goo blog サービス終了のお知らせ 

平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

スーパーミカエルの胎動

2011-06-24 22:05:42 | スピーカー工作
 ミカエルの板厚を15ミリにして、奥行きを4センチ深くしたスーパーミカエルを設計しました。しかし、板の注文に行くと、いつものシナ合板がありません。仕方ないので普通のラワン合板で注文しましたが、塗装しないとスーパーの見栄えになりません orz。

 パーツは組み終わったので、側板に音道を構成する板を貼り付ける前に、ホーンの出口に当たる部分の塗装が必要です。組み立ててからの塗装では、はみ出して汚くなるのです。今回は音道の仕切り板は黒、側板はブルーと決めていました。アメリカのJBLのモニターがこの配色なのです。でも、少しだけ凝って、ブルーも二色、フロントバッフルはコルクを貼る予定です。

 音道の黒は塗って、そこで夕食の買出しに行って、今日から野球が再開なのでネットでリアルタイム速報をガン見。その時、スーパーミカエル用に落札したユニットの出品者から、古いウーファーの特性表はないかと質問。ちょうど8回の表の横浜の攻撃中2アウト1塁で、その出品者は広義の湘南=横浜のホームエリア。嫌な予感がしたけど調べに行っている間にやはり1点取られた。

 半ば諦めて、側板のホーン出口のブルーを塗ることにし、作業をしていたら試聴会で披露した『ダニエル物語』という曲をナジェか思い出す。いわゆる古楽の劇で、ボーイソプラノとカウンターテナーがソプラノとアルトの代わりという、当時の演奏スタイルの定番。そうか、試聴会は意外に『ダニエル物語』が神様のプログラムだったのかもと思って速報に目をやったら、本名ダニエル・松元・ユウイチというブラジル出身選手が9回2アウトから、代打で同点のタイムリーを打ったばかり ホルホル。

 この余りに出来すぎているシンクロニシティに、もしかして製作中のスーパーミカエルの威力かもしれないと少しgkbl。結局、10回裏に2アウトランナー無しからホワイトセルがサヨナラホームランで勝ちました。この時も、スーパーミカエルの板取図を見ながら、何も書き込んでいない升目(ホワイトセル)に指を置いたらホームランでした。

 なお、スーパーミカエルの配色は、黒の玄武、青の青龍、ユニットは白で白虎、コルクは黄色にして中心。朱雀の赤がないニダね。伊勢の幸鉾が赤いから、これを乗せれば完璧。

      エフライム工房 平御幸
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミカエル改良型完成

2011-06-14 22:45:58 | スピーカー工作
 いろいろなユニットのマッチングテストを続けていたミカエル改良型。試行錯誤の挙句、ようやく完成。結局は、スーパーケルビムのFE88ES-Rのストックを使うことにしました。やや低域不足ですが仕方ありません。



 スーパーケルビムの上に乗っているグレーのコーン紙のユニットは、新製品のFF105WKです。グレーなのはコーン紙に混沙されている炭の色のようです。FFシリーズはもともとバックロードホーンに適していたのですが、モデルチェンジで振動系が重くなり、バスレフ向きになりました。今回からシリーズに追加された10センチユニットは、マグネットが大きくてバックロードホーンでも使えそうです。

 しかし、この目論見は無残に崩壊しました。実は、エッジがウレタンで、ウレタン特有のヌケの悪さというか、中高域の艶やかさが足りないのです。ウレタンは成型が楽で、しかも経年変化に強い性質があります。それで大量生産品には向くのですが、ウレタンはどうしても小音量時の反応が鈍くて、バックロードで使うと短所が目につきます。バスレフなら誤魔化せるのでしょう。

 ということで、FF105WKは失格。ジャンクで手に入れた6N-FE88ESは、片チャンネルのコーン紙が潰された痕があり、ときどきビリツキが出ます。センターがズレているので修復が必要です。仕方ないので、スーパーケルビムの補修用にストックしていたFE88ES-Rを使うことにしました。

 このユニットもジャンクですが、ジャンクの理由はマグネットの背後に接着された巨大な鉛にあります。この鉛が邪魔で重く、普通のバッフルに取り付けることができません。今回も空気室の奥行きが15ミリも足りないので、ノコギリで鉛を切り落とすことにしました。ちょうど接着面が見えていたので、接着剤を削る感じで作業を進めたら1時間ほどで出来ました。鉛の部分を切っていたら半日はかかったでしょう。



 今回はデザインにも凝っているので、ユニットのフレームの厚さを隠すように、バッフルに5ミリ厚のコルクを貼ってみました。正確に切り抜いてからボンドで接着です。バッフルを接着して乾燥途中なので、まだFE88ES-Rを両チャンネルに取り付けた音は聴いていませんが、見栄えはなかなかのものだと思います。

 本当は試聴会でも披露したかったのですが、嫁入り先に送るのが明日なので不可能です。もっとも、ユニットはジャストフィットしているわけではないので、取付孔はFE103やFF105WKと同じです。そのうち新製品でフィットするものが出たら、そちらに交換できるように考えてあります。

 FE88ES-Rは特殊なユニットで、中域が張っているのでボーカルに強いです。おそらく、ジャズファンが設計したのでしょう。この中域とホーンの低域をバランスさせるのが難しいのです。6N-FE88ESは艶やかで繊細でクラシック向き。スーパーミカエルに採用する予定のFE103En-Sは万能型で癖がなく、シュルツが吹くフルートの息継ぎを一番良く再生します。レコーディングエンジニアは聞こえたらまずいのでしょうけど。

 なお、コルクを貼る前はスワローズが初回から3回までに5失点。作業をしているうちに徐々に反撃。片方のバッフルを接着して完成したら9回裏に2アウトランナー無しから同点の奇跡。もう片チャンネルのバッフルを貼りつけていたら、11回裏にサヨナラ勝ちしていました。このミカエルも何か持っていますね ホルホル。

      エフライム工房 平御幸
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミカエル マッチングテスト

2011-06-11 22:20:24 | スピーカー工作
 昨年の夏に作ったミカエルですが、当時は強力ユニットの手持ちがなく、3機種とも別のユニットで作り上げました。名古屋での試聴会で読者のミカエルと再会するので、事前の用意として改めてマッチングテストを行いました。

