湿熱毒邪が血分に入ると、血絡瘀阻が主体となり、臨床症候としての、頭痛少寝、五心煩熱、心神が落ち着かず、悪心嘔吐、舌紫少苔或いは瘀斑が有り、舌下静脈が紫暗、顔色に艶が無く、脈弦或いは弦数等は、慢性腎不全、高凝高黏状態に符合し、表現は血瘀証であり、治療は清熱解毒活血化瘀法が宜しいのです。<o:p></o:p>
方用 加味活血解毒湯:連翹(清熱解毒利湿)20g 桃仁(活血化瘀 潤腸通便)15g 紅花(温経活血)15g 当帰(養血活血)15g 枳殻(理気下降)15g 葛根(舒筋活絡 活血化瘀)20g 赤芍(清熱涼血 祛瘀止痛)15g 生地黄(養陰清熱)20g 牡丹皮(清熱活血涼血 退虚熱)15g 丹参(活血祛瘀)20g 柴胡(疏肝理気 清熱 升陽)20g 甘草15g 大黄(活血通腑泄濁)7g 水煎服用<o:p></o:p>
慢性腎不全の多くは腎病が慢性化し、(その障害は)気から血にまで及び、腎絡痺阻が瘀に到ったものであり、唐容川(1846-1897 清代中医学者 中西医?通医経精義で知られる)の言うように、所謂、離経の血が散じることなく瘀を形成します。慢性腎不全は、常に蛋白尿、血尿を長く治療しても治癒せず、次第に腎機能が悪化しても顕著な症状を呈さず、発病初期には皮膚に瘀点あるいは瘀斑、舌体青紫、面色蒼黒、肌膚甲錯、脈象渋、緊、沈遅等の症候を見るにようになります。活血化瘀の治療が必須であり、張琪氏の経験では、慢性腎不全の治療に活血化瘀法は最佳であるとしています。<o:p></o:p>
加味活血解毒湯方中、桃仁 紅花 赤芍 生地黄は活血散瘀、涼血清熱に作用し、慢性腎不全の高凝には、大黄 丹参 葛根等が必須です。葛根黄?(葛根フラボノイド)は血管拡張作用と同時に、解毒作用もあります。瘀血は慢性腎不全の病理産物であると同時に病情進行の因子の一つなのです。瘀血は生命体に長く留まり影響を与えると病機を複雑化させ、病情を遷延させ治癒困難にさせます。<o:p></o:p>
病理実験では、毛細血管内皮細胞の増殖、血小板凝集、フィブリノーゲン/フィブリンの滲出、半月体形成と瘀血には関連があり、活血薬を使用すると、確かに腎実質内の瘀滞を改善させ、病情発展を延緩させ、血流量を改善し、間質の繊維化を抑制し、腎不全の進展を延緩させ、中には腎臓病変を中止、ほぼ治癒させる場合もあります。<o:p></o:p>
典型的な血瘀の症候に乏しい場合には、ヘモダイナミクス(血流力学)に留意しながら投薬を進めることになります。<o:p></o:p>
慢性腎不全の治療には、芳化湿濁或いは清熱解毒、補益肝腎、益脾胃、補気血等全てに活血祛瘀を併用補佐すれば、良好な治療結果が得られます。<o:p></o:p>
本稿は慢性腎不全 漢方薬 3(善用活血化瘀法 2)(腎病漢方治療 387報)と一部内容が重複していますが、併せてご参照ください。<o:p></o:p>
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2014年6月18日(水)<o:p></o:p>
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