残された李小龍未公開映像、最後の“大物”が「燃えよドラゴン」(73)の未使用エンディングでしょう。公開版のエンディングは李振強がハンの虎の爪を見つめた後、広場への階段を降りていき、それに被さるようにエンドクレジットが始まります。
しかし実際の現場ではご覧のスチールのように広場に降りて来た李がローパーと闘いの虚しさと共に視線を交わすシーンまでカメラが撮影していました。
ただ脚本を担当したマイケル・オーリンはさらに詳細かつ素晴らしいエンディングを書いていたのです。
頭上からブレスウェイトを載せたヘリコプターが広場に舞い降り、李とローパーがヘリコプターに乗り込みます。遅れて広場に現れたメイリンもヘリコプターに乗り込むと、そのままヘリコプターはハンの要塞島から飛び立ちます。李、ローパー、メイリン、そしてブレスウェイトはヘリコプターから眼下に広がるハンの戦闘員たちの亡骸を無言で見下ろします。
そして大きく旋回したヘリコプターはハンの要塞島を後にすると、海原を駆け抜け、そのまま真っ赤な夕日に向かって飛び去っていく・・!
もしロバート・クローズ監督がこのオーリンの脚本通りのエンディングを最後まで撮影していたら、世界のアクション映画不滅のモニュメント「燃えよドラゴン」の評価はさらに上がっていたかも知れませんね。
Missing ending scene from Enter the Dragon.