 テストに使ったのは新作のミカエルですが、釘を使っていないのと、ホーンの仕切り板や底の階段などの角を丸く仕上げています。また、ホーンを構成する板もラワン合板ではなく、シナ合板で柔らかくなっています。このような変更があるので、オリジナルよりはしっとりした上品な音になっていると思います。悪く言えばパワーが足りないかもしれません。

 今回テストしたユニットは、スーパーケルビムのFE88ES-R(8.5センチ口径)と、ケルビムの6N-FE88ES(8センチ口径)と、スーパーケルビムのセカンドユニットFE103En-Sです。ミカエルは製品寿命の長いFE108EΣとベストマッチングですが、これらの高級な限定品とのマッチングテストは初めてです。


FE103En-Sを取り付けてテスト


 結論から言えば、FE88ES-RとFE103En-Sは箱が負けています。低音が締まり過ぎで不足気味。中高音のキレに低域が付いてきません。板厚を15ミリにして、奥行きも5センチほど深くした大型化が必要です。やはり、この二つのユニットはスーパー用なのです。スーパーミカエルに使いたいところです。

 その点、6N-FE88ESは最もバランスが良く、ケルビムの繊細さや艶やかさを彷彿させます。しかし、ケルビムは点音源再生の強みで音場感に優れ、モニター的な落ち着いた音で性格が違います。ミカエル+6N-FE88ESは、バッフル面積が大きいのでロック向きの迫力に優れ、少し余分な音が出ますが乗りの良さがあります。それでもロックには少し上品すぎますが。

 僕が作るスピーカーは上品な音が特徴で、もう少し下品な音で迫力満点というスーピーカーも作ってみたいと思うこともあります。小音量でもボケないので、深夜にクラシックを聴いても不満は出ません。今回も、テストだということを忘れて聴き惚れてしまいました ホルホル。

 実は、試聴会の会場で、読者のミカエル零号機のユニットを強力型に変更するつもりでした。でもマッチングテストの結果、同じ取付孔の寸法で使えるFE103En-Sは低音が締まりすぎます。改めてスーパー版を作り直して、零号機改として使ってもらおうかと思っています。でも奥行きが深くなるから、設置できる余裕が必要ですが。

 なお、関西圏で試聴会の予定は当分ありませんから、名古屋に来られる圏内の人は、是非とも参加してください。文字通りの福音を聴く心構えが必要です。試聴会とは方便であり、その実は選ばれた者の果たすべき公務なのです。僕が生命をすり減らして作るスピーカーは、そう滅多に聴けるものではありません。

      エフライム工房 平御幸
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケルビム三兄弟

2011-05-24 23:40:33 | スピーカー工作
 ケルビムジュニアの片方が出来たので掲載します。


左からケルビムジュニア、ケルビム、スーパーケルビム

 ケルビムシリーズは作るのに集中力を必要とし、命を削っているかのように疲れます。禊(みそぎ)の意味である「身を削ぐ」を実践しているから、色々と不思議なことも起こるのだと思います。

 ジュニアは首が長くて、スロートからネックへの音道の広がり方が理想に近いです。ケルビムは10センチ、スーパーケルビムは15センチは伸ばしたいのが本音です。ジュニアは理想に近い広がり方をするので最も癖が少なく、チューニングの必要を感じさせません。

 板が9mmと薄く、そのために余分な音は出ますが、よく出来た楽器のように柔らかな響きが特徴です。ジュニアからケルビムに換えると、余分な音が出ないので透明感が出ますが、むしろさっぱりし過ぎでものたらなく感じられることもあります。ケルビムとスーパーはモニターなので、良い録音でなくては真価を発揮しません。ジュニアには、弦楽器やソプラノに艶を付け加える魔力があります。

 マリア・エステル・グスマンのアルハンブラ宮殿の思い出は、直接音の多い収録のために再生が難しいのですが、ジュニアで聴くとコンサートの柔らかい音に近くなります。低音がケルビムやスーパーに敵わない以外は、音楽性では最も優れていると思います。

      エフライム工房 平御幸
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーケルビム完成

2011-03-05 19:31:42 | スピーカー工作
 春のクラシック前哨戦が始まりました。今日は、昨年の最優秀2才牝馬のレーヴディソールが、桜花賞トライアルのチューリップ賞を圧勝し、明日は、僕が一押しのターゲットマシンが、皐月賞トライアルの弥生賞に出走します。持ち時計がないのが心配ですが、ここで差のない競馬をすればダービーへの展望が開けます。

 今年はヨセフの年なので、ヨセフに関する数字の7や11が注目されますが、7日から11号室のリスニングルームが使えるようになります。僕が日程や部屋番号を決めたわけではなく、大家さんの都合でそうなったのです。明日はエアコンなどの最後の工事が入るのですが、読者の応援でカーペットを敷き、本棚を設えて、テーブルなどを物色する事になっています。今日は、出来立のスーパーケルビムを仮設置し、何もなくてライブ過ぎる部屋ですが音出しをしてみました。



 今回の設計意図の中に、88鍵盤のピアノの音域をカバーするというプランがあり、そのためには35Hzを再生できなくてはなりません。ケルビムよりも少し低域再生限界を伸ばし、しかも量感を感じさせるためには、音道の全長はより長く、開口面積も大きくしなくてはなりません。このような設計の場合、迫力やスピード感は後退しますが、聴き疲れのしない深々とした音場が期待できます。

 家具や人間を含む吸音材が足りないライブ過ぎる部屋では、部屋の反射特性のために間接音が多くなりすぎます。その結果、音像が散漫になったり、低域がブーミーになったりします。しかも、アンプが自作の甘口なので、戸惑うくらいにケルビムやケルビムジュニアと違います。もっとも、作りたてでエージングも済んでいないので、明日には迫力やキレが出てくると思います。

 サイモンとガーファンクルの『明日に架ける橋』を最後に聴いたのですが、スーパーケルビムの力強くて優しい表現力に曲がマッチしていました。これを聴いたら、きっと泣き出す人も出てくると思います。ユニットも88ES-Rで、88鍵のピアノの音域をカバーするスーパーケルビム。着物を着て、襟を立て、首を伸ばし、頭は平。八十八に象徴されるイエスの平らかに成すという精神を形に表したのがスーパーケルビムなのです。

