浅草の木材バカ四代

東京下町・浅草の材木屋。四代目社長日記

新国立競技場の垂木

2022-04-18 00:00:00 | 木の話題

ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁により、ロシア材が日本に入って来なくなりました。

日本で主に使われるロシア材は、ラーチ(カラ松)と赤松です。

ラーチは構造用合板の単板として使われていますが、既に主力は国産のカラ松や杉になっています。

赤松は垂木として使われています。

ウッドショックの影響で、去年の一年間で既に二倍に値が上がっていたところ、さらなる苦境にたたされています。

 

そんな中、たまたま新国立競技場の下にやってきました。

中にはまだ入っていませんが、外周の真下から見上げると、垂木がびっしりと連続して縦格子に並んでいて圧巻でした。

こちらの垂木は国産の杉ですが…。

この外周の軒庇(のきびさし)は47都道府県の木材を使い、その産地の方角に向かって配置してあるそうです。

心憎い配慮ですね。

下からよく見てみると、断面に白いプレートが貼ってありました。

なぜでしょうか…。

材が割れて見た目を損ねるのを防ぐためでしょうか…。

この垂木は加圧注入処理して耐久性を高めてあると聞いています。

プレートを貼ることによって、木材とプレートとの間に雨が浸透し、乾きにくくなるので、かえって木材の劣化を速めてしまうような気がします。

 

さて、10年後にどのようになっているか、楽しみです。

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