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慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療5

2012-12-23 00:15:00 | ブログ

益気健脾 固腎摂精法

脾腎気虚、精微不固証に対する治療法です。臨床表現は面色淡黄、納差乏

力(食欲不振で倦怠感があり)、腹張痞満(腹が張って痞える感じがあり)、大便は軟らかく、(腰酸膝軟)腰や膝がだるく痛みがあり、小便の色は薄く、だらだら長く排尿するようになり、小便に泡がたち、夜間の頻尿があり、舌質は淡で歯痕があり、脈は沈弱です。腰酸膝軟は腰膝酸軟と表現されることもあります。

さて、前々稿で、CKDに対する「益気健脾と活血化瘀法」について述べました。要旨は、気虚が進めば、血虚、血瘀、出血、水停滞、津泄の全てが起こりえます。気血生化の源は脾ですから、脾を強化することがすなわち益気という意味になります。使用する生薬は補気薬ということになります。気虚はすなわち瘀血を生みますので、益気健脾と活血化瘀法の必要性が生じます。以上のように述べました。本稿の「益気健脾 固腎摂精法」との違いは何でしょうか?視点をより腎そのものに向けた立場が固腎摂精法といえるでしょう。舌質が淡暗、脈沈細が気虚血瘀によるものであり、一方、舌質は淡で歯痕があり、脈は沈弱なのが脾腎気虚の証であると中医学者が指摘しても、現代の日本の漢方医は、脈や舌象では、殆ど漢方診断が出来ません。歯痕があり、舌が「ぼてっ」としていれば、内湿を疑うことはできます。脾気虚は比較的知られた証ですが、何を以って腎気不固とするのかは難しいところです。よく、「近頃は小便をするとよく泡が立つようになった」と訴える患者さんがいます。腎気不固の証の一つです。「腎気不固」という概念は、気の固摂作用の腎での低下失調を意味します。1、血液を固摂する2、尿液を固摂する3、精液を固摂する4、帯下を固摂するの、おおよそ4つですが、蛋白尿も糖尿も腎気の固摂作用の低下(腎気不固)の拡大として考えます。泡が立つのは、生体に本来必要な精微物質が尿に洩れて出てくるためと考えます。

参苓白朮散(太平恵民和剤局方)(加減)を主方とします。本方は、元来、中医内科学の泄瀉の病因別では、 脾胃虚弱による下痢の主方とされます。

症状は、大便が希薄になり、下痢したり、不消化物が混じる。少しでも油濃いものを摂取すると、排便回数が増える。飲食減退、脘腹脹悶、顔色萎黄、四肢倦怠、無力、舌が淡、苔が白、脈が細弱である。

中医学的に証候を分析すれば、脾胃虚弱のため、運化失常、水穀不化、清濁混雑になると、大便が希薄になる。脾陽不振、運化失常で、飲食減退、脘腹脹悶になり、ちょっと油濃いものを食べると、大便の回数が増える。長く下痢するので脾胃が虚弱になり、気血の源は不足になり、顔色萎黄、四肢倦怠、無力が見られる。舌質が淡、苔が白、脈が細弱は脾胃虚弱の証候であるとなります。治療は健脾益胃であり、参苓白朮散を代表処方とします。

薬名

効能

人参白朮茯苓

益気健脾滲湿

山薬蓮子肉

健脾益気止瀉

白扁豆薏苡仁

健脾化湿

砂仁

醒脾和中 行気化滞

桔梗

宣肺利気、通調水道

甘草

健脾和中

参苓白朮散(太平恵民和剤局方)の元方は、人参 茯苓 白朮 山薬 蓮子肉 白扁豆 薏苡仁 砂仁 桔梗 甘草です。

泄瀉での臨床応用加減としては以下、

臨床特徴

生薬加減

腹部の冷痛があり、

手足冷える場合

附子理中丸

(太平恵民和剤局方)

長く下痢が続き、

脱肛をきたした場合

補中益気湯

(脾胃論)

本稿のCKDでの「益気健脾 固腎摂精法」では、上記の人参 茯苓 白朮 山薬 蓮子肉 白扁豆 薏苡仁 砂仁 桔梗 甘草に、黄蓍陳皮金桜子芡実を加味すると良いとあります。黄蓍は補気薬の代表であり、ネフローゼ症候群でも大量に用いられます。陳皮は砂仁と共に、和胃理気化湿に使用される言わばカップル薬のようなものですから、説明を省きます。

蓮子肉金桜子芡実について、中医薬理学から説明を補記します。

蓮子ハスの種子の中身です。蓮肉、蓮子肉とも称する。帰経は脾、腎、心 効能補脾止瀉、益精固腎、養心安神で、脾虚による慢性下痢、食欲不振に用いる代表方剤が参苓白朮散です。腎虚による遺精、滑精にも用いられ、金鎖固精丸(医方集解)の組成は沙苑子 芡実 蓮須 龍骨 牡蛎 蓮


慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療4

2012-12-21 02:15:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

清利湿熱、解毒通淋法

さて、CKDに対する「清利湿熱、解毒通淋法」は。下焦湿熱、邪擾腎絡の証に用いるとされます。どのような証かと言えば、●腰酸腰痛(腰がだるく痛む:これは腎虚の証であり、これのみでは下焦湿熱の証にはなりません)以外に、●尿黄短赤(肉眼的に尿の黄色が強くなり、頻尿気味で排尿痛などを伴う)、甚だしい場合には肉眼的血尿があり、頻尿気味で、▲腹が張る感じがあり、食欲不振、大便は軟便気味ですっきりと排便できなく、●舌苔は黄?で、脈は弦細或いは細数(さいさく)(数は「さく」と読み、頻脈傾向を指します)。湿熱が下焦に薀結(うんけつ)(停滞する意味)し、腎陰を消耗させると、陰虚内熱が生じ、それら熱邪が腎絡を傷つけると、尿黄短赤や血尿が生じると説いています。中医学では腰は腎の(外)腑であるとされ、腎虚になると腰酸腰痛が生じ、下焦熱盛になると不快な頻尿が生じ、湿熱が(中焦の)脾胃に薀結すると、脾は健常な運化を失う(脾失健運)ことになり、腹が張る感じ、食欲不振、大便は軟便気味で、すっきりと排便できないなどの消化器症状が出現します。舌や脈象は下焦湿熱の証とされます。

小薊飲子済生方)」を主方とします。済生方の原方の組成は小薊 生地黄 藕節 蒲黄 山梔子 木通 竹葉 滑石 当帰 甘草ですが、近年は木通の腎毒性が明らかになっている為に、通草を用います。竹葉は淡竹葉を用いるのが現代流です。通草と淡竹葉は小便に熱を導き排出する働きがあります。小薊 生地黄 藕節 蒲黄は涼血止血に働き、山梔子は熱邪を三焦から除くと中薬学に記載があります。当帰は一般には養血活血に作用すると記載されていますが、腎炎の場合には「引血帰経」と称し、離経の瘀血を経脈に戻すという意味合いの表現がなされています。湿熱の証が甚だしい場合には、石葦萆薢を加味し、血尿が著しい場合には、白茅根槐花で涼血止血の効を強め、さらに旱蓮草で涼血止血、滋陰益腎の功能を求めます。

血淋(けつりん)

中医内科学では伝統的に「血淋(けつりん)」という範疇があります。「小薊飲子(済生方)」が主方となる分野ですので、紹介します。

(症状)まず、「実証」から述べますが、小便がスムーズに出難く、排尿時に熱感と刺痛がある。 尿色が深紅、或いは血塊が混じり、疼痛満急が酷くなり、或いは心煩を伴い、苔黄、脈は滑数である。次ぎに「虚証」に言及します。

尿色が淡紅、排尿痛や尿の渋滞は著しくなく、腰酸膝軟、精神疲労、無力、舌淡紅、脈細数などが見られる。

症候を中医学的に分析すれば、湿熱が膀胱に下注して熱盛傷絡、迫血妄行すると小便が渋り痛み、血が混じる。血塊が尿路を閉塞するために疼痛満急が更に悪くなる。例えば、心火亢盛であれば、心煩、苔黄、脈数などは実熱の現象である。病が長期にわたり、腎陰不足になり、虚火灼絡で、脈絡が損傷されて、その結果、尿色が淡紅になるも渋痛が著しくなく、腰膝酸軟などが見られる。これは血淋の虚証に属する。以上のような分析になります。

治療原則は、実証に対しては、清熱通淋、涼血止血を、虚証には、滋陰清熱、補虚止血となります。

使用される方薬は、実証には、小薊飲子導赤散を用いる。小薊飲子中の小薊草は、30gまで多めに使い、生地黄は新鮮の物を適宜とする。甘草は生甘草が適宜であり瀉火に作用する。

導赤散」(小児薬用直決)も主方の一つです。組成は、生地黄 木通(通草、灯心草で代用) 生甘草梢9 淡竹葉6であり、清心瀉火 利水通淋に作用します。使用される証は「心経熱盛証」(プラス尿血)であり、具体的には、心胸煩熱、口渇面赤、渇欲冷水、口舌生+尿混濁、排尿痛であり、熱移小腸が病機であると説いています。心の臓腑関係は、心と小腸になりますが、熱移小腸は、西洋医学者にとっては、非常に「感覚的に乖離した概念」です。中医学説があらかじめ出来上がっているものですから、後世の中医学者も先人に敬意を表して用語漢字で表現しているのも、一部には現実であろうと私は思います。サイエンスは権力や権威とは無縁であるべきですが。小腸実熱について付記すれば、病機概要:多くは心火が小腸に移ったものである。