 最初に作ったケルビムは、外宮の弟子のところに行ったので、外宮の象徴。ケルビムジュニアは鶴と亀さんのところに行ったので、六芒星の示す新約と旧約の神を祀る内宮の象徴。スーパーケルビムは、9センチ幅の音道を持つ尻尾の短い鳥なので、九つの木の隹(トリ=尻尾の短い鳥を意味する)を一字で表した「雑」、すなわち伊雑宮を象徴するのです。

 伊雑宮の伊は「ヨセフの妻アセナテ」を表す文字。対して、雑は「ヨセフそのものを表す文字」。ヨセフとアセナテが初代メーソンのヤコブから奥義を授かり、二人で創り上げたのが古代エジプトの古王国。伊雑宮は再臨のイエスを象徴するとともに、ヨセフとアセナテの精神を復活させるための宮なのです。

 スーパーケルビムに使われたFE88ES-Rは、古い上に人気があり、程度の良いものはなかなか手に入りません。それなのに、設計を計画したら未使用品がオークションに出たのです。ケルビムのFE88ESも未使用品でした。ケルビムジュニアのソニーのユニットも未使用品でした。神様が未使用品を取り置いて下さったほど、ケルビムシリーズは神の意志で世に出たのです。

 FE88ES-Rは、ESをイーエスと読んでイエス。そして、Rはリターンの頭文字となるのです。イエスが帰ってくる記念として、スーパーケルビムはFE88ES-Rの型番を持つ、未使用のユニットを必要としたのです。すると、FEは未来を意味するfutureの最初と最後の文字だと分かります。最初と最後で、イエスの言葉「アルパでありオメガである」を表しているのです。

      エフライム工房 平御幸
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーケルビム片方完成

2011-03-02 23:15:08 | スピーカー工作
 ここのところ更新が滞っていますが、それほどまでにスーパーケルビムは作るのが大変なのです。僕の集中力をもってしても、四日で一個しか作れません。それでも、方チャンネル分が一応出来たので、とりあえず写真を載せます。



 一応とことわるのは、実はネックがポストに全部刺さっていません。ヘッドも底板は嵌め込んだだけで、最後には接着が必要になります。何故このような状態なのかというと、あまりにも裁断がピッタリ過ぎて、一度嵌め込んだら二度と抜けなくなるので、抜けやすくて強固な塩梅を探っているからです。ネックはあと4センチは深く挿し込む予定です。

 肝心の音ですが、さすがに最強ユニットFE88ES-Rで、これに比べたらケルビムもケルビムジュニアも霞んでしまいます。ナレーションの声はリアル、音像は極度に小さく、どんなパートも分解してみせるので、他の機器ではヒステリックなソースでもきつくなりません。もっとも、僕の自作のアンプとの組み合わせなので、ケルビムもジュニアも同じアンプなら印象は異なってくると思います。

 マリア・エステル・グスマンの『アルハンブラの思い出』は、普通の機器では、演奏が始まって約15秒のところがやかましく感じます。僕の自作のアンプは、ここを見事に分解するのでうるさくならないのですが、スーパーケルビムも見事に分解してみせるので、相乗効果で実にさりげない演奏に聞こえます。スピーカーを意識させない自然な佇まい。これがスーパーケルビムの最大の特徴です。

 しかし、まだ立て付けがおろそかなのに加え、軟弱なレコードプレーヤーの上に置いているので、低音はジュニア並みにしか聞こえません。ユニットのエージングも進んでいないし、本領発揮には程遠い段階なのですが、新しい部屋に置く頃には真価が発揮されると思います。

 とにかく、大きくて誰にも薦められるシロモノではありませんが、ケルビムとは次元が違うスピーカーなので、置く場所があれば是非とも作って欲しいと思う出来栄えです。ユニットは鉛付きのやつがまだありますから、読者の誰かが手を挙げるだろうとは思います。

      エフライム工房 平御幸

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーケルビムの設計

2011-02-06 23:16:12 | スピーカー工作
 ここ数日は、機械音痴に悩まされながらもスーパーケルビムの設計と板取に集中して、残すは板取に数字を入れるだけになりました。今回はベニヤ2枚と1/4で、幅も33㎝、奥行き40㎝と大きく、高さも105㎝(2神聖キュビト)もあります。

 高さが2神聖キュビトというのは拘(こだわ)ったわけではなく、バランスの良さを考慮したら、首がケルビムの45㎝から50㎝へと長くなり、その結果として全高が決まったのです。下のキャビネットは40㎝四方の側板と決めていました。音道は9㎝幅で、板厚も15ミリと、僕としては厚めの設計です。

 使うユニットは、最強と呼ばれる8.5㎝口径のFE88-ES-Rと、10㎝口径のFE103En-Sを想定しています。今回は、FE88-ES-Rという化物ユニットを初めて使うことにしました。コーンを張り替えたリコーンのユニットが手に入ったからです。化物というのは、一回り大きな10㎝口径の限定版よりもマグネットが大きいからですが、ユニットの裏に鉛の塊が貼り付けられているので、重量としても化物なのです。それが15ミリ厚にした理由です。

 今回は注文品ではないので、僕が来客用に予定しているリスニングルームで使う予定です。配置的には部屋の短辺の窓際に設置しますから、ほとんど真西を向く格好です。ケルビムとケルビムジュニアの性格が引き継がれるのですが、そのパワーは数倍の威力だと思います。設計段階でも疲れましたが、僕の今の体力では作ることの難しい、そういう厳しさを持ったスピーカーです。製作は、体力の回復する1週間後くらいからでしょうか。

 今後の予定ですが、フィリップス(オランダ)の16㎝ユニットを使ったバックロードホーンを予定しています。ユニットは非力ですが、フィリップスの録音と同じく独特の音楽性があります。非力なユニットに合うように、巨大にならない大きさを想定しています。

 それから、古代史の最初に画像で紹介している、1インチ口径の超小型バックロードホーンを再設計したいと思います。このスピーカーは、ミカエル型の雛形になった試みのミカエルと呼ぶべきもので、奈良の大仏を造る前に試みの大仏を作ったような位置付けです。10年前に作ったときは6ミリ厚の板があったのですが、今は5.5ミリ厚の板しか無いので、採寸して設計し直したいのです。

