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私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

羅漢の里*渓谷の紅葉と巨岩と瓜生羅漢石仏*

2020年11月19日 | 時空を超えて来たものたち

こちらは兵庫県相生市矢野町瓜生に位置する羅漢の里です。
羅漢渓谷に沿って紅葉がきれいでした。
(11月13日撮影)



羅漢の里は、西播磨丘陵自然公園にあり、
バーベキュー、キャンプ、ハイキング、
親子で遊べるアスレチックなど、
自然の中で豊かに過ごすことが出来ます。




また、本格的な石窯で焼き上げるパン焼き体験や木工体験、
刀鍛冶の作業工程が見学できる鍛刀場もあります。





冷暖房の備わったコテージもあり
ゆっくりと滞在することも出来ます。






憩いの広場と石刻モニュメント

羅漢の里までは、JR山陽本線、山陽新幹線
相生駅から車で20分ほどで着きます。
バスも出ています。


























こちらはハイキングコースの入り口です。
頂上まで3.8kmで通り抜け出来るようです。
三人の女性ハイカーが向こうから降りて来ました。
向こう側とこちら側に、それぞれ車を停めておいたそうです。
良いことを考えたものです。




途中にあった「げんこつ岩」
大中小の巨岩が林の中に鎮座しています。
ここから山頂までは3.7㎞
ハイキングにちょうど良い距離ですね。




ハイキングコースの途中です。
木漏れ日の中を緩やかな坂道が続きます。
私は途中から引き返して来ました。
山頂までは、もう少し体力がついてから
登ろうと思います。





こちらは、感状山城と羅漢石仏への入り口です。
なにやら、ここまでとは雰囲気が違ってきました。




感状山城跡へはこの階段で550m
今回はパスして、またの機会に登ろうと思います。
入り口には木製の杖がたくさん用意されていました。



こちらのお城の創建は鎌倉時代と伝えられています。
国の指定文化財になっています。





イチョウの葉が敷き詰められた道の左へ行くと
巨岩石の門があり、それを通り抜けると岩窟に到達、
その中に十六羅漢石仏が祀られています。
右の階段は、岩窟からの帰り道です。





山肌を見ると大きな岩で出来ていることが分かります。



お地蔵様の裏に回ると巨岩石の門があります。
ここを通って行きます。








巨岩石の門の周囲の景観です。
巨石の上に岩のかけらが灯籠のように積まれていました。








瓜生羅漢石仏の説明版によりますと、

この石仏は作者、製作年代は不明、
伝説によると朝鮮から来た僧
恵便(えべん)、恵聡(えそう)一行が
ここに隠れ住んで、後世の人に仏縁を結ぼうと
作ったと言われています。

また、もう一説では、
この石仏は真言宗の山伏の作で
戦国武士たちの霊を弔う供養仏であるとも言われ、
約400余年前の室町時代に彫刻されたと推定されています。




岩窟は幅7.7m、高さ約5m、奥行き約4m
その中には
釈迦如来を中心に文殊、普賢両菩薩、
その左右に十六羅漢が左右に並んでいます。




中心より左側の羅漢さんたちです。



岩窟内全体です。




岩の灯籠に石仏を拝観した人々が
それぞれの思いを込めて、拾った岩のかけらを
積んでいっています。
私も家族の人数分を積んで来ました。





これで羅漢拝観コースは終わり、
聖地巡礼した気分になりました。

イチョウの木の下をくぐって
憩いの広場に戻ります。

* * *

羅漢の里は今の時期
紅葉狩り、ハイキング、羅漢拝観、感状山城跡見学など
自然、文化、歴史を楽しむことが出来ます。
毎年行われる紅葉祭りは中止だそうです。

※参考 羅漢の里ホームページ
詳しくはこちらをご覧ください。






めんこい東北の伝統こけし&創作こけしたち

2019年01月23日 | 時空を超えて来たものたち

今はこけしの第三次ブームで「こけ女」と呼ばれる
こけし愛好女子が増えているのだとか。

三大こけし発祥地は宮城県の遠刈田と鳴子そして福島県の土湯。
そしてこけしの産地は上記を加えて11系統。

我が家のこけしは
①ー宮城県、「遠刈田系 」 佐藤菊治 70才時の作 (1895~1970) 高さ:42cm 頭直径:11.5cm
古風な表情、ニヤリの目が特徴的、どっしりと風格あり。

