思うがままに

Step by Step

息もできない

2011-03-24 | 映画・ドラマ


2008年

amazonより
世界が泣いた。
世界が震えた。
国際映画祭、映画賞で25以上もの賞に輝いた最高傑作!
プサン国際映画祭でワールドプレミアされるや観客・批評家の熱狂を呼び、ロッテルダムはじめ世界の映画祭・映画賞で、25を超える賞に輝いた今作。
2009年11月に開催された第10回東京フィルメックスにて、史上初の最優秀作品賞(グランプリ)と観客賞をダブル受賞!

製作・監督・脚本・編集・主演、5役をこなしたヤン・イクチュン、鮮烈なる魂の映画。
本作は、俳優として活躍してきたヤン・イクチュンが自ら脚本を書き、資金を集め、製作にこぎつけた初の長編監督作品。
途中、製作資金に困り、家を売り払ってまでつくりあげたという、まさに『息もできない』はヤン・イクチュンの魂そのもの。
それは、物語はフィクションでも、映画の中の感情に1%の嘘もない、観客の胸を激しく揺さぶる作品となっている。

二人の時だけ、泣けた。
漢江、その岸辺。
引き寄せあう二人の魂に涙が堪えきれない。
偶然の出会い、それは最低最悪の出会い。
でも、そこから運命が動きはじめた……。
「家族」という逃れられないしがらみの中で生きてきた二人。
父への怒りと憎しみを抱いて社会の底辺で生きる男サンフンと、傷ついた心をかくした勝気な女子高生ヨニ。
歳は離れているものの、互いに理由もなく惹かれあった。
ある日、漢江の岸辺で、心を傷だらけにした二人の魂は結びつく。
それは今まで見えなかった明日へのきっかけになるはずだった。
しかし、彼らの思いをよそに運命の歯車が軋みをたてて動きはじめる……。


第84回キネマ旬報ベスト・テンの外国映画ベスト・テン第1位作品
ハンディーカメラを使ったドキュメンタリータッチの映像と暴力の連続シーンにまさに息もできないほどのシリアスな雰囲気を漂わせる
サンフン、ヨニ、そして廻りの登場人物たちの心の動きが私の胸の中にグサッグサッと突き刺さる
暴力でしか自分を表現できない不器用なサンフン
憎くて殺してやりたいほどの父親
手首を切って自殺しようとしたそんな父親を泣きながら病院に背負って行くシーンは圧巻
そしてヨニの膝枕で泣き崩れるサンフン
彼はこの映画の中で笑顔を見せたのだろうか?
いつもいつも人を責め自分を責め生きてきたサンフンがヨニとのふれあいの中で掴んだこれからの自分
それもはかなく崩れ落ちた

ヨニの弟がチンピラと一緒に出店を壊している
その光景をヨニはじっと見つめる
弟の姿がいつしか死んだサンフンの姿に変わる
母を殺したのはあのサンフンだったと気付いたのか? それとも単に暴力を振るう弟の姿がサンフンとダブっただけなのか?
カメラはヨニの表情を捉えながら映画は終わる
強烈な映画だった!