 昨日今日と、京都ではディープインパクト産駒が怒涛のラッシュ。牡馬トーセンラーと牝馬マルセリーナがクラシックへの前哨戦的なレースに勝ちました。特にトーセンラーは古代エジプトの太陽神ラーを名前に持つ、僕の古代史直結の名前です。来週の東京ではダノンバラードとサトノオーの二頭が激突。ディープの子供が活躍すると競馬は盛り上がります。

 なお、エジプトの騒乱を他所に、古代史でも紹介している『ヒエログリフ入門』を二冊もゲットして計三冊。教文館『旧約・新約聖書大辞典』は松戸の読者に最初に開く権利を与え、『ヒエログリフ入門』も貸し出しが出来る体制になりました。ヨセフの11を記念する年ですから、今年は何かとエジプトが注目されます。

      エフライム工房 平御幸
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケルビムジュニアの革命的な音

2011-01-19 18:44:57 | スピーカー工作
 ケルビムジュニアは片方が完成し、ユニットを取り替えながら視聴しています。最初は共鳴音で癖っぽかったのですが、ボンドが乾いたら癖はなくなり、艶やかで高品位な音楽を奏でています。

 93年の発売で、カネゴンという愛称で知られたソニーの卓上型のオーディオシステムSRS-N100は、独自のバイオセルロースマイカという振動板を使った風変わりな製品でした。このスピーカーのコーンは青くて美しいものでしたが、当時はシステム全体がキワモノのイメージが強く、余り評価されなかったようです。しかし、このユニットは傑作です。

 ケルビムジュニアの設計が進んだ段階で、問題のユニット選定という事になりました。問題というのは、想定した5センチサイズのユニットは高級品がなく、台湾かフォステクスなどのローコスト品で我慢しなければなりません。それで、ストロークが取れないので低域は出ませんが、金がかかっているメーカー製のスコーカーも使える設計となったのがケルビムジュニアです。メーカーの技術者も自作マニアも、誰一人としてチャレンジしていない、スコーカーのバックロードホーンへの採用。そういう意味で、ケルビムジュニアは革命的なのです。

 肝心の音ですが、ソニーのバイオセルロースは傑作です。ヴァイオリンやギターなどの弦楽器は艶やかで繊細。チェロは低音が50Hzまでしか出ないのでやや不足感を感じますが、余韻が色気たっぷりに消えてゆく様は格別です。ソプラノは透明で艶やか。女性のナレーションも息遣いが魅力的に聴こえるほど。スーパートゥイーターで超高域を補いたい感じもしますが、高域も良く伸びている方です。

 青いコーンはソニーのバイオセルロースマイカ振動板

 対して、ビクターのファインセラミックのスコーカーを使用した方ですが、能率が高い割に落ち着いた音で、嫌な音や余分な音を出さないという、真っ白なユニットの顔付きとは違ったイメージで戸惑います。高域は不足なのですが、音の品位が高いのであまり気になりません。エッジやダンパーが硬いのだと思いますが、低音はソニーのバイオセルロースよりも出ません。それでも58Hzまでは出ているので、小音量で聴く深夜なら、交響曲やピアノでも不足感はありません。スーパートゥイーターとスーパーウーファーを追加すれば、モニター用としても文句なしです。

 真っ白なコーンはビクターのファインセラミック振動板

 パイオニアのボロンチタン振動板も試してみたかったのですが、フレームが特殊で丸穴だけでは取り付けられません。面倒なので暇なときにチャレンジしてみます。それにしても、中域専用のスコーカーでバックロードホーンは心配でしたが、予想よりは低音も再生するし、ボイスコイルが底を打つ感じもありません。小音量で使う分にはスコーカーは大丈夫だと分かりました。

 23日には稲城の公共施設を借りて試聴会です。キャパの割に人が少ないとどうしよう、と心配する前にケルビムジュニアのもう片方が完成するか?ケルビムジュニアの他に、ミカエル初号機と、A4サイズのミニミカエルが共演します。ミニミカエルと同じ5センチユニットなので、ケルビムジュニアの五倍近い体積差と長いホーンロードという設計意図が理解されると思います。

 なお、ケルビムジュニアは、ヴァイオリンを弾く娘さん用にとの岸和田からのリクエストだったのですが、ドンピシャのタイミングでソニーのユニットが手に入ったのも驚きです。出品者は補修用のストックと言ってましたから、もうしばらくは出ませんね。また、読者からのリクエストがあれば設計しやすいと分かりました。次は二回り大きなスーパーケルビムと決めていますが、使えるユニットの選択肢が広がったので、ケルビムジュニアのバリエーション化も計画しています。

      エフライム工房 平御幸
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オカルトスピーカー~その2

2011-01-15 09:55:26 | スピーカー工作
 前回のオカルトスピーカーでは、肝心なことを意図的に抜かして書いていました。そもそも、オカルトスピーカーの存在を知ったのは、ある人のメールに書かれていた(おそらく絶賛)からですが、その返事で次のように書いています。

「弦楽器の場合、弦は横波振動で、これだけでは音になりません。それで筐体に駒を介して弦を連結し、横波を縦波に変換して音にしているのです。寺垣氏の実験は、縦波への変換効率を上げるには、平面よりは曲面が良いというだけのものです。」

 このように書くと難しいと思われるかもしれませんが、要するに寺垣理論の波動とは、小学校でやる糸電話と同じ原理なのです。あるいは、レールや橋の欄干を叩いて、遠くで耳を当てれば聞こえる現象です。寺垣氏は、糸の代わりにカーボン製のゴルフクラブを使っただけなのです。この現象に必要なのは、糸電話の場合は張力であり、カーボンや鉄の場合は固体なので強度や粘度というファクターとなります。

 スピーカーのコーンは、前後運動による空気の粗密で縦波を発生させ、それが音として聞こえます。しかし、コーンの設計に音速という概念があり、ボイスコイルに加えられた力がコーンの中心から外縁に到達する時間を問題にします。この反応が早ければ早いほど、音圧発生において内側と外側の時間差がなくなります。差が大きくなると、内と外が団扇のように逆位相で動くようになります。これでは信号が打ち消しあったり、逆に強調される異常振動となります。