②ー秋田県、「木地山系 」 高橋雄司 40才時の作 (1934~) 高さ36cm 頭直径8cm
太めの胴にらっきょう型の頭、着物の井桁模様が素朴で菊の前垂れが可愛い。

③ー宮城県、「遠刈田系 」 我妻吉助作 (1919~2014) 高さ31.5cm 頭直径9.5cm
遠刈田系の直胴、大きな頭が特徴的

④ー宮城県、「鳴子系」 ○○吉月 昭和46年作 高さ23.5cm 頭直径7cm
胴がゆるく細くなり裾で広がって安定感あり。
御所人形のような前髪と着物の「菱菊」に特徴がある。
首を回すとキュッキュと音がする。

⑤ー新潟県、 松之山 作者不明 昭和43年購入 高さ16.5cm
ここでは唯一創作こけしで、松之山温泉で父に買ってもらった特別なもの。
愛らしいこけし。


*~ *~ 次の三セットは母のコレクション、昭和37~40年頃のもの ~* ~*



男の子に福の字、女の子に寿の字の福寿こけし




頭でっかちの幼子こけし
頭が大きくて重いので、振動で首が回り、時にそっぽを向き
時には顔を寄せ合っていてとても愛らしい。



野良仕事の若夫婦でしょうか、なんとものどかな雰囲気が魅力的。

こんなこけしたちを眺めて日々楽しんでいます(^^♪



*ウィリアム・メレル・ヴォ-リズ*デザインの素敵な学舎

2018年10月02日 | 時空を超えて来たものたち

~ 第一回目のNHK朝ドラ「まんぷく」の一場面 ~

主人公の福子が通った女学校として、娘の母校の中庭が映っていた。
相変わらずシックな佇まいやなあ~と懐かしく見た。




~ 入学時に写した学舎の一部 ~

設計はウイリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)
個人の住宅や教会、学校、商業施設など全国に1500もの建築物を残している。

この学舎は2014年に国の重要文化財に指定されたヴォーリズの代表的な建築。
第二次世界大戦や阪神淡路大震災などの歴史的災害を乗り越えて、
ほぼ建築当初の原型を保って、現在でも大切に学舎として使われている。

「学舎は教育する」
美しく整った建物は風格があり
その中にいると豊かな気持ちになって心が落ち着いてくる。
ヴォーリズの息遣いが聞こえてくるようである。




~ 旧豊郷小学校校舎 (滋賀たび2013SPRINGより) ~

こちらは滋賀県犬上郡豊郷町にある旧豊郷小学校
映画のロケに使われるなど、全国的にも知られ、
現在は学舎としては使われていないが、
歴史的建築物として保存されている。

端正で品格のある建物は、対象が小学校の校舎であっても
ヴォーリズの学舎への信念が貫かれているように思える。




~ 旧八幡郵便局 (滋賀たび2014SPRINGより) ~

ヴォーリズは日本人女性と結婚し、近江八幡に居を構えて
こちらにも多くの建築物を残している。
いつかこの建築群を訪ねてみたいと思っている。



第17回 鎌倉骨董祭 *鶴岡八幡宮* に姪っ子が出店します♪

2018年08月21日 | 時空を超えて来たものたち

~ 前回の出店の様子 ~

平成30年8月25日(土)
会場ー鶴岡八幡宮境内・参道及び馬場
時間ー9時~17時
雨天決行

私の姪っ子も出店しますので、お近くの方は冷やかしにお出かけ下さい。
色白で私に似ず美人ですよ~





父の骨董好きは私に遺伝したのですが、まさか姪っ子までとは・・・
しかもいつの間にか「骨董商」の資格まで取って店を構えるまでになりました。
父もさぞ喜んでいることでしょう。