主要症状:思い悩む、不眠、口内炎ができる。小便が濃く、排尿もよく痛みを生じる。或いは血尿が見られる。舌苔は黄色で、舌質は紅い。脈は滑数であり。治療法則は清心火、導熱下行であり。方剤挙例すれば:導赤散(小児薬用直決)、凉膈散(和剤局方)等になります。導赤散(小児薬用直決):生地 木通(灯心草で代用) 生甘草梢9 淡竹叶6

効能 清心瀉火 利水通淋

心経熱盛証(心胸煩熱、口渇面赤、渇欲冷水、口舌生?)+(尿混濁、排尿痛)熱移小腸

もし血尿が著しく、痛みが甚だしい者には、人参三七琥珀粉を飲ませて、化瘀通淋止血をする。虚証には「知柏地黄丸」(医宗金鑑)にて滋陰清熱をし、旱蓮草阿膠小薊草などを加え補虚止血をはかると記載があります。補足すれば阿膠は中薬学では補血薬に分類されていますが同時に止血薬でもあり、滋陰潤肺作用もあり、婦人科では止血方で用いられています。琥珀は安神、活血散瘀、利尿通淋に作用します。重鎮安神薬で平性は琥珀のみです。凉膈散の膈は縦膈、横隔の意味であり、上焦中焦の熱を清熱+利尿泄熱+通便(以瀉代清)の組み合わせで解熱させるものです。組成は山梔子10連翹40薄荷10(後下)黄芩10竹叶30大黄 芒硝 甘草20であり、調胃承気湯が配伍されています。

 こうして、清利湿熱、解毒通淋法を見てみますと、慢性腎炎、慢性腎盂炎、尿路感染症、出血性膀胱炎、限局的な尿道炎など、現代医学で厳然と区別されている疾患を中医学で鑑別診断を行おうとしても、ほぼ不可能であるということです。しかし、治療効果という観点からすれば、一定の効果がある以上、無視できないものが中医学には存在します。私が、初めて中医学の腎病に接したときの印象は、問診と診察を怠らないようにしなければならないという臨床医の姿でした。パソコンの画面のみ注視し、診察は一切行わない腎病の臨床家が、日本の現実に存在します。胃腸症状は専門外、腰痛は勿論の専門外、脈も診なければ舌も診ないとする態度も、医療訴訟が増加しつつある昨今の医療現場では「許容されうる態度」でしょうか。問診と診察が直接に治療(投薬)に反映されない医学体系の中で育って来た医師にとって、情報源は画像と血液検査、尿検査の結果だけという偏った診療が「一般化」しているのは残念なことではあります。

自然界に存在する薬物を組み合わせ、用法するのが中国伝統医学です。温故知新を、更に進展させるのが明治維新後の日本の姿勢ですから、徹底的に基礎医学を深めなくてはなりません。後塵に甘んじたくなければ、研究を進めるしかありません。基礎研究には、お金もかかりますが、「仕分け」をプロパガンダ(宣伝)にしていた売国的民主党は葬られました。新生「自公(維、み)」に期待しましょう。 しかして?

ドクター康仁 記

細切れの時間を使ってモンローの版画を楽しんでいます。日本の女優では浅岡ルリコ(私はリリーって呼んでいます)がいいですね。イタリアの女優ではソフィアローレン。どんなに美形でも、線に「老い」は出てきますね。本日のマリリンには、隠せない老いが出ています。

Mm 

Marilyn Monroe in a black sweater. Original woodcut by Dr. Kojin


慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療3(再編集)

2012-12-20 15:49:45 | ブログ

前稿と内容は一致していますが、生薬の色分けや文字のフォントやサイズがブログに反映されていなかったので、視覚的に満足のいくものではありませんでした。それで、再編集を行いました。温薬は赤微温はオレンジ寒薬は濃いブルー涼微寒薬は薄いブルー平薬はグリーンでしまします。部分的タイトルは紫で記します。

さて、CKDに対する「益気健脾と活血化瘀法」を語る前に、はじめに、基本に戻りましょう。

益気とは「気」を増すことを意味します。これからお話することは中医基礎理論の分野に属します。生命活動を気 血 津液の3要素から弁じる中医学の論理体系の言語体系に従えば、気の功能は、以下の5つです。