 しかし、先の糸電話理論(馬鹿馬鹿しくて波動理論とは言えない)では、コーンも横波を伝達する媒体として認識されます。前後のピストン運動は縦波を発生させますが、同時に糸電話作用で横波も発生させているのです。この横波は、エッジからフレームを伝い、最後にはキャビネット全体を振動させます。たとえエッジレスにしても、磁気回路からフレームを伝ってキャビネットを振動させるのです。

 ホタテ屋さんのミカエルはユニットがFE126Eですが、この製品はフレームが安物の鉄板です。そのせいかは知りませんが、高域に金属的な響きがあると指摘してきました。おそらくはフレームが鳴いているのです。粘土タイプのエポキシで補強すれば改善されると思います。

 このように、スピーカーはコーン自体に横波を伝達する作用があるのですから、わざわざ何百万円もかけなくても、寺垣氏の糸電話理論によるキャビネットの共振は可能なのです。ただし、分割振動は悪で正しいピストンモーション帯域だけを使うという、実に技術者らしい考え方も昔からあります。日立のメタルコーンや各社の平面振動板が全盛だった頃は、ウーファーやスコーカーやトゥイーターというユニットが帯域分割を受け持つので、3ウェイは当たり前で、中には5ウェイのシステムも存在しました。

 先に、横波は音が聞こえないと書きましたが、弦楽器も弦を裸で弾けば少しだけ縦波を発生させます。しかし、弦楽器は横波を駒を介して胴に伝えて縦波振動を励起するのです。横波の中では例外的に、鞭のように先端速度がマッハ(音速)を越える事で、衝撃波を発生させる場合があります。サーカスの猛獣使いの鞭がパーンというのは、叩いている音ではなくて、鞭の先端が空気を切り裂くときの衝撃波なのです。ジェット戦闘機と同じです。

 実は、FE206Eのように、ダブルコーンと呼ばれるスピーカーユニットがあります。コーンのボイスコイルに小さいサブコーンを張り付けたものです。サブコーンはホーンとして働きますから、高域を補う効果があります。また、メインのコーンとの間で位相補正に働く場合もあります。しかし、サブコーンはエッジを持っていないので、鞭と同じように、先端スピードが極端に上がるのです。これが、サブコーンを持っているユニットは音離れが良いとされる理由です。

 このサブコーンの特性を生かし、シングルコーンの小口径フルレンジをエッジレスにして実験したことがあります。その時はダンパーも1/6だけカットしたのですが、コーンはふらふらで、息を吹きかけると動くのが見えます。エッジがないのでドーナツ型に穴が開くので、脱脂綿を裂いて、裂き口のケバでエッジを支える感じで塞ぎました。ところが、このユニット(FE87)を取り付けた超小型バスレフは音が良かったのです。パワーは全く入りませんが、音の自然さでは今でもナンバーワンだと思っています。

① 軽く息を吹きかけただけでコーンが動くほど反応が良い
② エッジレスなので、コーン周辺の先端スピードが上がる(鞭の理論)
③ 小口径なので音場感が良い

 などなどの理由はありますが、バックロードホーンに入れるために和紙エッジを貼ったら、随分と平凡な音になりました。また、画用紙でラッパを作ってエッジレスのユニットの前に取り付けたことがあります。その時も、音が前に出てくるので驚きました。どうも、メーカーのスピーカー理論は欠陥だらけのようですね。

      エフライム工房 平御幸

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オカルトスピーカー

2011-01-14 01:20:25 | スピーカー工作
 更新が滞っていますが、スピーカーの設計・製作とは別に、引越しの話が持ち上がっていて、23日の試聴会を前にして超忙しい感じです(心理的に忙しいだけ)。引越しについては決まってから書こうと思ったのですが、ほぼ決まったので報告してもよいかなと判断しました。今回は広いスペースなので、冷蔵庫や電子レンジも置けます。詳しくは引越しが終わってから書きますが、選挙に出るわけではありませんが引っ越し祝いのティーパーティーを予定しています。

 スピーカー製作は、ケルビムジュニアのあとでスーパーケルビムを予定していますが、バックロードホーンは楽器であるとする自説について解説しておきたいと思います。どうも、ちまたではオカルトスピーカーが幅を効かせてきたようですし、そういうものを撲滅するためにも正しいスピーカー理論は必要不可欠です。

 オカルトスピーカーと言えば、あの蛆テレビの小倉智昭が番組中で絶賛したとされる、エムズシステムの波動スピーカーが代表です。丸めたダンボールの両端に、フォステクス製のローコストユニットを取り付けただけで十数万円というぼろ儲けの値段。こんなのを買う馬鹿が居るんですね。小倉智昭というだけで、胡散臭さがスカンク並みです。コストだけならば、弟子や徳島や愛知の小ミカエルと変わりません。

 オカルトスピーカーの二つ目は、寺垣波動スピーカーと呼ばれるもので、どちらも波動という言葉で騙すテクニックです。読者の中にもころっと騙されている人がいるかも知れないので、波動スピーカーの原理を解説します。

 寺垣氏が原理説明に使うのは、オルゴールとカーボン製のゴルフクラブと薄い紙や下敷きです。動画のコメントに次のような事が書かれていました。

“寺垣さんが私たちにオルゴールに繋いだ炭素棒と、その先に紙を押し当て、振動ではない音(物質を伝わって伝播する物質波)が出ること実験してみせてくれます”

 この説明で分かるように、オルゴールの振動がゴルフクラブを伝い、ゴルフクラブが曲げた板を響かせているのです。ですから、普通のスピーカーユニットの原理と全く変わりません。スピーカーユニットの原理とは、コイルを巻いたボイスコイルが磁界の中に置かれ、電気信号が加わったときに前後運動するエネルギーを振動板に伝える方法です。