どこから仕入れて来たのか、結構な品揃えです。
お客様との会話も楽しみだと言っていましたので、
ふらりと寄って話しかけてみて下さいね(^_-)-☆





桜とお城と大石神社骨董市

2017年04月17日 | 時空を超えて来たものたち

~ 兵庫県赤穂市・大石神社骨董市 ~

毎月15日は大石神社の骨董市の日
9時に到着すると、もう沢山の人が。
こうなると俄然元気の出る私です♪




~ 駐車場にはざっと100台並んで ~

ナンバーを見ると、近くは神戸、岡山、
中距離では大阪、京都、遠くは金沢、広島の車。
以前には、北九州市の車が並んでいたことも。
420キロもの道のりをものともせす、
骨董への愛情の深さが感じられました♪

※ 駐車場はいっぱいのようでも、中に入れば空きがたいていあります。
早朝に来る本格派が、この頃になると戦利品を抱えて退場して行くからです。
駐車場探しで苦労の無いのが有難いですね。




誰か一人でもお客さんがいると、
「なんだ ♪ なんだ ♪ 」と
次々に集まって来ます。

人が見ている物に興味津々♪
だけど
もし、好みの物を他の人が手に取っていようものなら、
ハラハラ、ドキドキ!
骨董市は、かようにエキサイティングなのです。




今回は、こちらのお店で備前焼の花入れを購入。
ずっと欲しかった物だったので、満足、満足(^^♪
他には
幕末の頃の伊万里の天塩皿と七福神のお猪口が良かったなあ。



いつもの元博物館の学芸員のおじ様のお店では、
素晴らしい花入れがあった。
正確に覚えていないが、九州の小鹿田焼で幕末の物だったと思う。
値段もそれなりだったが、充分に納得がいくものだった。
もう出会いは無いかもしれないが、
もし、どこか奇跡的に再会したら買ってしまうかも知れない。




場外にもお店が並んでいる。




~ 赤穂城隅櫓 ~

大石神社は赤穂城址公園内にある。
こちらは駐車場の反対側だから、骨董市に来てもこちらまでは来ないが、
今回は桜がきれいだったので、お堀に沿ってお花見をすることに♪



~ 向こうに見えるのは歴史博物館 ~

歴史博物館は、城内の米蔵のあった所に建てられていて、
五連の白壁土蔵を模して、米蔵を再現しているそう。

石垣と 白壁と 桜と お堀の眺めはビューティフル♪




~ 城内の桜がおおらかに咲き誇って ~

これなら芝生の上にシートを敷いて、
お弁当を広げたらいいだろうなあ♪
これは良いお花見場所だわ!




~ 遊歩道 ~

車が通らないからゆっくりと歩けるね。
いいデート場所なんじゃないの♪




~ お堀の黒鳥 ~

お堀に白鳥は良く見るけど、黒鳥って珍しい♪
一生懸命に羽つくろいをしていた。

* * *

今回は骨董市プラスお城と桜でした。
たまには、骨董市まっしぐらでなく、こんな風にゆとりを持って
楽しんで来るのもいいものですね。



*古い金銀蒔絵の盃台と盃* 古い塗り物の味わいを大事に

2017年02月10日 | 時空を超えて来たものたち

~ 盃台に三枚組の盃を乗せたところ ~

毎年お正月に持ち出される松と鶴の盃
金と銀の高蒔絵が施され、一部に貝が嵌め込まれている。

全体の朱塗りは柔らかい厚みを感じさせ、
蒔絵の金銀の色は、さすがに落ち着いて
鈍い輝きを放っている。




~ 二枚目 ~

三枚ともに見た目は重量感があるのに
持ってみると羽のように軽い。




~ 三枚目 ~

いつ頃のものか分からないが、こんなに薄い仕上がりで、
よく今までに割れなかったものと感心する。
木の乾燥具合や、塗りの良さを物語っているようである。




~ 盃台上部 ~

金と銀がこんもりと蒔かれている。
絵柄や柄つけに古い時代が感じられて魅力的。





~ 盃台脚部 ~

脚部に少し亀裂が入っていたので、塗りをはがして
自分で塗り替えてみようと、やすりで削り出して「しまった!」と
思ったことがあった。
盃台の脚部には、しっかりと下地がなされていたからだ。

それは、ただ漆を塗り重ねただけでなく、下地に布が貼られていて、
その上に漆が塗り込まれていたのだった。
この手間があってこそ、この柔らかな塗り面が出来たのだろう。

