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鳩山邦夫総務相辞任と記者会見

2009-06-13 01:19:00 | ノンジャンル
鳩山邦夫総務相が12日午後、麻生太郎首相に辞表を提出した。
辞任後の記者会見の発言がなかなか凄い。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009061200719

「私は自分が正しい人間とは思わないが、汚れたことをやる人間は許せない」
「国民の財産をかすめとろうとしたのに加わった」


加わったと名指されたのは、西川善文という日本郵政の社長。三井住友銀行の元頭取である。日本郵政公社の民営化のために、小泉純一郎元首相と竹中平蔵元郵政民営化担当大臣が2代目社長として引っ張ってきた。やがて発覚したのが、「かんぽの宿」売却問題。売却先にオリックス宮内義彦会長が登場する。「加わった」のは、小泉純一郎、竹中平蔵、宮内義彦らと誰が聞いても間違えようがない。さらに、「かすめとろうとした」主体がこの人たちとは別にいることも、容易に読みとれる。西川善文、小泉純一郎、竹中平蔵、宮内義彦たちは、「加わった」だけ。この人たちを加えさせられる、この人たちよりもっと大物の人物、あるいは組織とは、誰か、どこなのか? 

自民党の現職閣僚だった人が、ここまではっきりと陰謀を暴露し、首謀者を特定し、共犯者を名指ししたのは、はじめてのことだろう。明らかに、「政権交代」効果である。民主党に政権交代の可能性が出てきたからこそ、鳩山邦夫のような人が出てくる。総選挙を見越して鳩山新党を狙っている? 少なくとも今日は違うだろう。自民党への危機感であり、すなわち自浄効果ベクトルだ。これこそが小沢一郎の望むところ。民主党の政策課題とは何か? 日本の政治をどう良くしてくれるのか? 自民党とどこが違うのか? そんな議論はどうでもいいのだ。少なくともいまは為にする議論だ。問題は、鳩山の言うように、何が隠されているか、何が汚くて何が悪か、それを国民が知り、決めることだ。

たとえ自民党政権が続こうとも、たとえ民主党政権が誕生しようとも。

(敬称略)