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五重塔は3階“虎殿”で繰り広げられた李小龍☓ダン・イノサントの世界最高峰のヌンチャク戦。
ただご覧のヌンチャク戦の終盤、李小龍がイノサントに連続廻し蹴り4連発を叩き込む直前に2人が見せるヌンチャクのスイッチワーク合戦はロバート・クローズ監督『ブルース・リー死亡遊戯』(78)には登場せず、後年にアートポート製作『BRUCE LEE in GOD/死亡的遊戯』とジョン・リトル監督『A Warriors Journey』(共に00)で初めて正式に本編に挿入されたアクションシークエンスでした。
実はこのヌンチャク合戦は、1980年代に香港李小龍截拳道研究学会が発行していた雑誌BMシリーズの『死亡遊戯』特集記事で劇場生撮り写真ながら既にその存在は知られていて、後に我々日本のファンもドキュメンタリー作品『ブルース・リーの生と死』(73)で断片的ながら映像で観る事が出来ました。
では何故にクローズ監督は78版『死亡遊戯』でこのヌンチャク合戦を本編に使用しなかったのか?
その一番の理由がご覧のイノサントのテイクを見れば分かるように、右端に78版『死亡遊戯』では編集カットされた田俊&解元がハッキリと画面に映り込んでしまっていたからでしょう。
さらにもう1つの理由としては、このヌンチャク合戦の前に既に李小龍とイノサントが激しくヌンチャクを振り合い、最後はイノサントが李小龍の鬼気迫るヌンチャクのスイッチワークに圧倒されそのまま後退、またはヌンチャク合戦でイノサントが振り負けたシーンの後に再度このやや気の抜けたようなヌンチャク合戦を挿入するのは編集の構成上においても相当な違和感があったからだと推測出来ます。
事実、このヌンチャク合戦を無理やり挿入した『GOD』と『A Warriors Journey』では編集を担当した人間がある意味この“無意味”なヌンチャク合戦の扱いに相当苦労した跡がハッキリと感じられた編集になっていました。それは今回新たに製作された『The Final Game of Death 』も同様です。
私が思うに李小龍監督自身も『死亡遊戯』完成の際は、もしかしたらこのヌンチャク合戦のシーンは削除したのではないか?そう思わせるほど編集の流れ的には浮いてしまったヌンチャク合戦でした。
それら全ての推測や過程を含め、改めて作品の撮影途中で監督、脚本、武術指導、主演を兼ねた人間が急逝すると言う悲劇がこのような編集構成上の謎を生んでしまった。それは余りに悲しい事実としか言いようがないデスゲームが遺した悲劇でした。Let's the death game begin!!
Tさん、画像提供ありがとうございました😊。
Nunchaku battle between Bruce Lee and Dan Inosanto which hard to edit and put in any scene in Game of Death.