① オルゴール=ボイスコイル
② ゴルフクラブ=ボイスコイルを巻いた筒(あるいはボンド)
③ 湾曲した紙や下敷き=振動板

 板を曲げると音の放射効率が良くなるので、弦楽器は曲面多用なのです。このような構図ですから、波動スピーカーは新しくもない言葉遊びだけの理論だと分かります。異なるのは、寺垣スピーカーやエムズシステムはキャビネットを振動板の延長として積極的に鳴らすことにあります。キャビネットが振動することで、無指向性に近い音が放出され、弦楽器と同じような音場感が得られるのです。氏が言うような、横波による音波の伝達などではないのです。第一、横波は聞こえないのですから。また、振動ではない音はこの世に存在しません。

 キャビネットを鳴らすということは、必然的に高域が伸びないことになります。高域を伸ばすにはヴァイオリンより小さなキャビネットにしなくてはなりません。逆に、低域を伸ばすには、コントラバスのような巨大なキャビネットが必要なのです。一台のキャビネットで、低域も広域もと欲張ると失敗します。高域が伸びないから、寺垣スピーカーは周波数特性を公表できないのです。

 鈴虫やセミの発音原理は、羽をこすり合わせて羽を振動させる鈴虫と、腹を振動させて音を出すセミとでは少し違います。鈴虫は弦楽器と同じ発音原理ですが、鈴虫は開いた羽でホーン効果を生み、セミは腹の空洞共振で音を増幅させます。音の増幅原理から見ると、セミは弦楽器に近く、鈴虫は管楽器に近いのです。

 僕が自分のバックロードホーンは楽器であるとする理由は、キャビネットを盛大に鳴らしているからではありません。キャビネットを盛大に鳴らすのなら、往年のアルテックの巨大同軸スピーカーでも良いのです。では、バックロードホーンは楽器とどのような共通性があるのか?

 実は、バックロードホーンは空気室とスロートというものがホーンの前に付いています。これが共鳴管との大きな違いなのです。でも、空気室とスロートの必要性について理解している人は極めて少ないのです。理解していなくても、体験的にあったほうが良いと帰結するので、空気室とスロートは勘所で設計されるのです。

 しかし、スロートというのは、単にラッパの吹き口というものではないのです。というのも、空気室から出る音波は、空気室内で反射して、波形が入り乱れた汚い状態でスロートに向かいます。ところが、スロートは面積が絞られているので、ここで音波が通りやすい状態に変化するのです。日本人は整列乗車が好きですが、音波も整列乗車が好きな性質を持っているのです。要するに、音波はエネルギー効率のよい方に向かうのです→こちらのサイトで仮想実験汁。

 この結果、スロートを通過した音波は波形が整理され、極めて綺麗な波形として管の中を進みます。そして、広がる管の途中で波形が乱れても、次に抵抗が大きくなる箇所でまた整列に向かうのです。ですから、スロートや管の途中の抵抗の大きい場所は、一種のフィルターとして働いているのです。フィルターで漉された綺麗な音波が広がった管から放射される。だから、バックロードホーンは音が澄んでいるのです。

 このように、バックロードホーンは高効率のフィルターを持つトランスデューサー(変換器)でもあるのですが、構造が複雑であることから、板厚や素材などの構成要因の少しの変化で音が大きく変わります。温度や湿度の変化で響きの変わる楽器と同じなのです。もちろん、演奏家の腕と同じように、セッティングや使うユニットとのマッチングも大切になってきます。

 バックロードホーンは楽器である。とんでも理論でオカルトスピーカーを作った寺垣氏がドン・キホーテなら、この世にドン・キホーテを愛する人間がいるように、彼の作品も存在価値はあるのかもしれません。でも、何百万円もかけなくても、楽器のような音場感を持つスピーカーはいくらでも作れます。僕は、騙す方にも騙される方にも関心はありません。騙される人は、きっと自分の耳に自信がないんでしょうね。

      エフライム工房 平御幸
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケルビムジュニアの設計

2011-01-09 12:49:07 | スピーカー工作
 ようやくケルビムジュニアの設計が完了し、昨日は板の裁断を注文してきました。でも、まだまだ試行錯誤の直中にいます。

 今回のポイントは、5センチユニットを使うという意味では、09年のクリスマス前後に設計したミニミカエル(いつの間にか命名されてた)と同じですが、実はユニットにスコーカーを使おうかというプランがあります。5センチユニットは台湾のタンバン製を主に使ってきたのですが、音質的に最高という訳ではありません。繊細さとか品位とかが、ケルビムのFE88-ESに比べて物足らずです。値段が数倍も違うので仕方ありませんが。

 そこで、白羽の矢を立てたのが、メーカー製の3ウェイ機に使われるスコーカーやワイドレンジトゥイーターです。特に、日立のHS-400に使われたMH-35というトゥイーターは、振幅も大きくて下のレンジから使えそうです。でも高価なので手が出ませんでした。それで、ハイファイスピーカーとしては世界最小サイズ(当時)のHS-01に使われた、5センチフルレンジを手に入れました。綺麗ならプレミア価格のスピーカーですが、極めて安く手に入れられました。

 そして、最初の構想のように、フルレンジで使えそうなスコーカーも物色しました。スコーカーはエッジが固く、振幅が取れない設計なので、低域をコンデンサーでカットしないと焼き切れたり破損しやすい構造です。振幅が取れないので低域も期待できないのですが、バックロードホーンで補えるかがポイントになります。

 スコーカーやトゥイーターはユニットの裏が密閉されているものが多いのですが、マグネットの後ろのプレートに穴が開いていて、その穴から振動板が見えていればホーンに繋げます。今回入手したビクターパイオニアのスコーカーは、どちらも穴が開いていて、しかもフレームの横からも振動板が見えているので、ホーンを駆動する振動板面積としては十分です。

 二つのユニットですが、エッジとダンパーが硬いのでQが高く(共振しやすい)、どちらも裸で鳴らしても声が自然です。市販のフルレンジはエッジやダンパーがふらふらしている(Qが低い)ので、裸で鳴らすと低域成分が全く出ずにカーカー、コーコーという声になります。Qが低いユニットは、密閉したキャビネットに取り付けると、空気バネ効果でQが高くなり、低音が出るようになります。

 今回入手したスコーカーのうち、ビクターのはファインセラミックという振動板です。セラミックなので真っ白なのです。対して、パイオニアの方はチタン・ボロン振動板で、セラミックとは違いますが強度はやはり大きいユニットです。音楽がデジタル化された当時は、振動板は硬ければ硬いほうが良いとされ、メーカーはこぞって新素材競争に突入したのです。これが今の日本を支える、「素材技術の日本」の下地になっています。

