さて、昨日は都内某所でブラッドリー・クーパー監督、レディー・ガガ主演「アリー、スター誕生」(18)の完成披露試写会に行ってきました。
あのバーバラ・ストライサンドとクリス・クリストファーソン主演「スター誕生」(76)のリメイク(正確には3度目)となる本作ですが、オリジナルに勝るとも劣らない作品に仕上がっています。
歌手を夢見ながらもウェイトレスとして働く女性アリー(レディー・ガガ)。ある日国民的な人気歌手ジャック(ブラッドリー・クーパー。監督兼任)がライブの帰りに偶然立ち寄ったバーで、アリーが歌う姿を見てその素晴らしい歌唱力に魅了された時から、アリーの奇跡の物語が始まります。
アリーを優しく飲みに誘ったジャックは、帰り道で2人が座った無人のスーパーの駐車場でアリーが自分が作曲した歌「シャロウ」をアカペラで歌う姿にアリーの秘められた力を確信すると、自分の次のコンサートにアリーを呼び寄せます。
その日、超満員のコンサートのステージ上でジャックは「皆に紹介したい女性がいるんだ。アリー、さあこっちにおいで。俺と君の曲「シャロウ」を歌おうぜ!」とステージ袖に立つアリーを呼び込みます。ジャックの誘いに最初は戸惑いステージに出るのを躊躇っていたアリーですが、ジャックが自分でアレンジした「シャロウ」の1番を切々と歌う姿に、気がつくとアリーはジャックの隣で2番を歌い始めていたのでした。大歓声の観客!そう、この瞬間、新しいスターが誕生したのです。
このジャックとアリーが「シャロウ」を静かに、そして力強くデュエットするシーンは本作のベストシーンの1つで、私は思わず感動の涙が止まりませんでした。ただひたすら素晴らしいの一言です。
ここから昨日までウェイトレスだったアリーの夢のようなサクセスストーリーが始まります。アリーはジャックのコンサートで共に歌いファンの絶大に支持を獲得すると、やがてジャックとは別にソロで活動を開始し、アルバムを製作し、遂にはアリーはジャックを凌ぐ人気歌手へと駆け上がっていきます。
そのアリーの成功を喜びながらもジャックは何処か寂しげで、幼少から患っている難聴の悪化に加えてアルコールの量も増えていくのでした・・・。
そしてお互いに深く愛し合いながらも、今まさに歌手として絶頂へと駆け上がろうとするアリーと、逆に下り坂に差しかかりつつあるジャックの2人には避けては通れない大いなる悲劇が待っていたのでした。
映画のクライマックスで、集まった観客の前でアリーが愛する夫ジャックに捧げる歌を涙を流しながら熱唱するシーンは只々圧巻です。
レディー・ガガの女優としての繊細かつ圧倒的な存在感と、ブラッドリー・クーパーの青年監督とはとても思えない重厚かつ大胆な演出が奇跡のコラボレーションを生み、本作「アリー、スター誕生」にアカデミー賞最有力候補との評価を与えるに至りました。まさに全ての映画ファン必見の1本です。
さあ、この「アリー、スター誕生」は12月21日から感動と涙のロードショーとなりますので是非!!