現在で、この技法で塗りを施した物はとても高価で
もはや私の手には届かないに違いない。

こうして、盃台の上部と私が塗り替えた脚部を比べると
色合いも質感も、軽く安っぽくなったのが良く分かる。
たとえ、亀裂が入っていても、自分で塗り替えるなど
とんでもない話だったのである。




~ 桐箱 ~

この三枚の盃と盃台が入っていた桐箱。
この箱にきちんと収められていたから、これだけきれいに
今まで生き残ってこれたのだろう。
これからは、そっと大事に使ってこのまま次世代に
伝えていこうと思うのである。



美しい日本最古の塩務局庁舎*赤穂市立民族資料館*

2017年01月24日 | 時空を超えて来たものたち

~ 赤穂市立民族資料館 ~

こちらの淡いミントグリーンの美しい建物は、
明治41年に建てられた、現存する日本最古の塩務局庁舎です。
100年の時を経て、今なお堂々と建っている姿に感動します。

現在は赤穂市立民族資料館として、地元で使われていた生活用具や
農耕生産用具、戦時資料、教科書などを収蔵、展示して
一般に公開されています。
この度は「お正月の民具展」を観覧するためにやって来ました。


※ 木造瓦葺一部二階建て
兵庫県の重要有形文化財指定




~ 建物の裏側 ~

裏側も端正な美しさで、とても100年も前のデザインと思えません。
こちら側は屋外展示場になっています。



~ 渡り廊下と旧文書庫 ~

小ぶりな煉瓦造りの建物ですが、丁寧な仕事ぶりが見られます。
煉瓦の様子や窓のあたりに時代を感じます。



~ 通用口の扉 ~

エンタシスの柱とお洒落な鉄格子が庁舎に華を添えています。
庁舎ながら、いかめしさが無く、優雅な雰囲気が素敵ですね。




~ 内部の展示室 ~

館内の部屋は、それぞれに分類された民具が展示されています。
左の壁に掛けられているのは「赤穂段通」です。
鍋島段通、堺段通と並び日本三大段通と呼ばれ、
明治末期には、お召列車の敷物として使われたとのこと。




~ 階段風景 ~

シンプルな円形照明と手摺に、ノスタルジックな魅力があります。




~ ハンマービーム ~

2階の展示室にの天井部分には、中世(15世紀)イギリスで用いられた
ハンマービームとよばれる「片持梁」(かたもちばり)が施されていて、
これによって天井を高く、室内を広く見せています。




~ 昔の生活空間が再現されています ~




~ 調理に関する道具たち ~




~ カメラやオーディオ機器 もあります ~




~ 彫刻が美しい大時計 ~


* * * お正月の民具展 * * *



~ 明治時代のお正月風景 ~




~ 古い羽子板 ~




~ 正月の飾りや漆の食器など ~




~ 子供のおもちゃ、ハーモニカ箪笥、着物など ~


* * *

常設展の他に今回のような企画展が季節ごとに開催されます。
次回は「お雛様展」、会期は2月11日~3月26日

昨年にはビートルズ展があり、今後も開催の予定だとか。
赤穂市にあるビートルズ記念館からの出品で、
ビートルズグッズの収蔵数は日本一とのことです。
ビートルズファンには楽しみなことですね。

* * *

この古く美しい建物が、このように活用されて、
生き生きとしている様子を見るのはとても嬉しいことです。
これから先、100年も200年もずっと伝えられていきますように。






白玉椿&中国の青花人物文水瓶

2017年01月12日 | 時空を超えて来たものたち

~ 白玉椿 と青花人物文水瓶 ~

今年は一段と、白玉椿( しらたまつばき ) がきれいに咲いた。
それで庭の千両を切ってきて、お気に入りの水瓶に
一緒に入れてみると、きちんと納まってくれて中々良い姿になった。




実は、この青花人物文水瓶の登場は、今回が初めてではなく、
平成26年の3月11日に一度登場させているのである。

器体はぽってりと厚みがあって、柔らかな曲線と
エキゾチックな文様が美しく、骨董市で一目見て、
ゾビゾビと鳥肌が立って買わずにおれなかったものである。



どうやら
清の四代皇帝康熙帝の時代 (1662~1722) のものらしく、
ざっと数えても300年は昔のもの。
そんな大層なものを、何故私が手に入れられたのか?
その時の私は、こんな風に説明していた。