1.推トゥイドン作用 血と津液を推し進める作用

2.温煦ウェンシュー作用 体を温める作用

3.防御ファンユー作用 衛気の作用と考えて可であり、外邪の生体侵入を防ぐ作用

4.固グーシャ作用 血、津液が漏れるのを抑える作用

5.気化作用 代謝を行う作用

大雑把でありますが、まずこの5つの作用を頭に叩き込まないと中医学に一歩たりともは入れません。

具体的な「気」の解釈を例をあげて述べます。

冷え性は気の温煦作用の低下によるものであるから原因は気虚であり、治療は補気が必要。

少し動いても、だらだらと発汗が多いなどの自汗は気の固作用の低下であるから気虚が病因となる。

高齢者の夜間頻尿はこれも固作用の低下であるから気虚。

男性の精液の洩れ(滑精)なども固作用の低下であるから気虚。

まだまだ大雑把です。検証しようとしても結果論的な検証しかないのです。その結果論にしても使用する生薬の解析が不十分ですから、検証を現代医学的に論理的に検証するにいたっていないのです。

気の固摂作用は、1、血液を固摂する2、尿液を固摂する3、精液を固摂する4、帯下を固摂するの、おおよそ4つですが、蛋白尿も糖尿も気の固摂作用の低下と拡大して考えます。

スライド 気の分類表

Photo_3 

水穀精微物質は飲食により、脾、胃から体内に取り込まれる物質を意味し、その栄養分である営気は血脈内に分布して血を造り、その「力」の成分は血脈外で衛気として表の①~④に働きます。「気は血を生む」という中医理論と矛盾しない体系になっています。呼吸により自然界の大気から体内に取り込まれる清気は宗気となり、呼吸と循環をつかさどります。元気は先天的に両親から受け取るもの(これを先天の精気といいます)と、後天的に水穀精微物質と清気から補充され、生命活動の原動力になります。人体を構成し、生命活動を維持するのが、気(きチー)、血(けつシュエ)、津液(しんえき、シンイェ)です。神志活動の際の、物質的基礎は「血」であると展開していきます。津液には涙液、汗液、腸液、関節液などを含みますが、血を含まないとしています。水液の昇降出入する通り道が三焦であるとしています。先天の精気に対する「後天の精気」という用語は、脾、胃から吸収される水穀精微物質(水穀精微)と肺から吸収される自然界の清気を意味します。

中医は脾、胃(土)を基本に考えます。現代人が弱い原因は、水穀の変化、自然界の清気(空気と考えてもよい)の汚染により、気の不足(気虚)に落ちっているからだという考えが主流です。気を形成する主な源は①先天の精気②自然界の清気③水穀の気ということになります。やや飛躍しますが、肺は気の主、脾胃は気血生化の源、腎は気の本という中医学の基本概念を紹介しておきます。順番を変えて、①肺は気の主②腎は気の本③脾胃は気血生化の源と覚える方がより中医学的です。

スライドのように、

気には、元気ユアンチー、宗気ゾンチ、営気インチ、衛気ウェイチの4つが存在します。

元気は原気、真気とも表現される場合がありますが、元気が一般的です。

先天的に親から受け継いだ「先天の精」を基礎として、出生後に水穀精微物質、自然界の清気から後天的に補充されるもので、三焦を通して全身に分布する。生命活動の原動力である。

宗気ゾンチ

呼吸により吸い込まれた自然界の清気と、脾胃からの水穀の精気から胸中で生成され、上焦(心、肺)に分布し、効能は上焦(心、肺)の機能と一致し、即ち呼吸を行し、心脈を貫きます。声の甲高い人に対して、中国では「宗気が高いね」と皮肉を言う場合があります。心不全は心筋の収縮力が衰えた状態ですが、中医学では宗気が衰えた状態であると認識されています。

営気インチ

水穀精微物質の栄養性が豊富なものから生成される。

血管(血脈)の中に分布し、効能は血を造る成分になることである。血液の生成のプロセスにもっとも重要な臓腑が脾胃と中医は考えます。

営気は純粋で陰に属し、衛気は慄疾滑利で陽に属するともいわれます。

営気は十二経脈、任脈、督脈を循行します。

衛気ウェイチ

水穀精微物質の力の部分より生成される。血脈の外側に分布し、防衛作用(主として外邪から生体を守る作用)が効能です。毛穴の開閉も衛気の作用である。外邪に対する防衛である。黄蓍の作用のひとつである益気固表とは皮膚の毛穴の開閉をコントロールし衛気を充満させることであるとされます。

衛気の作用をまとめると①外邪を防御 ②体温の維持 ③肌膚の温養 ④腠理の調節となります。したがって、中医は衛気が不足すると、低体温、風邪を引きやすくなる、自汗、病後の回復が遅くなる と述べています。

(けつシュエ

定義:血脈を流れる赤い液体

生成:水穀精微物質が脾、肺、腎、心、肝臓のそれぞれの気の効用により血となる

分布:血脈の中

運動:気の推動作用による

    心は血脈を司り

    肺は血脈を朝し

    肝は血を蔵し、

    脾は統血する

効能:栄養を与える 潤す

言ってしまえば当たり前のような、そうでないよう様な、大雑把な内容です。漢字の感覚をつかむようにしましょう。血の濡養機能が低下すると、顔色血色が無くなる、肢体が痺れる、皮膚(肌膚)が乾燥する、視力が減退すると中医学は説いています。

気と比べると血は陰に属します。陰血という言葉がありますが、血が陰に属するので陰血と呼ぶというような定義の仕方がありますが、これには納得できません。次ぎに述べる津液も陰に属しますが、陰津液という用語はありません。陰液という用語はあります。私の感覚では陰血というのは津液も含む用語ではないかというものです。

津液

体内のすべての正常な水液の総称です。気、血、津液は生命活動を維持します。

津は稀薄(きはく)で、皮膚、筋肉、孔竅に分散し、血脈の中に注いで滋潤作用に優れ、液は粘稠(ねんちょう)で骨節、臓腑、脳、髄に注ぎ、濡養作用(栄養作用)に優れるものを称します。

津液の生成と輸布

津液は脾の「水湿運化作用」により水穀から小腸、大腸より吸収され、脾の「昇清作用」により肺に運ばれ、肝の疏泄作用とともに肺の主気作用、宣発粛降作用(通調水道作用)により三焦をめぐり、肺の宣発作用の一部として汗になるとともに、腎の気化作用により、利尿(降濁作用)によってその量が調節されます。

脾の昇清シャンチン


慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療3

2012-12-16 18:56:52 | Marilyn Monroe マリリン モンロー
益気健脾と活血化瘀法
はじめに、基本に戻りましょう。
益気とは「気」を増すことを意味します。これからお話することは中医基礎理論の分野に属します。生命活動を気 血 津液の3要素から弁じる中医学の論理体系の言語体系に従えば、気の功能は、以下の5つです。
1.推動トゥイドン作用 血と津液を推し進める作用
2.温煦ウェンシュー作用 体を温める作用
3.防御ファンユー作用 衛気の作用と考えて可であり、外邪の生体侵入を防ぐ作用
4.固摂グーシャ作用 血、津液が漏れるのを抑える作用
5.気化作用 代謝を行う作用
大雑把でありますが、まずこの5つの作用を頭に叩き込まないと中医学に一歩たりともは入れません。

すでに、面倒だなぁという印象を与えてしまったかもしれません。
具体的な「気」の解釈を例をあげて述べます。
冷え性は気の温煦作用の低下によるものであるから原因は気虚であり、治療は補気が必要。
少し動いても、だらだらと発汗が多いなどの自汗は気の固摂作用の低下であるから気虚が病因となる。
高齢者の夜間頻尿はこれも固摂作用の低下であるから気虚。
男性の精液の洩れ(滑精)なども固摂作用の低下であるから気虚。
まだまだ大雑把です。検証しようとしても結果論的な検証しかないのです。その結果論にしても使用する生薬の解析が不十分ですから、検証を現代医学的に論理的に検証するにいたっていないのです。
気の固摂作用は、1、血液を固摂する2、尿液を固摂する3、精液を固摂する4、帯下を固摂するの、おおよそ4つですが、蛋白尿も糖尿も気の固摂作用の低下と拡大して考えます。
スライド 気の分類表

Photo_6

水穀精微物質は飲食により、脾、胃から体内に取り込まれる物質を意味し、その栄養分である営気は血脈内に分布して血を造り、その「力」の成分は血脈外で衛気として表の①~④に働きます。「気は血を生む」という中医理論と矛盾しない体系になっています。呼吸により自然界の大気から体内に取り込まれる清気は宗気となり、呼吸と循環をつかさどります。元気は先天的に両親から受け取るもの(これを先天の精気といいます)と、後天的に水穀精微物質と清気から補充され、生命活動の原動力になります。人体を構成し、生命活動を維持するのが、気(きチー)、血(けつシュエ)、津液(しんえき、シンイェ)です。神志活動の際の、物質的基礎は「血」であると展開していきます。津液には涙液、汗液、腸液、関節液などを含みますが、血を含まないとしています。水液の昇降出入する通り道が三焦であるとしています。先天の精気に対する「後天の精気」という用語は、脾、胃から吸収される水穀精微物質(水穀精微)と肺から吸収される自然界の清気を意味します。
中医は脾、胃(土)を基本に考えます。現代人が弱い原因は、水穀の変化、自然界の清気(空気と考えてもよい)の汚染により、気の不足(気虚)に落ちっているからだという考えが主流です。気を形成する主な源は①先天の精気②自然界の清気③水穀の気ということになります。やや飛躍しますが、肺は気の主、脾胃は気血生化の源、腎は気の本という中医学の基本概念を紹介しておきます。順番を変えて、①肺は気の主②腎は気の本③脾胃は気血生化の源と覚える方がより中医学的です。
スライドのように、
気には、元気ユアンチー、宗気ゾンチ、営気インチ、衛気ウェイチの4つが存在します。
ここで、また気分転換にMonroeに登場してもらいます。

