福地温泉には宿泊客専用の休憩処、舎湯(やどりゆ)があります。
中には囲炉裏があり、足湯もあります。
ここでしばしくつろいでいると宿から準備ができたとの連絡がったので、宿に向かいます。
まずは玄関脇の囲炉裏の間で冷たいお茶が出されます。
お茶菓子は、この宿では毎朝8時から餅つきをやっていますが、その餅にずんだ餡をかけたものです。
この宿の建物は基本的に純和風ですが、この部屋のみ欄間にステンドグラスがついているのがおしゃれです。
「 山里のいおり 草円」には3タイプの客室がありますが、今回はベーシックな草庵の部屋に宿泊です。
草庵の部屋へは、長い廊下を通っていきます。
部屋はこんな感じ。一段高い寝室にすでに布団はセットされています。つまり、呼ばない限り部屋に人が入ることはありません。
居間も充分な広さです。
寝室の裏に洗面台がありますがこれも充分な広さ、他に化粧台もあり、かなり余裕のある造りの部屋です。
そして、この三段の器にお茶菓子が入っています。
中身は、飛騨の郷土料理、なつめの甘露煮、大学いも、寒天でした。
部屋のお茶菓子といえば土産物屋で売っているお菓子がほとんどで、このように手作りの品が出るのはかなり珍しいと思います。
部屋に入った後、早速温泉に向かいます。
「山里のいおり 草円」には3種類の風呂があり、全て泉質が異なります。当然源泉かけ流しで消毒剤添加はありません。
まずは大浴場「福の湯」へ。
「山里のいおり 草円」の建物は平湯川沿いに建てられていますが、大浴場は草庵とは反対側の端にあり、結構歩くことになります。
大浴場のお湯は自家源泉で、お湯はやや茶色の透明、わずかに硫黄のにおいがします。温度は適温で、湯上りにさっぱりする、夏向きのお湯です。
そして、白木と石で造られた半露天の浴場は能舞台のようです。湯量ももったいないくらい豊富です。お湯も空間も贅沢に使った、今までに入ったことのある温泉の中でも最高レベルの風呂だと思います。
続いて、「森の湯」に向かいます。
「森の湯」へは、大浴場へ向かう廊下の途中で建物の外にでて、自然の道を少し歩いていきます。
平湯川沿いの森の中にある露天風呂のみの風呂です。きれいに清掃はされていますが、本当に自然の中にあるため、脱衣場の床には虫がいることもあるので、踏みつぶさないように注意しましょう。ここでは彼らのほうが先住民です。
お湯は共同温泉のお湯を引いており、元が高温のせいか、かなり温まります。夏場は長湯しないほうが良いかもしれません。
三つ目の風呂は貸切内湯付露天風呂。これは草円とは別の建物に三個あり、空いていればいつでも利用することができます。
ここのお湯は、二年前に掘削された自家源泉で、源泉温度は41℃と低めで炭酸を含むため、十分ほど動かないで入っていると皮膚に泡がついてきます。
まあ、九州の長湯温泉のような本格的な炭酸泉ではありませんが、ゆっくり入るにはちょうどよい温泉です。
そんなこともあって、この貸切風呂は非常に人気があるようで、なかなか空いていないのですが、問題は行ってみないと空いているかがわからないこと。
せめてフロントのあたりで空いているか分かるようにしてもらえると、無駄足を踏むことがなくなるのですが。
なお、草円の館内には自動販売機はありません。代わりにこのような水桶が二か所あります。紙に部屋番号と商品を書いて籠に入れておくとチェックアウト時に精算される仕組みです。
この水も冷たい湧き水で、飲んでもおいしいです。
3か所の風呂に入ってくつろいでいると、あっという間に夕食の時間です。
<その5に続く>
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