「この時代のものが本来ならば、私の手に届くはずが無い。
しかし、幸運なことに小さな傷がいくつかあった。
それで私の手元に納めることが出来たのだ。
この美しい水瓶なら、少々の傷は私的には何も問題は無かった」と。

そして
300年もの間、この水瓶はいったいどこを旅して来たのだろうか、
私は夢見る思いでこの水瓶を見ている。
と結んでいた。

* * *

今、改めて思うことは
この水瓶は、きっと、私の手を離れても、
ずっと遠くまで旅をして行くに違いない。
ということである。



心豊かにお正月だけの伊万里のなます皿

2017年01月08日 | 時空を超えて来たものたち

~ 伊万里 錦手なます皿 ~

お正月は日本人にとって特別な時。
衿を正して新たな年への抱負を抱き、
自身が輝ける年になるよう願う時である。



新年を迎えるにあたって、どの家庭でもお節を入れる重箱や
雑煮椀などのお正月用の食器を揃えていることだろう。

我が家でも一通り用意するが、
それらは、出来るだけ古い物を使うようにしている。

その中でも、この「なます皿」は一番に気に入っていて、
お正月の食器として、無くてはならないものになっている。




径 15cm・高さ 4.5cm
内部の文様は、見込み(内部の底)に染付の松竹梅、
側面には、金彩と赤絵で「梅」「打出の小槌」が描かれ、
金で縁取りが施されている。

外部には三つの「宝尽し文」があり、
この面には、願いが叶うという「如意宝珠文」が、





こちらの面には、被れば姿が見えなくなり、
病気や災いなどが避けられるという「隠れ笠」




この面には、知識が得られるという「巻物」が描かれている。

* * *

骨董市や骨董店に行くと、金襴手や錦手でも、このなます皿よりも
立派なものはたくさんあるが、どうも自分にしっくりとくるものがない。

ところがこのなます皿は、
この手の器にしては、あまり手の込んでいない大雑把なところが良いし、
複雑でない分、気分が乱されずに、見ていて気持ちが良いので、
毎年、お正月に面会するのがとても楽しみなのである。



沖縄・壷屋焼の魚紋花入れに茶花を入れてみました

2016年06月24日 | 時空を超えて来たものたち

~ 魚紋花入れ ~

これは、先日 (6月15日 ) の大石神社骨董市で手に入れた花入れ。
この花入れを見つけた時には、飛び上がるほど嬉しかった。
壷屋焼の花入れは、骨董市では今までに見かけたことが無かったからだ。
この機会を逃すまいと、早速手に入れてお茶の稽古に使ってみることに。

花は、「瑠璃ギク」 「ワイルドオーツ」 「ドクダミカメレオン」の三種





表と裏で、魚の向きが違い、こちらは花を入れた方。

魚が海中から飛び出たところが勢いよく描かれていて、
今にも、波しぶきが飛んできそうな迫力である。





こちらも海上に飛び跳ねた瞬間、波に向う表情が荒々しく、まるで生きているみたい。





波の陰刻も良かったが、側面にもそれぞれ違った陰刻が施されていて、
なかなか面白い花入れである。

制作年代、作者不明




* 楽しみは、なんてったって骨董市 * 赤穂市大石神社

2016年06月16日 | 時空を超えて来たものたち

~ 毎月15日は、赤穂市にある大石神社の骨董市の日 ~

昨日は梅雨の晴れ間で、朝から真夏のような暑さでしたが、張り切って行ってきました(^^♪

到着したのが9時ちょっと過ぎ、やはり、これでは遅かった!
もう大きな袋を下げて帰る人々の姿もあったし、
入口で偶然に出会った知人は、もう象彦のお菓子器を買ったと言っていたし、
油断禁物だな!

気を取り直して、さあ!突撃!



