gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

慢性腎不全 張琪氏漢方治療1.(腎病漢方治療201報)

2013-11-15 00:15:00 | 慢性腎不全の漢方治療

張琪氏

国医大師の選考基準は55年以上の臨床経験を持つこととされます。現代の日本では最短で22歳で医師となり77歳まで臨床の現場に携わることは、医学部付属病院ないし医学部では不可能なことです。張琪氏を紹介します。

張琪氏は192212月生まれ 黒竜江省中医研究院主任医師。19421月より医療活動。全国老中医薬専門家学術経験継承工作指導者、黒竜江省名老中医です。

2009年に国医大師の称号を贈られました。

氏の医案に感じることは、中医案にありがちな、誇大表現が無いということです。

張琪氏の人柄も感じさせられます。西洋医学データのある場合は記載し、無い場合は捏造せずに、中医治療の結果のみを淡々と述べ、作為がありません。信頼できる医案です。そこで、氏の医案を改めて読み返すことにしました。

方剤の加減についは( )内に小生が付記しました。

患者:蘇某 67歳 女性

初診年月日2006年3月10日

主訴:倦怠無力多年

病歴

患者は慢性腎不全にて多年倦怠無力があり、多方面での治療でも、病状はまだコントロールを得なかった。

初診時所見:近日、嘔気、食欲無く、口干、口苦、大便2~3回/日、全身掻痒、舌質紅、苔黄厚にして膩、脈滑数。血圧120/80mmHg。腎機能:Cre713.6μmol/L(8.06mg/dl)、BUN22.26mmol/L(133mg/dl):ヘモグロビン8.3g/dlRBC265万

中医弁証:湿濁化熱 胃熱陰虚

西医診断:慢性腎盂腎炎 慢性腎不全(尿毒症期)

治法;清胃熱 養胃陰 化湿濁

方薬甘露飲加減

生地黄20g 茵陳蒿15g 黄芩15g 枳殻15g 石斛20g 麦門冬15g 砂仁15g 草果仁15g 白豆蔲15g 甘松15g 黄連10g 大黄10g 藿香15g 紫蘇15g 苦参15g 地膚子20g 白鮮皮20g 桃仁20g 山茱萸20g 莵絲子20g 枸杞子20g 白朮20g

20剤、水煎服用、日に1剤、2回に分けて服用

二診 2006年3月30日

食欲好転、嘔気、掻痒共に軽くなるが、まだ口苦あり、大便3回/日、眩暈 睡眠不良、舌質紅苔黄膩、脈弦滑やや数。腎機能:Cre658μmol/L(7.43mg/dl)、BUN26.15mmol/L(156.9mg/dl)。弁証は同前、上方加減治療を継続。

方薬:

生地黄20g 茵陳蒿15g 黄芩15g 枳殻15g 石斛20g 麦門冬15g 砂仁15g 草果仁15g 白豆蔲15g 藿香15g 半夏15g 陳皮15g 竹茹15g 菊花20g紫蘇15g 苦参15g 地膚子