安倍流「教育改革」のモデルはイギリスの「サッチャー教育改革」である。サッチャー首相は、統一学力テストの成績で学校をランク付けするという市場原理を教育に持ち込んだ。市場の競争は、勝者とともに敗者をつくる。教育の目的が、「勝ち組」「負け組」をつくることでないのは明らかだ。この改革がイギリスの公教育にもたらした負の側面が深刻さを増し、本国では見直しがはじまっている(阿部菜穂子「イギリス『教育改革』の教訓」岩波ブックレット)。ところが、日本では過去に全国学力テストの弊害を経験済みであるにもかかわらず、この4月から統一学力テストがはじまり、学校を外部機関が評価する査察制度の導入も検討されている。安倍流「教育改革」が着々と進んでいるのだ。しかし、早くも安倍流「教育改革」の失敗の未来を先取りする事件が起きた。足立区の学力テストでの不正発覚である。足立区の教育改革は学力テストの結果で学校予算に差をつけるなど国の方針を先取するものであった。 . . . 本文を読む
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