広い駐車場の中にいろいろなお店が並んでいます。
お花屋さんは毎回来ているようです。
今回はパスします。



みんな真剣な眼差しです。
いいですねえ ♪ 人が集まっているところには首を突っ込みたくなります。



年配の男性が楽しそうに話しながら歩いていました。
今日は何を探しているのかな。




駐車場の外にもぐるりとお店が並んでいます。
着物のお店もありますよ。




何を買ったのかな、大きな荷物を持った男性が二人、もうお帰りになるようです。
こちらのお店は、大きな竹ザルや桶、小家具などが置いてあります。
女性が二人、何やら相談しています。
どれを買おうか? って楽しい悩みですね。




芝生のところにもお店が出ています。
開放的でいいですねえ♪
熊と布袋様の彫り物が迫力あります。




大石神社は赤穂城跡公園の中にあります。
芝生が青々と爽やかで、疲れたらここで一休み一休み。


* * *

ああ、楽しかったなあ♪
昨日の戦利品は、壷屋焼の花入れ、中国製(?)の花入れ、象彦の干菓子盆の三点。
まずまずの戦果にホクホクしながら帰って来ました。

古いものはいいですねえ・・
そのものに付いた時代の雰囲気がありますからね。
でんと落ち着きがあって心が安らぎます。

こういったものをたっぷり見れる骨董市は、私にとって何よりの楽しみ、
このビタミン剤があれば元気いっぱいになれるのです。




安南・染付トンボ絵の水次

2016年06月07日 | 時空を超えて来たものたち

骨董市を覗く楽しみは、なんと言っても、種々雑多な物に出会えることである。
自分が好むと好まざるとに関わらず、いろんな物に出会えるのが面白い。

これは数年前に出会った、安南の染付の水次
のんびりと飛ぶトンボが主役で、おおらかな雰囲気が気に入った。
高さ16センチ、底径13センチの可愛らしい水次である。




取っ手は金属製で、植物の蔓らしいものが掘り出されていて
なかなかお洒落だし




取っ手の付け根もくるんと丸まっていてチャーミング




主役のトンボの、このとぼけた表情が、
いつ見てもふっと笑えて、心が和むし




あしらいに描かれた植物も
三重の渦巻き模様もエキゾチックで面白い。

* * *

こんな物に出会った時には、体中に電撃が走る思いがする。
人にはガラクタに見える物が、自分にとっては特別な物に変わる瞬間である。


※安南ーベトナムの焼物で、古くから日本の茶人に愛された。
染付(そめつけ)ー藍色の模様を焼き付けた焼物 。




骨董市の付録が凄かった!本居宣長の歌

2016年06月02日 | 時空を超えて来たものたち

ことのはに  ふかきいろかを  かきやりて
ふではこころの  つかひなりけり   宣長

骨董市の買い物の中には、本体に付随した物が素晴らしい時がある。
それが今回は、この本居宣長の歌が書かれた料紙だった。

これも、今までに登場した書と同様に、古い茶碗を入れた箱の中で
くしゃくしゃに丸められ、緩衝材として使われていたものである。

深みのある桃色地に鳳凰文の趣きある料紙に
見事な筆運びで綴られている。

あまりの見事さに、書道歴の長い友人に調べてもらうと、
この歌は本居宣長全集第十五巻「鈴屋集」に収められており、
書体は一般的なものよりも難しい崩し字で、国学者であった宣長の
直筆の可能性もあるかも知れない、とのことだった。

もしそれが本当なら嬉しいが
たとえ本物であっても、なくても、その美しさには変わりはないので、
今後何らかの形で保存して、これ以上の劣化を防ごうと考えている。

そして、時々眺めて は筆は心の使いなりけり
つぶやいて宣長さんを偲ぼうと思うのである。


※ 読み下し文は素人のものですので、お気づきのことがありましたら、
お教え頂きたくお願い致します。

* 重厚華麗・東京駅丸の内駅舎 *

2016年05月12日 | 時空を超えて来たものたち

~ 東京駅丸の内駅舎 (平成15年・国の重要文化財) ~

この駅舎は、平成24年、創建当時の姿に保存・復元工事が完成し
大正3年の開業より、昨年で100年を迎えた。
* * *

設計は辰野金吾 (1854~1919)