 マニアックなオーディオファンと、それに呼応するメーカーが新素材や新構造を模索した80年代があったからこそ、日本は今も技術大国でいられるのです。特に、セラミックとカーボンは、スピーカーで成形技術を発達させた感があります。スピーカーは、最新技術の指標であり、そして集大成でもあるのです。それがオーディオ不況で消えたのですから、日本にとって大きな損失です。

 音ですが、ビクターのファインセラミックは高域がおとなしく、トゥイーターが欲しくなる感じですが、全体でも品の良い落ち着いた音を奏でます。対して、パイオニアのチタン・ボロン振動板はキレがあり、高域まで伸びているのでトゥイーターは必要ないくらいです。フルレンジで使うならパイオニアですが、フレームが大きいので、キャビネットで苦労しそうです。

 ということで、日立のフルレンジが届いたら、にらめっこ(面接)と音で判断し、使うユニットを決めたいと思います。

 なお、昨日の中山競馬場で、一押しのターゲットマシンが強い勝ち方をし2戦2勝。ダービーへの本命は揺るぎないです。今日は京都でシンザン記念。こちらも桜花賞に一押しのドナウブルーが出るし、明日の中山のフェアリーステークスもイングリッドが出ます。この三頭以外にも、ディープインパクト産の期待馬はいますから、2才リーディングサイヤーとなったディープはさすがですね。

      エフライム工房 平御幸
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケルビムの図面更新

2010-12-24 13:27:55 | スピーカー工作
前にアップしたケルビムの図面を更新しました(現在は公開を停止しています)。

①ケルビムの板取の中で一部間違いがあったので修正しました。

②板取をベニヤ2枚で収まるように改善しました。

③音道を構成する板に赤字で番号を振りました。36番まであります。

④底板を二重にできるように、板取に追加しました。パーツは片チャンネル43個です(隅木は除く)。

リンク先から保存したら、板取図は画像編集ソフトで90度回転させプリントしてください。次に、音道を見ながら板取に番号を書きこんでください。ハンズなどで裁断を頼むときは、番号を書きこまないで、プリントしたままのものを使ってください。余計な書き込みは裁断間違いの元です。

組み立ては、板の番号順が大まかな指針です。下部キャビネットから作ったほうが、ボンドの乾燥などの作業工程で有利なのです。

図では吸音材を書いていませんが、ヘッドの場合は、サイド2面、リアバッフル、天板、の四カ所と、下部キャビネットの底で赤字の2の場所に、7センチ方のグラスウールなどを1センチ厚程度に貼ってください。ヘッドの天板と下部キャビネットの底で音が反射するのを防ぎます。僕は白いペットボトルリサイクル品を使いました。

長大なネックの中に、30センチの補強板が貼りつけてあります。これは音道の断面積を小さくする効果もありますが、音道の幅の7センチ以下で構わないし、長さも少し短くても構いません。余り板を想定しているので、幅は5センチ前後で良いと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペリシテとの戦い

2010-12-09 02:51:05 | スピーカー工作
 小沢城址と菅仙谷なかよし公園の事を書いたら、稲城での試聴会が、ダビデとペリシテ人の戦いの様相を呈してきました。SNSの方で詳しいのですが、稲城の読者が周辺事情を調べ、ジャイアンツ関係施設がゴリアテだから、小沢・菅仙谷はペリシテ人に相当すると書いています。

 時はまさに12月の12日。何やら最終決戦にふさわしい日付です。参加する読者の中に、ハンドルが穴穂という、稲城に加勢する目出たい名前。米で象徴されるイエスの代理戦争ですね。僕の方も、6N-FE88ESというユニットが間に合い、ハンズでカットしておいたサブバッフルに取り付けて交換完了。ついでに、コーン保護用のネットも取り付けることにしました。一回り大きい10センチ用のネットで、フレーム全体を覆う感じです。幅もピッタリでした↓。



 ケルビム型バックロードホーンは首が長いので、運搬を考慮して、首の付け根から取り外しが出来るようになっています。もっとも、ユニットやヘッドの相性が悪い時を考慮し、下のキャビネットを活かす交換式にしたのですけど。結果的に、今度の6N-FE88ESがジャストフィットして交換する必要がなく、あとで接着すれば強度も増します。



 6N-FE88ESの6Nは、コイルに使われる銅線が99.9999%の純度という意味です。9は救世主の象徴数で、88は八十八でイエスとヤハウェを表します。ダビデはイエスの雛形の一人ですが、石を唯一の武器とし、剣や槍を用いない救いの雛形を示した人です。ダビデの意味は「幸いなる者」とされていますから、僕も稲城の戦いにふさわしいのです。

 6N-FE88ESに交換しての音質ですが、ホーン臭さがなくなり、透明で繊細で艶があり、良く伸びた低音とバランスが取れています。高域の自然な伸びと切れは一級品で、細かい音を再生するので、ため息やオケの雑音などがリアルに伝わってきます。今まで聞こえなかった音が聞こえてくるので、聞き飽きた曲でも新鮮な発見があります。

 欠点として、試聴ポイントが一箇所に限られ、頭を振っただけで楽器の位置が変化します。アバウトな定位が無いのですが、試聴ポイントが合えば、楽器の位置が分かり、音場は広大に広がり、ホールの奥行きや高さも感じられます。もっとも、そういう音楽ソースは少ないですけど。

 試聴会は日曜日の午後からですが、天気予報も晴れのようです。清水の舞台から飛び降りて捻挫し、「今日も致命傷で済んだニダ」という覚悟で手に入れたユニットですから、弟子の部屋ではユニットを汚す油料理は厳禁と申し付けてあります。焼肉やタコ焼きはホットプレートではなく、台所で換気扇をフルに回して調理しろという事です。当然、来客のタバコもジェッタイにダメです。それから窓からの紫外線もダメ。紫外線焼けでエッジが硬くなります。と書きながら、自家用に自分用も作りたいのが本音です。でも置く場所がないので諦めですね。太宰ではないですけど、聖諦の心境です。

