元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

別居であっても、仕送りの事実があれば、生計維持要件を満たす<年金の場合>

2015-10-17 18:23:38 | 社会保険労務士
遺族基礎年金の場合「子」は父母と生計を共にすれば支給停止

 遺族年金は、一生を添い遂げる夫婦であれば、一般的には単純にもらえる可能性が多いところですが、離婚や再婚の場合においては、誰がもらえるのかやどれくらいの額になるのかが複雑になり、分析してみないと分からないということが出てきます。

 次の場合はどうでしょう。

 元妻からの相談です。自分(元妻)は、夫と離婚しましたが、元夫との間に生まれたまだ幼い子供と一緒に生活をしていました。元夫からは十分とはいえませんがいくらかの仕送りをしてもらい暮らしていました。ところが、その元夫が事故に遭い、亡くなりました。この場合、自分たちには、遺族年金は出るのでしょうか。なお、元夫は、再婚はしておりません。

 公的な遺族年金と言っても、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2つがあります。

 元妻は、離婚しているので、すでに配偶者ではなく、遺族基礎年金も遺族厚生年金も支給されません。

 は、幼いとありますので、少なくとも18歳年度末の子と思われますので、年齢要件は満たします。そこで子ということですが、元夫との親子関係はなくならないので、「子」に該当することは間違ありません。そこで、元夫が死亡したときに、元夫が子を支えていたという「生計維持関係」認められなければなりません。いくらかの仕送りをしてもらっていたとのことですので、元夫との生計維持関係はあると認められると考えられ、子には受給できる権利はあります。

 しかし、遺族基礎年金の場合は、子は父母と生計を一にすれば支給は停止されますので、この場合、子は母と同居していますので、遺族基礎年金は支給されません。結論的にいえば、子には遺族厚生年金だけが支給されるということになりそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする