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慢性腎不全 漢方薬 3(善用活血化瘀法 2)(腎病漢方治療 387報)

2014-06-15 00:15:00 | 慢性腎不全 漢方薬

 

慢性腎不全に随伴する高凝血症の処理:慢性腎不全には大半の場合、血液の凝固、高黏血症を伴い、腎不全の加速因子の一つになります。故に、活血祛瘀は慢性腎不全の重要な治則となります。清代の「医林改錯」中、有名な血腑逐瘀湯の王清任の「解毒活血湯」の加味方(連翹20g 桃仁15g 紅花15g 赤芍20g 生地黄20g 葛根15g 当帰15g 牡丹皮15g 丹参20g 柴胡20g 枳殻15g 甘草10g 大黄7g)(等)」の大黄丹参の加味により、比較的良好な治療効果が得られます。<o:p></o:p>

 

活血解毒の薬剤と補脾補腎益気の薬剤の合用は、腎機能を改善させ、病勢の発展を弛緩させ良好な治療効果につながります。<o:p></o:p>

 

高窒素血症に解毒活血治療を施すことにより、BUNCreを下降させ、数は少ないものの、症例によっては、奏功してBUNCreレベルを、特にBUNは正常域にまで改善させることが不可能ではありません。活血化瘀泄濁法は慢性腎不全の終始一貫する治則です。<o:p></o:p>

 

腎不全で維持透析を受けている患者さんのシャントトラブル(何度も内シャント手術を繰り返し、人工血管のグラフトも複数回になるような場合)に対しても、私は丹参、大黄を中心に投与して良好な結果を確認しつつあります。問題となるような高カリウム血症も経験していません。また止血が困難になるような経験もありません。慢性腎不全があり、便秘を伴う症例に接すると、殆どの症例が、単なる軟便剤とセンナ由来の薬剤で治療されていることが多いのですが、「大黄」の配伍されている活血泄濁痛便剤がふさわしいと思うのです。<o:p></o:p>

 

活血化瘀と通腑泄濁の併用配合運用:中医学用語の「去苑陳」から説明申しあげます。出典は「素問:湯液醪醴論」で、莝とは陳旧性の雑草の如き汚水や汚物という意味で、それら水液廃物を削り取る、除去するのが「去苑」になります。<o:p></o:p>

 

次に「開後竅以利前陰」とは、後竅即ち大腸肛門系を開き(泄濁通便する)、以って、前陰(腎小便系)を利するという意味になります。<o:p></o:p>

 

具体的には、丹参 桃仁 当帰 紅花 川芎 草果仁等と大黄 蒼朮 半夏等を合用し、大便を通暢させ、腎機能を改善させる法を指します。現代薬理実験では、活血化瘀薬は血液循環を改善させる他に、免疫調整機能を有し、腎血管平滑筋を弛緩させ、腎血流量を維持或いは増加させる、抗感染及び抗凝固作用などの効果が確かめられつつあります。通腑泄濁薬は臨床観察により腎機能改善に寄与します。即ち、「去苑陳」の法であり、毒邪瘀濁を大便に排出させ、腸内を清潔に保ち、即ち開後竅以利前陰」にて腎臓の負担を軽減することになります。活血化瘀、通腑泄濁の合用は慢性腎不全の腎機能回復、腎機能低下の延緩に有効であるとする経験的理論です。<o:p></o:p>

 

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2014615日(<o:p></o:p>

 


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