工部大学校造家学科1期生 (現東京大学)
ロンドンで4年間留学、帰国後は18年間教鞭をとり、
明治19年日本建築学会創設に尽力。

代表作は日本銀行本店 (明治29年)
日本の建築界をリードし、生涯200以上の作品を残した。




~ 中央より北口方面 ~

辰野金吾の作風は、赤煉瓦の壁面に白い石の帯を組み合わせ、
屋根には塔やドームを載せるのが特徴である。




~ 中央より南口方面 ~




~ 北ドーム ~




~ 中央 ~




~ 南ドーム ~




~ 美しい南ドーム内の装飾 ~

そこには、創建時の意匠に復元されたレリーフが取り付けられている。




~ 鷲のレリーフ ~

ドーム下の八角コーナーには、左を向く八羽の
勇猛な鷲が取り付けられている。
翼を広げた大きさは約2.1mの大鷲である。




~ 創建時の石膏パーツが取り付けられたレリーフ ~

戦災復興工事によって設置されたドーム天井裏に、
創建当初のレリーフの一部が残存していた。

その表面はほとんど焼け落ちていたが、石膏によるパーツには
保存可能なものがあり、今回の復元に際し、その石膏パーツが
一部取り外され、南ドームのアーチレリーフに取り付けられた。
(黒い部分)




~ 8つの干支の彫刻 ~

ドーム内の8か所のコーナーに、その干支の方位に従って十二支のうち
八支(丑、寅、辰、巳、未、申、酉、戌、亥)の彫刻が配置されている。

いずれも、灰緑色をバックにガラス繊維強化石膏で作られている。
(写真は巳)

~ 以上 TOKYO STATION CITY ガイドブックより ~


* * *

娘や息子の用事で東京に来ることはあっても、いつも素通りだったので
美しく復元された駅舎を、実際に見るのは今回が初めてだった。

子供たちが小さい時、ステーションホテルに泊まったことがあり、
その時には、この美しい赤煉瓦の建物はホテルそのものという認識だった。

それが創建当初の姿に復元されてからは、
TVや雑誌等で、全体像として目にすることが可能となり、
ようやくこの駅舎の、とんでもない素晴らしさに気づいたのである。
それからは、いつかこの目でその素晴らしさを確認したいと願っていた。

そしてこの度、ようやくその願いが叶った。
実物は重厚かつ華麗、色合いもしっくりと落ち着いていて、洋風でありながら和の趣もある。
設計者の辰野金吾氏のオリジナルということだが、本当に素晴らしいデザインだと思う。

世界中のどこの駅舎よりも美しいのではなかろうか。
、、と言ってもよその国の駅舎はほとんど知らないが、、
それでも
私としては、世界に誇れる駅舎だと思うのである。


骨董市の付録が美品だった件・桜の巻

2016年03月25日 | 時空を超えて来たものたち

この消息文は、造幣局のお花見に誘われたその返事の文である。
以前に骨董市で買ったお茶碗のクッションとして入っていたものだ。
くしゃくしゃに丸められた和紙を広げて見ると、
出てきたのがこの美しい候文の手習いの紙だった。

~ * * * ~

右返辞

造幣局内の桜 今を盛りの趣きにて 御誘ひ下され
かたじけなく存じあげまいらせ候

何事を打捨てても ? ずさの数には漏れ申すまじく
明日にてつとめて御うかがひ申上ぐべく候間
御待ち下されたく候 かしこ

四月 うづき

~ * * * ~

右返事

造幣局の桜が、今頃見事な様子とのこと、
この度はお誘い下さいまして、とても嬉しく有難く存じます。

何事がありましても打ち捨てまして、
皆様の数に漏れませんよう、明日の朝早くにお伺い致しますので
どうかお待ち下さいますようお願い致します。 かしこ

四月 卯月

~ * ~ * ~ * ~

美しい文章に、伸びやかで気持ちの良い筆運び、
とても手習いの紙とは思えない美しさである。
どんな女性によるものなのか、想像するのもまた楽しい。

箱の四隅に詰め込まれていた紙だが、ひょっとすると
本体のお茶碗よりも良かったりするかも知れない。

こんなところが骨董市の楽しいところ。
またこんな幸運に巡り合えるよう楽しみにしておこう。


藤の巻