私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

骨董市の付録が凄かった!本居宣長の歌

2016年06月02日 | 時空を超えて来たものたち

ことのはに  ふかきいろかを  かきやりて
ふではこころの  つかひなりけり   宣長

骨董市の買い物の中には、本体に付随した物が素晴らしい時がある。
それが今回は、この本居宣長の歌が書かれた料紙だった。

これも、今までに登場した書と同様に、古い茶碗を入れた箱の中で
くしゃくしゃに丸められ、緩衝材として使われていたものである。

深みのある桃色地に鳳凰文の趣きある料紙に
見事な筆運びで綴られている。

あまりの見事さに、書道歴の長い友人に調べてもらうと、
この歌は本居宣長全集第十五巻「鈴屋集」に収められており、
書体は一般的なものよりも難しい崩し字で、国学者であった宣長の
直筆の可能性もあるかも知れない、とのことだった。

もしそれが本当なら嬉しいが
たとえ本物であっても、なくても、その美しさには変わりはないので、
今後何らかの形で保存して、これ以上の劣化を防ごうと考えている。

そして、時々眺めて は筆は心の使いなりけり
つぶやいて宣長さんを偲ぼうと思うのである。


※ 読み下し文は素人のものですので、お気づきのことがありましたら、
お教え頂きたくお願い致します。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (fukurou0731)
2016-06-02 13:46:22
こんにちは。
骨董がお好きなんですか?それとも書がお好きなのでしょうか?興味はあるのですが、なかなか機会がなくて・・・。鑑定団は毎週見ています。
本居宣長さんの書、本物ならいいですね。鑑定団に出しますか?本居宣長さんと言えば、
しきしまの
大和心を人問はば
朝日に匂ふ
山桜花
この歌しか知りません。
返信する
Unknown (fukurou0731)
2016-06-02 13:50:16
何度もすみません。
追伸です。
マクロ、接写での撮影、期待しております。
私も負けずに精進いたします。
毎日訪問しております。
返信する
よくぞ見つけられました! (はる)
2016-06-02 15:43:51
越後美人さんの鑑識眼には、よく眼を瞠らせられておりますが
今回もまた良く見つけられましたね^^

書かれている内容が又いいですね!
「筆は心の使いなりけり 」

仕事仲間の中で三大悪筆の「栄誉」をいただいたことがある私、別な意味でぐさっときました^^;

返信する
古物好きです (越後美人)
2016-06-02 17:11:09
fukurou0731さん、こんにちは。

はい、古いものなら大抵の物は好きです(^^♪
書の場合は、事務的な古文書には興味無く、和歌や漢詩などの文芸関係に興味があります。

鑑定団ではなかったですが、他の番組で、坂本竜馬の直筆の手紙が一般家庭のベッドの下から出てきましたね。
それを考えると、この料紙は李朝の御茶碗の詰め物に使われていたのですから、可能性は大きいですね。
と言っても、その李朝の御茶碗その物が怪しいかも知れませんが、、
もし鑑定が必要なら、松阪の本居宣長記念館に送って観てもらおうかと思っています。

しきしまの~の歌はいいですね。
私もそれしか知りませんでした。
この歌と骨董市で巡り合って嬉しかったです(^^♪

※マクロの画像は、持っているカメラでは難しいかも知れません。出来る範囲で解体接写してみます。
アップが無ければ失敗したと思って下さい(笑)
返信する
三大悪筆に興味コンコン♪ (越後美人)
2016-06-02 17:25:54
はるさん、こんにちは。

はい、有難うございます(^^♪
まずこの料紙が今にない雰囲気でしたし、何と言っても文字が美しく、これは並々ならぬ物だな、と、クンクン!

書かれている内容が良かったです。
言葉や文字は心の使いなんですね。
そう思うと恥ずかしいことがいっぱい思い出されますが、これからは気をつけたいと思います。

三大悪筆ですかあ♪、それなら反対に、はるさんの悪筆ぶりに興味が湧きましたよ。
今度ブログでご披露下さい、私が審査致しましょう(笑)
返信する
運の良い人 (たか)
2016-06-02 19:34:23
愕きです。
普通、陶器を守る紙として、いわく有り気なこの様な紙を使いますかね?
確か以前にも有りましたよね。
今回も又だなんて越後美人さんは穏当に運が良い!!

しかし美しい文字
うっとり眺めながら「ふでは心の使い」の意味を考えていました。
深いですね。
なかなか、こういう言葉は出て来ません。
返信する
偶然の出来事 (越後美人)
2016-06-02 20:51:34
たかさん、こんばんは。

この料紙が入っていた御茶碗の元の持ち主は、神戸のお茶の先生だったと聞いています。
私はたまたまこうした書にも興味があるので気づきましたが、普通は「汚い紙」と思って捨ててしまうことでしょう。
前回のお習字の紙も、出所は同じ先生の所だと思います。
その先生と私の好みがぴったりだったので、この偶然が生まれたのだろうと思っています。
この料紙の他には、古い布で御茶碗をくるんでいるものもあって、その布がまた素敵なんですよ♪
でも画像にしても、その良さが伝わらないと思ってそのままにしていますが、何かポーチのようなものに加工したらいいのかも知れませんね。

「筆は心の使い」って素敵な言葉ですね。
心は何かの形で表さないと分かりませんもんね。
なかなか、こういう言葉は出てきませんが、こうしていっぱい話して、ちょっとでも心が通じたら嬉しいですね(^_-)-☆
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筆は心の・・・ (maria)
2016-06-04 22:48:25
越後美人さん、こんばんは。
素晴らしい書もお持ちなんですね。
若かりし頃の東京時代、書道の先生のお宅に通っていた事があります。
その後故郷へ帰り、こちらに嫁ぎもう通えなくなって残念でした・・・
もう今では見る影も無い文字を書いております(;。;)
筆は心のつかいなり、の言葉に反省しております。
いつも素敵な物を拝見させていただきありがとうございます。
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せめて丁寧に (越後美人)
2016-06-04 23:46:04
mariaさん、こんばんは。

有難うございます(^^♪
この書は、今までに私が見た書の中でも、独特な雰囲気を持っていて惚れ惚れとするものです。
筆は心の使い、と言うほどに、この書は柔らかく澱みのない筆致で、書き手の知性が香ってくるようです。

mariaさんは書道のお稽古をされていたんですね。
私は高校の選択科目で書道を選びましたが、卒業とともに現在まで書道からは遠ざかっています。
やはり書き続けていないとダメですね。
私も見る影もない字を書いています(^^;
せめて、下手でも丁寧に書かなくては、と反省しています。
いつもお付き合い頂き有難うございます(^_-)-☆
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