元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

公的年金の26年度改正は利用者からの不合理との不満が解消されました!!

2014-08-22 18:16:24 | 社会保険労務士
 利用者本人にとって将に切実な問題の解消がなされました!!

 平成26年4月1日からの年金改正については、今まで被保険者及び受給者(利用者)にとって、不合理と考えられていたようなものがほとんど改正されたような気がしています。というのも、ちゃんと制度を整えて、保険料の未納付の解消に役立てようとの政府の意図が感じられます。一つひとつの改正点を見ていきます。

 1、産休期間中の保険料の免除
  育児休業期間中については、保険料の免除を認めながら、その前から制度としてある産前産後休暇期間中については、認めていなかったものです。これこそ、育児休暇法と労働基準法という、よって立つ法律が違うというものの、バランスに欠く措置でした。厚生年金保険料・健康保険料と共に事業主の申し出により免除となります。

 2.遺族基礎年金の父子家庭への支給
 遺族基礎年金は、死亡した者に生計を維持されていた「子のある妻」または「子」に支給されていましたので、いわゆる寡婦の家庭に支給されていたものです。父子家庭には適用されていませんでした。これも公正性を欠くものです。そこで、「子のある父」にも支給されることになりました。

 3.70歳繰り下げ支給の取り扱いの改善
 70歳に達した後に繰り下げ支給の申し出を行ったときは、もともと65歳でもらえる年金は、最大限70歳までしか繰り下げはできませんが、その70歳時点ではなく70歳以降の申し出のあった月の翌月からの年金しか支給されないものでした。70歳までしか繰り下げをできないにも関わらず、70歳時点での繰り下げ支給の申し出を行わなかったのをいいことに、70歳からの支給はせずに、それ以降の申し出からしか支給しないという、しめしめとしか言いようのない制度でした。そこで、改正により、70歳時点で申し出があったとみなし、繰り下げの申し出を行うまでの期間の給付も行うものです。

 4.国民年金の任意加入者の未納付期間の合算対象期間への参入
 任意加入者は、年金額を増やすとか受給資格の取得のため、加入するのですが、加入したがために、何らかの理由で納めなかった場合は、「未納期間」と扱われていました。未納期間と扱われば、たとえば障害になって障害年金を受けたくても、未納期間が多ければ受けられないことになります。そこで、この期間を「合算対象期間」としました。これで、少なくとも「年金受給資格」の制限は、問題なくなります。

 5.障害年金の額改定にかかる待機期間の一部緩和
 障害年金の受給者の障害が悪化した場合の、額の改定請求について、新規に障害年金を受給権を取得した日から、あるいは、一度審査を受けた日から、一年を経たない場合は、改定請求はできないとされていました。ところが病名によっては、一年を待つずに悪化する場合もあり得ます。そこで、程度が悪化した場合が明らかである場合は、一年を待たなくても年金額の改定請求が可能となりました。
 その他、別途説明した、未支給年金の請求範囲の拡大など次回でさらに項目を追って紹介していきますが、今まで、利用者からおかしいと言われていた問題=将に利用者にとって本人にとっては切実な問題があります=については、ほとんどが解消されています。<次回へ続く>

<⇒次回 6~ へ>

参考;年金アドバイザー3級<受験対策シリーズ>経済法令研究会編
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