江別が直面する緊要の行政課題の一つに、札幌市との境界変更問題がありました。
昭和16年の豊平川の切り替えにより、それぞれ川を挟んで江別町、篠路村(30年、札幌市と合併)から分断された角山の一部、篠路の一部を相互交換的に編入しようというものでした。
江別市から札幌市へ
角山の一部、沼の端、豊畑の13戸、77人、2,880キロ平方メートル
札幌市から江別市へ
篠路村上福移 20戸、111人、3,880キロ平方メートル
上福移では、江別編入希望を嘆願してもラチがあかないため、ついに26年2月から勝手に江別町角山豊石と称し、篠路村からの分離を宣言、公文書、税金令書も一切打つ毛付けないという、そんな裏話を残しました。
この間の行政対応のもたつきが批判されましたが、30年4月1日、地区を相互交換のかたちで、ようやく一件落着となりました。
これは治水対策と未墾地開発を目的とした豊平川の切り替えが生んだ副産物でした。
江別としては、大正2年に小野幌を白石村に編入し、大正7年大曲を白石村に編入して以来の、最後の協会変更となりました。
註:江別市総務部「えべつ昭和史」202-203頁.
写真:行政区域の変更図
同上書202頁掲載挿し絵図を複写し、当ブログ掲載いたしております。