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元気は原気、真気とも表現される場合がありますが、元気が一般的です。
先天的に親から受け継いだ「先天の精」を基礎として、出生後に水穀精微物質、自然界の清気から後天的に補充されるもので、三焦を通して全身に分布する。生命活動の原動力である。

宗気ゾンチ
呼吸により吸い込まれた自然界の清気と、脾胃からの水穀の精気から胸中で生成され、上焦(心、肺)に分布し、効能は上焦(心、肺)の機能と一致し、即ち呼吸を行し、心脈を貫きます。声の甲高い人に対して、中国では「宗気が高いね」と皮肉を言う場合があります。心不全は心筋の収縮力が衰えた状態ですが、中医学では宗気が衰えた状態であると認識されています。

営気インチ
水穀精微物質の栄養性が豊富なものから生成される。
血管(血脈)の中に分布し、効能は血を造る成分になることである。血液の生成のプロセスにもっとも重要な臓腑が脾胃と中医は考えます。
営気は純粋で陰に属し、衛気は慄疾滑利で陽に属するともいわれます。
営気は十二経脈、任脈、督脈を循行します。

衛気ウェイチ
水穀精微物質の力の部分より生成される。血脈の外側に分布し、防衛作用(主として外邪から生体を守る作用)が効能です。毛穴の開閉も衛気の作用である。外邪に対する防衛である。黄蓍の作用のひとつである益気固表とは皮膚の毛穴の開閉をコントロールし衛気を充満させることであるとされます。
衛気の作用をまとめると①外邪を防御 ②体温の維持 ③肌膚の温養 ④腠理の調節となります。したがって、中医は衛気が不足すると、低体温、風邪を引きやすくなる、自汗、病後の回復が遅くなる と述べています。

血(けつシュエ)
定義:血脈を流れる赤い液体
生成:水穀精微物質が脾、肺、腎、心、肝臓のそれぞれの気の効用により血となる
分布:血脈の中
運動:気の推動作用による
    心は血脈を司り
    肺は血脈を朝し
    肝は血を蔵し、
    脾は統血する
効能:栄養を与える 潤す
言ってしまえば当たり前のような、そうでないよう様な、大雑把な内容です。漢字の感覚をつかむようにしましょう。血の濡養機能が低下すると、顔色血色が無くなる、肢体が痺れる、皮膚(肌膚)が乾燥する、視力が減退すると中医学は説いています。
気と比べると血は陰に属します。陰血という言葉がありますが、血が陰に属するので陰血と呼ぶというような定義の仕方がありますが、これには納得できません。次ぎに述べる津液も陰に属しますが、陰津液という用語はありません。陰液という用語はあります。私の感覚では陰血というのは津液も含む用語ではないかというものです。

津液
体内のすべての正常な水液の総称です。気、血、津液は生命活動を維持します。
津は稀薄(きはく)で、皮膚、筋肉、孔竅に分散し、血脈の中に注いで滋潤作用に優れ、液は粘稠(ねんちょう)で骨節、臓腑、脳、髄に注ぎ、濡養作用(栄養作用)に優れるものを称します。
津液の生成と輸布
津液は脾の「水湿運化作用」により水穀から小腸、大腸より吸収され、脾の「昇清作用」により肺に運ばれ、肝の疏泄作用とともに肺の主気作用、宣発粛降作用(通調水道作用)により三焦をめぐり、肺の宣発作用の一部として汗になるとともに、腎の気化作用により、利尿(降濁作用)によってその量が調節されます。
脾の昇清シャンチン降濁ジャンジュオ作用
脾は水穀精微物質より清なるものを肺に上昇させる 
脾は水穀精微物質より濁なるものを腸に降ろすという作用を昇清降濁作用といいます。降濁作用が大便に繋がると考えれば簡単な理論です。

