『ドラゴンへの道』のオーディションに参加し、リー監督や金山相手に演技中の白人混血女優。
この女優こそ当時の香港で女優&人気歌手として活動していたアイリーン・ライダーこと黎愛蓮でした。
アイリーンは陳星&倉田保昭主演『餓虎狂龍』(72)や『猛虎下山』(73)にも出演していたので見覚えがある方もいらっしゃるでしょう。
実はアイリーンは私生活では“香港映画界最強の男”ブルース・リャンこと梁小龍の愛妻でした。
2人の間には愛娘の梁子文も生まれ幸せ一杯でしたが、ある日この夫婦を悲劇が襲います。
それが1979年1月6日、アイリーンが自宅のエレベーターから出てきた所を待ち構えていた暴漢がアイリーンの顔面に硫酸を浴びせるという戦慄の事件です。
顔面の左半分が焼け爛れてしまったアイリーンは、都合3回の整形手術を受けますが、以前の美貌は見る影もないほどの風貌となってしまいます。
さらにリャンとの結婚生活も破綻し、悲観したアイリーンは何度も自殺未遂を起こします。
一説にはアイリーンは某黒社会の大物の愛人で、梁小龍に走ったアイリーンを激しく恨んだ黒社会のボスが手下を使ってアイリーンに硫酸を浴びせたと言われています。まさに背筋が寒くなるような事件です。
思えば『ドラゴンへの道』のオーディションに参加したアイリーンがこの李小龍監督デビュー作品で大役を勝ち取っていたとしたら、もしかしたらこのような悲劇は起きなかったかも知れない。そんなやり切れない思いが残るオーディション写真です。
Bruce Lee and Irene Ryder at Way of the Dragon audition.Irene actress and famous singer,also wife of kung Fu movie star Bruce Leung.
But their happy moments was suddenly ended because of terrible incident.
