雇っているパートタイマーも含まれます。臨時的に増減した労働者は含まれませんが、パートでも常時雇っているかよって判断して、それが10人以上であれば、労基署に届け出なければならないということになります。

 ところで、小規模の訪問介護事業所を行っているところでは、正規の職員が事務担当兼介護担当1人で、後の職員は「登録ヘルパー」というところもあります。訪問介護が必要なときに、登録しておいたヘルパーの中から、その登録ヘルパーに訪問介護をしてもらうというのが、一般的な「登録ヘルパー」といわれるものです。問題は、この登録ヘルパーは、10人以上かどうかの人数に含めるかです。

 登録ヘルパーは、いわゆる「委託」ではないかと勘違いされる向きもあるようです。委託であれば、これは民法上の「請負」や「委任(正確には準委任の方が多い)」に当たります。請負であれば仕事の完成を持って報酬を与える形であり、委任(準委任)であれば、仕事の完成にこだわらず仕事等の処理過程において報酬を与えるものであり、労働者のように使用者から指揮命令を受けないことから、この「委託」(請負OR委任・準委任)であれば、雇っているとはならず、労働者としてはカウントしません。

 しかし、一般的に、この介護訪問の「登録ヘルパー」の勤務形態は、身体介護1時間当たり××円、生活援助1時間当たり〇〇円というように報酬が決まっており、一般的な仕事の完成一件につきいくらというような請負や処理一件につきいくらというような委任等ではありません。時間当たりの報酬が決まっているのは、委任等にはないとも言えませんが、この登録ヘルパーの場合は、労務提供の時間の長さによって報酬の額が決定されることから、これは「労働者」として雇っていることになりそうです。

 また、訪問介護を介護保険の中で行っているとすれば、必ずその事業所のサービス提供責任者からケアの内容等について指揮命令を受けることになりますので、「登録ヘルパー」は事業所の使用者から労働者として使用されていることになります。

 こういった意味から、介護保険上の訪問介護員は、「一般的には使用者の指揮監督の下にあること等から、労働基準法の第9条(=「労働者」の定義)の労働者に該当するもの」(訪問介護労働者の法定労働条件の確保について、基発第0827001号)とされており、訪問介護員のなかには、正規職員やパートだけでなく、登録ヘルパーも含めて、全ての訪問介護員が労働者として認識されなければならないことになります。

 したがって、登録ヘルパーも労働者でありますので、この数を含めて10人以上であれば、労基署へ就業規則を届け出なければならないことになります。

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