気 血 津液の相互関係
気と血の関係を語る上で四文字熟語で、気為血帥チーウェイシュエシュアイ血為気母シュエウェイチームーという言い回しがあります。気は血の帥であり、血は気の母であるという意味ですが、この意味は、
① 気は血を生むことが出来る。営気は五臓の気の作用により血となる。
② 気は血をめぐらすことが出来る。血は心の宗気作用により動く。血は肝臓の疏泄(そせつ シューシエ)作用により滞りなく動く。
③気は血を固摂(こせつ グーシャ)させることが出来る
固摂の具体的解釈を述べれば、無理なダイエットによる若い女性の出血傾向(皮下、薄、長い生理)は固摂作用の低下であり気虚を考える。
原因不明の歯肉出血(血小板数に異常なし)などは気虚と考え、補気剤として補中益気湯を投与する。
④血は気の母である。
イメージとしては、血液細胞に気が乗っかっているというものです。気は血の元帥(指揮者)である同時に血から栄養をもらっているというイメージを持ちます。
具体的な治療的解釈について述べれば、
血虚に対しては補血とともに補気をおこなう (気は血の帥であるから)。瘀血(ユーシュエ)(気滞チージーが原因の時)には、活血フオシュエとともに行気シンチーを行うということになります。
五文字熟語もありますので紹介します。
奪血者無汗とは、
津液も血も水穀から生成され「津血同源」であるために、大量の出血などの場合は津液も失われ無汗となることを意味します。
奪汗者無血とは、
津液も血も水穀から生成され「津血同源」であるために、大量に発汗すると脈内の津液が不足し血脈が空虚になることを意味します。西洋医学的には血液濃縮の状態といえるでしょう。けっして無血となるわけではありません。
まとめると、気は血を①生成②行血③固摂する。④気は血の師、血は気の母

気と津液の関係
1.気は津液を生むことが出来る
2.気は津液をめぐらすことが出来る
3.気は津液を固摂することが出来る
4.津液は気の母でもある
以上のようになります。
具体的解釈を述べれば、
夏はなぜ疲れるか?汗と一緒に気が失われ気虚になるからと説明します。
イメージを述べれば、汗に気が乗っており、汗と一緒に気も失われるイメージです。
下痢による疲労感は津液とともに気が失われ気虚となる。これを、気随津脱(きずいしんだつ チースイジントゥオ)といいます。津は気を載せると考えます。それで、嘔吐と下痢の後は、気を全うすることが出来ないと中医は説きます。
気虚が進めば、血虚、血瘀、出血、水停滞、津泄の全てが起こりえます。
気血生化の源は脾ですから、脾を強化することがすなわち益気という意味になります。使用する生薬は補気薬ということになります。気虚はすなわち瘀血を生みますので、益気健脾と活血化瘀法の必要性が生じます。
やれやれ、面倒くさい話になってきました。また気分転換しましょう。

さて、本論に戻って、
神疲乏力(しんぴぼうりょく)(疲れやすいこと)、面色萎黄(めんしょくいおう)(顔色に華がなく萎えた枯葉色の黄色)、納差腹張(のうさふくちょう)(食欲がなく、腹が張る)、肢涼便溏(しりょうべんとう)(手足が冷えて、軟便)、顕微鏡学的血尿があり、舌質が淡暗、脈が沈細などの証があります。脾気が虚損し、固摂の低下で不摂精となり、不統血になるが故に、蛋白尿や血尿が生じると考えます。運化が失調すれば、清気不足となるために、神疲乏力、面色萎黄、納差腹張、肢涼便溏が生じます。舌質が淡暗、脈が沈細は気虚血瘀の象です。「補中益気湯」加味(黄蓍、人参、白朮、炙甘草、柴胡、升麻、当帰、陳皮、茯苓、川芎、益母草、砂仁)を投与します。黄蓍、人参、白朮、炙甘草、柴胡、升麻、当帰、陳皮は補中益気湯そのものです。人参、茯苓、白朮、炙甘草は四君子湯そのものです。方中、人参(または党参)、黄蓍、白朮、茯苓は健脾益気に、当帰、川芎、益母草は補血活血に、陳皮、砂仁は理気醒脾に作用し、中焦の気机を滑らかに整え、胃のもたれを防止します。柴胡、升麻は甘温の気を上昇させ、甘草は調和諸薬に働きます。肉眼的血尿がある場合には、白茅根、大薊、小薊を加え、湿熱の証があれば、黄柏、石葦を加味し、風邪を引きやすい場合には防風を加味します。玉屏風散(黄蓍、白朮、防風)の組み合わせの「防風」ですね。
前の講座での「銀蒲玄麦甘桔湯」の組成、金銀花、蒲公英、玄参、麦門冬、生甘草、桔梗と全体的に涼寒の性質が強い方剤に比較して、温薬の配合がみられます。
IgA腎炎の病期により、証に即応して治療することの一例が補中益気湯+涼血活血薬の組み合わせでしょう。
続く。

ドクター康仁 記
投票に行ってきました。明日の未明までには次期政権が決定されるでしょう。

すこし本論に戻りますが、

瘀血とは?
体内における血液停滞、離経の血液など経脈と臓腑の阻滞した血の総称をさします。
気滞により血が十分にめぐらず血瘀が生じる。
気不摂血により出血し離経の瘀血が生じる。
気虚によっても血が十分にめぐらず血瘀が生じる。
(血寒によっても瘀血は生じる)
(血熱によっても離経の瘀血を生じる)
実は解説しているとキリが無いのです。
口にチャックして話すことをやめたMonroeを最後にどうぞ。

I've made up my mind not to speak any more tonight.
Marilyn Monroe original woodcut by Dr. Kojin.

