陰惨極まる神経症的な傑作。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88
傑作とはいいたくないのだが、すこぶるつきの出来であることは疑えない。が、子どもに観せていい映画ではない。ダーク・ファンタジーといった味わいすら乏しい。善と悪の戦いではないのはいうまでもない。
「911」と対テロ戦争(@ブッシュ)を背景として、絶対的な敵と非妥協の戦いに立たされたアメリカがバットマンに重ねられている。「911」で受けたアメリカの深い傷と対テロ戦争への疑義の間で揺れ動く、バットマンのメランコリックな黒い瞳。
市民社会をどう守るかという問題の立て方ではなく、市民社会にどう受け入れられるかという懊悩がテーマかもしれない。という図式さえ「ジョーカー」が繰り出す一撃一撃に動揺する。
『ブロークバックマウンテン』で悩ましい美青年を演じたヒース・レジャーが、何という変わり様。「俺はただの泥棒だった。お前が現れるまでは」「俺たちは化け物同士」。最強は最狂に至り最凶を招く。
「ジョーカー」が憑依したがごとき狂演。深淵をのぞき見る者はまた深淵から見返されている。若い観客の何割かにとっては、トラウマ映画になるだろう。
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傑作とはいいたくないのだが、すこぶるつきの出来であることは疑えない。が、子どもに観せていい映画ではない。ダーク・ファンタジーといった味わいすら乏しい。善と悪の戦いではないのはいうまでもない。
「911」と対テロ戦争(@ブッシュ)を背景として、絶対的な敵と非妥協の戦いに立たされたアメリカがバットマンに重ねられている。「911」で受けたアメリカの深い傷と対テロ戦争への疑義の間で揺れ動く、バットマンのメランコリックな黒い瞳。
市民社会をどう守るかという問題の立て方ではなく、市民社会にどう受け入れられるかという懊悩がテーマかもしれない。という図式さえ「ジョーカー」が繰り出す一撃一撃に動揺する。
『ブロークバックマウンテン』で悩ましい美青年を演じたヒース・レジャーが、何という変わり様。「俺はただの泥棒だった。お前が現れるまでは」「俺たちは化け物同士」。最強は最狂に至り最凶を招く。
「ジョーカー」が憑依したがごとき狂演。深淵をのぞき見る者はまた深淵から見返されている。若い観客の何割かにとっては、トラウマ映画になるだろう。