      エフライム工房 平御幸

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケルビムの片方が完成

2010-12-02 00:28:17 | スピーカー工作
 ケルビム型バックロードホーンも、ようやく片方が完成。とは言っても、左右のホーン開口の間の、7×33.8センチの矩形部分は、板が足りないので嵌め込んでいません。凹んで見えるので、余った板のカットを注文に行かなくては。また、ミスドのポイントが貯まるニダ ホルホル。



 二つ目の問題点は、試聴用に取り付けたユニットは、一回り大きいスーパースワン用にストックした限定品(FE103En-S)で、能率が高くて低音が締まっているのでハイ上がりになります。実際、聴感上でも低音がやや不足、高域が伸び過ぎてバランスが今ひとつです。やはり、設計時に想定したFE103EnかFE108EΣ、もう少し小型のFE83Enならバランスがよくなると思います。

 限定品のFE103En-Sは、秋葉原でもとっくに在庫がなく、たまたま1組だけ倉庫にあったものでした。ちょっと高価ですが、スーパースワンを知らないと評論(ヲイ!)家として潜りだしー、オークションでも高く売れるからと泣く泣く買ったものです。このユニットだと、ミカエル型でギリギリ使えるかなという印象ですが、本当はミカエル型よりも半まわり大型が良いはずです。

 ケルビムですが、設計思想とは反対に、低域が33Hzまで伸びています。音道が計算よりも長かったのが原因だと思います。ホーンは複雑に折れ曲がっているので、マラソンコースと同じように、どこを測定ポイントにするかで、測定距離が異なるのです。僕はコースの中央で測定していますが。

 この箱の大きさで低域が33Hzまで伸びているということは、逆説的に量感が足りない事を意味しています。ホーンの開き方をもう少し大きくして、低域は40Hz程度で、量感をアップさせたほうがバランスは良いのです。能率の低いユニットに換えると、高域が相対的に下がるのでバランスは改善します。

 バックロードホーンの設計方法の一つに、管の長さだけで考える方法があります。これだと、ホ短調のバックロードホーンとか、ロ短調のバックロードホーンとかの言い回しをするようです。この設計方法は、随分前の『ステレオ』誌で、テクニクス(松下)のカーオーディオ用バックロードホーンの記事か、フォステクスの技術者のレクチャー記事で見た記憶があります。でも、スピーカーは単一の音調で鳴る訳ではないので、管楽器と同じ理論はどうかと思います。

 ミカエル型とケルビム型バックロードホーンは、ピアノの音が綺麗という共通点があります。メインで使っているボロボロのバックロードホーンは、板が弱くなっているので響きが足りません。その点、桐を側板に使用した二つのバックロードホーンは、叩くとコチコチと気持ちの良い響き方をします。ケルビムは、余った9ミリの板で首を作ったので、そこが文字通りのネックとなって、ちょっとホーン臭さ(共鳴音)と甘さが同居します。読者が作るときは、最低でも12ミリ厚の板で作ってください。

      エフライム工房 平御幸
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケルビムの威力

2010-11-30 22:12:50 | スピーカー工作
 ケルビム型バックロードホーンの途中経過を報告します。画像は、内側の音道を構成した段階と、この音道の両サイドに二つ目の音道を設けたものです。これを側板でサンドイッチすれば下部キャビネットは完成です。首は乗っけているだけで、まだ接着はしていません。先に、ユニットを取り付け空気室となるヘッドを設(しつら)える必要があります。





 実は、この段階で二日ほど放置していました。画像で分かるように、音道のコーナー部分に隅木を入れ、直角ターンを減らすように工夫していたからです。そうしたら、民主党の中井洽議員が秋篠宮殿下に「早く座れ」と暴言があったそうな。そう、ケルビム型は弟子のところ(伊勢)に行く予定ですが、中井蛤(掲示板ではハマグリと呼ばれる)は伊勢のある三重県の選出議員です。選挙区は違いますどね。

 徳島のミカエル型のスピーカーは、徳島選出の仙谷官房長官を狙い撃ちし、見事に失言を引き出しました。スピーカーだから当然ですけど。今回は三重で蛤を狙い撃ち。まだ完成していないのに、ケルビム型バックロードホーンも恐ろしい威力を秘めています。

 町田の東急ハンズに板の裁断を注文すると、いつも二時間くらいは待たされます。それで、近くのミスドに行って時間を潰すのですが、タイミングが合えば、エレーネ・ゲデバニシビリを限りなく日本人顔にした感じの女の子がバイトしています。要するに、ちょっとインド人ぽいのですが、この子がいるときはピコーンが多いように思います。この前も、二重スパイラル方式のバックロードホーンが閃きました。

 スパイラルホーンというのは、巻貝のように音道が内から外へとグルグル巻きに構成されているもので、巻き数が多くなれば(巨大になれば)低音再生限界が低くなります。薄型で設計できるので、壁掛けタイプも可能です。長岡氏のコブラやアナコンダは、床置に首を長く設計したものです。僕は、これをスワンタイプに応用する事を考えていたのです。

 僕が考案した二重スパイラル方式のバックロードホーンは、内側の音道を逆巻にして、外から内に進むに従って音道が広くなる設計です。一つ目の開口が板の真ん中近くになり、ここから出た音は、二つ目の外側音道で通常のスパイラルのように、外に行くに従って広くなる構造です。この複雑な構造が、たった1時間でスケッチできたのです。

 スパイラルホーンは、大きさに比して音道を長くすることが出来、低音が豊かになる特徴があります。これでスワン型ですから、ケルビム型の欠点である、音道の短さを克服した設計と位置付けられます。もっとも、板取はしていないので、実際に効率的な板取が出来るかは不明ですが。

 ということで、ケルビム型バックロードホーンが完成したら、伊勢に直送する前に、東京の稲城でミカエル型と対決する試聴会を予定しています。再来週くらいでしょうか。SNSの方で、試聴会はレポートされると思います。試聴に参加したい読者は、日程が決まったら告知しますので、気軽に参加をお願いします。

参考
【政治】「早く座れよ!」 民主議員が秋篠宮殿下ご夫妻にヤジ…みんなの党・桜内氏が暴露★9
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291119013/

      エフライム工房 平御幸
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする