浅草の木材バカ四代

東京下町・浅草の材木屋。四代目社長日記

ブナとイワナの関係

2005-07-19 15:37:13 | 木の話題
暑いですねー。
こんな日は川で遊ぶのが一番です。
沢登りをしていると、たまに渓流釣りを楽しんでいる人に出会います。
「よくこんな山奥まで釣りのために登ってこられるなぁ」なんて感心しますが、今回はそんな釣り人が狙うイワナとブナ林の関係について話したいと思います。
木材としてのブナはメジャーな材で、イスや雑貨に幅広く使われています。
林としてのブナも、白神山地が世界遺産に登録されたのをきっかけに一気にメジャーになりましたね。
そのスポンジのような大地の貯水能力は驚異的で、ブナ林に入ると柔らかな酸素と霧のシャワーを浴びているようなよい気分になります。
そんなブナの木につくブナ虫は、イワナの大好物でこの虫が発生するとイワナも大繁殖するそうです。
しかし自然の循環法則はすばらしいもので、ブナ虫が発生するのは三年置きぐらいだそうです。
毎年ブナ虫が発生すれば、イワナは豊作ですがブナ林が丸裸になってしまいますからね。
もう一つ自然の循環法則のすごいことがあります。
それは、ブナが実をたくさんつけるのは数年間隔だということです。
もし毎年たわわに実をつけると、それを当てにする動物が繁殖し、ブナが子孫を残すことが難しくなってしまいます。
間隔を置いた豊作が子孫を残す手立てのようですね。
まさに共生の仕組みです。
これって人間の子作りにも当てはまるでしょうか。
最近日本では少子化が社会問題になっていますが、地球規模でいうと人間の人口は増えすぎです。
自然との共生を考えたら、日本の少子化はむしろ歓迎することなのでしょう。
…と、言いながら今夜も子作りに励んじゃおうかな!?(笑)

ちなみに、最近北陸地方を中心にツキノワグマに襲われる人的被害が増えていますね。
ブナの実はクマの好物です。
台風の影響でブナの実が凶作になり、餌を求めてクマが人里近くに出没していることが林野庁の調査で裏づけられました。
お気を付けください。
コメント
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