コタツ評論

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隠されてきた福島3号機の重大事故

2011-08-10 01:56:00 | 3・11大震災


福島県と関東地方に、「大気圏核実験が全盛期だった過去50年間の同地域の総量に匹敵する莫大な放射性物質」を降下させ、大地と人間を被曝させた福島第一原発の最大事故が隠蔽されてきた、と指摘するブログ記事です。事実とすれば、これまで厖大に、それなりに詳細に報じられてきた、福島第一原発事故のルポや解説記事とは、いったい何だったんだろう。嘆息するしかない。

以下は、7月20日に、一民間人のブログに投稿された記事。

2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/5763592/

はじめに 12日1号機の水素爆発、14日の3号機における水素爆発、15日2号機のサプレッションチェンバー爆発。これら相次ぐ事故によって、福島第一原発から今まで放出されてきた放射性物質の大部分は15日までに放出されてきたものであるかのように東電・政府は発表しています。 ところが、もっとも重要な放射能汚染は3月21日に起きていることは、あまり一般には知られていません。
(中略)
3/21に関東地方を襲ったフォールアウトは、大気圏核実験が全盛期だった過去50年間の同地域の総量に匹敵する莫大なものであった。 この放射性物質は、よく言われるように、3/15までに福島第一原発から放出された放射性物質が雨によって落ちてきたものでは決してなく、直前に放出されたものである。 その汚染源は明らかに3号機であり、おそらく福島第一原発最大の事故であった。


以下は、上の3号機の再溶融を裏づける8月8日の朝日新聞記事。

震災10日後、2度目の溶融か 福島3号機、専門家指摘
http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY201108070330.html
コメント
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うぉん

2011-08-10 00:20:00 | ブックオフ本


二十世紀は、「戦争の世紀」だった。それは、「戦争のイヌ」たちの世紀でもあった。犬ではなく、イヌである。犬と人が、ともにイヌに、「戦争のイヌ」になって戦った世紀である。

この破格の小説は、軍用犬と呼ばれる「戦争のイヌ」たちの創世記として、二十世紀の戦争を疾駆するイヌたちを物語る。アリューシャン列島、朝鮮半島、ベトナム、アフガニスタン・・・。

探査し、追跡し、殺戮して転戦するイヌたちは、子孫を残して転生し、ロシアマフィアや日本ヤクザ、メキシコ麻薬マフィアの銃弾をくぐり抜け、「戦争のイヌ」の血統と系統を世界各地に遺して逝く。

イヌはメタファーではない。イヌはイヌ以外のなにものでもない。カミと同じく、戦争と同じく。<イヌよ、お前はどこにいる?>。繰り返される問いかけは、イヌの不在ではなく、イヌの遍在を示すものだ。

疾走するイヌを追いかけ見失う、イヌははるか先にいるようで、すぐ近くの物陰からこちらを見ているような、そんな落ち着かない気持ちになる。目を細め耳を澄ませ、臭いを嗅げるかと鼻に皺を寄せ、イヌになっている自分を想うだろう。

たぶん、あなたも、こんな小説は読んだことがないはず。

ベルカ、吠えないのか?』(古川日出男 文芸春秋)

帯文はこれだ。

四頭のイヌから始まる、「戦争の世紀」。

一九四三年、北洋、アリューシャン列島、
アッツ島の玉砕をうけた日本軍はキスカ島から全面撤退を敢行、
無人の島には四頭の軍用犬「北」「正勇」「勝」「エクスプロージョン」が残された。
自分たちは捨てられた----その事実を理解するイヌたち。
その後島には米軍が上陸、自爆した「勝」以外の三頭は保護される。
やがて三頭が島を離れる日がきて----それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!


献辞がこれだ。

ボリス・エリツィンに捧げる、
  俺はあんたの秘密を知っている、


最後の2行はこれだ。

 それからお前たちは海を渡るだろう。それからお前たちは、二十世紀を殺す。霧の中の島にイヌだけの楽園を築きあげて、それからお前たちは、二十一世紀に宣戦布告するだろう。

「ベルカ、吠えないのか?」
あなたには聴こえるはずだ。
   うぉん
という声が。

(敬称略)
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