医者は「平穏に冷静に」が常日頃の心構えである。
全身性の蕁麻疹の初診の中年男性。
「ここ3ヶ月他の医者に診てもらってるんやが、だんだんひどうなるばかりで」
「内臓悪いかもしれんといわれていろいろ検査したんだがなあ」
「これとこれとこれとこれ」データを沢山目の前に突き出してくる。
こういう場合は、食生活やサプルメントの影響が多い。
私「辛くてかっかと火照るものはしばらくいけませんよ」
患者「アルコールは1週間やめたがな」
私「アルコールは勿論、香辛料、例えばキムチなどはいけませんよ」
患者「そんなもん食べても関係あらへんわ」
私「直接アレルギーの元ではなくても、炎症を促進するものは、これ、これこういうものです」と丁寧に紙に書いて説明した。
私「何かサプルメントお飲みですか?」
患者「べつに」「食い物と関係あらへんがな」
私「診療経過を診るために写真を撮っておきましょうね。」
患者は膝下と二の腕しか見せない。
私「寒くなかったら、上半身脱いでくれますか?」
患者は面倒臭そうに脱ぐ、そこで、写真を2枚撮った。
途端に患者が「切れた」のである。
患者「もうええわ、診療拒否だわ」
私「食事制限は無理強いするわけじゃないんですよ」
患者「もうええ、診療拒否」
写真を撮られるのを極端に避ける人物には何か必ず問題があると私は思っている。
私「そうですか?それじゃ仕方ないですね。」
患者は逃げるように診察料も払わずに出て行った。
合計診察時間25分、他病院の検査の説明もして、投薬内容の説明もして、
挙句の果てが「患者からの診療拒否」。
こんな患者とは初めから付き合うのはごめんこうむりたい。医者は患者を選べない。
患者が「診療拒否」と大口叩く時代になったのか。
2013年8月26日(月) 記
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