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慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療2

2012-12-14 00:15:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

「治る腎炎」と「治らない腎炎」と、大別すれば、IgA腎炎は「治らない腎炎」に入るでしょう。発症のメカニズムはまだ不明ですが、恐らくは免疫複合体病の範疇に入る疾患です。抗原は現在までのところ、ある種の細菌であろうと推定されていますが、腎臓の糸球体にその抗原が確実に明示されてはいません。抗体であるIgA(サブクラスではIgA1)は多量に存在しますが、その相手の抗原の特定となると、ここしばらく、誰も研究を怠っている感じを持ちます。同じく、糸球体のメサンギウムにIgAが発見される紫斑病性腎炎でもIgAの相手、つまり抗原が同定されていないのです。ヒトIgA腎炎の実験的な動物モデルが現在のところ無いのが残念なことです。

西洋医学的表現での、上気道感染症がIgA腎炎の発症に重大な役割を果たしていることは、想像はつくのですが、その仮説を実証する動物モデルがありません。現在行われている扁桃腺摘出の治療法は、その仮説に依るものです。医療統計学でのコホート研究にしても、プロスペクティブ研究にしても、相手が人間である場合には、倫理学的にも許容範囲があります。それが動物モデルの開発の重要性の所以になるのですが、いまだにありません。

ですから、日本の10倍以上の人口があり、同じ、東洋人としてのIgA腎炎の発症率が高い現状をかんがみれば、中国での、特に漢方医学を中心としたプロスペクティブ研究の重大性があります。

ところが、我々日本人が中国の医療統計(症例報告を含む)を、検証するには、とりあえず、後ろ向きのレトロスペクティブの報告を眺めることになるのですが、広大な中国には、患者の個人差、地域差も大きく、また、それを診る医師も統一的な見解に依って治療しているわけではなく、学派、師弟間に培われた別個の治療法があるといっても過言ではありません。それが情報開示、ネット社会の発達によって、ある程度の、共通認識が出来上がりつつありますが、なにぶんにも、伝統医学の特殊な言語体系が2000年にもわたり、漢方医学を支配しているので、治療者は各自、独自な解釈を持たなければ、新しい治療を試みることには消極的になるでしょう。

「銀蒲玄麦甘桔湯」(ジンプシュアンマイガンジエタン)うまく中国語で表記できませんが、日本語なら(ぎんほげんばくかんき湯)となるのでしょうか。初めて目にしたのは、2005年版の中国書籍「腎病 古今名家 験案全析」(科学技術文献出版社)でした。

CKDでも特にIgA腎炎での疏風散熱剤として紹介されていました。「清上治下」法という四文字熟語を目にしたのも最初でした。「清上治下」の上とは上焦というよりも、先に述べた上気道感染症も含めた臓腑熱「肺熱」を「上」を示すようです。「治下」の下は腎と膀胱を指すようです。私も含めた西洋医学者にとっては、IgA腎炎の発症に重大な役割を果たしている上気道感染症と腎炎発症を治療する「清上治下」ということになりますので、IgA腎炎に限らず、典型例としては溶血性連鎖球菌感染後の急性糸球体腎炎(PSAGN)が挙げられます。なにかしら、ご都合主義的なものを、四文字熟語「清上治下」に感じました。というのは、PSAGNIgA腎炎は「治る腎炎」と「治らない腎炎」と、大別する立場からすると、共通点を上気道感染の関与とすること以外に、発症後の経過が大いに違うからです。PSAGNは原則的に治る腎炎であり、IgA腎炎は「治らない腎炎」という印象が長い間、私は持ち続けていたからです。専門的になりますが、PSAGNは兎の古典的なワンショットBSA(牛血清アルブミン)腎炎という動物モデルが近似しますが、兎に上気道感染を起こさせるものではない一方で、いまだにIgA腎炎のような動物モデルがないからです。近似モデルすらも見当たりません。銀蒲玄麦甘桔湯に関しては、ヤフーチャイナで文献が多数検索できます。

ともかく、銀蒲玄麦甘桔湯の組成を検証して見ましょう。銀花蒲公英玄参麦門冬生甘草桔梗と全体的に涼寒の性質が強い方剤です。銀花、蒲公英は疏風清熱に、玄参、麦門冬、桔梗は滋陰利咽に、生甘草は清熱解毒、調和諸薬に作用すると述べられています。私の印象では、同じ清熱解毒剤でも、衛分の代表方剤である銀翹散の君薬としての金銀花より蒲公英の方がより、中医学でいう「血分」に近く作用するという印象があります。蒲公英には、清熱解毒 利湿通淋